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更新日:2023年12月19日

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かにゃさんぽ(めだかサポーターの会)

小田原市の「めだかサポーターの会」を取材した「かにゃさんぽ」の記事です。

メダカを通じてコミュニティづくり

2022年2月4日 金曜日

かにゃお

今日は、オンラインで、小田原で活躍している「めだかサポーターの会」のお話を聞くよ。こんにちは、かにゃおです。2021年2月に開催された「企業・NPO・学校のつながり2020 in 小田原」での事例紹介や「協働・連携事例集2020」(PDF:2,646KB)への協働・連携事例の掲載では、お世話になったにゃ。
村田さん (村田さんとオンラインでお話)
村田さん

こんにちは、「めだかサポーターの会」事務局長の村田です。こちらこそ、その節はお世話になりました!早速だけれど、かにゃおは「めだかの学校」という童謡を知っているかな?あの歌は小田原のメダカがモデルになっているんだよ。小田原にはたくさんの野生のメダカがいたんだよ。

かにゃお

そうなの。知らなかったにゃ。「めだかサポーターの会」の活動を始めたきっかけはなんですか?

村田さん

小田原市では、1997年に市民と行政で「市民メダカ調査団」を結成し調査をしたら、絶滅危惧種の野生のメダカがいることがわかったんだよ。それで小田原市は地域固有の遺伝子を持つこのメダカを「酒匂川水系のメダカ(旧小田原メダカ)」として増やそうと、その年から「メダカのお父さんお母さん」制度を始めたんだ。希望する市民に、市がメダカ5匹を配布して、各家庭で飼育してメダカの里親になってもらって、メダカを増やすという取組だよ。それから、2011年には小田原市桑原地区のメダカが生息する水路を「野生の生き物保護区」として条例で指定したんだよ。保護区にはメダカの他にもいろいろな生き物がいるんだよ。「めだかサポーターの会」は「メダカのお父さんお母さん」制度に参加した人達で2013年に会員約10人でスタートして、口コミで市民に広がって今は会員が75人になっているよ。

かにゃお

当初に比べると今は会員がだいぶ増えていてすごいにゃ!どんな活動をしているの?

村田さん

一つ目は月2回のパトロールだよ。桑原地区の水路と田んぼのパトロールを同時にしているよ。パトロールでは水路や田んぼの水温をチェックしたり、野生のメダカの遺伝子に影響を及ぼすヒメダカなどがいないか確認したりしているよ。以前には、ブラックバスや錦鯉を見つけて捕獲したこともあるんだ。家で飼えなくなって、桑原地区の水路に放しにくる人もいるから、パトロールが必要なんだ。夏には繁殖力の強いメダカの天敵アメリカザリガニを駆除しているよ。ただ駆除するのではなく、親子で楽しめるザリガニ釣り大会を開いたりしているよ。
パトロールの様子 (パトロールの様子)

 

ザリガニ釣り大会 (ザリガニ釣り大会の様子・コロナ前の撮影のため、マスクはしていません。)

 

草刈りの様子 (草刈の様子・撮影時のみマスクをはずしています)


村田さん

二つ目には草刈だね。水路の周辺の雑草の草刈りを月2回行っているよ。メダカは水路とその周辺の田んぼが生息域で、田んぼで生まれて、田んぼのプランクトンを食べて大きくなるんだ。田んぼの水を抜く冬の時期には水路に移動して生活しているから、メダカにとっては水路と田んぼが重要なんだよ
田んぼの維持が重要だから、稲作のお手伝いも大切なんだよ。農家が稲作をやめてしまうと、田んぼが休耕田になってしまい、メダカの生息する環境がなくなってしまうよね。そこで、メダカと田んぼを守るために「めだかサポーターの会」が水路や田んぼのパトロールと草刈、「一般社団法人小田原農人めだかの郷(さと)」が米作り、「桑原めだか米の会」ができたお米の販売と、3つの団体が協力しているんだ。その他にも様々な企業や団体が、それぞれ連携し、協力して活動することで、メダカや田んぼ、自然を守っているんだよ。ちなみに、2010年に名古屋で開かれたCOP10(生物多様性条約第10回締約国会議)では、兵庫県の「コウノトリ米」、新潟県佐渡島の「トキ米」とともに小田原の「めだか米」の取組がSATOYAMAイニシアチブというセッションで紹介されたんだ。

かにゃお

へえーー。国際会議で紹介されるなんて、すごいにゃ!

村田さん

昨年(2021年)の10月23日には、保険会社の協賛、地元企業や団体の協力で、「田んぼを守れば、メダカも守れる」をテーマに、「みんなで稲刈り大作戦!!」というイベントを開いたよ。親子連れや若い人の参加もあって約150人の参加があったよ。「稲刈り大作戦」のようなイベントを通じて、小田原の自然について考える機運を高めていく活動をしていきたいと考えているよ。実は、桑原地区の近くでは、最近、開発が進んだエリアがあって、田んぼが埋め立てられて小さな水路だけが残ったんだけど、メダカの3分の1が消えてしまったんだ。そこで、「めだかサポーターの会」では、「めだか救出作戦」を実施して、水路に残ったメダカを引越しさせて救出したんだけど、一本だけの細い水路に、メダカや様々な動物が逃げて来ていて、救出作業の間、悲しかったよ。

かにゃお

メダカがいなくなったら、さびしいにゃ。

村田さん

もちろん、自然のまま、田んぼと水路を残して、メダカがいる環境を守っていきたいと考えているけれども、それと同時に、メダカをきっかけに集まった人たちのコミュニティが生まれていけばいいと考えているんだ。うちの会には、子どもから年配の方まで様々な世代が参加しているから、異世代間で交流したり、悩みを相談したりするなど、今の暮らしの新しい方向性のようなものを、メダカをきっかけに集まった皆さんで見つけてもらえたらと思っているよ。そのために30代、40代の若手に活躍してもらいたいと思っているんだけど、その年代の人は平日に活動するのは、仕事があって難しいよね。でも、最近、大学生や高校生などさらに若い人々が活動に参加してくれるようになったんだよ。活動の後継者になってくれるから、ありがたいね。また、私がたまたま聞いていたラジオ番組に、東京大学の農業を応援する学生サークルのリーダーが出演していて、これはいいと思って連絡を取ってみたんだ。その学生サークルは、120人ほどのメンバーで農作業の応援や手伝いをしている団体で、2人が実際に視察に来てくれたんだ。大学とのつながりはこれから楽しみだね。

かにゃお

大学生とのコラボは話題性があって、ニュースになったら、さらに多くの人に活動を知ってもらえそうだにゃ。

村田さん

「めだかサポーターの会」の活動も、グループ内だけにとどまらず、横の広がりが大切だと思うんだ。最近では、「まこもだけ」を育てるグループとも交流を始めたよ。メダカを守ることだけに特化しないで、集まった人々のゆるい枠の中で新しいコミュニティが育ったらいいと思っているよ。森・里・川・海をキャッチフレーズにしている小田原市に住んでいるからこそ、豊かと思える暮らしとは何かを考えていきたいね。これからの本当の豊かさとは何か、特にコロナになってから、暮らしの豊かさについて改めて考える人が増えていると思うよ。実は、私は8年前に東京から小田原に移住してきたんだけれど、それまでの人生が変わったと言えるくらい全く違う豊かな生き方を見つけたんだ。ずっと地元で暮らしている人が、気づかない良さを提案できる、小田原に恩返しするつもりで、活動を続けていこうと思っているよ。

かにゃお

メダカを通じたコミュニティを育てる活動、いいにゃ!村田さん、今日はいいお話を聞かせてくれて、ありがとうにゃ。

村田さん

こちらこそ、お話を聞いてくれてありがとう!

かにゃお (みんなで稲刈り大作戦の動画を見ているかにゃお)
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めだかサポータの会ホームページ
http://medasapo.org/

みんなで稲刈り大作戦ユーチューブ
https://www.youtube.com/watch?v=uFzWHyLSNhs

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