更新日:2025年2月20日

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かにゃさんぽ(NPO法人 Small Step)

横浜市の「NPO法人 Small Step」を取材した「かにゃさんぽ」の記事です。

おうち→社会へのステップを小さくします。

2025年1月27日 月曜日

かにゃお

今日は横浜市のNPO 法人 Small Stepさんにお話を伺うにゃ!

おはようございます、かにゃおです!

浪口さん・朝倉さん

かにゃお、こんにちは!

私たちは、
➀保育園➁医療的ケア支援➂つながり作りサポート
の3つの事業を柱に活動をしています。

かにゃお

色々な活動をしているんだね。
さっそくだけど活動を始めたきっかけを教えてほしいにゃ。

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(パンフレットを基に説明をしてもらったにゃ)

浪口さん

病気がある子もない子も地域の中で自立できる、同じ空間の中で成長できる環境を作りたいと思い、2017年の8月8日にNPO法人を立ち上げました。

当法人の赤荻代表には、医療的ケアが必要な子どもがいるのですが、立ち上げ前の当時、地域の保育園に入園しようとしたけど受け入れていただけるところがなかなか無く、大変な思いをした実体験が法人立ち上げのきっかけになっています。

朝倉さん

医療的ケア児のケアには基本的に看護師の配置が必要で、運動に制限があったり、他の園児との接触にも気を付ける疾患もあるため、園全体でのケア体制が必要となります。
Small Step立ち上げ頃の7~8年前は、まだ多くの保育園の体制が整っていませんでした。

かにゃお

体制を整えるのが大変なんだね。
Small Stepさんの保育園は今、どのような体制で運営しているのかにゃ?

浪口さん

定員は12名で1歳~2歳児までの子どもを受け入れています。
その内、疾患がある子が2~3人いて、医療的なケアの時間だけ少し抜けることはありますが、疾患があってもなくても同じ流れで保育するということを意識しています。

2歳児までとしている理由は、3歳児になったときにはその子の家の近くの保育園や幼稚園に通ってほしいからという想いがあるからです。2歳までに土台を作って、地域の園に受け入れてもらえるようにしています。

現実的には、地域の園に移行できない子もいます。
そういう子たちに何かできないかということで、医療的ケア支援事業を始めました
親御さんの希望する園に看護師さんがいない場合に、Small Stepで実際にお世話をしていた看護師さんが付き添うという事業です。医療的ケアが必要な時間にその園に、交代交代でお世話をしに行っています。区役所や受け入れてくださる保育園と調整も必要で、了承をいただけた園に支援を行っています。

朝倉さん

そのような事業をするため、定員12名の規模の園ですが、看護師が10人ほどいます。普通はこの規模だと看護師は1~2名なので、色々な状況に対応できるように体制を整えています。地域の園から「来てほしい」という嬉しい声も挙がって、実績も出てきています。

かにゃお

そんなにたくさん看護師さんがいてすごいにゃ。子どもを預ける親御さんも安心だね。

「つながり作りのサポート」はどういうことをやっているのかにゃ?

浪口さん

例えば、放課後に小学校4年生~中学生が集まり、「英語」や「パソコン」などテーマを選んで体験する活動や、子どもも大人も一緒に歌う音楽サークル等を運営しています。

地域の学校は障がいの有無で学習環境が分かれていたりして一緒に過ごすことが難しいので、「一緒に過ごす場を作りたい」という想いからこうしたイベントを実施しています。

あとは、「中学・高校そしてその先へ 未来を語る進学座談会」というイベントも開催しています。ここでは、先輩保護者から、これから中学・高校に進学されるお子さんがいる保護者に向けて、体験談をお話してもらいます。実は、どのような医療的ケアに各学校が対応できるかということはあまり公になっていないため、そうした情報を得る大変貴重な機会になっています。

これらの事業の背景には、我々が支援する子どもの対象年齢をもっと上げていきたいということがあります。そうしないと、支援の切れ目ができてしまいます。子どもの成長に合わせて、私たちもステップアップしていかないといけないと思っています。

かにゃお

先輩保護者の体験談を聞けるなんて、とっても心強いにゃ。

イベントにはどれくらいの人が来ているの?

朝倉さん

例えば音楽サークルの例だと、最初は知り合いが数人だけという規模感でしたが、今では40人くらい来てくださるようになりました。去年の9月から5か月間、こども家庭庁から給付を受けてフードパントリーを実施したのですが、それによって地域の方に注目をしていただき、大きな分岐点となりました。

かにゃお

たくさん来ているんだね。

他にはどういうことをやっているにゃ?

浪口さん

「こういう疾患がある」ということを紹介するための試みもしています。
人形を使って、疾患やその疾患に対する医療的ケアの方法をお話することができ、よくわかったというお言葉もいただいております。
 

kids_doll
(ケアの方法を学べる人形「ちあちゃん」だよ。)


この人形は呼吸疾患により気管切開が必要になった場合の「カニューレ」という器具を実際に見て学べます。
 

気管切開は、気道確保のために喉にチューブを入れます。チューブだけだとばい菌が入ってしまうので、それを防ぐためにフィルターをその上からつけます。フィルターが水で濡れると呼吸できないので、水遊びのときなどは細心の注意を払います。

doll_tube
(チューブを通す穴が見えるにゃ。)

浪口さん
他にも、見えないところもケアが必要だったりします。
実はこの人形には、人工肛門もついています。

 

人工肛門は、腸の流れが悪いところに腸の出口を作ってあげるものです。
生まれつき腸が動かない子もいるので、そうした子のために活用されています。

doll_tube2
(お腹の上にあるのが人工肛門だにゃ。)

かにゃお

とっても勉強になるにゃ。

活動していて今までで一番大変だったことはなんだにゃ?

浪口さん

大きな事業も多く、責任をもって実施方針を決めていくことが大変です。

朝倉さん
最初はお手伝いやボランティアで取組を始めますが、ボランティア精神だけでは続いていかないので、持続性を考えて「事業」にしていくようにしています。どのようにお金が回るようにしていくかをものすごく考えています。
かにゃお

最後に、今後の目標を教えてほしいにゃ。

浪口さん
目標は「一生継続した支援」です。

疾患があっても経験があれば力は伸びます。疾患が無い子と同じ経験をさせてあげることで、力を伸ばしてあげたいです。

朝倉さん
インクルーシブにも限界があるが、できるだけ幅を広げたいです。
疾患がある子もない子も、みんなが一緒に暮らせるように絶えず幅を広げていきたいです。

関連して
3月16日(月曜日)に、
「インクルーシブな社会について考える」
というイベントを開催します

トークイベントや体感イベントなど、インクルーシブについて改めて考えることのできる貴重な機会なので、是非たくさんの方にお越しいただきたいです。
 

<申込フォーム>

 

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かにゃお
この記事を見ている方は是非参加してほしいにゃ!

今日は心温まるお話をたくさん聞かせてくれてありがとうだにゃ。
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(Small stepの皆様とかにゃお)
 

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<活動や寄附についてのお問合せ先>
NPO法人 Small Step
ホームページ https://smallstep.yokohama/(別ウィンドウで開きます)
住所:〒232-0044 神奈川県横浜市南区榎町2丁目60-4
電話番号:045-325-7004
メールアドレス:smallstep@kiu.biglobe.ne.jp

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