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更新日:2024年10月11日

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令和6年度第1回黒岩知事と当事者とのオンライン対話 開催結果

令和6年度第1回 黒岩知事と当事者とのオンライン対話

開催概要

令和6年7月10日に開催した「黒岩知事と当事者とのオンライン対話」の結果概要を掲載しています。

テーマ「路上飲酒」

昨今の外国人観光客等による路上飲酒問題について、県内の路上飲酒の現状や、対策の必要性等における意見交換を行いました。

対話相手

  • ベルベットオフィス所属 ナレーター 田子 千尋 氏
  • 神奈川大学 国際日本学部3年 中山 氏 
  • ラジオDJ Vance K 氏
  • 神奈川県断酒連合会 副会長 小林 博 氏

コーディネーター

  • 神奈川大学 法学部法律学科准教授 上田 正基 氏 

オブザーバー

  • 新宿区 危機管理課長 福岡 淳也 氏

 

実施結果

神奈川県 情報公開広聴課長
皆様、本日はお忙しい中お集まりいただきましてありがとうございます。ただいまより令和6年度第1回黒岩知事と当事者とのオンライン対話を始めます。本日のサポート役を務めます、情報公開広聴課長の望月と申します。よろしくお願いいたします。
この対話は様々な課題に対する当事者の皆様の生の声を知事が直接伺い、当事者目線の意見を得ることで、今後の県の施策につなげていくものです。この様子はYouTubeでライブ配信を行うとともに、県ホームページでアーカイブを掲載いたします。
今回のテーマは『路上飲酒』。昨今の外国人観光客による路上飲酒問題など、県内の路上飲酒の現状や対策の必要性等について、様々なお立場の県民の方々を交えて意見交換を行うものです。本日は1時間。15時までを予定してございます。YouTubeでご覧の皆様は、是非Xからハッシュタグおんらいんたいわ、ハッシュタグおんらいんたいわをつけて、ご意見をお寄せください。なおオンライン対話についてはひらがなでお願いいたします。それでは意見交換に先立ち、黒岩知事からご挨拶申し上げます。
 

知事
はい皆さんこんにちは。神奈川県知事の黒岩祐治です。本日は大変お忙しい中ご参加いただきまして誠にありがとうございます。この黒岩知事とのオンライン対話というのはですね、去年の選挙のときに様々なテーマでですね、当事者の皆さんとこうやってオンラインでつないで、ディスカッションしたんですね。そこで非常にいい意見たくさんいただいてですね、それをそのまま施策に反映したこともたくさんありました。
私は県民目線の行政を進めようという中でですね、この当事者の皆さんの生の声、非常に大事にしたいと思ってるところであります。そんな中で最近このインバウンドでですね、たくさんの外国の方が来てくださってるっていう中で、時々こう目にするんですけども、路上でどんどん飲酒をされてるという姿ですね。これが本当にいいのかどうなのかということですね。私もかつてアメリカに2年ほど住んでたことありますけど、アメリカ実に厳しいんですね。路上で酒を飲むってことはありえないという、そういう状況。アメリカってなんかこう自由な国だから結構いろんなことできるのかなと思っても、そういうのは非常に厳しいですね。
じゃあこの路上飲酒っていう問題を当事者の皆さん、それぞれのいろんな方の当事者の皆さんの目から見て、どう見えるのか。その率直な思いを聞かせていただきたいと思います。是非よろしくお願いします。

神奈川県 情報公開広聴課長
それでは意見交換に移ります。本日は2つのパートに分けて対話を行います。それぞれ参加の皆様にお話いただいた後に、知事からコメント、続いて質疑を行います。それでは参加者の皆様にご挨拶をいただきます。こちらからお名前をご紹介いたしますので、ひと言お願いいたします。
まず県民の方4名をご紹介いたします。田子千尋様、タレント、ナレーターをなさっています。お願いいたします。

田子様
どうもこんにちは。田子千尋と申します。国民的人気男性グループの名前を繰り返すタイトルの番組とか、大晦日にもやっていた人気格闘技番組とか、池の水を全部抜くような番組とか、神技再現できたら100万円なんていう番組のナレーションしてまして、あと横浜なんで、湘南ベルマーレのスタジアムナビゲーターを10年ぐらい務めておりました。ベテランイケメン売れっ子カリスマナレーターでございます。よろしくお願いします。

神奈川県 情報公開広聴課長
ありがとうございます。次に中山様。神奈川大学国際日本学部3年に在学中です。お願いいたします。

中山様
はい。こんにちは。神奈川大学国際日本学部3年の中山と申します。みなとみらいマスコミ研究会並びに『かながわ・キャンパる』という学生記者団体で代表を務めております。学生記者を始めて3年になりますが、今までで一番緊張しております。よろしくお願いいたします。

神奈川県 情報公開広聴課長
ありがとうございます。続いてVance K様。アメリカハワイ出身でラジオDJをされています。

Vance様
はい皆さんアローハー!Vance Kと申します。よろしくお願いいたします。僕は日系4世です。ハワイ島ビッグアイランド生まれ育ちです。ビッグアイランドです、大島ではないです。31年間、横浜に住んでいます。本当に横浜が大好きです。ラジオDJとして働いてます。そしてウクレレも教えてます。よろしくお願いします。

神奈川県 情報公開広聴課長
ありがとうございます。続いて小林博様。神奈川県断酒連合会副会長をなさっております。よろしくお願いいたします。

小林様
小林博と申します。一般社団法人神奈川県断酒連合会の副会長を務めさせていただいております。神奈川県断酒連合会は現在約300人の会員を擁していまして、アルコール依存症を自覚した人たちが酒を絶って、人生を見直し、酒のない新しい自分のライフスタイルを、仲間と共に作っていこうという自助グループです。私が現在もう71歳になるんですが、比較的若く28歳でアルコール依存症を発症しまして、それ以後43年断酒生活をしてるというものです。よろしくお願いします。

神奈川県 情報公開広聴課長
ありがとうございます。そして今回の意見交換の場にオブザーバーとして参加していただいております東京都新宿区危機管理課課長 福岡淳也様です。お願いいたします。

オブザーバー 福岡様
はい。新宿区役所危機管理課長の福岡と申します。どうぞよろしくお願いいたします。新宿区における防災と防犯全般を担当しております。本日はオブザーバーということですので、どうぞよろしくお願いいたします。

神奈川県 情報公開広聴課長
お願いします。最後に進行をご担当いただきます神奈川大学法学部法律学科准教授の上田正基様です。お願いいたします。

進行 上田様
はい。神奈川大学法学部准教授の上田です。教えている科目は刑法というところなんですが、一定の行為を、刑罰とか制裁を使って規制するっていうことのメリット・デメリットに関する研究をしております。それと関連して本日は、一応、法律専門家という立場で進行を務めさせていただきます。よろしくお願いします。

神奈川県 情報公開広聴課長

ありがとうございます。それでは意見交換に移ります。本日は2つのパートに分けて対話を行います。それぞれ参加の皆さんにお話をいただいた後に、知事からコメント、続いて質疑を行います。それでは上田先生、進行お願いいたします。

進行 上田様

はい。それでは早速始めさせていただきます。最初に意見交換を始める前に、現状の確認ということで現状をお聞きしていきたいと思います。ご存知のとおり近年、東京渋谷のハロウィンとか海外からの観光客などによる路上飲酒が度々取り沙汰されるようになっております。今朝も、とある報道番組で京都の鴨川に関する報道を目にしたんですが、そのような中で東京都渋谷区が、路上飲酒禁止期間を通年に拡大する方針を決めました。先月6月の区議会で可決しております。また新宿区でもハロウィン期間中を中心に歌舞伎町周辺の路上飲酒を禁止する条例案が可決され成立しております。そこで、新宿区危機管理課長の福岡さんに、条例制定を目指した経緯をお聞きしたいと思います。それでは福岡さん、お願いしてよろしいでしょうか?

オブザーバー 福岡様

はい。危機管理課長の福岡です。それでは私のほうから、新宿区で制定いたしました、「新宿駅周辺地域の安全で秩序ある環境の確保に関する条例」、こちらについてご説明させていただきます。
まず、背景についてです。新宿区では国内外から外国人の方も含めてですね、観光客がかなり増えてきました。そんな中、昨年ですね、令和5年のハロウィンにおきまして歌舞伎町周辺にですね、大勢の来街者が集まりました。事件事故等、大きな混乱はありませんでしたが、翌日の朝にはゴミが至るところに散乱するなどの事態を招いたところです。今後もハロウィンの時期におきましては、来街者の増加が予想されるため、事故等の防止に向けた対応が必要と考えております。
次に条例の目的についてですが、本条例は新宿駅周辺地域において路上飲酒を制限するとともに迷惑行為及び来街者の過度な集中による事故、これらを防止することにより新宿駅周辺の周辺地域の安全で秩序ある環境を確保することを目的としています。この条例はですね、路上飲酒の制限、あとは迷惑行為の防止、雑踏事故等の防止という3本柱で、区民や来街者、事業者の安全や街の秩序を守るという考えです。路上飲酒を制限する期間は、10月31日から11月1日にかけてのハロウィン時期としており、他にもハロウィン直近の金土日、こういったところを想定しまして、区長が特に必要と認める期間というものを定めています。
路上飲酒の制限区域は新宿駅周辺で人が多く集まることを原因とした事故の恐れがあること、また飲酒によりですね、迷惑行為が増加する可能性のある区域をですね、路上飲酒の制限場所と定めています。他にも条例内では、迷惑行為について、火気の使用または建物等に上る行為こういったものを禁止行為として規定しています。今後ハロウィン時期のですね、10月31日及び11月1日において、路上飲酒の制限をかける時間帯につきましては、新宿駅周辺の商店街や事業者の皆様と協議していきます。新宿駅周辺地域であれば、どこでも路上飲酒の制限が適用されるというわけではありません。場所と時間を考慮したうえで過度な制限とならないよう、新宿区としても慎重に検討をしています。
新宿区といたしましては、マナーやルールを守って楽しく街で過ごしていただきたいという思いがあります。ただし人が多く集まって事故の恐れや迷惑行為、こういったものが横行する可能性がある以上は制限をかけなければならないという側面があります。今回のハロウィン時期はこの条例を元に職員の夜間パトロールや委託業者による警備など考えられる手段を用いて、安全で秩序ある環境確保に努めてまいりたいと思っております。以上でございます。ありがとうございます。

進行 上田様

はい、ありがとうございました。新宿区の治安の説明をしていただいたんですが神奈川県内でも成人の日や海水浴期間中とか、また時間帯を定めての酒類の販売を自主規制してるエリアや店舗もあるようです。そのような実例として横浜駅周辺の某商業施設における取組を、私から紹介いたします。
この某商業施設では新型コロナウイルスの感染が拡大していた時期に敷地内への夜間の立ち入り禁止規制を実施しており、現在も規制継続しているそうです。その規制の理由なんですが、コロナ禍により路上飲酒する人が集まったり、その結果としてゴミが散乱する、またスケボーによって騒音が生じたり施設の破損が生じたりしているといった問題の背景があったそうです。
規制については夜間に限った話で敷地内に入れないようにチェーンを張るというものです。他にも警備員が巡回もしているそうです。規制を継続してきて現在はスケボーをする人は減ったようですが、敷地内で飲酒している人は相変わらずいるようで最近では外国人の方も飲酒していることが多くなったとのことです。現状としては自主規制しているにも関わらず敷地内に入って飲酒する人は後を絶たないという状況だそうです。ただ路上飲酒に対して条例等を用いて法規制をするということに関しては、屋外で飲酒を推進するわけではないが、路上飲酒を全面的に禁止した場合、路上で飲酒していた人が周辺施設の敷地などに無秩序に流入することが懸念されるので、条例等による規制は慎重に判断してほしいとの感想を持っているそうです。
以上、事例の紹介となったんですが、私なりにまとめさせていただくと、敷地に入って飲酒する人が後を絶たないという現状からすれば、自主規制では十分ではないとも考えられるんですが、条例等による規制については、慎重に判断してほしいということだったかと思います。確かに条例等によって自治体が管理する道路上だったり地域の規制が強まった場合に、周辺の私有地を持ってる商業施設等の方々が路上飲酒者が流入してくるんじゃないかと懸念を持つのは、もっともな面もあるかと思いますし、この点あえて自治体で条例を制定するという必要性という点にも関わってくるご意見だったかなと考えております。
それではここからは、以上、紹介していただいた現状を元に対話に移っていきたいと思います。最初のパートは県民が感じている路上飲酒の現状ということについてです。路上飲酒したことがあるとか、なんか路上飲酒していて、ここ邪魔だなとか迷惑だなと感じたということがあるなど、経験や率直なご意見をお聞かせいただきます。それでは早速、横浜にお住まいの田子さんはいかがでしょう?

田子様
はい。自分はですね20代でモデルをしながら六本木で水商売やってまして、それ以来45年、毎日お酒を飲み続けております。路上飲酒とかはやったことありません。でもね歩行飲酒ってのはね、時々やってたりするんですよね。路上飲酒って言ってちょっと思いつくのは、まずその道端の街灯の下とかに集まって飲む、まさに路上飲酒ですよね。それとあと路上で歩きながら飲む歩行飲酒って言うんですかね?それとあとなんか公園とか川沿いとかでね、ピクニックとかお花見みたいな感じで野外飲酒。その3つがね大体こう路上飲酒っていうとなんとなくこう思い浮かぶんですけど、うちすぐ隣が公園で近所に川もあるんで、おじいちゃんたちとか家族連れが飲んでるのは割と微笑ましいなって思うんですよ。後片付けもきちっとしますしね。自分も誘われて参加したようなこともあるんで。路上飲酒とかを、うち郊外なんであまり目撃したことないんですけど、横浜市の北の西のほう、ちょっと行ったら東京ってあたりなんですが、この地元でね170頭以上の犬が参加してるワンワンパトロールってありまして。自分も隊員なんですけど、そこの隊員たちに話聞いたら結構ね目撃談あるんですよ。で、道を塞いだり大声出して犬にちょっかい出したりとかですね。それからそのまま飲食のゴミ、たばこの吸殻とかはもう置いてっちゃう。それから歩行飲酒とかをしてて、駅から家までの間だと思うんですけど、飲んだ缶とかゴミをその庭に投げ込んだりとか、垣根の中に埋め込んだりとか、あと食べカスをそのまま置いてっちゃったりとか、なんか食べてた串をね、そのまま投げてったりするとたぶん犬が食べたりとかね、喉に刺さったりとか結構それ危険じゃないかっていうような話が出てまして。自分は目撃してないんですけれども、結構こういう郊外でもそういうことは起きてるんだなって実感しましたね。以上です。

進行 上田様
はい。ありがとうございます。続いて大学生の中山さんは、若者という立場からもお話ししていただけますでしょうか?

中山様

はいありがとうございます。路上飲酒は大学生にとって身近でかつ当事者になりやすい社会問題のひとつだなという風に考えています。私は2月で20歳になったばかりで、路上飲酒をした経験がないんですけれども、ただ若者という立場からあえて、路上飲酒に関する肯定的な意見を2つ出させていただきたいと思います。
1点目が経済的な面から大学生が友人と、お酒を飲むたびに飲食店に入るっていうことは難しいんじゃないかなという風に考えています。そのため、コンビニなどで例えばひと缶買って飲むっていうことがあるんじゃないかなという風に思いました。2つ目が、路上飲酒が全面的に規制された場合に、学生たちは多分いわゆる宅飲みっていうか、自宅で飲酒をするっていうことが増えるんじゃないかなという風に思います。若い女性の立場から考えてみると、ひとり暮らしや実家に関わらず、男性を家に招いてお酒を飲むっていうことに不安感があるので、路上飲酒を全面的に規制してしまった場合に考えられる、不安感っていうのが、今持ってるものになります。はい以上です。

進行 上田様

はいありがとうございます。様々な立場からご意見をお聞きしたいということで、続いて、横浜を見る海外の方の視点からもお話を聞かせていただきましょうということで、Vance Kさんご自身の路上飲酒に対する考え方とか、日本で見た現状であったりアメリカでの路上飲酒の現状などについてお話しいただけますでしょうか?

Vance 様

そうですね、私は大学の頃からお酒をやめました。飲みすぎました。なので日本での路上飲酒は経験ありませんですね。初めて日本に来たときに、自動販売機でもビールを買うことができまして驚きました。本当に向こうは厳しいので、そういうことはありえないですね。そして日本では、公園でも街でもアルコールを飲めることにびっくりしました。なぜなら、さっきね黒岩知事がおっしゃいましたように、ハワイの法律が厳しく、車の中やビーチ、公園、道路脇などのパブリックプレイス、公共の場所でアルコールは飲めませんですね。そしてアルコール買うときにコンビニやスーパーでのIDのチェックがすごく厳しいです。で、あるルールがあるんですけどある店によると、30歳以上に見えないとビールは買えない。はい、結構厳しいです。もちろんIDのチェックも必要です。だからその違いがすごい大きすぎてびっくりしました。はい以上です。

進行 上田様

はいありがとうございます。続いては依存症から断酒という経験をされている神奈川県断酒連合会の副会長の小林さん、経験等も踏まえて、路上飲酒について思うところをお話しいただければと思います。お願いします。

小林様

はいありがとうございます。路上飲酒についてはですね、私自身は渋谷とか新宿とか行くこともめったにないしですね、ハロウィンとかも行ったことないんで、いわゆる問題になってるような路上飲酒の場面に、出会ったことはないです。で、ちょっと考えてみたんですけれども、路上飲酒で問題になってるのはお酒飲むことそのものよりも、路上飲酒に伴って逸脱行動があって、ハメを外して大声出して暴力行為に及んだりとかですねゴミを捨ててしまったりとか、そういう二次的なことのほうが問題であって、路上で飲酒すること自体が問題なのではないってことは区分けをしといたほうがいいかなっていうのはひとつあると思います。それで先ほどからお話が出たようにインバウンドとかですね、ということで外国人の方が大量に乱入してる。それからあとは一方で若者は、どうしてもハメを外したいというなんかそういう、若者らしい逸脱行動への衝動みたいなのがありますよね?それでさらに今お話してたように日本は伝統的に、公共空間での飲酒について非常に鷹揚というか緩い文化的な歴史的背景があって、その3つが重なってどうも渋谷とか新宿行くと飲んで大騒ぎできるらしいぞというようなことがインターネットなんかで世界中に情報が広まって若者が集まって、今のようなハロウィンのような状況が起こってるのかなっていう気がしています。それで、先ほど言ったように私自身はそういう状況を目撃したことないんですけれども、仲間にも何人か聞いたらですね、いわゆる断酒会とかですね、自助グループの仲間20人ぐらいにちょっとこのお話があったとき聞いてみたんですけども、路上飲酒を例えば目撃したとして、自分の断酒いわゆる断酒してる人が再飲酒する「スリップ」っていうことですね、それのきっかけになるかっていうようなことがあるかなと思うんですけど、それはまずないだろうと。それからですね、路上飲酒すること自体が依存症への入り口になるというようなこともまずありえないと思います。特殊な、先ほど言ったように飲酒の問題と行動の問題は別なんで、アルコール依存症っていうのは基本的にお酒を飲むという行為がコントロールができなくなるという脳の病気ということが現在の通説になってますので、路上飲酒がアルコール依存症と直接結びつくということはないと思います。
一方で依存症の立場で言うとですね、孤独な路上飲酒っていうのはあります。集団で騒ぐというようなかたちじゃなくて、見かける方もいらっしゃるかと思うんですけど、コンビニなんかに行ってひとりでこそこそと行ってワンカップの焼酎かなんか買って、店の外でグッと一気にあおるというようななんか、孤独な路上飲酒とでも言うようなことは依存症の領域に入った人は、あり得ることです。ただそれと今回問題になっているような、路上飲酒というのは全然別問題だっていうことを認識していただけるといいかなという風に思います。はい以上です。

進行 上田様

はいありがとうございました。皆さん路上飲酒の経験だったり路上飲酒と、路上飲酒に関連して引き起こす問題という観点からお話いただけたかなと思います。それでは知事、今の4名の発言を踏まえて、ご感想ご質問コメント等あればお願いいたします。

知事

はいありがとうございます。その、まさに様々なですね、目線からの話を聞かせていただいて非常に参考になりました。ありがとうございました。福岡さんね、これ東京都新宿区からご参加いただきまして本当にありがとうございます。これ、こういう条例を作ろうということになったそのきっかけですね、どういう皆さんからの声がそれを突き動かすことになったんでしょうか?教えていただけますか?

オブザーバー 福岡様

はい。先ほどのお話にはしましたけれども、やはり前回、昨年のですねハロウィン時期にですね、やっぱりかなり人が集まって、ゴミが散乱していたことで、その街を見た、現状を見た街の人からもですね、これは何とかしなくちゃいけないんじゃないかというような声もありました。我々もこのままほっといてですね、今年のハロウィンを迎えたときに、なんか起こってからではまずいというようなこともありましたので、今回こういった条例の制定に踏み切ったと、そういったことになります。

知事

これ具体的にどういう規制をされるんですかね?例えば、そのエリアのコンビニでその時期は飲酒、酒を売るのは禁止するとかそういうことになるんですか?

オブザーバー 福岡様

はい。実際販売の自由もあるので、それを、我々が条例で規制することはできないのであくまでも、販売自粛の要請ですね。範囲もですね、条例の中で狭めておりましてその範囲の中でコンビニに対して要請をするというようなかたちを取る、という予定でございます。

知事

うん。かなり抑制的という感じはしますよね。これあれですか?その条例に違反した場合の罰則規定っていうのはどうなってるんですか?

オブザーバー 福岡様

罰則規定は渋谷もそうですけども、新宿区も罰則はございません。

知事

うん。これ有効性ってのはどんな風にご覧になりますかね?まだ、これやってないですよね?

オブザーバー 福岡様

はい。6月の21日に条例が制定されましてこれからですね。いろいろ警備とかですね、そういった準備をしていくということになりますので、おっしゃるとおり、今後どうやってそこら辺を実行性を担保していくかとそういったところはですね、今後の検討の中で考えていきたいと思ってます。

知事

はい。これじゃ条例作るのはいいけど、その実行性とかあるのかないのかっていうことだと思いますけどね。どうです、どう思いますかね?Vanceさんこれ日本でアメリカのようなね、厳しい規制をしたら、それなりに罰則がなくてもある程度のその実効性があるという風にお考えになりますか?

Vance 様

実行性ってやっぱり自分の責任感ということですか?

知事

本当に効果があるかどうかということですね。

Vance 様

なるほどね。

知事

(規制)したら路上飲酒がなくなるとかですね。そういう本当にあるのかどうかっていうその効果があるか。

Vance 様

いやそうです。向こうではもうみんな慣れてますね。もう厳しすぎて、それぞれのファミリーが注意されるね。あのここダメだよ公園飲んじゃダメだよ、もう法律だから。あと罰金が結構高いので、うんそれもひとつですね。例えば、日本ではたばこね、路上たばこすると2000円とか。2000円程度じゃないですね、結構高い。5万とかになっちゃうので、うんそうですねやっぱり効いてますね、その法律が。

知事

やっぱり罰金があるわけですよね、路上飲酒したら。だから日本で今議論、新宿区もちょっと始めようとしてるのも特に罰金とかないわけですよね?路上飲酒はやめましょうっていうそういう、理念っていうかそういう条例ですよね?それで本当に効果あるのかないのかってことですよね。

Vance 様

そうですね。はい。結構向こうはあります。やっぱり厳しいです。でもやっぱり人間は人間なので、飲む人も見ますね。なんていうか隠しながら飲んだりとか、でも多くの方は、その法律をわかって厳しくてわかって、罰金もあって、もしかしたら刑務所に入っちゃうかもしれないだからもうやめましょうとかの、うんフィーリングがありますね、向こうでは。

知事

上田先生、これたばこですね、路上喫煙っていうのは禁止条例っていうのはありますよね?

進行 上田様

はいありますね。

知事

あれ罰則つきでしたっけ?

進行 上田様

罰則ついているところもありますね。過料でやってるところと、罰金までついてるところそれぞれかと思いますが。

知事

じゃたばこはこうきちっと禁止してて、お酒はまあいいだろうっていうこの違いは何なんでしょうかね?

進行 上田様

どうですかね。たばこであれば、副流煙の問題だったり、路上で吸った場合例えば子どもに当たるとかいう危険性もあるのでっていうことかなと。あと周りにたばこが嫌いな人がいれば、結構煙で迷惑を被るっていうのもあるんじゃないかなと少数であっても、ていう気はしてますね。

知事

田子さんこれどうですかね?こうやってそのたばこと酒でも随分違うしそれから、条例作るってときもね、そういう罰金や罰則の規定があるようなものなのか、ないものなのか、変わってくると思うんですけどその辺りどう考えですか?

田子様

多分日本人って、路上飲酒禁止っていう風に書いてあるだけでやらなくなる人がだいぶ多いと思うんですよね。本当のこと言うとたばこのように罰金を取ったほうが完全に禁止にはできると思うんですけども、それまでしなくても路上飲酒禁止だよってこと知らせるだけでも、やっぱりかなりの数の人が自分から進んでしなくなるんではないかなって思いますね。恥の文化というかね。

知事

なるほどね。中山さん若い世代からしてどうですか?そういう路上飲酒禁止だって条例ができたらやっぱりやめとこうかなって気持ちになりますかね?どうですかね?

中山様

はい。学生に実はアンケートを実施しておりまして、路上飲酒に対してどういう考えを持ってるかっていうのを聞いてみたときにやっぱりイキった行為というかマナーがなってない人がやってる行為だっていう風に考える人が一定数いまして、やっぱり大学生の中で恥ずかしいことだから、禁止されて当然なんじゃないかっていう声が結構聞かれました。なので実際に路上飲酒が全面的に規制された場合は、多分学生たちは禁酒に賛同するんじゃないかなという風に思いました。

知事

そうですか。逆に反発世代とかではないんですね。

中山様

そうですね。迷惑をかけなければいいっていう意見ももちろんあったんですけど、それ以上 にやっぱりネガティブなイメージが多かったと思います。

知事

小林さんどうですかね?この条例の罰則規定なき条例の有効性等々ですね、どんな風にお考えですか?

小林様

依存症の予防啓発とかですね、あるいは回復支援っていう観点からちょっと申し上げますと、飲酒行為そのものを何らかの罰則を伴って禁止するというようなことは、あんまり意味がないですね。薬物依存の問題にしてもそうですけれども、法律で規制してなくなるもんではない、非刑罰化とかっていうことが今流れになってますので、そういう目で言うと法律で縛って禁止しても、どっかで抜け道を作ってやってしまうっていうのが、アメリカの禁酒法がいい例ですけれども、人間の欲望はちょっときりがないっていうとこがあるんで、私の立場で逆だと思われるかもしれませんけれども、規制すること自体はあまり賛成ではないです。むしろ日本の、田子さんおっしゃってたようなほがらかな飲酒文化みたいなものの良さがある意味生かされるような方向のほうが、厳しくすると例えばお花見で酒飲むこともダメになんのかみたいな話になってきそうな気がして、あまり近々の情景だけを見て規制に走るのはちょっと危険じゃないかなって、もう少し長期的な観点も必要じゃないかなっていう風には思っているところです。

 知事

これって話を聞いてみて、なるほどそうなのかなと思いますよね。断酒連合会をやってらっしゃるんだからもう冗談じゃないよとおっしゃるんじゃないかと思って…。

小林様

多分そういう役割に出されてるのかなと思ったんですけども、いや仲間に聞いてもそうでした。

知事

そうですか。

小林様

ああいう大騒ぎしたりする人はあれ自体が問題なわけで、お酒飲むことを規制してもあまり意味がないよねっていう。それからむしろ私が思うのは、その路上で飲む人例えばね横浜で言うと寿町とかに行くと、路上で飲んでる人たくさんいるわけですね。私もその寿町なんかのアルコール依存症になってるような人たちの支援をしてる人たちに関わりがありますから、そういう人たちにとっても、なんか生きる術としてやむをえず飲んでしまってるみたいなとこもあるわけですね。だから騒いでるわけでもないし静かに孤独に先ほど言った孤独な路上飲酒みたいなことをしているわけで、そういう人たちに対して路上飲酒が…網をかけるようなかたちで禁止してしまうとその依存症圏にある人たちの孤独な路上飲酒みたいなことも、あんなことやってるやつだからダメだみたいなことで、逆のスティグマを生んでしまう危険性のほうを感じてしまっています。今回の話題では。

知事

なるほどね。聞いてみるべきですね。

進行 上田様

はい。なんか議論がもう次のテーマに移っているようなので、一旦切らせていただきます。ありがとうございます。
なんかもう条例規制のお考えというようなかたちだったり、実行性という問題の議論に移ってきてるようなので、ここで次のパート、神奈川県内の路上飲酒の現状を踏まえて今後どのようにしていけばいいかというご意見をお聞きしていきたいと思います。条例規制への、どうすべきかというお考えも含めてお聞かせいただければと思います。先ほどと順番を変えまして最初に中山さん若い世代の代表として、なんか先ほども聞いた気はするんですが意見をお聞かせいただければと思います。

中山様

はい。先ほどもお話をさせていただいたとおり、大学生の視点からすると、路上飲酒が恥ずかしい行為だ、とかあと大学周辺の繁華街で、路上飲酒をしてる人に絡まれて嫌な思いを経験した方とかもいて、そういった人たちからはもう全面的に禁止してほしいっていうような声が聞かれました。ただ一方で重要なお祝い事であったり先ほどからお話出ておりますとおり、お花見であったりとか、そういったところでその壁のないところで飲酒をすることで生まれる、なんて言うんでしょう楽しみとか喜びとか、そういったものを分かち合うみたいな場所がなくなってしまうのは、それは悲しいことだなという風に学生自身も思ってるようですので、全面的に禁止するというよりかは部分的な規制をしていただくのがいいかなという風に考えています。以上です。

進行 上田様

はい。ありがとうございます。続いて田子さんはいかがでしょう?

田子様

いやなんか皆さんの話聞いてるとやっぱちょっと難しいですよね。なんかねえ金銭的な問題もあればね、そのアルコール依存症的な話もあって。一概にやっぱり全部禁止っていうのは良くないなって思います。ポイントはゴミと騒音、あとマナー違反みたいなとこだと思うんですよね。その部分が解決できれば、多少の歩行飲酒だとか路上飲酒とかは許されるんじゃないかと思うんで、そこをどうするか。マナーの周知徹底みたいなものはね、公園とかその川沿いとかできると思うんですけど、例えばゴミ箱を置くって言ってもそれの管理がね、分別とか、それを誰が捨てんだっていう話になってくるとまたなんかちょっと面倒な話になってくるし、なかなか難しいなとは思います。ただ先ほどちょっと出てた、路上飲酒、歩行飲酒禁止みたいな表示だけでも、割と効果はあるのかなまず出だしはっていう感じはしますけどね。どうでしょう?

進行 上田様

はい。ありがとうございます。続いて、先ほども知事との質疑の中で逆のスティグマとか、孤独な路上飲酒をしている方に対する影響等ともお話ししていただきましたが、神奈川県断酒連合会副会長の小林さん、今後条例規制への考えも含めて、どのようにすれば良いと思われておりますか?

小林様

そうですね、私も先ほどから一貫して申し上げてるとおり、飲酒問題と、逸脱行動、ゴミを撒き散らすだとか大声で騒ぐだとかですね。あるいは暴力行為に及ぶだとかっていうことは一応切り離して考えるべきかなっていう風に思ってます。
それでもし何らかのかたちの法的規制、条例化をするということで考えるのであれば、新宿の条例でおっしゃってる第2項ですかね?環境を汚すとかですね。それから迷惑行為というようなことに特化して、ゴミは捨てちゃダメでしょうと、大声出しちゃダメでしょうと、迷惑行為はいけませんよということを、強く押し出せばですね、逆にそういうハメを外したくてやってるんだと思うんです。若者の人たちは。でもあそこ行ってもちゃんとしていなきゃいけないんだったら、酒…そんなにハメ外すことできないんだから飲んで騒いでもしょうがないなっていうことによって、結果的にそういう行動がなくなるんじゃないかなっていう風には思います。何回も繰り返しますけども、路上飲酒ということで括ってしまうことの危険のほうを、私はちょっとあえてこういう断酒会っていう立場だからこそちょっと言わせていただきたいなっていう風に思ってるところです。むしろそういうことの回復支援とかですね、そちらのほうの方向性は、同時に持っていかないといけないのかなっていう風に思ってます。

進行 上田様

先ほどなんか知事との質疑の中でスティグマっていうことをおっしゃっておられましたが、スティグマっていうのはどういう影響…。

小林様

スティグマ、ちょっと耳慣れない言葉で、英語でいうスティグマ「烙印」っていうことで、マイナスイメージを持ったレッテル貼りということですね。それでアルコール依存症っていうのは、元々アル中っていう風に言われて差別的に言われた依存症、今でこそ病気だっていうことが認識されてますけども、人格的にどうしようもない人、だらしない人、非人間的な人みたいな風に思われてるんで、そういうことが路上で飲んでる人に対してレッテル貼りを強化してしまうようなことになるのを非常に危惧します。路上飲酒っていうことに特化して、法的規制をすることによって、社会的なスティグマを強化してしまう、アルコール依存症に対して。アルコール依存症に対しての社会的スティグマが強くなればなるほど、当人が自己スティグマって言って自分でそのスティグマを背負い込んでしまうんで、自分が病気であるということの認識が遠ざかってしまって結果的に、アルコール依存症の予防啓発についてはマイナスになってしまうかなっていう風には思うところです。

進行 上田様

はい。ありがとうございます。確かに私もなんか路上飲酒っていうところに特化して規制して、禁止されてるのに外で飲んでるってどんだけ酒好きやねんみたいなことで…。

小林様

はい。そうなりかねないのは怖いですね。

進行 上田様

はい。ありがとうございます。私が喋っていると時間が押してしまうので、では、条例規制含めて、先ほど海外と同じようにしてどうなるかというようなお話もありましたが、外国の方の視点からVance Kさん今後どのようにすれば良いと思われますか?

Vance 様

そうですね路上飲酒、日本では今までね良かったのはなぜかと言うと、日本人のマナーがすごくいいからだと思いますね。飲みながらなんか変なことで盛り上がったりとかしますけど。でも暴力までそれはないですねあんまり。ハワイでの飲酒はやっぱり酔っ払うと暴れたり、殴り合ったりとか暴力とか結構ひどいですね、向こうでは。なのでその法律が必要だと思います。でも日本もちょっとねパンデミックの後に、路上で酒を飲むマナーがちょっと悪くなったかなと気がしますね。外や路上での大人のマナーで、おとなしく、もし1杯2杯とか飲みたいならそれはいいんだと思うんですけれども、でもそれ以上に居酒屋状態にしたりするとそれ良くないなと思います。はい以上です。

進行 上田様

はい。ありがとうございます。それでは先ほどの続きのような質疑になるかもしれませんが、知事、皆様のご発言踏まえてご質問やご感想をお願いいたします。

知事

はい、あんまりこう路上飲酒は規制すべきだ!っていう人は、いらっしゃらないんですよね。割となんか皆さん寛容だなという感じが実はして、ちょっと驚いてるところがありますね。私自身もコロナのときですね。あれ飲食店のその時短要請ってのがあってですね、それでもうお店行っても夜、飲めないという状況になってましたよね。そのときに横浜のですね、繁華街で路上飲酒がすごく出てたんですね。それを視察に行ったことがありまして、これやっぱり良くないなってすごく思ったんですね。日本人割とまあお行儀がいいとは言いながらもですね、あんな繁華街の路上に、若い人がみんなで地べたに座り込んでね、車座になってなんかこう缶ビール出して、わあわあやってるっていう姿っていうのは、なんかあまり美しくないなってすごく思ったんですね。あれはコロナ禍でそういう制限があった中でのことでしたけども、私直接なかなか目にはしてないんですけど、テレビなんか見ててもですね、このまさに新宿区の繁華街とか渋谷の繁華街とかでは割とハロウィンとかそういうときでなくてもですね、割とこう若い人がそういうたむろしながら飲んでる姿っていうのはあんまりお行儀良くないなって、あんまりこう子どもたちに見せたくないです。そんな時間にね子どもたちが街歩いてることはあんまりないでしょうけども、見せたくないなと思ってる中でですね、この問題は私非常になんとか考えなきゃいけないなと思ったのは、実はテレビの番組に呼ばれて出たときに、これは元私の古巣でありますフジテレビのですね『日曜報道』っていう番組出たときに、観光ってことがひとつのテーマだったんですけども、こういった映像見てくださいって言って見せられた映像がですね、まさにその路上飲みの現場ですね。そこで非常に私衝撃だったのは、その若い人もそうなんだけども、外国人ですね、外国人がわあってそこで飲んで、大はしゃぎしてるわけですね。それでその外国人にインタビューしてるのを聞いてですね、要するに自分の国じゃできない。これができるから、これをやりたくて来てるんだみたいなことをですね、言う外国人のインタビューを聞いて、これはどういうことなのかなと思って見てたときにスタジオに戻ってきて聞かれたんですよね。黒岩さんどう思いますか?って聞かれたんで、これやっぱり本来は路上で飲むというのはね、将来的にはやめてく方向に向かったほうがいいんじゃないのかなと私思いますねって、すぐにはできないでしょうけどもねっていうみたいな、そういう言い方をしたんですね。ですからそれはそのときのその映像を見た感想で言ったのであって、じゃ本当に皆さんが幅広くどう思ってらっしゃるのかなって聞きたくて、こういう風な話を聞いてはいるんですけども、どうですかね?外国人が日本だったら路上でガンガン飲めるから、それやりたくて来てるんだっていうので「うわ、それはいいね。これどんどん続けましょうよ」っていうことっていうのは中山さんなんかどう思います?

中山様

はい。実際に学生たちが留学をした先で飲酒が規制されている、お酒自体がこう生身の状態で持ち歩くことができないっていう状況を経験して日本に帰ってきてから、やっぱり日本は規制されていないっていうことが、なんて言うんでしょう、それが日本人の特性によって保たれてるっていうところがあったと思うんですけど、ただ先ほど知事がおっしゃっていたとおり、日本では外でお酒が飲めるっていう認識で、海外から外国人の方が来られている。でも本来は多分外でお酒を飲むっていうことをあんまり日本人はしないから、規制されていなかったっていうことであって、今インバウンドとあとコロナ禍を経て、かなり世の中のあり方が結構変わってると思うので、今の状況をまた見直して規制を考えていく必要があるのかなという風に思いました。

知事

うん。田子さんならどう思います?路上飲酒できる国だぞ日本は。だから行こうぜみたいな。

田子様

それどんどんエスカレートしますねきっとね。多分それ許してると。ある程度の規制やっぱ必要なんですよね。ただそれが罰金とかを伴うものじゃなくて、路上飲酒は恥ずかしいよっていうような感じの周知というかね、そういう部分だろうと思いますね。自分の住んでるとこではそういう外国人の人の騒いでるのは見たことないですけども、実際地元のワンワンパトロールの皆さんにアンケートしたときに、やっぱり路上飲酒反対っていう人がもうほとんどだったんですよ。自分は結構ね路上飲酒に甘い考えを持ってたんですけど、一般の皆さんは結構反対、もうなんか迷惑だって思ってる人がすごく多いなっていうのは実感です。多少のそういう規制は必要と思いますね。

知事

福岡さんね、これ新宿も繁華街にたくさん外国の方がいらっしゃってると思う。自分の国ではできないことを思いきり羽伸ばしてできるぞっていうそういう目線、これは日本のそのインバウンドのそのある種引きつける力にもなるんだっていうことになるのはなんか、すごく複雑な気持ちに思いますけどいかがでしょうか?

オブザーバー 福岡様

私も思いは知事と同じような感じで、あの状況がいいとは思ってはいないというところであります。一方、これ取り締まるっていうのはかなりハードルが高いというところもあります。今回は、条例を制定したということで、これを広めることによって、ひとつの抑止力にしたいということ、また外国人に対してどうやってこれを周知していくかというところでは、区内のホテルとか外国人の方が泊まられるような民泊とか、こういったところでもポスターとかチラシとかのデザインが出来上がったら、お送りして周知を図っていくと、こういったかたちでやっぱりマナーを守って楽しんでいただきたい、やっていきたいという風に思っております。

知事

これ冒頭ね、中山さんが経済的な問題で学生にとってはね、やっぱりこの路上で飲むってのはひとつの経済的にも助かることなんだみたいな話ありましたけども、これ様々な目線で考えたときにですね、外国人から見たときに、自分の国はできないけどもできるっていうと同時にですね、その安いですよね、酒の値段だけでいいんだから。それ例えばお店入ったら絶対その値段じゃ無理だから、安く飲めるっていうか、そしてこうはしゃげて飲めるっていうことでいいっていうのと同時にですね、じゃあお店側の目線に立てばですね、本来ならそのお客さんはうちの店に入ってこなきゃ酒飲めないはずなのに、外で飲んでたらうちの商売マイナスじゃないかっていうことと様々なこう目線のね違いが実はあると思うんですけど、やっぱりなんらかの規制というか、必要なんじゃないのかなっていう気も、しないでもないですけど、Vanceさんいかですか?

Vance 様

いや正直言うと、そういうテレビ番組見ると恥ずかしいですね。外国人にとって。多分私みたいに、長く日本に住んでいて税金払って、Resident tax(住民税)払って、で、そういうね軽く日本に来て、もう飲めるから飲もう!とかあれは恥ずかしいですね。なんかしたほうがいいかな。注意とかルールとか、法律までかどうかわからないんですけれども、でもなんかしたほうがいいとエスカレートするまでに。

知事

そうです。だからこの流れっていうのは、下手するとねこれから加速していくんじゃないのかなってちょっと気もするんですよね。今ねこう円安で、そして生活困窮なんていうね状況もたくさんある。一般的になってるという状況の中で、それは原価でもう自由に飲める。家じゃなくても、みんなと外で飲めるっていうのがあったら、やっぱりそっちがいいよねってどんどんなるっていうのもあるだろうし、インバウンドでさらにこれから外国人がどんどん来るとですね、またそれがさらにっていうのがあって、日本の路上中が酒場状態になるという。夜になったら大宴会場になるみたいなところまでこうどんどんどんどん進んでいくってなるっていうのはこれはやっぱり、ちょっと待たなきゃいけないんじゃないのかなっていう気もなんかするんですけど、小林さんいかがでしょうか?

小林様

それは知事のそういう危惧はね、一方すごくよくわかるところもありますけど、私比較的その辺については性善説というか、迷惑行為ということをきちっとやらないようにしましょうよっていうことを徹底することによって、外国の方もね、わかってくれてるんじゃないか、でちょっと思ったのはやっぱり外国の方が大騒ぎしてるということで特化してしまうと、やっぱり外国人差別みたいなものにも繋がる危惧もちょっと感じました。日本人はちゃんとやってんのに外国から来た人が、日本の国のいい文化を乱してるみたいに思っちゃうのも、またそれはそれでちょっと筋違いの話かなっていう風に思うんで、もし規制をかけるとしたら何回も申してるように、迷惑行為ということをかなり強く押し出したかたちでの規制、ということが必要かなっていうのとこれはまたちょっと半分冗談みたいな話ですけども日本の花見文化みたいな上野公園みたいなことがあるわけですから、一定期間ここでは大騒ぎしてなんでもやってもいいでしょうと日本のあの無礼講みたいなものを、文化として打ち出して大騒ぎして、その代わり秩序ある大騒ぎみたいなものの場を、日本の文化として提供するみたいなツアーみたいなものを組むみたいなのもひとつの考え方かなと思ったりはします。

進行 上田様

はい。議論が足りないんですが、そろそろ時間が迫って来てまいりましたので、路上飲酒と言ってもなんかいろんな花見だったり、楽しく飲んでるという場面もあり、どういう問題に着目して路上飲酒っていうところである程度集まれる広い場所があって、あそこで飲んでるんだったら俺たちも飲もうぜみたいな空間があって、そこで逸脱行為が起こるみたいな危険性とかに着目するといったような考えもあるかなと私は思っております。先行事例もあることですし、実効性等も含めて、今後どういう効果があったのかとかいうことも、私法律研究してる身としては研究していきたいなと思っております。ということでなんか私が締めくくってるみたいになっておりますが、すいません知事、今回の対話の締めくくりをいただけますでしょうか?

知事

非常に私にとってね有意義な皆さんのご意見いただいたと思いますね。やっぱり徹底的に規制すべきだ!っていう声は、まあこの中にはなかったわけですよね。日本で今までやってそういう規制がなかったけども、そんなにそれによって大混乱世の中してるわけじゃないじゃないかっていうことがあります。まあまあそういうちょっと緩い感じっていうのでやってきた、これある種日本の美徳っていうか文化でもあったっていうね。それが今ちょっとインバウンドなんかでちょっとこう状況が変わりつつあるけれども、じゃどうすんのかっていう中で、じゃあ激しい規制をガーンとかけるっていうよりも、さっき田子さんがおっしゃったね、面白いなと思ったんだけど、日本人は「立ち入り禁止」って札書くとね本当入ってこないんですよ。「立ち入り禁止」って札にどんな法律的意味があるのかってこと抜きにしてもね「立ち入り禁止」って書くとね、入って来ないですよね。これ本当面白いもの。ロープ張ってるとね、入ってこないんですよね。そういうところからちょっとやってってですね、そしてちゃんとこのマナーていうのはこういうもんですよっていうそこから始めてくるというのが、とりあえずやることなのかなという気が今日は議論を通じてしましたね。それとともに新宿区でですね、そう新しいその条例が生まれたときに、どんな風なかたちになってくるのかね、これもしっかり見極めていきたいなという風に思っています。今後とも是非教えていただきたいと思います。今日は本当、皆さんどうもありがとうございました。とっても参考になりました。

進行 上田様

はい。知事ありがとうございました。それでは進行を県にお戻しします。よろしくお願いします。

神奈川県 情報公開広聴課長

上田先生、進行役を務めていただきましてありがとうございました。本日ご参加の皆様、貴重なご意見をいただき、ありがとうございました。またYouTubeをご視聴いただいた方、皆様ありがとうございました。本日の様子は神奈川県のホームページに掲載し、YouTube動画も配信いたします。またご意見も受け付けてございますので、県のホームページからご意見をお寄せください。それではこれを持ちまして、令和6年度第1回黒岩知事と当事者とのオンライン対話を終了いたします。皆様ご参加ありがとうございました。

 

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