更新日:2023年10月31日

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友好交流職員からの現地レポート

神奈川県の友好交流先である韓国・京畿道を身近に感じていただくため、平成23(2011)年度京畿道派遣中の職員(篠崎健一)から、京畿道の取組み、魅力的な観光情報等の現地レポートを順次紹介してまいります。

京畿道での生活について (2012年3月)

昨年6月、韓国・京畿道にまいりましたが、3月に帰国することになりましたので現地からのレポートは今回をもって最後となります。
今回は約10ヶ月間の生活を通して、私なりに感じたことをお知らせします。

まず、交通手段についてですが、神奈川県に比べ、私が暮らしていた京畿道の水原では、バスを利用する人が多いと感じました。

まだ鉄道があまり整備されていないためなのか、大変便利な「バス情報システム(BIS)」が発達しています。
これは、バスにGPS受信機と無線通信端末機が設置してあり、バスの運行状況をリアルタイムに把握し、バスの位置や運行状態、配車間隔、到着予定時間などの情報をバス会社や住民に知らせるシステムです。

バス停

バス停にある電子掲示板には、渋滞情報などを加味して、何番のバスが何分後に到着するのかが表示されます。この情報は携帯電話でも確認することができます。

初めて行く場所であっても、目的地へ行くバスがどのくらいあって、そのバスが現在どのあたりを走っているのかなど、必要な情報を簡単に見ることができます。

一方で、京畿道では現在、首都圏の交通渋滞や大気汚染問題を解消するため、首都圏広域急行鉄道(GTX)の建設を進めています。
時速200km以上で走行するこの列車は、地下40~50メートルを走り、ソウルと京畿道全域の都市をつなぐ予定です。
2017年完成予定ですが、これができるとソウルへの移動時間はかなり短縮されるでしょう。

次に、食事についてですが、私は韓国に来る前、韓国の食事というと、焼肉やキムチ、ビビンバがおいしく、辛いものが多いという印象くらいでした。

それ自体に間違いはありませんでしたが、日本以上に「食べること」を重視すると感じました。
お昼前後や夕食時には、「食事をしましたか?」と、よく挨拶し合います。

ビビンバ

また、一人だけで食事することは、ほとんどなく必ずと言っていいほど同僚や友人と一緒に食べます。
韓国の人が食事を大切にしているということが、よくわかる一面かと思います。

そのほか、日本と異なる点として皆さんもご存知のように、韓国は徴兵制で兵役義務があります。

そのためか、街中でも軍服を着た若い男性をよく見かけます。
しばらく韓国にいると、それが当たり前になりますが、日本ではあまり見られない光景の一つです。

また、先日は、北朝鮮との非武装地帯DMZ(軍隊の駐屯や武器の配置、軍事施設の設置が禁止されている地域)へ行ってきました。

ここでは、北朝鮮が韓国へ侵略するために作った幅2m、高さ2m、長さ1,635mの第3トンネルや都羅山観測所、展望台などを見学しました。

DMZ

金網で区切られ、反対側には北朝鮮の建物が見えましたが、今も休戦中のためか、北朝鮮に向かって写真を撮ることは禁止されていました。

 

次に、日本でも注目されている漢方について、少し触れたいと思います。

先日、韓医院(漢方医院)で診察も体験して来ました。

韓医院の利用者は男性に比べ女性が多く、高齢の方が多いと聞きました。一般の病院に行っても症状の良くならない人が、訪問することが多いそうです。

韓医院の診察では、日ごろ調子の悪いところはないか、身体の症状を問診しながら、脈を取り、血圧を測り、舌を見た後、その人に合う漢方薬を作ってくれます。

京東市場(漢(韓)方)

体質を改善するのが漢方と言われています。韓国では値段もそれほど高くはなく、針による治療も安いようですが、鹿の角などの高価な薬もあるそうです。

漢方薬(韓薬)

このように、韓国生活では、たくさんのことを経験させてもらいましたが、韓国の人たちと出会い、ともに時を過ごしたことが最も貴重な財産となりました。

日本と韓国では似ているところもありますが、違う点も数多くあります。それでも、同じ人間として、言葉の壁があっても通じ合えるということがわかりました。

両国間には今でも様々な課題がありますが、今後ますます近くて近い国になることを願って止みません。

この現地レポートをご覧いただき、ありがとうございました。

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