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更新日:2021年3月31日

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第23回国際言語文化アカデミア外部評価委員会・外国語にかかる教員研修事業小委員会「審議結果」

審議(会議)結果

審議会等名称

第23回国際言語文化アカデミア外部評価委員会・外国語にかかる教員研修事業小委員会

開催日時

令和2年8月26日(水曜日)11時35分から12時25分

開催場所

神奈川県立国際言語文化アカデミア 101研修室

出席者【会長・副会長等】

服部 孝彦(大妻女子大学教授)【代表委員】
粕谷 恭子(東京学芸大学教授)
狩野 晶子(上智大学短期大学部教授)

次回開催予定日

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所属名、担当者名

国際言語文化アカデミア 沢登

掲載形式

議事録

議事概要とした理由

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審議(会議)経過

・2019年度事業実績の評価に関する意見交換
<意見交換の内容>
《事務局説明》
今年度は総合教育センターから指導主事が一人アカデミアのメンバーに加わり、一年間一緒に業務に携わっている。
今日は現状について説明をさせていただき、2019年度の実績を踏まえ未来に向けてご助言いただきたいと思っている。
まず、現状としては、新型コロナウイルス感染症の影響で、前期に実施する予定だった課業期間中の講座については夏以降に実施日を延期した。
英語教員アドヴァンスト研修については県の中核英語教員育成の重要性に鑑み実施する必要があったため、1回目と2回目をZoomで行った。ただ、Zoomでは場の空気が分かりにくく、例年だとまずアイスブレイクで雰囲気づくりを行っていたが、その機会が奪われてしまった。受講者の細かな様子はスクリーン越しでは感じられず難しい部分があったため、いつも以上に丁寧に説明を行った。しかし、やはり対面での説明にはかなわないところがあった。夏になり対面ができてようやく雰囲気作りができ、受講者の意欲を一層高めることができた。その間もメールでのサポート等はしてきたが、やはり対面に比べてZoomだと同じ内容でも伝わり方が違い、理解度もこちらが測り兼ねるところもある。夏の講座は人数を限定して対面で実施したが、実施できて良かったと感じた。
今後、アドヴァンスト研修を始めとして効果的な研修を実施し挽回していければなと思う。
アドヴァンスト研修については順調に進んでおり、人数を少なくした分個々人にかける時間を多く取ることができ、丁寧にインテンシブな指導を行ってきたが、これから受講者がどう受け取りどのように授業実践ができるかが重要だと考えている。
ただ、授業実践については学校でもかなりその指導形態に制限がされているので、思うようにペアワークができないこと等もあるので、そういった所もサポートしながらやれることをしっかりやって、お互いにやって良かったなと思えるように続けていきたい。
アドヴァンスト研修については、できるだけ良い形で総合教育センターに引き継げると良いと思っている。
総合教育センターは今、現在建設中の新庁舎に令和3年4月に移転予定で、併せて組織としてもアカデミアの事業が加わり、大きな改革の時を迎えている。その中で、具体の事業展開は引き続き検討中である。
<意見交換の内容>
(粕谷委員)そのまま総合教育センターに移るのか、センターの一部として部署等も分けずに混ざることになるのか。この規模のことを理科や社会等の他の教科でもやりたいと考えていてやれていない部分もあると思うので、予算規模が同じだけつくことになっても、本当に英語に使われるのか心配に思う。別の教科で足りないことがあれば、そちらにいってしまうことがあると思うので、どこまで継続的に独立性が保てるか。初めのうちは分かれていても5年・10年経過すると、いつの間にか減っていき消滅してしまうので、それを色々と見越した上で、方法は分からないが、特別な位置づけとしておかないと絶対に埋没してしまう。そこをどうするか。専属の人がいなくなると、他の教科と一緒になってしまうのではないか。
(事務局)具体的には決まっていないが、人数についてはアカデミアでは4人でやっていた内容を引き継ぐので、4人は維持したいと考えている。
(粕谷委員)4人だと4人になるから引継ぎで大変なことも考え6人で見込んでおくなど、4人で減らされたら縮小しかない。
(事務局)職員の異動等も考えると、コアになる人や後進の育成が大切だと考えている。
(服部委員)アカデミアの良さは、理論研究と実践研究を両方できるということだ。各都道府県の教員研修機関、神奈川県で例えると総合教育センターのような組織の場合は、どうしても実践研究が中心になる。実践研究は、研究者と実践者は同一であり、その目標は実践を行った教員個人へ還元される。理論研究を主にする学術研究の目標は、研究結果の研究分野全体への還元である。実践研究は質的研究を中心とするのに対し、学術研究である理論研究は量的研究が中心となる。国際言語文化アカデミアの紀要を見て思ったのは、実践研究ではあるものの、理論をしっかりと踏まえたものであるということである。理論と実践を融合させた素晴らしい実践研究であると感じた。これは全国どこにもない素晴らしいものだ。研修に来ている先生たちは、明日の授業に役立つことが欲しいと思って参加しているが、その視点だけだと積み重ねが無く、英語教育分野全体に貢献するわけではないので、やはり一般化する必要がある。アカデミアの紀要に掲載されている実践研究論文は本当に価値がある。今後、総合教育センターでは、アカデミアが目指した方向性でやってもらえると、まさしくアカデミアのDNAが生きると思う。
(事務局)現在、総合教育センターでも様々な研究を行っている。
そして、アドヴァンスト研修を引き継ぐからには、成果を発信していくことも必要だと思っている。
これまでは紀要や全国語学教育学会での発表等で、アドヴァンスト研修の成果がどのような形で出ているかを周知することにエネルギーを注いできたので、そういったことができるように研究という分野でも引き継いて欲しいと総合教育センターには伝えている。
また、総合教育センターでは三つの柱があり、研究・研修・相談となっている。
研究を担当している部署があるが、先生方の実践研究を一般化して理論研究まで上げていく部分を何らかの形で継続ができたらしてもらいたいと考えている。
(服部委員)研究は理論と実践に分れている。理論家は実践を全く考えていない場合が多い。実践研究は教員の疑問から発するのだが、それが実はある理論に基づいていたということがある。現場と直結した一番重要な研究が実践研究である。先生たちの実践研究がある程度まで一般化できるというのは、実践研究の地位を上げることにもなり、その研究に現場教員が参加できるのも非常に良いと思う。それこそが、国際言語文化アカデミアが築き上げてきたものなのかなと思う。
(狩野委員)時間の確保について、研究日のようなものを公的に設けて、休日とは別に研究の為の環境を整える視点が必要ではないかと思う。
実際に各市町村の指導主事の先生方も、指導主事でありながら研究センターにも在籍してのような形でなさっている方がいるが、実際の所ほとんど研究の為の時間を勤務の中では割けずに休日等を使っている。
また、先ほどの計画を伺うと出張研修等はやはりニーズがあることが、各年の実績を見ても分かる。土曜日講座などを実施した場合その分の代替なり研究の時間なりを確保できるだけの人員ということを考えると、4人が4人では足りないのでないかなと思う。それを含めて、ある程度普通に勤務時間の中で納めなければいけない働き方改革の流れに、おそらく県全体は乗らないといけないはずなので、その中でこれだけの時間とニーズ、講座を稼働したら1人当たりの勤務時間はこれぐらいと見通しを立てて人員配置と計画をして、その中の研究に時間をきちんと割く必要があるという視点を入れてあげたらいいと思う。それは大学教員が実現できていないことで、裁量労働制でいつやってもいいとなっているが、県の立場としては、違う働き方で回さないといけないと思う。
(事務局)研究日を週に半日でも作れれば画期的だと思うが、やり方を考える必要がある。
(粕谷委員)全体で難しければ、英語チームの中だけでも決めて、水曜の午後はAさんでのような、シフトを組んでその日はお互い空けるようにするなどのやり方もある。
(服部委員)他の部署に説明する時に、研究のために与えられた時間を使ってこういう論文を書きましたと実績が形で残るようにすると納得が得やすい。研究で時間を取るなら実際に先生方も論文を書く必要がある。
(狩野委員)土曜日講座があり、夏冬に自己研鑽型の研修を引き受けて、普段の平日それ以外の業務に携わるといつ研究するのか、研究以前に自分の時間をどう確保するのかというのは計画を聞いていて不安に思う。
(事務局)少なくともいくつ講座を担当するか配分を考慮しなくてはいけないと思っている。紙面上ではA4の紙一枚で同じ分量に見えるものが、実は内容をよくみると大変な業務量である場合もあるので、上手く配分していく必要がある。
小学校英語は市町村との関係があるので難しいがニーズが高いところだと思っており、総合教育センターには小学校の指導主事が沢山いるので、出張研修は継続して発展させていただきたいと思っている。

<まとめ>
(服部委員)英語教員アドヴァンスト研修は今までも非常に大きな成果をあげているので、質を下げることなく総合教育センターで継続していただければと思う。アカデミアでは、四技能のバランスの取れた研修を継続的に今までやってきたわけなので、それに対応するぐらいの研修を総合教育センターでも実施できることを期待したい。小学校の英語教育については、なんといっても小学校の先生方の不安と負担が大きいので、先生方の不安を減らす為にも、今、アカデミアで行っている出張研修を、何らかの形で継続していただきたい。
以上の3点を可能な限り総合教育センターでも実現していただきたい。

以 上

このページの所管所属は文化スポーツ観光局 国際課です。