更新日:2024年3月11日

ここから本文です。

令和5年度母子福祉部会審議概要

児童福祉法第8条,母子家庭等及び寡婦の福祉並びに母子保健に関する審議会における審議記録

様式3

次の審議会等を下記のとおり開催した。

審議会等名称 児童福祉審議会母子福祉部会
開催日時

令和6年1月24日(水曜日) 14時~15時45分

開催場所 オンライン開催

出席者

(資料送付者)

委員:◎佐藤部会長、館合委員、鶴飼委員、古屋委員、望月委員、山本委員

◎印は、部会長

次回開催予定日

未定

問合せ先

福祉子どもみらい局子どもみらい部子ども家庭課家庭福祉グループ

電話(045)210-4671 内線4677

掲載形式

議事録

議事概要とした理由  
審議経過 

・事務局が委員数7名に対し、過半数の6名の出席を確認し、成立する旨を発言。
・資料確認、子ども家庭課長の挨拶後、審議を行った。

(佐藤部会長)
 淑徳大学短期大学部の佐藤と申します。皆様と協力しながら部会を進めて参りたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 昨年末は、こども大綱が閣議決定され、こどもまんなか社会の実現に向け、子どもを中心に子どもの意見を聞いて施策に反映していくことが強く求められるような動向となっています。
 特に子どもの貧困やヤングケアラーについて、子どもたちを取り巻く環境によって、子どもの選択肢が奪われたり狭められたりすることがないように、社会の側で大人の方がいろいろなことを考えていくことが今求められています。
 どのような環境下でも、子どもが健やかに育つことができる良い環境を整える社会づくりの一端として、母子福祉部会での議論がひとり親家庭福祉施策に大変重要な役割を果たすことになると思います。
 本日は、忌憚のないご意見を頂きますよう、どうぞご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
 それでは、資料2の「『かながわ子どもみらいプラン』(ひとり親家庭等自立促進計画)の進捗状況」について、事務局から説明をお願いします。

(事務局)
 資料2~8により説明

(鶴飼委員)
 新型コロナウイルス感染症が5類感染症へ移行してからまだ間もないですが、令和3年と4年のコロナ禍、またコロナ禍以前も踏まえていいのですが、ひとり親家庭が持つ悩みは違ってきているように思うのですが、数字などから顕著に表れているのでしょうか。

(事務局)
 あくまでも推測になりますが、母子父子自立支援員の相談実績について、令和3年度と令和4年度を比較すると、相談件数が全般的にかなり増えており、特に経済的支援、生活一般が増えていることから、コロナ禍の影響はあったと考えられます。
 また、人口減少でひとり親家庭の世帯数も減っている中、相談実績件数の増加は、ひとり親家庭世帯が、コロナ禍の影響でより厳しい状況に置かれていたのではないかと推測されます。

(望月委員)
 いろいろな支援がある一方、そのような支援が現実に困っている人たちへ充分に届いていない部分もあり、おそらく当局の皆様も歯がゆいところがあるのではないかと思います。
 私が地域の中で見ていると、コロナ禍前くらいから、子ども食堂、フードバンク、フードドライブなどの活動が急速に発展するとともに、これらの活動を窓口にしなくても、地域の中で繋がって、食料や日用雑貨などが必要な家庭に届けられているようにも思います。
 また、養育費確保に向けた支援について、まだ始まって間もないかと思いますが、弁護士費用補助や保証契約補助の実績件数が少ない理由及び具体的な補助金額などを教えていただきたい。

(事務局)
 弁護士費用補助や保証契約補助の実績が少ない理由について、今年度から始まったということが一番大きいと考えています。
 また、その前段階にある公正証書作成支援補助の件数はかなり伸びており、その後段階にある養育費不払いや強制執行へ繋がるものは一部で、現状では、弁護士を介入させなければいけない、あるいは保証会社と契約をしなければいけないところまで悪化するような件数の割合は、それほど多くないのではと推測しています。
 具体的な支援内容については、後程回答させていただきます。

(望月委員)
 今年度から始まったということもあり、周知がまだ行き渡ってはおらず、このような支援を必要としている人は幾らでもいるのではないかと思います。
 また、ひとり親の中には、弁護士費用が相当負担になるという想像の域で一歩踏み出せず、離婚が難しいと考える人や泣き寝入りしてしまうケースも本当に多いと思うので、もっと積極的にアプローチしていく必要があると思います。

(臼井課長)
 支援の対象が着手金で、弁護士費用全額ではなく、弁護士へ依頼した後の費用の負担を考えると、そこまでするかどうかの決断を迷われているのではと推測しています。

(館合委員)
 養育費確保に向けた支援について、無料で離婚前相談できるのかどうか教えていただきたい。
 離婚は相当時間が掛かる問題で、1回相談して終わりではなく、補助という支援方法では、収入が厳しくお金に余裕がない人にとっては、実際に弁護士を紹介しても解決に結びつくまでは難しいところがあると思います。
 また、就業支援について、最近増えている障害の子どもがいるひとり親の就労希望者に対して、障害の子どもをサポートしてくれる支援や補助があるのかどうか教えていただきたい。

(事務局)
 藤沢市にある母子家庭等就業自立支援センターで、無料の相談を受けております。
 また、障害の子どもがいるひとり親支援について、ひとり親支援ということに限ったものではありませんが特別児童扶養手当の支給があります。

(臼井課長)
 障害の子どもがいるひとり親家庭への支援について、手当以外では、在宅の障害の子どもへの支援などに対して、様々な法律で、様々な部署等が対応しているように思います。

(館合委員)
 縦割的なイメージが拭えず、障害の子どもをサポートしてくれるサービスを探すとなると、ひとり親が障害を担当する部署へその都度訪れて手続きをしなければならないなど、もう少しスムーズに連動してもいいのではと思います。

(臼井課長)
 補助サービスや人的サービスとでは、法律や部署が別で、縦割的なところがあると思われ、出来る限り市町村と県の垣根を越えた情報共有などで連携していく必要があるのではと感じています。ただ、個人情報の問題もあるので、当人の了解を取る必要があると思います。

(事務局)
 先程、養育費の具体の支援内容について、ご質問があったと思いますが、公正証書の作成補助につきましては上限金額が4万円です。
 養育費請求調停申立補助につきましては、弁護士等に委任する際の着手金等の費用で、上限金額が15万円です。
 養育費強制執行申立ての補助につきましては、こちらも弁護士等に委任する際の着手金等の費用で、上限が15万円です。
 養育費保証契約補助につきましては、保証会社と保証契約を結ぶ際の保証料で、上限が5万円です。

(望月委員)
 未就学児の障害の子どもがいるひとり親で、働かなければならないし、働きたいし、キャリアを積んでいきたいと思っていても、預ける場所が見つからず、働く場所が見つかっていたとしても断念せざるをえないケースがありました。
 どんなに働く意欲があっても、特に重度の障害の子どもですと、何件も預入先を断わられます。小学校へ入学すれば、放課後デイとか、ある程度のサポートはありますが、未就学児についてのサポートは本当になく、行政へ掛け合っても進めてもらえることがなかったっていう事実を目の当たりにして本当に辛いと感じます。

(館合委員)
 ある程度の年齢に達すると、障害の子どもに対するサポートが自動的に付随してきますが、それまではなく、翻弄されるひとり親が多いので、制度的に少しずつでも整ってほしいと思います。

(臼井課長)
 我々は、様々なメニューを用意させていただいていますが、ひとり親の家庭に限らず、子育てに追われている、あるいは障害の子どもがいる方も含めて、みなさん本当に時間がなく、いわゆる時間の貧困とも言われています。
 そのような忙しい状況で、様々な行政のメニューを利用できないという声は聞こえてきますので、周知方法はもちろんのこと、実際にどのようにしたら有効にメニューを使っていただけるかなども含めて、容易なことではありませんが、様々な施策を強化しながら県全体で考えていく必要があると思います。

(山本委員)
 ひとり親家庭への補助等の対象年齢について年齢上限を定めているのか教えていただきたい。

(事務局)
 一般的に児童ということであれば、18歳となっていますが、障害や高校生という身分であれば、20歳まで上限が伸びるということがあります。

(山本委員)
 18歳に満たないお子さんを養育しているひとり親であれば対象になるということでよろしいでしょうか。

(事務局)
 その通りです。また、ひとり親に準じる立場の方についても支援の対象になります。

(佐藤部会長)
 障害のある子どもがいる世帯も含めて、ひとり親世帯では複合的に幾つかのニーズを持っている方が多いのではないかと推察します。
 地域生活をしていく上で、例えば障害のある子どもは、就学前ですと児童発達支援センターや保育所を利用するかとは思いますが、そのような施設を利用していないと、どことも繋がることが難しいように思います。
 母子父子自立支援員の方につきましては、ひとり親家庭から相談があった際には、その家庭にどのようなニーズがあるのか聴き取っていただき、出来る限りワンストップで他の施策に繋がるような形にしていただきたいと思います。ひとり親本人が足繁くどこかへ通わないとサービスにアクセスできないということでは、必要な支援が届かないということも想定されます。
 したがって、できるだけ相談の窓口に来ていただいたときに、他の部署と協力して、包括的に必要な支援を組み合わせて提供ができるように配慮をいただけたらありがたいと思います。
 現在、ひとり親に対する支援を含む市町村の体制整備も急速に進められています。新年度からは、要支援児童等にサポートプランを作成し、各家庭のニーズを出来る限り包括的に満たすような支援方策が予定されていますので、県でも、ぜひ地域の支援体制を後押していただけたらありがたいと思います。

(佐藤部会長)
 つづきまして、国の動向を踏まえた児童扶養手当の見直しなどについて説明をいたします。

(事務局)
 資料9及び10により説明

(望月委員)
 いろいろな支援をしていく上で、ひとり親家庭の中には、第三者が勝手に入ってくることに少し抵抗があり、既存のサービス利用に結びついていないのではという話もありますが、何か得策はないのかと思います。
 確かに第三者が入ってくることについて抵抗があるとは思いますが、親がなかなか出来ないことについて困るのは子どもで、整備された状況下を子どもに体験させたいと思っても、そこに壁が出来てしまうと、どのようにしたら入り込んでいけるのか、何か方法はないかと思っています。

(鶴飼委員)
 主任児童委員とひとり親家庭との関係性は濃密なのか、把握されているようであれば教えていただきたい。

(臼井課長)
 詳細までは把握はしていませんが、ひとり親家庭と民生委員との間では、様々な手続きなどでやり取りはあると思います。主任児童委員の場合、より子どもに特化した形で、ひとり親家庭との関わり合いについて地域差はあるかもしれませんが、多少なりともあるとは思います。
 主任児童委員とひとり親家庭の繋がりなどを活用して、制度普及やチラシの配布などで少しお手伝いをしていただき、もう1歩踏み込むような何かができるのではないかとも思います。

(館合委員)
 私は、主任児童委員を定年まで十数年努めていましたが、主任児童委員がひとり親家庭に踏み込むだけの力量が不足していて、もう少し知識とか知恵を身に着けていかないと、ひとり親に信頼されないのではないかと思います。
 また、子ども食堂やケアラーズカフェなどを窓口とした実際の行動で、ひとり親家庭をフォローしていかないとフォローしきれないのではないかと感じています。
昨年、ひとり親家庭の方に何をしたら喜んでもらえるかと思い、クラシック音楽会で、気分を緩めて気持ち良くなっていただきたいと思いましたが、実際あまり望まれておらず、ディズニーランドとかが良かったのではと感じています。
 ただ、時代の波がそうであったとしても、今度は地域で、社会福祉協議会とコラボした青空マーケットをする予定ですが、そこでは垣根がないので、何となく来ていただき、ひとり親の人たちにとって何かに繋げられるきっかけになるのではと思っています。
 情報のアンテナを立ててない人たちに、世の中が良い風を吹かせたとしても引っかからないと思います。また、逆に内々的には、それらが逆に負担となり、私たちがそういうことまでしなければいけないのかという雰囲気にもなったりします。上手に何か良い風を吹かせる、あるいは何か手だてがないかを考ながら、少しずつですが、コツコツと地域で積み重ねていくことが一番大切なのではと実感しています。

(望月委員)
 主任児童委員は、ひとり親家庭へ1歩でも2歩でも入っていかなくてはいけないと思われている方もいれば、そこまでするのなら役員も辞めたい気持ちになられる方もいて、本当に難しいと思います。地域のNPO団体などが、困っているひとり親家庭や求められているサービスを知っていても、本当にそれをやっていいのかわからなかったり、もしやるにしても人を使わなければならないので予算が必要だったり、今のNPO団体のメニューではそれが出来なかったりします。
 どのように事業メニューを変えていくのか、あるいはプラスしていくのか、NPOという組織や何かその事業体の中で、地域のために、ひとり親のために、ニーズは見えているけれども、どのようにしたらいいのかわからない部分の支援を、施策として何かできないかと思っています。
 ひとり親が1人で問題を抱えるのはなかなか難しいし、困っていることがわかっていても何もしない、できない歯がゆさを地域で感じている人もいると思います。予算は県や市からも補助されないけれども、独自のNPO団体でやり始めているところも少なからずあると思います。そのような点に着眼し、既に動き出している団体に、少し支援をすることができないかと思います。

(臼井課長)
 県という立場で、様々な制度を作って、それらを利用してくださいと広く周知していますが、利用する立場側にしてみると、制度を作ってそこまでみたいに受け止められてしまう部分もあると感じます。
 現場の声についても、先程の主任児童委員の話で、私はもう1歩踏み込んでと言いましたが、一方で、そのことに対して否定的な見方をされる方もいることがわかりました。
 制度は、なかなか一人一人の状況に応じて細かく対応することは難しいですが、少なくとも現場の声、当事者を含めて関わっている支援者の方、団体の方に対して、行政としていかに耳を傾けられるか、施策にできるだけ反映させられるか、限界はあるにしてもその姿勢がすごく大事であると感じています。今後、急いて施策などを進めていくよりは、時間はかかるかもしれませんが、1つ1つ丁寧に進めていく必要があるとも思います。

(鶴飼委員)
 ひとり親家庭にとって、一番身近に感じるのは保育所や学校であり、互いの距離感はすごく大事だと考えています。個人情報の関係もあるので、その距離感については難しい部分もありますが、家庭の事情を一番身近に感じるのは、保育所や学校だと思います。
 保育所は、本来の目的が保育なので、そこに追加してひとり親家庭の悩みまで耳を傾けることは、現実的には難しいところもあります。しかしながら、保育所は、家庭と一緒に子育てを行っていることからも、ひとり親と繋がりがあり、母親も父親も安心して相談できる一番近い存在です。それらについて、保育所にとっては付帯事業で、直接事業以外の部分を担うのは現実的には大変ですが、保育所の果たす役割の中に含まれるのではないかなと思います。

(望月委員)
 地域の中で、家庭お助け隊みたいなアウトソーシングのような存在が、学校にも紐付けられてアプローチができ、保育所にとってもここに頼めばやってくれるという役割が明確になると、ひとり親家庭にとって、先生が進めてくれるなら大丈夫という安心感もあるのではと思います。

(佐藤部会長)
 様々なサービスについて、単に利用してくださいとお伝えするだけでは難しく、日頃から関係のある人たちが橋渡しをして、利用したいサービスへ早くたどり着くことができるようにすることが大事な観点だと思います。特にヤングケアラーや貧困を抱えているような状況ですと、子どもが家庭の中で大人の果たす役割を担っている実態も実際にはあり、単に家庭の中へ入ることが憚られるということではなく、子どもの福祉のための施策なので、できるだけ子どものいろいろな負担を下げることや子どもが子どもらしい時間をできるだけたくさん過ごすことができるように、施策の方でもサポートができたらいいのではないかと思います。

(館合委員)
 ひとりの人を追い続けることで何かが見えることもあるのではないかと思います。
また、今は保育園、学校というところが一番情報を握っていると思います。20年位前は、まだ公園の広場などに母子等が来ていましたが、今は働くことに追われるなどもあって、忙しくて余裕がなくなり、ほとんど来ていません。だからこそ、保育園の存在は大きいと思います。

(事務局)
 いろいろと貴重なご意見をいただきありがとうございました。
 今後の計画の推進にあたり、本日委員皆様から頂戴したご意見を参考にさせていただきます。
 これをもちまして、神奈川県児童福祉審議会・母子福祉部会を終了とさせていただきます。本日は誠にありがとうございました。

会議資料

資料2  「かながわ子どもみらいプラン」(ひとり親家庭等自立促進計画)における主な取組状況について(PDF:458KB)
資料3   養育費リーフレット(PDF:597KB)
資料4-1 かながわひとり親家庭相談LINE事業の実施結果概要(PDF:451KB)
資料4-2 LINEカード_ひとり親家庭(PDF:117KB)
資料5   高等職業訓練促進給付金等のご案内(PDF:1,446KB)
資料6   ひとり親家庭住宅支援資金リーフレット(PDF:480KB)
資料7   自立支援教育訓練給付金のご案内(PDF:1,263KB)
資料8   子どもみらいプラン抜粋(PDF:4,032KB)
資料9   令和6年度こども家庭庁当初予算案のポイント(PDF:1,219KB)
資料10  令和6年度子ども家庭庁当初予算関係資料(PDF:1,704KB)
資料11  児童扶養手当リーフレット(PDF:1,990KB)
資料12  「ひとり親家庭のみなさんへ」リーフレット(PDF:906KB)

 

このページの先頭へもどる

このページに関するお問い合わせ先