保険診療Q&A

掲載日:2020年10月14日

医療機関等における保険診療についてのQ&Aを掲載しています。

差額ベッド(特別療養環境室)

質問

尿管結石症の疑いで緊急入院となり、特別療養環境室の個室に入院した。病院からは特別療養環境室料等についての説明はなく、同意書にもサインしていない。この場合において当該室料を支払わなければならないのか。

回答

患者側が特別療養環境室への入院を希望しておらず、病院側も同意書による同意の確認を行っていないのであれば、厚生労働省の通知(下記の一口メモを参照してください。)のとおり病院は患者に対して当該室料を求めてはならないので、支払う必要はありません。

質問

家族が入院したが、看護師が近くに待機している部屋を薦められて、同意書を書いてナースステーションの近くの個室に入院している。退院に際して保険外の費用として多額の特別療養環境室料を請求された。こうした場合は、「治療上の必要」があったことを理由に当該室料の支払いが免除されるのか。

回答

厚生労働省の通知のとおり、患者本人の「治療上の必要」により特別療養環境室に入院させる場合や、病棟管理の必要性等から特別療養環境室に入院させた場合で実質的に患者の選択によらない場合は、当該室料を求めてはならないとされています。ただし、「治療上の必要」や「病棟管理の必要性等」に該当するかどうかは、入院先の医療機関や担当医が医学的見地から判断することになります。

一口メモ

厚生労働省の通知では、特別療養環境室について次のとおり定められております。

1.療養環境

特別療養環境室の療養環境については、次の(1)から(4)の要件を満たしていなければならない。

  1. 病室の病床数は4床以下であること。
  2. 病室の面積は1人当たり6.4平方メートル以上であること。
  3. 病床ごとのプライバシーの確保を図るための設備を備えていること。
  4. 特別の療養環境として適切な設備を備えていること。

2.療養環境の提供

特別の療養環境の提供は、患者への十分な情報提供を行い、患者の自由な選択と同意に基づいて行われる必要があり、患者の意に反して特別療養環境室に入院させられることのないようにしなければならない。

3.院内掲示

保険医療機関内の見やすい場所、例えば、受付窓口、待合室等に特別療養環境室の各々について、そのベッド数、特別療養環境室の場所及び料金を患者にとって分かりやすく掲示しておくこと。

4.説明と同意

特別療養環境室への入院を希望する患者に対しては、特別療養環境室の設備構造、料金等について明確かつ懇切に丁寧に説明し、患者側の同意を確認のうえ入院させること。またこの同意の確認は、料金等を明示した文書に患者側の署名を受けることにより行うものであること。

5.料金を求めてはならない場合

特別療養環境室料については、次の(1)から(3)の事例のいずれかの事例が当てはまる場合には請求してはならないとされています。

(1)同意書による同意の確認を行っていない場合(当該同意書が、室料の記載がない、患者側の署名がない等内容が不十分である場合を含む。)

(2)患者本人の「治療上の必要」により特別療養環境室へ入院させる場合

  • 救急患者、術後患者等であって、病状が重篤なため安静を必要とする者、又は常時監視を要し、適時適切な看護及び介助を必要とする者
  • 免疫力が低下し、感染症に罹患するおそれのある患者
  • 集中治療の実施、著しい身体的・精神的苦痛を緩和する必要のある終末期の患者
  • 後天性免疫不全症候群の病原体に感染している患者(患者が通常の個室よりも特別の設備の整った個室への入室を特に希望した場合を除く。)
  • クロイツフェルト・ヤコブ病の患者(患者が通常の個室よりも特別の設備の整った個室への入室を特に希望した場合を除く。)

(3)病棟管理の必要性等から特別療養環境室に入院させた場合であって、実質的に患者の選択によらない場合

  • MRSA等に感染している患者であって、主治医等が他の入院患者の院内感染を防止するため、実質的に患者の選択によらず入院させたと認められる者
  • 特別療養環境室以外の病室の病床が満床であるため、特別療養環境室に入院させた患者の場合

なお、「治療上の必要」に該当しなくなった場合など、上記の(2)又は(3)に該当しなくなったときは、患者の意に反して特別療養環境室への入院が続けられることがないよう改めて同意書により患者の意思を確認する等、その取扱いに十分に配慮すること。 

差額ベッド(特別療養環境室)に関する厚生労働省の通知は、こちらをご参照ください。

「「療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等」及び「保険外併用療養費に係る厚生労働大臣が定める医薬品等」の実施上の留意事項について」の一部改正について(別ウィンドウで開きます)(PDF:512KB)(別ウィンドウで開きます)

(平成18年3月13日付け保医発第0313003号(最終改正:令和2年3月5日付け保医発0305第5号)第3の12特別の療養環境の提供に係る基準に関する事項)

初・再診料

質問

診療所に外来で受診した。医師による診察はなく、検査しか行っていないのに、再診料と、特定疾患療養管理料が請求された。

回答

一般的に医師による具体的な診療行為がなければ再診料や特定疾患療養管理料の算定はできない事例だと考えられますので、受診された医療機関に算定の理由を確認されることをお勧めします。

質問

診療所に受診(再診)し、検査を受けた。医師から検査結果は3日後にわかるので、後日、来院するよう言われたので、3日後に来院したところ、受付の看護師から検査結果の説明を受け、検査結果報告書をもらった。終始、医師の診察はなかったが再診料を請求された。

回答

来院した際、医師の診察行為がないので再診料を請求することはできません。

質問

高血圧の持病があり診療所に通院している。長期投薬をしてもらっていたのだが、薬を飲み終わり薬をもらいに診療所に行ったところ、初診料を請求された。

回答

厚生労働省の通知によれば、診療を中止した訳でなく、明らかに同一の疾病に基づく診療であるとすれば、再診料を算定すべきであり、初診料の算定には疑問があります。

質問

健康診断を受けたところ、異常所見がみられたため、当該医療機関で精密検査を受けた。会計で支払いを済ませた際に領収書の内容を確認したところ、健康診断の費用以外に初診料、検査料の請求がされていた。

回答

健康診断で異常所見がみられ、当該医療機関で精密検査を行った場合は、精密検査が健康診断の当日、後日いずれの場合であっても初診料の保険請求は認められません。(検査料は保険請求できます。)

一口メモ

厚生労働省の通知によると、次に掲げる場合には、初診又は再診が行われた同一日であるか否かにかかわらず、当該初診又は再診に附随する一連の行為とみなされるため、これらに要する費用は初診料又は再診料(外来診療料)に含まれ、別に再診料(外来診療料)は算定できないこととされています。

  • 初診時又は再診時に行った検査、画像診断の結果のみを聞きに来た場合
  • 往診等の後に薬剤のみを取りに来た場合
  • 初診又は再診の際検査、画像診断、手術等の必要を認めたが、いったん帰宅し、後で又は後日に検査、画像診断、手術等を受けに来た場合

また、患者が任意に診療を中止し、1月以上経過した後、再び同一の保険医療機関において診療を受ける場合には、その診療が同じ病名又は同じ症状によるものであっても、その際の診療は初診として取り扱うものとされています。ただし、その場合でも、慢性疾患などの明らかに同一の疾病又は負傷であると推定される場合の診療は、初診として取り扱わないとされています。

その他、健康診断の取り扱いに係る厚生労働省の通知は次のとおりです。

  1. 自他覚的症状がなく健康診断を目的とする受診により疾患が発見された患者について、保険医が特に治療の必要性を認め治療を開始した場合には、初診料は算定できない。ただし、当該治療(初診を除く。)については、医療保険給付対象として診療報酬を算定できる。
  2. 1.にかかわらず、健康診断で疾患が発見された患者が、疾患を発見した保険医以外の保険医(当該疾患を発見した保険医の属する保険医療機関の保険医を除く。)において治療を開始した場合には、初診料を算定できる。

医学管理料

質問 糖尿病で入院していたが退院し現在は近所の診療所に通院しているが、領収証の明細書を見ると特定疾患療養管理料が算定されていた。
回答 診療報酬点数表によれば、糖尿病、心不全、不整脈等の外来患者に対して、治療計画に基づき、服薬、運動、栄養等の療養上の管理を行った場合に請求できるとされています。

一口メモ

診療報酬点数表によれば、特定疾患療養管理料(診療所は225点)は、生活習慣病等の厚生労働大臣が別に定める疾患(糖尿病、胃潰瘍、胃炎、心不全、脳血管疾患等)を主病とする外来の患者に対して治療計画に基づき服薬、運動、栄養等の療養上の管理を行うこととされています。この管理料は、月2回に限り算定できるとされており、医師は管理内容の要点をカルテに記載しておく必要があります。なお、この管理料は許可病床数200床以上の病院では算定できません。

厚生労働大臣が別に定める疾患

  • 結核
  • 悪性新生物
  • 甲状腺障害
  • 処置後甲状腺機能低下症
  • 糖尿病
  • スフィンゴリピド代謝障害及びその他の脂質蓄積障害
  • ムコ脂質症
  • リポ蛋白代謝障害及びその他の脂(質)血症
  • リポジストロフィー
  • ローノア・ベンソード腺脂肪腫症
  • 高血圧性疾患
  • 虚血性心疾患
  • 不整脈
  • 心不全
  • 脳血管疾患
  • 一過性脳虚血発作及び関連症候群
  • 単純性慢性気管支炎及び粘液膿性慢性気管支炎
  • 詳細不明の慢性気管支炎
  • その他の慢性閉塞性肺疾患
  • 肺気腫
  • 喘息
  • 喘息発作重積状態
  • 気管支拡張症
  • 胃潰瘍
  • 十二指腸潰瘍
  • 胃炎及び十二指腸炎
  • 肝疾患(経過が慢性なものに限る)
  • 慢性ウイルス肝炎
  • アルコール性慢性膵炎
  • その他の慢性膵炎
  • 思春期早発症
  • 性染色体異常

領収証・明細書

質問

診療所に通院しているが、請求額のみ記載されていて請求内容や負担割合が不明な領収証を発行しており、請求額も同様の診療を行った他の診療所より高いと思われるのだがどうなっているのだろう。

回答

領収証は、厚生労働省の通知により所定の様式のものを発行することとされております。受診された保険医療機関にお問い合わせいただき、不明の点があれば直接ご確認されることをお勧めします。

質問

領収証に加えて、個別の算定項目の分かる明細書は、すべての保険医療機関・保険薬局で発行しているのでしょうか?

回答

レセプト電子請求が義務付けられた400床以上の病院及び保険薬局では、平成26年4月から領収証を交付するに際し、明細書の無償交付が義務付けられております。また、レセプト電子請求が義務付けられた400床未満の病院については、平成28年4月から同様に明細書の無償交付が義務付けられております。

なお、診療所については、「正当な理由」(明細書発行機能が付与されていないレセコンを使用、自動入金機の改修が必要な場合)がある場合には明細書の無償交付義務が免除されております。

質問

公費負担医療により自己負担が発生しない場合は、明細書は無償交付されないのでしょうか?

回答

平成30年4月から、公費負担医療に係る給付により自己負担がない患者(全額公費負担の患者を除く。)についても、患者に対する情報提供の観点から、電子レセプト請求が義務付けられた保険医療機関及び保険薬局では、患者から求めがない場合でも明細書を無償で交付することが義務付けられました。

ただし、自己負担がない患者に対応した明細書発行機能が付与されていないレセコンを使用している、又は自動入金機の改修が必要な診療所については、当面の間、猶予期間(明細書の無償発行免除)が設けられております。

一口メモ

領収証については、厚生労働省の通知により、所定の様式のものを発行することとされており、初・再診料、入院料等、医学管理等、在宅医療、検査、処置、麻酔といった診療報酬点数表の項目ごとに請求点数を記載し、負担割合に応じた患者の自己負担額が記載された様式になっています。また、診療報酬請求をオンラインや電子媒体で行っている医療機関は、領収証とは別に個別の診療報酬の算定項目の分かる明細書を交付することになっております。

領収証・明細書の様式などについては、こちらの厚生労働省通知をご参照ください。

医療費の内容の分かる領収証及び診療報酬の算定項目の分かる明細書の交付について(PDF:579KB)(別ウィンドウで開きます)

柔道整復師の施術

質問

柔道整復施術療養費とはどのようなものか。

回答

療養費は、本来患者が費用の全額を支払った後、自ら保険者へ請求を行い支給を受ける「償還払い」が原則ですが、柔道整復師の施術については、例外的な取扱いとして、患者が自己負担分を柔道整復師に支払い、柔道整復師が患者に代わって残りの費用を保険者に請求する「受領委任」という方法が認められています。各保険者から委任された地方厚生局長及び都道府県知事が、柔道整復師と「受領委任契約」を結んでいます。

質問

医療保険が適用されるのはどのような場合か。

回答

整骨院や接骨院で医療保険の対象になるのは、骨折、脱臼、打撲、捻挫(いわゆる「肉ばなれ」を含む)であり、単なる肩こりや腰痛などは保険の対象になりません。このような症状で施術受けた時は、全額自己負担になります。なお、骨折及び脱臼については、緊急の場合を除き、あらかじめ医師の同意を得ることが必要です。

質問

施術を受けた後、支給申請書に署名を求められたが必要があるのか。

回答

柔道整復師が保険者に療養費の請求を行う場合、請求書(支給申請書)の「受取代理人」欄に患者が自筆により住所、氏名等を記入することになっています。

質問

病院(整形外科)に通院中であるが、同時に柔道整復の施術を受けてもよいか。

回答

保険医療機関(病院、診療所など)で同じ負傷等の治療中は、施術を受けても保険等の対象になりません。

質問

施術所で領収書は発行してもらえるのか。

回答

施術所が患者から一部負担金の支払いを受けるときは、正当な理由がない限り、領収書を無償で交付するとともに、患者から求められたときは、正当な理由がない限り、当該一部負担金の基礎となった項目ごとに記載した明細書を交付することになっています。

質問

窓口で支払う一部負担金が毎回定額だが、問題ないか。

回答

医療保険では、厚生労働省が定めた算定基準に基づく施術に要した費用について、医療費と同様に1割、2割、3割の一部負担金を患者から徴収することになっており定額は認められていません。また、一部負担金を減免することや初検料・再検料等を免除することも認められていません。

質問

いわゆる不正請求とはどのようなものか。

回答

柔道整復師によるいわゆる不正請求とは、施術を行っていない患者についての保険証を悪用した保険請求(架空請求)、実際の施術日数や負傷の部位を水増しした保険請求(水増し請求)、負傷原因や負傷部位を偽装した保険請求、はり・灸・マッサージ等を柔道整復療養費につけ替えた保険請求、無資格者の施術による保険請求などをいいます。

質問

保険者から施術状況について照会があったが、何のために行うのか。

回答

保険者は、医療や施術の受診状況を被保険者(患者)にお知らせするための医療費通知を送付することがあります。また、保険請求の点検等により請求内容に疑義がある場合、患者に対して電話や書面等で施術状況を確認することもあります。こうした照会は、主に不正請求を防止して保険財政の適正な運営を行う保険者の役割に基づくものです。なお、照会について、施術所内の掲示等で「保険の適用ができなくなる場合があるため事前に相談するよう」患者に呼びかける施術所があるとのことですのでご注意ください。

質問

柔道整復師に対する指導・監査とはどのようなものか。

回答

神奈川県では地方厚生局とともに、保険者からの情報等により、不正請求の疑義がある柔道整復師に対し指導・監査を行っています。さらに、指導・監査によって不正請求の事実が確認された場合、患者が窓口で自己負担相当額を支払う受領委任の取扱いを中止する処置を行うことがあります。また、こうした処置を行う場合、併せて柔道整復師の実名により各報道機関に対して記者発表を行います。


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