更新日:2025年3月11日
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第11期第5回神奈川県男女共同参画審議会議事録(その2)
<岩田会長>
ジェンダー主流化を進めるにあたっての制度上の制約や現実的な問題をお話いただき、その上で、来年度からできることからやっていきたいということで幾つか事例のお話がありました。
今のご説明も含めて、これまでの審議全体を振り返って、これからいただくご意見は、プランには反映できないという段階なのですけれども、是非ともということがあれば、未来に向けての課題として、事務局に受けとめていただくこともできるかと思いますので、ここから残る時間はプランのこれまでの議論を振り返って、残る時間と言ってもあまりないのですけれども、ご意見をいただきたいと思います。野村委員お願いします。
<野村委員>
ジェンダー主流化について真摯にご検討いただいて、本当にありがたく思います。引き続きよろしくお願いします。それから、先ほど議論をしました用語とコラムについて、今回我々は初見ですので、最後にまとめるにあたって、できたら岩田会長に一任として事務局と取りまとめをお願いできないかなというのが希望でございます。
それから、資料1の「かながわ男女共同参画推進プラン最終案」について、これは確定したもので今から何もできないと思うのですけれど、改めて最終案が届いたのでもう一度全部見なおして、少し思う点を2点だけ絞って申し上げます。19ページ目の「グラフ26 性別役割分担意識(性・年代別)(全国)」で20代男性が保守的になっていると、本文説明とグラフが一致してないように思うので、一度確認していただいた方がいいのかなと思いました。
それから29ページ、30ページに、「女性を部下に持つ男性管理職向けセミナー」とあるのですが、管理職は男性と限らないので、ここを男性管理職に限定するとかえってバイアスが入っているように受け取られかねないので、ここは女性を部下に持つ管理職向けセミナーとした方がいいのではないかと、その2点です。以上です。
<岩田会長>
最後に事務局からまとめて対応が、可能なことと不可能なことについてコメントをいただきたいと思います。井上委員お願いします。
<井上委員>
最初に本間室長のご説明についての議論ですけれども、全体としては野村委員がおっしゃってくださったように、このジェンダー主流化をシステムとして組み込んでいくというのが、私は今回のプランの肝だと思っていますので、そのような意味では非常に積極的な姿勢で取り組んでくださり、また、ご苦労いただいたことを非常にうれしく思っています。
その上で、審議会をどういうふうに組み込んでいくか、どういうふうに意見を述べていくかという観点で随分説明してくださって、そのような部分も重要なのですけれど、それとともに、事務局の皆さんについてです。審議会は重要ですが、同じくらい共生推進本部室の事務局も非常に重要なので、他の重要課題等の中にどのくらい入っているのかも検討いただきたいところです。私は自殺対策計画を所管する審議会の委員でもありますが、そこでも私が最初に委員になった時には、男女共同参画を分掌する委員はいらしてなかったです。それはおかしいのではないかということを申し上げて、来ていただくようにしましたので、そのようなことも含めて、事務局体制というのでしょうか、そのような観点からも是非ご検討いただくと、実質的に進むのではないかなと思っています。
それと用語について、「ジェンダー」という概念それ自体が時代によってとらえ方が変わってきていますので、そのことを書くといいと思います。「男女」というように分ける、マイノリティあるいは私は四つの要素と説明していますけれども、そのように、矛盾ではないのだけど違う定義のように見えるかもしれないけれど、概念自体が展開ないし反転しているので、そのような時間軸で少しそれを説明されるといいと思います。必要でしたら文書を含めてご相談に乗ります。
それとともに、この用語の中に入れた方がいいのかなと思うのは、「マイノリティ」と「マジョリティ」というのを説明されるといいのではないかなと思いました。先ほどのダイバーシティ、インクルージョンとも関係しますけれども、マイノリティとマジョリティというのは、数の問題ではないというところが重要で、だからこそ多様性で、力の弱い、制度でのアクセスが少ないところについては、ポジティブ・アクションを含めて制度を変えていきましょうという、そういった流れになりますので、マジョリティとマイノリティという説明と、例えば性的マイノリティという言葉もたくさん出てきますので、それにつながっていくという気がしました。その二つです。
それから、全体の感想として、皆さん活発にご意見をいただいてありがとうございました。私の大学のゼミ生が傍聴させていただきましたが、本当にこのようにやっているのですねというコメントもありましたし、このプランのパブリックコメントを何人も出してくれました。女性会議でも何人か出してくれましたけれども、今回私たちの議論や皆さんの議論をこの審議会の中だけではなく、審議会の委員や事務局以外の人にも見ていただいて本当によかったと思っています。これからもそのような機会、せっかく傍聴という、素晴らしい機会があるわけですから、有効に活用していかれるといいかなと思います。本当に皆さんとの議論は楽しかったし、事務局にいろいろなことを申し上げましたけれども、本当に真摯に取り組んでいただいて、良い方向にプランが改定されたと信じていますので、あとはもう最後の詰めと、それからこれを実行していくということなのだと思っていますので、別の場所でご一緒させていただくことを楽しみにしています。
<岩田会長>
白河副会長どうぞ。
<白河副会長>
本当にこの実行のところまでこんなに真摯に取り組んでくださり、またこの「ジェンダー平等」と「男女共同参画」は何が違うのかというようなところまで踏み込んで文章にしてくださるような自治体はほかにございません。本当に皆様一生懸命やってくださって、私たちの意見を真摯に受けとめてくださって本当に感謝しております。やはり一番重要なジェンダー主流化の実行のところで、先ほど、全部は無理だけれども自分たちの部局からやっていくという、力強いお言葉をいただいたので、本当にいくらでも協力させていただきたいと思います。
どういう事例が分かりやすいのかなと思ったのですけれども、事務局の知識というのも、本当に重要なので、いろんな政策をやられているし皆さんいろんな部局を回られますので、是非1回、このジェンダー平等の分野を勉強していただくと素晴らしいと思います。この間の国際女性会議WAW!の議論が、全部ユーチューブに上がっています。国際女性会議が3年ぶりに開催されて、いろんな分科会がありまして、ご自分の担当される分野の分科会もあると思いますので、例えば、ジェンダー平等の経済に対してのアプローチとか、子どもや若者に対しての施策とか、男性をどう巻き込んでいくかとか、ありとあらゆる分野のことを専門家が海外の専門家と一緒に論じていて、本当にためになるものです。動画を全部公開してくれているのは本当ありがたいと思いますので、消えないうちに、皆さん興味のあるところを是非見ていただければと思います。
例えばジェンダー主流化とはどういうことかというと、先ほどは災害の例が挙がっていましたけれども、最も危機がある非日常な問題というのはやはり戦争です。今回女性と安全保障という分科会がありまして、非常に印象的でした。安全保障の問題に関して議論は進んでいますけれども、ここに本当に女性の意見は入っているのかと。女性は戦争になると最大の被害者になってしまうわけです。今ウクライナでも多くの女性が被害に遭い、子どもが連れ去られています。そのことに関して、やはり和平交渉等も全然女性が入らない状態で進んでいます。しかし女性が入った和平交渉の方が男性のみの和平交渉よりも長続きするという結果も出ています。またその女性と安全保障の分科会では、戦争の被害者としてレイプされた女性が立ち直って、戦争被害を防ぐために活動したりとか、その被害者の人たちが逆に活動の主流になっていく、そのような力強い姿も見えました。ですから戦争になっても女性は被害者であるだけではなく、普段の暴力やそういったものを阻止する存在としても活躍しているということが分かります。まさにこういった分野にまで、すべて、男女平等の目線が入っていく、ジェンダーの問題が入っていくというのがジェンダー主流化だと思いますので、是非皆さん、そういった問題を一度は見ていただければと思います。
<岩田会長>
橋本委員お願いします。
<橋本委員>
今回資料1の「かながわ男女共同参画推進プラン最終案」をもう一度見直してみたのですけれども、34ページ目の数値目標ですが、「男性職員の育児休業等取得率」が、現状値よりも目標値が低いというのはこれでいいのでしょうかという点が気になりました。
<岩田会長>
それは後ほどまとめて事務局からご説明いただきたいと思います。今日一度もご発言なさってない方はいかがですか。よろしければご発言なさいませんか。それでは川島委員お願いします。
<川島委員>
特に意見はございません。前回までずっと、男性の立場、経営者の立場で申し上げていたイクボスについて、かなり反映していただいたので、感謝申し上げます。ここまでイクボスについて、明確な定義をされている自治体は他にないので、非常に素晴らしいなと思いました。
<岩田会長>
鈴木委員お願いします。
<鈴木委員>
ここまでまとめていただきましてありがとうございます。今回また、委員から出た意見についてのコメントを、事務局からすごく丁寧に書いていただき、そしてその反映の仕方というのもきちんと書いていただき、それと照らし合わせながら資料を拝見しておりました。いろいろな県庁内の調整や議論を経ての資料1の「かながわ男女共同参画推進プラン最終案」だと思います。これまでずっとお話していた、ジェンダー主流化にフォーカスした内容になっていますし、そもそもサブタイトルで「ジェンダー平等」という言葉を使えたこと自体、かなり頑張っていただいたのではないのかなと感じた次第です。
気になったことがあったので一つだけ申し上げておきます。資料1の「かながわ男女共同参画推進プラン最終案」の53ページ目のジェンダー主流化のところに入れるという資料2の4ページ目の「コラム ジェンダー主流化とジェンダー統計(最終案P53)」の会話です。ジェンダー主流化とジェンダー統計ということで、ここにフォーカスしているので、物資の備蓄や避難所の運営とか、もちろんそれもすごく大事なのですけれども、可能であれば、ジェンダー統計を使うことによって、次にどういうことにつなげられるのか、あるいはジェンダー統計があることによって、どういう角度から物事を見ることができるのか、そのような会話があってもいいという印象を受けました。
<岩田会長>
矢作委員どうぞ。
<矢作委員>
「男女共同参画」と「ジェンダー平等」の言葉の使い方は、鎌倉市で、男女共同参画計画を定めたときにも課題でした。鎌倉市では「かまくらジェンダー平等プラン」という名称にし、サブタイトルとして「鎌倉市男女共同参画計画(第三次)」という名称にしたのですけれども、もともと国の男女共同参画基本計画に基づいているものなので、「ジェンダー平等」も、取組の方向性は一緒です。実際取り組んでいることに比べて、「男女共同参画」という言葉はその一部しか説明してないよねということがありまして、「ジェンダー平等」を表に出してという経緯がありました。今回神奈川県でこのように整理されたというのは、大変だっただろうなと思いました。
用語に関して、これも国の男女共同参画基本計画の中で示されている用語集と重ねるように、県の方で用語を整理されたと思っています。先ほどの「アンコンシャス・バイアス」で「脳にきざみこまれ」というのも国の基本計画で使われている言葉ですよね。ですので、その辺りは少し伝わりやすいアレンジが必要な部分はあるかなと思いました。国の基本計画ですとか文言との整合等、そういったことも含め、また、県の中の関係部局にも様々調整を図られて、かなり事務量としては膨大だったのではないかなと思うので、本当にお疲れ様でした。参加させていただいていろいろな意見をお伺いすることができて、鎌倉市としても勉強になりました。
<岩田会長>
鎌倉市もすごいですね、プランの名前に「ジェンダー平等」という言葉が入ったというのはすごいことです。萩原委員も是非よろしければ。
<萩原委員>
参加させていただいてすごく勉強になりました。実は、この会議に関心を持たれているという方から、直接苦情を含めての電話をいただきまして、最近のジェンダー平等プランはすごく女性に偏っていないかというご意見を男性からいただいたのですけれど、私たち労働組合が、例えば「同一労働同一賃金」を掲げている関係もあって、でも男性と女性の働き方は基本的に違うし、男性の方が明らかに労災の数が倍もあるのに、そのようなところには着目しないで、女性がある意味では底上げをされているというところばかり着目されているような気がするというようなご意見があって、そのような視点も労働組合としてはもう少し、こちらが気にして発言をすべきだったのだということも含めて、勉強になりました。プランはプランとして、これから実行段階に入っていくので、具体的な展開を是非着目したいですし、理念を広げていくという意味では、いろんなご意見を出していただけるように、どうやって使っていくかというのは大事と改めて感じさせていただきました。本当にこういったレベルの会議で、いろいろな勉強ができてありがたかったです。
<岩田会長>
確かにいわゆる男性問題について当審議会でも議論をして、その項目も設けているのですけれども、自殺の問題とか、安全の問題というのは、男性の方に大きな問題があるというのは確かだと思いますね。是非、次のプランまでの間に、そのようなところは更に深掘りできたらいいのかなと感じました。
それでは事務局から最後に出していただいたご意見も含めて、今日の時点でご説明できることありますか。
<事務局>
まず、資料1の「かながわ男女共同参画推進プラン最終案」の19ページ目のグラフと本文が合っていないのではないかというご意見ですが、グラフが小さく、見づらくて恐縮なのですけれども、例えば左側の「家事・育児は女性がするべきだ」の男性の20代の「そう思う」が一番多いグラフになっており、右側の「共働きで子どもの具合が悪くなった時、母親が看病するべきだ」も20代の方の「そう思う」が多くなっています。そういったところを踏まえた記載にしております。ここはもう一度確認はさせていただきますが、基本的にはこのグラフの数字を踏まえて本文を記載させていただいています。
次に、29ページ、30ページのところで、「女性を部下に持つ男性管理職向けセミナー」についてご指摘をいただきましたが、確かに女性が管理職で、部下が男性という場合もあることはあるとは思いますが、現実問題として、やはり女性を部下に持つ男性管理職が多いという中で、こういったセミナーを考えて、今までもずっとやってきました。こちらについては来年度予算もそのように計上しておりますので、引き続き「女性を部下に持つ男性管理職向けセミナー」として、来年度も実施したいと考えておりますので、ここの記載を変更するのは難しいと考えています。
それから、34ページ目で、「男性職員の育児休業等取得率(知事部局等)」の目標が、既に目標値を達成しているではないかというご指摘なのですけれども、男女共同参画推進プランの数値目標については、このプランのために審議会のご意見を踏まえながら目標値を設定させていただいたものと、それぞれの各局の計画等で既に決められているものを男女共同参画推進プランの数値目標に掲げているものと、2種類ございます。この目標は、総務局の計画に基づいて掲げている目標になりますので、男女共同参画推進プランの改定にあたっては、こういった目標値にせざるを得ません。ただ、総務局で、こういった実績を踏まえて、今後総務局の計画を改定していくのかということを検討すると思いますので、それに伴い男女共同参画推進プランの目標も、また修正していくといった流れになると思っています。事務局からは以上です。
<岩田会長>
最後に、本日議論した資料2と資料3について、私は事務局に一任と申し上げたのですけれども、野村委員から、会長がしっかり関与するようにというご提案があり、私自身は、なかなか難しい役割なのですが、そうさせていただくことも大丈夫ですけれども、事務局はいかがですか。
<事務局>
はい。お願いいたします。
<岩田会長>
それでは資料2と資料3の修正については、私にご一任いただいて、事務局と相談しながら固めたいと思います。それまでの間、井上委員からも申し出をいただきましたけれども、具体的な修文、書きぶりについて、事務局からお願いすることもあるかもしれませんので、その時はご協力をよろしくお願いしたいと思います。それではこの議題は以上としたいと思います。
続きまして、本日の2番目の議題に進みたいと思います。プランの答申について、事務局から説明をお願いします。
<事務局>
資料4に基づき説明。
<岩田会長>
全体として妥当であるという評価ですが、これについて、異議ありませんか。よろしいでしょうか。皆さんうなずいていただきましたので、原案の通りでお願いしたいと思います。それでは白河副会長、1月20日に知事にお目にかかるという予定になっていますのでよろしくお願いします。
それで、男女共同参画に関して知事と直接お会いするのは、この男女共同参画推進プランの改定に係る答申の、この時だけです。せっかく知事にお会いするので、短い時間ではあると思いますけれども、これまでの審議会の様子も踏まえて、知事に直訴をしたいということを、案として3点作っており、これから読み上げますので、もしご意見等がありましたら教えていただいて、当日までに修正したいと思います。
まず1点目です。今回の答申の最大の特徴は、基本目標にジェンダー平等を掲げ、推進体制として、ジェンダー主流化を盛り込んだことである。これらを男女共同参画推進プランに記述したのは、都道府県の中では、神奈川県が初めてではないでしょうか。ジェンダー主流化とは、あらゆる分野でのジェンダー平等を達成するため、全ての政策、全ての事業に、ジェンダー平等の視点を盛り込むことです。
ジェンダー主流化を進める中核組織は、審議会では県男女共同参画審議会、県庁の中では、共生推進本部、共生推進本部室でありますが、県男女共同参画審議会が他の審議会に意見を述べる、あるいは共生推進本部、共生推進本部室が、他の部局に意見を言う権限が制度上はありません。そこで将来的には、県男女共同参画審議会や共生推進本部、共生推進本部室が横串機能を発揮しやすいように、条例改正などの制度改正を検討していただきたい。これはなかなかすぐには実現できないかもしれませんけれども、ジェンダー主流化を推進するための制度的な手当を将来的に是非お願いしたいというのが1点目です。
2点目は、プランでは数値目標を掲げながら政策の基本方向を示していますが、これらの目標を達成するためには、行政の努力、県内の企業や団体の努力、県民一人ひとりの努力が必要であります。特に、県が努力をすれば達成できる目標として、知事部局等における管理職女性比率、知事部局等における男性の育児休業取得率、県の審議会における女性委員の比率等があります。県庁が実績を作っていくというのは、県内の民間企業に対して模範になりますし、県内市町村に対しても模範になると思いますので、非常に重要なことではないかと思いますので、知事には是非リーダーシップをとっていただきたいということを2点目にお話ししようと思います。
そして3点目ですが、男女共同参画推進プランやDV防止・被害者支援プランの推進を担い、また県男女共同参画審議会の事務局としての仕事を担っているのは共生推進本部室です。現在は、室長以下9人で仕事をしているそうですが、来年度は従来の仕事に加えて、ジェンダー主流化を推進する仕事、DV防止・被害者支援プランの改定、そして新しくできた困難な問題を抱える女性への支援に関する法律への対応等、非常に大きな課題が集中する時期となっています。是非、人員面で手当をするなど、事務局の体制を強化していただきたいということを、3点目にお話をしたいと思っています。
以上、こなれていない部分も多いと思いますけれども、この3点について口頭で申し上げるということについて、ご意見や、こういうことを強調した方がいいのではないかとか、そのようなアドバイス等がありましたらいただきたいと思います。井上委員お願いします。
<井上委員>
3点とも大変賛成であります。特に3点目も含めて、厳しいとは思いますけれど、是非進めていただきたいということも含めて。答申は記者発表がありますでしょうか。もし記者発表があるのであれば、今まとめてくださった3点を含めて知事に答申をしたのだということを発表していただけないかなと思います。せっかく3点にまとめていただいたので、要望としてそのように思います。宙に消えていかないように、是非工夫をしていただきたいなと思いました。要望です。
<岩田会長>
事務局はいかがでしょうか。
<事務局>
記者発表につきましては、答申することを参考資料送付するという対応を想定しておりますので、大変申し訳ないのですが、今の三つの論点について発表するというのは、難しいと考えております。
<岩田会長>
確かに、皆さんの気持ちを背負って、せっかくお願いしてもそれが消えてしまうというのは残念ですから、記者発表という方法にはこだわりませんけれども、何らかの方法で、この気持ちがずっと知事の問題意識として続いていただくように、工夫をしていただけると大変ありがたいと思います。野村委員どうぞ。
<野村委員>
会長がまとめてくださった3点に賛成です。是非お願いします。3点目のところで、もしできたらですが、本文の中に書かれていますけれども、今コロナを受けて女性の課題が浮上したところであり、また、人口減少が始まったという、やはり大きな転換点だと思います。そのような状況を、県でも今まさに迎えていて、本当に変化させるなら今という時だと思いますので、是非強い知事のリーダーシップをお願いしますといったことを言っていただいてもいいのかなと思いました。
<岩田会長>
それは2点目の知事のリーダーシップのところでしょうか。それとも3点目の体制の強化のところでしょうか。どちらでもいいですか。
<野村委員>
はい。
<岩田会長>
そのような観点からますますこの共生推進本部室の役割は大きくなっているということに加えて、具体的に、新しい仕事がこれだけ入ってくると修正したいと思います。白河副会長どうぞ。
<白河副会長>
ご一緒させていただくことは大変光栄です。3点大変賛成しております。よろしくお願いいたします。比較的実行しやすいこととして、先ほど挙げられていた審議会の女性のメンバーの比率ですが、これはどこの県も行っていて競争なので、これは受け入れられやすいことかなと思います。
それからもう一つは、体制の人員強化に加えて、やはり皆様が、どこかでジェンダーについての最新の状況を学ぶ機会というのが、事務局のみならず、本当は全部の県庁の方にやっていただきたいのですけども、やはりベースの知識が非常に必要だと思いますので、そういったことを研修に行くような予算を付けていただけたらと思っています。
<岩田会長>
共生推進本部室に限らず、全庁的にということですか。
<白河副会長>
共生推進本部室だけでもと思うのですけれど、皆さん異動されていきますよね、どんどん人が変わりますので、一度はどこかでそういった知識を、研修を受けられたらいいと思っています。
やはり多くの男性の政治家の心を動かすのは、少子化問題というところだと思います。神奈川県は恵まれた立場ではあると思うのですが、人口減少が始まりますので、ジェンダー平等と出生率の回復も大きな関係があるという様々なエビデンスが出ているので、それも一言付け加えてもいいのだと思います。ジェンダー平等を達成することが、その国のGDPにも貢献しますけれど、出生率にも貢献すること。その関係が分かってない方が多くて、この前も厚生労働省の方と話したら、女性活躍と出生率の回復がどのように連動するか、僕には分かりませんとはっきり言われて、唖然としたことがありました。そこは重要だと思って、エビデンスも多々あるので、ただ長く説明するのは難しいですから、一言、少子化にもジェンダー平等は欠かせないことで、それは他の先進国で回復した事例が幾らでも示しているということは、是非入れていただければと思います。
<岩田会長>
他にはよろしいでしょうか。皆さん、いろいろご意見、アドバイスをいただいてありがとうございました。これらを生かして、当日、白河副会長と一緒に対応したいと思います。
それでは、以上でこの議題2も終了したいと思います。今日の議題はすべて終了いたしましたけれども、いつものように最後に本間室長から、もし何かございましたら是非お願いしたいと思います。
<本間共生推進本部室長>
今回、最後の会議ということで、先ほど資料4にもありましたが、5月17日から、実質的にこの議論をさせていただきました。昨年度から約1年に渡って、様々な意見をいただきました。我々も委員の皆様から意見をいただき、やはり考えが深まってきた部分もありますし、共生推進本部の中でも議論をしながら、全庁的な話の中で影響を与え続けるということができたのではないかなと思っております。皆さんから多くのご意見をいただけたことは、本当に感謝申し上げるべきことだと思っております。
今回のプランの基本理念に、「当事者目線」という言葉を入れさせていただいていますが、それは6年前の津久井やまゆり園事件という、県立の知的障害者の入所施設で、過去に職員だった人間が次々と入所者を夜間殺害して回って、19人を殺害した事件がありました。犯人は、自分の意思を表明できないものに生きる資格はないというような考えの持ち主でした。そういった価値観に県は立たないという姿勢でやってきたのですが、実は県立の他の施設でも差別虐待があったということが発覚しました。県としては、そういった事実から目を背けずに、新しい障害福祉を作っていかなければいけないということで、当事者目線の障害福祉推進条例を作りました。ここで「当事者目線」という言葉が、我々の反省としてあり、施設入所者との関係で言えば、我々の支援する側から見える世界での支援しかしておらず、自分の人生を送ろうとしている入所者の目から見た支援をしていなかったというところが、一つの大きな気付きで、それを条例の中に基本思想として組み込んだと、そのような条例でございます。
この考え方というのは、障害福祉の分野からスタートしましたが、この5月、6月の時点で、この男女共同参画推進プランの中でも同じなのではないのかと思い、基本理念に入れさせていただきました。障害福祉の世界では、「当事者目線」という言葉が、上から目線等、様々な批判をいただくこともあり、この神奈川県男女共同参画審議会でも、同じように言われるのではないかと思っていたのですが、そのようなことはなく、むしろそれぞれの目線に立つということについて自然に受け入れていただいたことは、私にとっては非常にうれしく思いました。委員の皆様と、この約1年の間議論ができたということは非常に良かったなと思います。知事は最近、「当事者目線」という言葉は、人間関係の基本的な考え方なのではないかということも言っておりまして、障害福祉の世界に限らず様々な分野で、少しずつ「当事者目線」という考え方を進めていこうと発信しております。その一つが、この「かながわ男女共同参画推進プラン」になってくるのかなと思っているところでございます。
引き続き、1月20日に知事に対し、会長と副会長にお時間をいただいて、答申をしていただくことになるのですが、今日いただいた御意見を整理して、詳細を詰めていければと思っております。感謝を申し上げるとともに、引き続きよろしくお願いしたいと思います。長くなりましたが以上です。
<岩田会長>
それでは、事務局から最後に連絡事項はありますか。
<事務局>
本日いただきましたご意見につきましては、事務局で整理をさせていただき、岩田会長と調整させていただいて、コラムの部分と、用語の部分について、確定させていただきたいと思います。先ほどもお話がありましたが、1月20日に答申をいただいた後に、このプランについては議決案件となっておりますので、2月の県議会に議案として提出する予定でございます。議決は3月となりますので、正式にプランの改定ということで決定するのは、3月末を予定しております。決定いたしましたら委員の皆様にもご報告をさせていただきます。
本日の審議会が、今年度最後の審議会となります。今年度は、6月に委員の改選を行いまして、旧メンバーで開催した5月の審議会を含めまして、全部で6回のご審議をいただいたところでございます。皆様お忙しい中お集まりいただき、熱心な御議論を重ねていただきました。反映できなかった御意見も多々あると思いますが、おかげさまで最終案までたどり着くことができました。この場を借りて御礼申し上げます。
<岩田会長>
それではこれで審議会を閉会にしたいと思います。委員の皆様、そして事務局の皆様、本当にありがとうございました。活発な意見交換ができたと思います。良いプランになったと思います。それではこれで閉会いたします。
<終>
このページの所管所属は福祉子どもみらい局 共生推進本部室です。