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更新日:2023年10月17日

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かにゃさんぽ(いろんなカタチ鎌倉)

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見方を変えて、味方になろう!~子どもの発達の多様性をみんなが知って理解する~

2021年5月25日 火曜日

かにゃお

今日は、発達が多様でユニークな子どもたちに対する理解啓発を目的に活動している「いろんなカタチ鎌倉」の皆さんに、お話を聞きに来たよ。こんにちは、かにゃおです。

小宅さん
こんにちは、いろんなカタチ鎌倉 代表の小宅(おおや)です。こちらは、松本、松田、細田です。よろしくお願いします。

かにゃお
よろしくだにゃ。さっそく、「いろんなカタチ鎌倉」さんの活動のきっかけを教えてにゃ。

小宅さん
私たちは、元々は子どもが通う小学校の読み聞かせボランティアに参加する保護者、というつながりでした。それぞれが子育てをする中で、我が子やまわりの子たちが、集団生活にうまくなじめずつらそうにしていたり、周りのペースについていけず苦しんでいたりする様子を見ていて、そういう状況にある子どもたちのことを知りたいと思い、発達支援の講座に行って学び始めました。そこで、子どもの発達は多様で豊かであり、どうしてもうまくいかないことがあっても、それは本人のせいでもなく、周りのせいでもないこと、また、一人ひとりの見方を変えるだけで、みんなが生活しやすい環境が生まれることが分かりました。私たち自身、知ることで子どもたちの見方が変わっていったことで、そのことをもっと広く多くの人に知って理解してもらいたい、という思いから、2017年度に活動を開始したんです。

かにゃお
へ~、そうなんだ!「一人ひとりの見方を変える」、具体的に教えてにゃ。

小宅さん
例えば、当事者だったら、「なんでみんなと同じようにできないんだろう、どうせ自分はだめなんだ」という自己肯定感の低い見方を「自分には得意なこともあるし、苦手なこともある。どうしても苦手なことは誰かに助けてもらえばいい。得意も苦手も全部ひっくるめて自分のことが好き。」という自己肯定感の高い見方に変えればいい。
周りだったら、「どうして何度言ってもできないんだろう、困った子だな」という見方を「もしかしたら本人が一番困っているのかもしれない。」という見方に変えればいいと思います。周りの大人たちも、実は得意と苦手があって、自分の価値基準のフィルターを通して子どもを見ていることを知ってほしいのです。

「いろんなカタチ展」の様子

 (↑「いろんなカタチ展」の様子)
かにゃお
なるほど!!では、具体的に、どんな活動をしているの?

小宅さん
今はコロナ禍で休止していますが、地域の交流の場である「鎌人いち場(かまんどいちば)」でのワークショップの出店や、発達の多様な主人公を題材にした絵本を参加者全員で味わい、お菓子を食べながら感じたことをシェアする交流会「絵本deトーク」の開催、ドクターや臨床心理士さんなど専門家の方や当事者の大学生を呼んでのセミナーの開催などを行ってきました。
また、鎌倉市との協働事業に応募し、2018年度から2020年度の3年間、鎌倉市発達支援室、教育指導課、障害福祉課の3課との協働事業として『いろんなカタチ新聞』を6号まで発行し、鎌倉市内の幼稚園、保育園、小学校、中学校で配布させていただきました。2021年3月には、株式会社良品計画 MUJI comホテルメトロポリタン鎌倉と協働で、店舗のオープンスペースで「いろんなカタチ展」を開催し、様々な世代の方、様々な立場の方にも『いろんなカタチ新聞』を見ていただき、「いろんなカタチ鎌倉」の活動や、子どもたちの発達の多様性を知っていただくきっかけとなりました。

かにゃお
『いろんなカタチ新聞』、イラストがかわいくて、ワークシートも楽しいし、内容もとても分かりやすくて感動したにゃ。『いろんなカタチ新聞』を作る際、気を付けたことはあるの?

小宅さん
まず、新聞に掲載するテーマの切り口を見つけるのが難しかったです。新聞の1号~3号は「自分のことを知る」をテーマにし、4号~6号は、「自分のことを知って他の人のことも知る」をテーマにしました。読者が楽しみながら参加できるワークを入れ、イラストをたくさん使って、誰もが読みやすく分かりやすい文章にするように心がけました。また、新聞の紙質も永久保存してもらえるように、硬めの紙にしました。1年で新聞を2号作成するのに、大変な時間と労力がかかりましたが、メンバーがそれぞれの特性を理解し合い、役割を分担して楽しく発行することができました。

新聞を読むかにゃお

(↑『いろんなカタチ新聞』を熱心に読むかにゃお)
かにゃお
メンバーのチームワークも素晴らしいにゃ。「いろんなカタチ展」ではどのように展示して、どんな反響があったの?

小宅さん
「いろんなカタチ展」では、新聞を拡大コピーして1号から6号まで並べて展示するとともに、無印良品の商品を展示に組み込み、「このような困りごとの方にはこの商品を使うともっと生活しやすくなる」という提案を併せてディスプレイするようにしました。例えば、to doリストの付箋や、においのない洗剤など、お店で普段あまり売れない商品が売れることもあったようです。また、新聞を1号から6号まで並べてみたところ、ストーリーがあり、1号から順に自分を知り、さらに他の人のことも知る、という流れがあって、とても分かりやすいとの声をいただき、自分たちも改めて発見がありました。
『いろんなカタチ新聞』は、3年間で計6号を子どものいる家庭に配布してきたものの、読者の皆さんの声を直接お伺いする場がありませんでした。「いろんなカタチ展」では、新聞を教材として授業で使っているという小学校の先生、保護者への説明に新聞がとてもわかりやすいという発達支援の塾講師、欠けている号をもらいに来て全部保管してくれている子どもたち、新聞に感動してお嫁さんを連れて再び来てくれたおばあちゃん、新聞のワークを実践し、このタイプは僕だ、これは私だ、と会話しているカップルなど、広いエリア、様々な年代層の方から、感謝や感動の声をいただき、苦労しながら活動してきたことがとても報われました。そして、MUJIの店舗の雰囲気と「いろんなカタチ展」の雰囲気が合っていたのも、とてもよかったのではないかと思っています。

 

かにゃお
『いろんなカタチ新聞』に出てくるかわいいイラストやキャラクターのデザインには、何かコンセプトはあるの?

細田さん
私がイラストを手掛けているのですが、特に意識して描いてはいません。ちょうど、元々描くイラストのタッチが活動のコンセプトともマッチしていたと思います。

かにゃお
今はコロナ禍だけど、どのような活動をしてるの?今後はどのように活動していきたいの? 

小宅さん
鎌倉市との協働事業である『いろんなカタチ新聞』の発行は2020年度で終了し、コロナ禍でイベントも中止されるなど、活動を制限されていますが、このような状況だからこそ、積極的にオンラインミーティングを行ったり、各自で本を読んで学んだり、オンライン講座に参加していろんな立場の方から話を聞いて勉強したりして、メンバー同士で常に情報をシェアしています。また、今年度は、小学校の学童のプログラムで、子どもたちに対してワークショップをする予定なので、楽しみにしています。
この活動をしていると、「自分もこんな特性があるな」と、実は誰もが当事者であることに気が付きます。私たちみんなが多様であって、一人ひとりの見方が変わればみんなが生活しやすい環境になる。これを「知ること」と「理解すること」には距離があり、理解が進むには時間がかかりますが、みんなが自分らしさを大切にして楽しく豊かに人生を過ごせるよう、今後も、私たちらしい視点から地道に伝え続け、この活動が多くの人の「知る」きっかけになればいいなと思っています。

かにゃお
小宅さん、みなさん、今日は貴重なお話を聞かせてくれてありがとう!
仲の良いメンバー4人と一緒にお話ししていたから、ぼくもメンバーに入った気分で取材させていただいたにゃ。ぜひ、「いろんなカタチ鎌倉」さんの取組みが広くみんなに知られ、いろんな人に『いろんなカタチ新聞』を読んでもらって、みんなが「見方を変えて味方になる」ことを願ってるにゃ!

小宅さん、松本さん、松田さん、細田さん
こちらこそ、ありがとうございました!
いろんなカタチメンバーとかにゃお

(↑左から、松本さん、小宅さん、松田さん、細田さん)

※ 『いろんなカタチ新聞』バックナンバー(下記の2か所からダウンロードできます)

いろんなカタチ鎌倉 https://katachi0467.jimdofree.com/
/images/76673/qrkodo.jpeg

鎌倉市(共生共創部地域共生課HP)URL https://www.city.kamakura.kanagawa.jp/chikyo/ironnakatatishinbun.html

 

見方を変えて味方になる取組み いいにゃ!』-----------------------------------
いろんなカタチ鎌倉 https://katachi0467.jimdofree.com/

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いろんなカタチ鎌倉ホームページ(https://katachi0467.jimdofree.com/)お問い合わせフォームからお願いします

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