更新日:2025年3月11日
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第11期第6回神奈川県男女共同参画審議会議事録(その2)
<事務局>
資料2-1、2-2、2-3、に基づき説明
<岩田会長>
審議時間が押しておりますので、かながわDV防止・被害者支援プランついては目標ごとの議論ではなく、重点目標1から重点目標5について、さらにこの2022年度全体について、どういう観点からでもよろしいので、ご意見を頂戴したいと思います。後で、事務局の方で、各関係する重点目標に紐づけて、整理をしていただきますので、目標の番号等は気になさらず、ご発言いただきたいと思います。そして最後に、事務局よりご説明がありました、困難な問題を抱える女性支援計画について次回から議論に入りますので、今日の時点で、皆様何かご意見をお持ちでしたら、是非お聞かせいただきたいと思います。それでは、かながわDV防止・被害者支援プランの2022年度の評価に入りたいと思います。どの目標からでも、あるいは全体を通じた評価に関するものでも結構ですので、どうぞご発言お願いいたします。橋本委員お願いいたします。
<橋本委員>
全体的なのですけれども、DVや被害者支援について、LGBTの視点がないのかなというのが気になっております。まず相談窓口についても、男性被害者相談というのができましたが、性的マイノリティの方はどこに電話したらいいのか、LGBTの方の中でもDV等もありますので、そういう窓口をどこに行ったらいいのかというのをもっと作っていただきたいと思っています。さらに一時保護所でも、トランスジェンダーの方が来たらどう対応するかの配慮というのも今後必要な視点なのではないかと思っています。経済産業省の方でのトイレ利用についてもありますし、LGBT理解増進法もできていますので、LGBTの視点は全体的に必要だと思います。例えば、一時保護所での扱いでどちらにいったら良いのかという話もあります。また、実際そういうところで性被害に遭ったという、性的マイノリティの方の話も聞いたことがありますので、そういうところを考えて加えていただきたいと思っています。
あと広報については、その若い子達については、デートDVについて、少しずつ理解されつつあると思っていますが、まだまだ冊子、紙媒体では届かないと思っています。短編動画というのも拝見したのですけれども、短編動画が彼らにとっては良いと、冊子媒体ではなく、そういうネットで見られるものが、もっと増えたらいいなと思っています。
あとは、重点目標Ⅲの「安全が守られる保護体制の整備」というところなのですけれども確かに安全第一で、それは本当に大事なのですけれども、やはり一時保護施設では携帯電話が使えないということで、そこにいられなくなり飛び出してしまって、結局また被害に遭ったところに戻ってしまうという話も聞いております。GPS機能への懸念から携帯電話を使用させないといった意見はありますが、この方々に心地よく生活できるような配慮があるといいと思いました。実際、加害者と離婚したくて弁護士と連絡を取りたい時でも、携帯電話がないことや、担当者との意思疎通がうまくいかなくて弁護士にすら連絡を取りづらくなってしまうという話も聞いたことありますので、安全第一の中で、いろいろ必要なことができるようなそういう環境作りや方法というのも考えていただければと思います。すみませんが、時間の関係で失礼いたします、ありがとうございました。
<岩田会長>
ご意見ありがとうございました。次に井上委員お願いいたします。
<井上委員>
細かいところ様々あるのですけども、橋本委員と重なるところを省いてお話いたします。緊急対応以外の自立支援の充実が、今般のDV防止法の改正でも、重要視される方向なのでその点とても気になります。先ほど、就業支援のところも話題になりましたけれども、DVケースでの自立支援は、その効果を量ること自体がとても難しく、他のケースとは事情が違うことが多いので、違う配慮が必要かなと思っています。何より急性期から自立期に移る時期、変遷をスムーズにいく施策を是非充実させていく必要があると思います。そういう意味ではこの目標のところで、この移り行きのところの目標や施策が表に出てきづらく、見えづらいです。移り行きの目標や施策の対策を埋めているのは、おそらく民間の支援者だと思いますので、上手に連携しながらしなくてはいけないと思います。県の中での、急性期から自立期までの各機関との見取り図みたいなものを少し分かりやすい形で作られるといいかなと思います。そうすると目標に到達していない原因を精査する際に、分かりやすくなるのではないかと思います。これは2022年度に限ったことではないですが、この目標の立て方から見ると、その移行のところに対して意識があまり向いていないという気がしました。
それから全体として、急性期も含めて、必ず被害者は逃げなきゃいけないのか、ということも考えてもらいたいと思います。そういう典型例ではない、非典型例、場合によっては家にいながら、自分が回復していくという手段を取りたい人もいると思います。そういう対応が可能になるようなことを是非考えていただきたい。これは、「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」についてだと思いますが、目標の立て方自体も工夫が要ると思いました。以上です。
<岩田会長>
他の皆様いかがでしょうか。それでは私の方から感じたことを申し上げたいと思います。
重点目標Ⅰ「暴力の未然防止」については、先ほども議論にありましたけれども、このDVの理解度に対する調査のあり方です。今回どう評価していいのか分かりませんので、これは問題として挙げたいと思います。
一方で、従来からですけども、非常によくやっていただいていると思うのは、10代20代を通じたデートDVの問題で、これは学校での取組を促進するために、様々なやり方で県も支援されていますけども、これは神奈川県としては非常に評価できる点だと思います。
それから重点目標のⅡ「安心して相談できる体制の整備」なのですが、LINEによる相談、多言語相談、そして男性被害者相談の件数が多いということで、様々な相談窓口の体制を作っていただいて、それがしっかり利用されているというのは評価できると思いました。また、橋本委員がLGBTの相談窓口を明確にすべきではないかというご意見をおっしゃっていましたけれどその通りだと思います。
それから重点目標のⅢ「安全が守られる保護体制の整備」ですけれども、今、携帯電話の話を中心に出されましたが、一時保護の受入体制も様々な整備がされてきたことは評価します。また民間団体、それから関係行政機関と連携に努めているということも、やはり評価したいと思います。しかし、一時保護件数が減少の傾向が見られます。実際にニーズが減っているとは思いませんので、必要な人が利用出来やすいように、何が障害になっているのか原因を追求して、障害を一つ一つ取り除いていただいて、もっと多くの人が利用できるような体制にしていただきたいなと思っています。
最後の重点目標のⅤ「市町村、民間団体及び関係機関との連携等」のところですけれども、計画がまだ未策定のところが2市町村ございます。2021年度から2022年度で数値が動いていませんので、速やかに100%にしていただきたいと思います。「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」である新法に関して、計画策定の機会もございますので、これを契機に併せて、是非、残りの2つの市町村についても早い時期に策定をしていただきたいと思います。私からは「かながわDV防止・被害者支援プラン」の2022年度の評価については、以上になりますが、他の委員の皆様からはよろしいでしょうか。
それでは次に「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」について、これから事務局で、計画の素案作り、骨子作りに入ると思うのですが、それに早い段階でやはり皆様のご意見を反映していただきたいと思いますので、今日の段階で皆様が持ってらっしゃる問題意識があれば、事務局に伝えたいと思いますので、ご発言よろしくお願いします。
井上委員お願いします。
<井上委員>
非常に早い時期から取組んでくださり本当に素晴らしいと思います。これは、今の「かながわDV防止・被害者支援プラン」の中に収めると、さっきお聞きしたのですけども、お間違えないでしょうか。
<岩田会長>
新しい計画の中に「かながわDV防止・被害者支援プラン」も吸収するという事だと思います。
<井上委員>
そうだとすると、両者を関係づけていくのは、なかなか難しい課題と思います。実質的には、新しいDV施策のあり方を模索する必要があるかもしれません。しかし、両者を関連付けることによって、先ほどから出ている施設利用、一時シェルターの利用の仕方や、あるいは県庁の中での施策の組み立ての仕方等、そういうのがとても見えやすく、使いやすくなると思いますので、とても良い方向だと評価しています。その一方で、この「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」は女性施策になりますので、ジェンダーの視点というかLGBT含めて、男女で二元に分けてしまうと、女性施策としてしまうことで、抜け落ちてしまう問題や事例が出てくる可能性があると思いますので、そこを上手にやっていかなくてはいけないと思っています。その辺り既にお考えがあれば教えていただきたいと思います。
<岩田会長>
まず皆様のご意見をお聞きしてから、最後に事務局の方から、今日の時点で何かコメントがあればお願いしたいと思います。白河副会長お願いします。
<白河副会長>
先日視察した、5億円かけて新しいシェルターを作っている大阪の団体は、もともとホームレス支援をしていたそうです。その新しいシェルターは、DV被害者はその一つのフロアを女性子供専用にして、残りは若者向けと言っておりました。なぜかというとホームレスの支援をずっとされているのですが、いわゆる本当に高齢のホームレスの方というよりだんだん、職と家を同時に失ってしまったという、困難を抱える若者の相談がコロナの時に非常に増えて、その人達が、長期的にゆっくり、自分の将来を考えられるような施設を作りたいというところで、助成金を入れないものを作っているということでした。助成金を入れないということは、そういった事業にすごく使いにくいということです。しかし行政の直接の助成金はなかなか難しいところがありますので、民間との連携強化、支援みたいなことを、しっかりやっていただければなと思います。やはりカフェやバスを用意して、夜に、行き場所のない方達を受け入れたり等、私の知り合いが、やはり若者のための食料支援をずっとやっていたのですけれど、今は大阪でセンターを作っています。やはり拠点が必要と考えられます。しかし行政が用意する拠点は使いにくいので、かえって利用する人が来ないという非常に難しい問題があります。民間の人達が拠点を整備しやすいように、例えば場所等のそういったものに関して、何か支援があったらと思っています。以上です。
<岩田会長>
他によろしいでしょうか。では私の方から3点ございます。重複している点もあるかもしれませんが、お願いしたいと思います。
1つ目は、全国で見ても先進的な計画を作っていただきたいと思います。神奈川県は、特に県議会が、これまで非常に努力されてきました。神奈川県議会は、国へ何度か要望書を出されたり、国会でロビーイングしたり、あるいは県議会の中で、この問題を議論されたりして、非常に熱心に議論されてきたと思います。他の地域と比較してみても、若年女性の支援活動をやっているNPOなど民間の活動も活発です。そういう意味では、この領域で、神奈川県というのはこれまで結構先進的にやってきたと思いますので、その経験を踏まえて、全国的に見ても先進的な県の基本計画を是非作ってほしいという要望です。
2つ目はですね、その時に特に重点的に取組んでいただきたいと思うのは、従来の表現だと、婦人保護事業3機関と言われているものです。新しい用語では女性相談支援センター、女性相談支援員、女性自立支援施設、この3つの機関のあり方を、もちろん売春防止法に基づいてやっていた時と比べて随分変わってきていると思いますけども、さらにこの新法の理念に基づいて、今後の在り方を検討していただきたいと思います。これまでも問題をたくさん抱えていたと思いますが、新しい理念に基づいた機関の在り方を計画の中で検討していただきたい。その結果、相当の予算と人員が必要になると思いますので、是非、こういうタイミングでないと、予算・定員の拡大というのは難しいと思いますので、本当に局を挙げて、知事はじめ、庁内のご理解をいただき、大きく行政を飛躍させていただきたいです。これは長年の課題が蓄積してきていて、それを解決するいいタイミングだと思いますので、お願いしたいと思います。
3つ目はそれとも関係するのですけれども、新かながわグランドデザインについてです。これからの県政全体の新しい議論が始まるということなのですが、その中に、誰もがチャレンジできる社会や、様々な人が共生する社会というのを掲げている訳で、まさに新しい計画というのは、この新かながわグランドデザインの中にもしっかり位置付けていただいて、知事がよくおっしゃられている、当事者目線で、当事者中心の施策になるように県全体の大きな政策の動きの中に、新法である「困難な問題を抱える女性の支援に関する法律」の基本計画をうまく連動させて、なかなか単独ではできないようなレベルの大きなこともチャレンジしていただきたいと思います。以上3つ、期待を申し上げたいと思います。他には皆様いかがでしょうか。よろしいですか。この議題2について、ご発言が1度もない方もおられますけどよろしいですか。頷いていただいていますので、以上としたいと思います。
今日は2つの議題で議論していただいたのですが、たくさんのご意見ありがとうございました。事務局の方で、審議会の評価の公表用の資料を整理していただいて、私との間で調整させていただきます。その案が出来上がった段階で、またメールで皆様のご意見を頂戴したいと思います。それでは今日予定した議題は以上で終了でございますが、最後に本間室長の方から何かコメントがありましたら、先ほどの井上委員のご意見もありましたので、事務局として、県として何を考えていらっしゃるか、「困難な問題を抱える女性の支援に関する法律」である新法についての基本的な考え方についても併せて、コメントしていただければ大変ありがたく思います。
<本間共生推進本部室長>
本日、長時間にわたり委員の皆様からたくさんのご指摘いただきましてありがとうございます。目標達成しない項目についても、目標を達成すべくやっておりますが、結果として、目標に届いたもの届いてないものは、真摯に受けとめなければいけないと思ったところでございます。黒岩知事も4月の地方選を経て、4期目に入りました。その姿勢として、3つの主流化というのを打ち出しました。これが恐らく向こう4年、県の大きな精神的な柱になると思います。そのきっかけを作ったのは、皆様にご議論いただいて作った、「かながわ男女共同参画推進プラン(第5次)」でした。3つの主流化とは、ジェンダー主流化・当事者目線主流化・ともに生きる主流化、それぞれの部局がそれぞれの施策をやるときに意識してやるという考えを、改めて庁内で共有をしたところでございます。それこそが、「神奈川県男女共同参画推進プラン(第5次)」で目指そうとしていた、ジェンダー主流化の取組で目指す、ジェンダー平等というところにつながってくると思います。
また井上委員からご指摘いただきました、「困難な問題を抱える女性の支援に関する法律」の計画ついて抜け落ちることがないように、意識してやってかないといけないと思っております。今月の県の議会でも議論になったのですが、この「困難な問題を抱える女性の支援に関する法律」である新法は、女性新法と言われ女性対象なのですが、LGBTQ等の性的マイノリティの方も、またDVに関して言えば、男性についても対象になっているということもありますので、女性新法だから女性だけに目を配る対象を限定しないように、意識しながらやっていくというところが大事と思っています。我々が計画を策定していく中で、足りない部分がございましたら、次の審議会で、ご指摘いただいて、修正しながらやっていきたいと思っております。本日はありがとうございました、以上でございます。
<岩田会長>
それでは事務局の方から連絡事項がありましたらお願いいたします。
<事務局>
それでは連絡事項です。先ほど、岩田会長からもご案内ありました通り、2022年度の評価につきましては、岩田会長と事務局とで、改めて取りまとめを行っていく予定です。それに関しましては、欠席された委員の皆様のご意見も併せて、取りまとめを行って参りますのでよろしくお願いいたします。
次回の審議会でございますが、令和5年8月21日月曜日の15時から17時ということで予定をしております。また先ほど課長から説明をしました通り、困難な問題を抱える女性の支援に関する法律に基づく基本計画と、かながわDV防止・被害者支援プランの改定について議論をしていただく予定でございますよろしくお願いいたします。
<岩田会長>
ほぼ時間通りに終えることができました。皆様ご協力ありがとうございました。これで閉会いたします。
<終>
このページの所管所属は福祉子どもみらい局 共生推進本部室です。