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更新日:2023年10月2日

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第11期第7回神奈川県男女共同参画審議会議事録(その2)

第11期第7回神奈川県男女共同参画審議会議事録(その2)

<白河副会長>
資料3「かながわ困難女性等支援計画(仮称)に係る審議事項」のP.13「かながわ困難女性等支援計画(仮称)の体系」についてです。基本理念を3つ示していただいていますが、法第3条の基本理念を確認しますと、ジェンダー平等というか男女平等というのが3本柱の1本に大きく入っています。神奈川県の基本理念では、「III 人権の尊重」の中にジェンダー平等社会が入っておりますが、ジェンダー主流化をやっているところなので、もう少しジェンダー平等または男女平等という言葉を目立つ柱のところに据えていただけたらいいなと思っています。国の方はそのように整理されているので、齟齬があるというわけではないのではないと思っています。
それから先ほど申し上げたように、民間団体と連携する場合は柔軟な助成金の出し方を考えていただければと思います。特に、本当に単年度予算しか出せないのかというのがあります。単年度だと、一時的なもので終わってしまいますし、それから人件費を出してほしいと思っております。なぜ、人件費が出ないのか、聞いたところによると、助成金というのは大学の助成金のベースが元になっているので、人件費というのはそこに含まれていないので、大学の研究助成のようになっていると聞いたことがあります。民間の団体は助成金に人件費を含めているので、是非出せるようにしていただければなと思っています。少し具体的なところと基本理念について述べさせていただきました。以上です。

 

<岩田会長>
事務局には、皆様のご意見を伺って最後にお答えいただけますでしょうか。皆様たくさんご発言があると思いますので、事務局で整理していただいて、今日時点でお答えいただけるものと、持ち帰って検討されるものがあると思います。本日時点で、お答えいただけるものを最後にまとめてお聞きしたいと思います。それでは清川委員お願いいたします。

 

<清川委員>
私からは、資料3P.12の「かながわ困難女性等支援計画(仮称)の体系」のところで、少し細かい内容に入る前に建て付けの確認になります。基本目標に「目指すべき社会の姿を示す。計画のキャッチフレーズ」ということなのですが、この目指す社会の姿を、いつぐらいまでを目指すのかという期間の概念があるのかという質問です。もしこの期間を5年間とするのであれば、P.13に書かれている内容が、どこでも通じるような一般的な内容なので、少し漠然と感じました。5年後を目指すということであれば、もっと具体的な内容に変える必要があると感じました。
それから目標の下に、基本理念が書いてありますが、理念というと、企業の経営の観点から考えると、最初に経営理念があって、それからビジョンや価値観、ミッション・ビジョン・バリューといったものが付随するのではないかと思いました。理念という言葉を使うのであれば、それが一番上に来るべきなのかなと思うのですが、内容を見ると理念というよりは、基本方針とか、そういったものに近いと感じたので、理念という言葉をどういった意味で用いられているのかの質問になります。
最後に、今回は「かながわDV防止・被害者支援プラン」と「困難な問題を抱える女性への支援に関する県基本計画」を併せて一体化しますので、「女性等」と「等」と記載されているところと、「女性」と「等」が記載されていないところがあると思いますが、そこの文言の記載方法は気を付けたほうがいいのではないかと思いました。今後施策に具体的に移していくところで、「等」を入れる理由、入れない理由など、その辺りの整合性は取るべきと思いました。以上です。

 

<岩田会長>
3点ご意見いただきましたので、整理をしてお答えできるものは後でお願いいたします。それでは井上委員お願いします。

 

<井上委員>
まず、全体についてですけれども、清川委員と同じ点について確認させていただきたいです。女性等の「等」のところに、セクシャルマイノリティの方たちも今回のところは入るという認識でよろしいのでしょうか。DV防止法では女性・男性・身体的性別ないしは戸籍の性別と整理はされていないですが、困難女性支援法は、女性政策に関する立法ですね。それぞれの法律が元になっている計画を一体化させることでセクシャルマイノリティの人たちにも、県としての施策の対象として範囲を広げることができると思って伺っていますが、そういう理解であっているのかをお聞きしたいです。もしそれでよければ、厚生労働省の想定している施策とDV防止法が少しずつ違いますので、そのズレについてどういうふうにやっていくのかなと後の話という気もしますけれども、そのあたりの見込みがもしあれば教えていただきたいと思います。
セクシャルマイノリティの人たちも、例えば雇用支援とか、経済支援とかそういうところではものすごく苦労されているのが現状です。生活困窮者自立支援の方でも主体になれない、対象になりづらいという話もありますので、そこを丁寧にされる必要があるかなと思いました。まず1つ目は「等」についての扱いです。
2つ目は、位置についてなのですが、資料3「かながわ困難女性等支援計画(仮称)に係る審議事項」のP.2の右下で、「改正DV防止法の施行(令和6年4月)に伴い、現行DVプランの構成変更は不要」であると書かれていて、このように対応不要となると悲しい気持ちになると同時にそうだろうなと思いました。確かに法律が抜本的には変わりませんでしたので、計画を含めてDVプランの構成変更は不要になると思うのですが、せっかく今回新しい方向へ動いていくので、どこがどういう形で組織的に対応していくか。そういう組織立てみたいなのをきちんと書いてくような形にしていく必要があるかと思います。今まで計画行政という形でDV防止法の方は法律自体がなっていましたけど、必要記載事項の項目が入りましたので、その辺りも少し、意識されるといいのではと思いました。
それとDVプランについてはもう1つ、切れ目のない連携というキャッチフレーズについてです。切れ目のない連携のためには、やはりDVの場合は、急性期の保護施設や安全確保、それからその中間、ステップハウスと一般的に言われますけど、そういう中間的な存在、そのあと自立に向かっていくという全体の流れの中で、どういう人がどういう形で関わっていくのか、県民にもわかる全体図として示す必要があると思います。これは難しいことをお願いしているという自覚はあるのですけれども、そうすることで、どこが足りないかが見えてきますので、構成変更不要と言わずに、もう少し発想を変えて、構成はそのままでも豊富なものにしていただきたいなと思っています。
それから一番前面に立って活躍する女性相談員の待遇や資格含めて位置付けについても中心に載せていただきたいと思っています。
最後に、資料3「かながわ困難女性等支援計画(仮称)に係る審議事項」P.13で、私から見たら見過ごせない部分があるのですが、先ほどジェンダー平等について白河副会長もおっしゃっていただきましたが、基本理念「III 人権の尊重」についてです。この記載ですと、人権侵害されている状態では、ジェンダー平等な状態ではないという書き方をされています。その通りなのですが、せっかく今回困難な問題を抱える女性の問題が入ってきたことも含めて、ジェンダー構造ないし、不平等なジェンダー構造が、困難な女性やDVの環境をつくり出している原因と記載していただきたいです。それがないと、そういう状態に陥ったのは個人の責任だという解釈になりがちなので、原因は本人ではなく、構造的な問題で、だからこそ女性だというところ、これは書き方だけの問題ではなく、施策の方向性ないし理念に関わるところだと思いますので、部内で検討していただきたいと思います。一応大きく分けて2つです。

 

<岩田会長>
大きく分けて2つ、細かくは5つご意見をいただきました。この後も、一通り委員のご意見を聞いていこうと思うのですが、事務局としては問題ないでしょうか。ひとり一人のご意見が重いので、最後にまとめて回答されるか、それとも途中で区切ったがよろしいでしょうか。

 

<事務局>
たくさんのご意見と、とても重たい重要なご意見をいただいていると思いますので、最後にまとめてですと、お答えしきれなくなる可能性がございますので、何名かずつ区切って、回答が可能な部分についてはお答えさせていただきたいと思います。
回答出来る点で「女性等」の「等」の扱いについて回答いたします。「等」については、2つの計画を一体的に作っていきたいということで、DVプランにあっては男性の方も当然含みますので、その男性の部分、また性的マイノリティの方についても配慮をするというところで「等」を使用しております。今回の資料で「等」が入っていないところの説明は、いわゆる法律的な部分で、女性新法ではこうなっている、というところについては、「等」の表現を入れないで、一体的な新しい計画のご説明をさせていただくときは「等」を入れるという方針で今回の資料は作成しております。いずれにしても一体的な計画につきましては、「等」を用いて配慮をしていきたいと考えております。お答えできるところは以上です。


<岩田会長>
それでは3名ずつ区切って、現時点でお答えしていただけることがあったらお答えください。それでは野村委員お願いいたします。

 

<野村委員>
資料3「かながわ困難女性等支援計画(仮称)に係る審議事項」のP.13の基本目標の点になります。今ご回答いただいたところの「女性等」というのが気になり、女性だけではなく、LGBTQやジェンダー不平等な社会の中で被害を受ける人たちといった文言をどこかに加えるといいと思いました。
2点目については、井上委員が述べられました通り、各機関の連携等をどういう仕組みにするのか、その仕組みを明記されると良いと思いました。
それから3点目は、今回暴力が身体的暴力だけではなく、自由等に対する脅迫、いわゆる言葉による暴力も入ってきます。それに対する対策として、事前防止策のひとつとして、若い人に対するデートDVの啓蒙が非常に大事だと思っています。理由としては、若者の方は最近では、何でもインスタグラムにアップするという風潮の中で、これは若者たちから実際に聞いた話ですが、例えば、つき合っている彼女がインスタグラムなどのSNSに他の人と楽しそうにしている画像の投稿をして、相手側が彼女に問い詰めるような、監視するみたいな事例も少なくないそうです。相手を監視する、支配下に置くのがSNSによって、助長されているようなところがあると思います。現在ではそういう言動自体がNGだということを、SNS時代なので若者に啓蒙していくことが、事前防止策としては必要ではないかと思っております。
それから4点目で民間との連携という話が先ほど出てきましたが、もちろん連携するのは大事ですが、資料2「神奈川県における女性支援の現状と課題」のP.10に記載されていますように、「人的・財政状況が厳しく、長年尽力してきた民間団体でも、事業廃止する団体も出てきた」とある点が気になります。これは、大変残念なことで、そもそも公的な福祉で担うべき点を民間の団体に委ねていて、なおかつ民間団体は資金不足で継続が出来なくなるのが増えていますと、少し乱暴ですが、そういう意味合いになりかねません。県が直接出すところ以外にも、助成金を受けることができる方法があります。例えば、一般財団法人日本民間公益活動連携機構(JANPIA)という、休眠預金を活用して、ソーシャルな事業をする団体や株式会社に補助、助成する仕組もありますので、こういう情報を県が把握して、民間団体に積極的に提供して、民間団体と連携して活動するだけではなく、情報提供という形で支援するようなことも是非やっていただきたいと思います。JANPIAの情報を提供するだけではなく、資金分配団体とか中間支援団体との橋渡しを県がするのも民間団体の運営補助になると思います。
最後になりますが、DVに関して、加害者にも更生していただきたく加害者更生プログラムみたいなものを中長期なものとして入れていただくといいと思いました。

 

<岩田会長>
野村委員からは5つご意見をいただきました。事務局の方、後でよろしくお願いします。それでは、結斐委員お願いします。

 

<太田委員>
1点目として、資料2と資料3を確認していた時に、「女性等」と「女性」という記載がまだらで出てきて、少し分かりにくかったので、「女性等」と記載している場合と、「女性」と記載している場合の理由を、誰が対象でどういった時には「女性等」、「女性」の表記になるのか、計画内ではっきり示されると分かりやすいと感じました。
2点目は少し細かいことなのですが、資料3「かながわ困難女性等支援計画(仮称)に係る審議事項」のP.2「DVプランの改定の方向性」の「3 協議会の法定化」で、「協議会の事務に関する守秘義務を創設」と記載があるのですが、少し気になったのは、現行のプランも含めて、今までのプランには何か守秘義務について、書いてなかったのかと一市民として不安になりました。県としてはDVプランと困難な問題を抱える女性支援計画は、計画なのでパブリックなところにもっていくと思うのですが、内容によっては自分のアイデンティティがバラされてしまったり、公の場に出されたことで報復等に遭ってしまうとかそういうことは結構あると思います。守秘義務は携わっている全ての方に課されるべき義務と思っているので、わざわざ協議会について守秘義務を書くのであれば全員について課されるべき義務と記載したほうがいいのではないかと思いました。
さらにそれに関連して、現行のプランを見て感じたのが、通報システム、特に医療機関の方に対してすごいシステムがありますということがあって、通報する方についても、アイデンティティが守られるような記載があった方が、主要政策とかで書くのであれば、必要なのかなと思いました。
最後は現行のプランを準備のためにレビューして思ったのですが、「幸せな家庭を築くために必要なもの」と記載があり、私はそれがすごい気になりました。DVプランや困難な問題を抱える女性への支援に関する県基本計画は、DVの被害者を守るためにあって、幸せな家庭を築くためにあるものではないと思います。もちろん幸せな家庭を築く目標がある方もいらっしゃるとは思います。だから全ての方に当てはまるもの、そういった狭めない書き方を、是非していただけたらなと思いました。

 

<岩田会長>
結斐委員からは4点ほどご意見いただきました。続いて鈴木委員お願いします。


<鈴木委員>
これまでお話されていた点と重なるところは省いて、重なってないところだけお伝えいたします。
まず1点目ですが、先ほどから申し上げている女性相談員やその団体への支援で、参考資料4「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律の概要」の裏面の下部に「■国・自治体による支弁・負担・補助 民間団体に対する補助規定創設」とあるように規定を作られるとのことなので、先ほどから話題となっている人件費の問題や複数年度にどう対応していくかというところも考慮しながら、補助規定を検討していただけるといいと思いました。私は他の県で、こういったNPO法人にヒアリングをしたことがあるのですが、やはり単年度の補助だと、来年度の予算がもらえるのかどうか分からない、人件費が確保できるのかどうか分からない状況になり、相談員を確保すること自体が大変で、相談員も他の仕事との兼ね合いもあり大変と話を聞いているので、その辺りはご配慮いただければと思います。
2点目ですが、資料3「かながわ困難女性等支援計画(仮称)に係る審議事項」のP.16「かながわ困難女性等支援計画(仮称)の骨子案」の「第3章 県の現状及び取り組むべき事項」の「2 個別分野ごとの現状」で対象者が記載されていますが、この中に、高齢女性や、孤独といったその辺りの分野に対する記載が少ないという印象を受けました。もし個別の分野の内容を検討されるのであれば、今の世の中は、ひとり暮らしの女性も多く、そういう人たちがどんな困難を抱えているのかと関わってくる気もしますので、是非、孤独の問題と含めて1つの検討事項として取り上げていただけるとありがたいなと思いました。

 

<岩田会長>
野村委員、結斐委員、鈴木委員よりご意見をいただきましたが、事務局より現時点で、お答えいただけることはありますか。

 

<事務局>
様々ご意見いただいている中で、これから民間団体との連携、また他分野との連携が必要だというところで、連携の仕組を分かりやすく整理をする、分かりやすく皆さんにお示ししていく必要があると思っております。資料3「かながわ困難女性等支援計画(仮称)に係る審議事項」のP.17「かながわ困難女性等支援計画(仮称)の骨子案」の第4章計画の内容で、項目に「6 支援の体制」を設けたいと考えておりまして、各機関の役割や関係機関との連携の考え方を明確化、支援調整会議の役割や構成等を記載しておりまして、新法で国が示している支援調整会議について、言及されております。現在、国では3層構造で示しておりまして、一番上の全体会議、また中ほどの実務者会議、一番下がいわゆるケースに対応する会議というのを想定しているようでございますが、支援調整会議を、どういう方達とどのように持っていくのかというところを詰めていく中で、連携の見える形は工夫をして参りたいと思っているところでございます。
その他にも様々ご意見頂戴しておりまして、大変参考になることで、ありがとうございます。
それと、DV法改正で新たに法定協議会ができて守秘義務について、今までは定められてなかったのかというようなご懸念のお話もいただきましたけれども、今まで協議会自体が、法に定められていなかったということになります。一方、神奈川県では、協議会に当たるような会議体はありました。ただその中でいわゆる個人情報に当たるようなケースの中身については言及まではしていなかったということになろうかと思いますので、今までは個人情報が危険にさらされていたという事態にはなっておりません。

 

<岩田会長>
個人情報保護については支援調整会議の場だけではなくて、個人情報に触れる様々な機関の様々な人たちがいますので、その人たちの問題としても考えていただければと思います。それでは橋本委員お願いいたします。

 

<橋本委員>
資料3「かながわ困難女性等支援計画(仮称)に係る審議事項」のP.13の基本目標、基本理念について意見を述べさせていただきます。
基本的なことなのですが、これは法律に沿った形でI、II、IIIと柱を立てられていると思うのですが、そうであれば、少し言葉の使い方等について、その法律と違うのはどうしてなのかと疑問に思っております。法律上は「困難な問題を抱える女性」となっているので、基本理念Iでは「困難な状況に置かれた方」と、あえてこうされた理由はどこにあるのかと思いました。また、感覚的な問題かもしれませんが、文言的にも、「多様化したニーズに応じて、多様な支援を実施すること」というよりは、法律の方から持ってきて、当事者の意思を尊重しながら、最適な支援を実施すると記載されたらいいと思いました。そして、その間にある文章で、「早期発見、相談、一時保護、自立支援まで」はむしろ、「II 様々な機関と連携・協働した切れ目のない支援」に入れて、「様々な機関と幅広く連携・協働しながら、早期発見、相談、一時保護、自立支援まで切れ目のない支援を実施すること」にした方がいいと思いました。「III 人権の尊重」については、やはり大柱なので、人権擁護という言葉と、先ほどご意見があったような男女平等やジェンダー平等といった文言を入れるのはいいと思うのですが、そのあとに「特に配偶者からの暴力は」と記載が続いております。この表現を柱の中に入れる必要があるのか、突出して記載する必要はないと思っています。DVプランと女性新法を一体化させた意味で、あえてここにあげたいというのであれば、人権の尊重よりはDVを4つ目の柱として位置付けた方が良いと思いました。人権の尊重の中にも、DV被害者はいるのですが、その他の困難に直面している方の人権侵害に優劣はないので、ここで特にDV被害者だけを記載するのには少し違和感を持ちました。

 

<岩田会長>
それでは湯澤委員お願いいたします。湯澤委員については、もし必要であれば、資料1、資料2について併せてご意見あればお願いいたします。

 

<湯澤委員>
3点ございます。1点目は、今後の取り組みになるかとは思うのですけれども、せっかく計画を策定されるので、数値を示した計画を具体化するということをお考えいただきたいなと思っているのが1点目です。国で、困難女性の都道府県基本計画策定の雛型が出されていますけれども、その5ページ等に法施行後3年以内に施設を管内に何ヶ所整備するとか、そういうような具体的なものが出ていていますので、神奈川県ではどの辺りが課題となっていて、そこを補強していかなきゃいけないと、そこが数字になっていくと思いますので、ご検討いただけたらというのが1点目です。
2点目ですけれども、一時保護された後の中長期の生活ができる受け皿がやはり少ない、選択肢が乏しいということがあろうかと思っています。そこをどう強めていくことができるかということをご検討いただければと思っています。県は1ヶ所婦人保護施設がございます。婦人保護施設の入所者は全国的に定員割れが進んでいるわけですけれども、婦人保護施設が女性自立支援施設に移行するにあたって、どのような新たな活用方法が検討できるか、ご審議いただけたらと思っています。東京では、東京方式というのが徐々に進められておりまして、婦人相談所の一時保護を経ないで、婦人保護施設に入所できるようにという方式に移行しようという動きになってきていて、やはり一時保護が必要ではない、婦人保護施設入所に至る方もいらっしゃると思います。国の雛形にも自立援助ホームのことが出てきておりますけれども、中長期の受け皿として今大学生でも虐待で逃げてきて、学校を続けるのに暮らす場所がなく、自立援助ホーム等も必要で、婦人保護施設を利用したいというニーズも出てきていますので、併せて中長期の受け皿と婦人保護施設、自立援助ホームその他何があるのか、検討が必要かなと思っています。
3点目は、委員の皆様から婦人相談員、女性相談支援員のことがかなり出てきておりますが、やはり会計年度職員という中で、なかなか継続性が担保できないとか、研修に出られなといった声が現場から出ているかと思いますので、神奈川県の場合はそのような側面をもう少し改善していけるのかというところも教えていただければと思います。

 

<岩田会長>
それでは矢作委員お願いします。

 

<矢作委員>
質問なのですが、資料2「神奈川県における女性支援の現状と課題」P.4「神奈川県の施策状況(女性相談員 R3相談受付数@地域別」の「女性相談員の配置状況」で女性相談員が現在121人で対応されているということですが、体制強化も含めて、来年度に向けて何か準備をされているのでしょうか。それとも121人の同じ規模のままで新しい法律に向けて、運用を変えて対応していくそういった方向なのか、想定をされていらっしゃるのか気になったところでありました。
また、この法律で支援調整会議ができるようになりますと、先ほどもケースワークという言葉が出ましたが、その辺りがかなり変わっていく部分になるかと思います。これまでの女性相談の内容を見ていただくと電話相談への対応が大部分であり、ケース化する割合は多くはなかったと思います。令和3年度から神奈川県でも相談、訪問、同行支援というのを始められていて、件数としてはものすごく少ない。ただ、これからはアウトリーチや同行訪問も含め、さらにケースワークが必要な場面が増えていく状況があり、ケースワーク体制を新しい計画の中でどの程度言及していくか気になったところです。
最後に、市町村へヒアリングいただいた際にもお答えをしたのですが、一時保護においては携帯電話の利用制限など、さまざまな制約が施設利用のハードルとなっていることから、利用者の状況に応じ、社会とのつながりを持った中間的な保護施設が必要なんじゃないかという意見がニーズとしてあります。そうした中間施設への支援も計画の中に記載していただけるとありがたいと思います。以上です。

 

<岩田会長>
最後に私も一委員として幾つか述べたいと思います。
1つは皆さんのご意見と重なるところもあるのですけれども、女性支援の中核となる3つの機関、女性相談員、女性相談所、女性保護施設、これは長い歴史があるわけですけれども、様々な課題、様々な不自由さがあると思います。今日はそのようなお話は具体的にお聞きすることはできませんでしたけれども、必要な予算、必要な人員・増員、そういうことが必要であれば、この際是非行っていただきたいということ、そして民間団体への助成の強化も大きな柱になると思いますので、この3つの基幹的な組織の量と質の面での強化と民間団体への支援という部分を柱に予算、人員面で、強力な対策を打っていただきたいというが1つ目です。
それから2つ目は、資料3P.12の「かながわ困難女性等支援計画(仮称)の体系」のところですけれども、問題提起したいのは、基本目標のところのワーディングについてです。こちら「困難な問題を抱える女性等が安心して、自分らしく暮らすことができる社会の実現」と記載いただいていますが、「安心して」は、腑に落ちたのですが、「自分らしく」というのが、ワーディングとして最適かどうかをもう一度ご検討いただきたく思います。
「自分らしく」で何を表現したいとされているのか、例えば、「自分らしく」ではなくて、「自立して」とすることを提案します。「自立」の意味は、誰の力も借りないで1人で経済的に自立する状態だけではなくて、様々なサポートを得て、必要であれば福祉サービスを使い、それで自分としてしっかり生きていくという、そういう意味の自立なのですが、私は、「自分らしく」よりは「自立」の方がいいと思います。基本理念「III 人権の尊重」の2行目には、「自立して暮らすことができるよう」という表現になっています。そのことも考えまして、基本目標に記載いただいている「自分らしく」について問題提起をしたいと思います。
そして、湯澤委員からもご意見ありましたが、P.17「かながわ困難女性等支援計画(仮称)の骨子案」の「第4章 計画の内容」の「7 重点目標」ですが、これは数値目標を是非工夫して、体系的なものを作っていこうと申し上げたいと思います。現行のDVプランは、様々なタイプのDVについて、どのくらい正確に理解しているかということでその理解度が100%になるという目標だけです。第6回審議会で議論いたしましたけれども、そういう数値目標で、数字の変化をどう理解していいのか分からないといった点もございました。数字が下がっている項目もありました。ですから計画を策定される際には、その進捗状況を評価する、フォローアップをするという視点、そのフォローアップのしやすさの観点も入れていただいて、どういう数値目標が最もふさわしいか是非、今回は検討していただきたいと思います。以上3点申し上げたいと思います。ここで橋本委員、湯澤委員、矢作委員、岩田から意見申し上げましたけれども、事務局から何かありますか。

 

<事務局>
様々ご意見いただきましたけれども、まず資料3「かながわ困難女性等支援計画(仮称)に係る審議事項」のP.13「かながわ困難女性等支援計画(仮称)の体系」の基本目標や基本理念の記載の部分でございます。今、基本目標について岩田会長からもご意見いただきましたが、「自分らしく」という文言が適切かどうかを検討して参りたいと思います。法律では、ご指摘の通り「自立」という言葉を使っておりますので、検討したいと思います。
あともう1つ、基本理念の1番目に「困難な状況に置かれた方」という記載をしており、法律上は「困難な問題を抱える女性」となっているところ、「方」としたところの理由についてご指摘がありました。今回ここに女性としなかった理由は、先ほどお話をさせていただいた、男性も対象としたDVプランも含めて、一体的な計画を作りたいということで、「女性」ではなく、「方」ということで性別を置かないような案にしております。
その他、文章の書きぶりで、「基本理念 I 当事者目線に立った多様な支援」に記載しております「早期発見、相談、一時保護、自立支援まで、」の部分は、「基本理念 II 様々な機関と連携・協働した切れ目のない支援」に入れたほうがよいのではというご指摘もございました。それと「基本理念 III  人権の尊重」に記載をしております、配偶者等からの暴力についての人権侵害であるといった書きぶりについても様々なご意見をいただきましたことを踏まえ、検討したいと思います。
体制の部分で、女性相談員等々も含めて必要な人員、必要な体制充実強化というところのご意見を頂戴いたしました。女性相談員を配置しておりますのが、県と市になります。人員の配置になりますので、どうしてもそれぞれの自治体で検討していくことになろうかと思いますけれども、女性新法等での理念も踏まえまして、こういった支援ができるような体制ということで、関係部署と調整をして参りたいと思っております。また数値目標についてもご指摘いただきました。これから個別の事業を考えて調整をしていく中で、そういった指標についても念頭に置きながら、進めて参りたいと思います。現時点では、以上となります。

 

<岩田会長>
ありがとうございました。今日は皆様から様々なご意見を頂戴して、それぞれ大変貴重なご意見だったと思います。なかなか重いと思いますけれども、是非、これをしっかり県の方には受けとめていただいて、それを活かす方向で、具体的な計画案の策定の次の段階につなげていっていただきたいと強く思います。
今日は、かながわ男女共同参画センターと女性相談所の所長もご同席されておられますので、今日議論したテーマと、非常に深く、そして直接関わっておられる両所長から、もしコメントいただけることがあったら、お伺いをして、そのあと全体を総括する形で、本間室長からごあいさつを頂戴したいと思います。
それではかながわ男女共同参画センターの福田所長、今日の議論を聞いていただいて、いかがだったでしょうか。

 

<福田かながわ男女共同参画センター所長>
様々なご意見いただきましてありがとうございました。私どもの施設のところにも女性相談員がおります。ケース会議というようなことは持っておりませんけれども、相談者に寄り添って、様々な情報を提供して、我々は相談者と関係機関とを結びつけていくという形で相談事業を行っているところでございます。女性だけに限らず、こちらの新しい計画の中では「等」に含まれますけれども、男性の相談というものも対応しております。また、性的マイノリティの方は、女性を自認される方、男性を自認される方、それぞれにつきましても、男性相談、女性相談の中でお受けしているという状況です。民間団体にも委託もしておりますが、やはり団体の財政状況はなかなか厳しいという話も入ってきているところです。どのような形ができるのかということも検討しているところです。本日いただきましたご意見等も踏まえて今後ともDV相談を充実させていきたいと思っております。

 

<岩田会長>
ありがとうございます。
女性相談所の星野所長いかがでしょうか。


<星野女性相談所長>
皆様からいただきましたご意見につきましては、本当になるほどと思わされることがたくさんありまして、女性相談所は一時保護を中心に実施している機関にはなるのですけれども、市や町村地域の女性相談員との直接のやりとりも多く、特に連携の体制とか仕組みづくりとか、その辺りについて、もう少し具体的に明確にしていったらいいのではないかといったご意見、大変参考になっておりますので、より良い体制づくりのところで、今後も検討していきたいと思っております。

 

<岩田会長>
どうもありがとうございました。それでは最後に本間室長からお願いいたします。

 

<本間共生推進本部室長>
長時間にわたり様々意見いただき、ありがとうございました。表記の仕方が少し誤解を招くようなものがあったり、少し足りていない検討の部分があったり、様々ご指摘いただいたと思いますので、我々もどういうことが考えられて、変えていけるのかということを頑張っていきたいと思います。前回の審議会でも少しご紹介しましたが、黒岩知事が4期目に入って大きな県政のスタンスとして、ジェンダー主流化と、当事者目線主流化、ともに生きる主流化、3つの主流化を掲げていく中で、特にこのジェンダー主流化、それから当事者目線主流化というのは、昨年ご議論いただいた男女プランと合わせて、このプランの中でもしっかり考えていく、同じ視点だと思っております。いくつか理念の書き方の部分のところでご指摘いただきましたので、我々の方でもそういう根本の考え方のところは検討して、委員の皆様から次の時にご意見いただけたらと思っております。
それから様々意見をいただいた中で、来年の4月から、この女性新法と改正DV防止法が施行されるという形になりますので、それと併せて、例えば必要な予算措置や人員についても考えていかなければいけないと思っております。一方で、そういったところを計画に書くのはなかなか難しくて、当然ながら予算については議決が必要ですし、人員の採用も、計画の中で、「何人に採用します」というように書ききれない部分があります。また、民間団体に複数年度支援できるような補助等があるとよいというご意見もあり、本当にそのとおりと思うのですが、地方自治法をはじめとする自治体の会計制度のしばりがある中で、どういうことができるのかを可能な限り検討はしていきたいとは思っております。次回またご意見をいただけたらと思っております。本日はどうもありがとうございました。

 

<岩田会長>
本間室長どうぞよろしくお願いいたします。それでは事務局の方から連絡事項お願いします。

 

<事務局>
本日は委員の皆様からたくさんのご意見をいただきまして誠にありがとうございました。
次回の審議委員会は、令和5年11月7日火曜日14時から17時まで、いつもより長い3時間を予定しております。
本日ご審議いただいた計画の素案についての審議と併せまして、ジェンダー主流化推進の取り組みとしまして、当事者目線の障害福祉推進条例に基づく基本計画について、皆様からご意見をいただく予定でございます。以上でございます。

 

<岩田会長>
また次回も大変大事な審議会になりますので、ご参加のほどよろしくお願いいたします。皆様どうもありがとうございました。

このページの所管所属は福祉子どもみらい局 共生推進本部室です。