第43回神奈川県地方税制等研究会 審議結果

掲載日:2018年3月28日

様式3-2

審議結果

次の審議会等を下記のとおり開催した。

審議会等名称

第43回神奈川県地方税制等研究会

開催日時

平成21年3月31日(木曜日)14時00分~15時15分

開催場所

神奈川県庁 新庁舎5階 第5会議室

出席者

(座長)神野直彦、堀場勇夫、金澤史男、中里実、青木宗明、沼尾波子、半谷俊彦、高井正

次回開催予定日

未定

問い合わせ先

政策局 財政部 税制企画課 調査グループ

電話番号 045(210)2308

下欄に掲載するもの

  • 議事録全文

審議経過

(議題)

(1)神奈川の地球温暖化対策における炭素税等導入の検討について

(2)その他

1 開会

事務局 では、お待たせいたしました。これより神奈川県地方税制等研究会を開催いたします。

まず、ワーキンググループの○○委員から、本日欠席の連絡をいただいております。

また本日、傍聴者として6名の方を許可しておりますのでご了承ください。傍聴される方は、お手元の注意事項を厳守されるようお願いいたします。

それでは、次第に沿いまして進めさせて頂きます。

まず、開催に当たりまして、部長からご挨拶させていただきます。

部長 本日、年度末本当に最後の、一番お忙しい日に、皆様にお集まり頂きまして本当にありがとうございます。

また、日程も急遽変更ということもございましたので、大変ご迷惑をおかけしました。本当に今日はありがとうございます。

ちょうど1年前、昨年の3月28日でした。知事から本県独自の炭素税の導入について、皆様方に検討をお願いしたいということで諮問をさせて頂きました。それで1年余り色々ご検討、ご研究頂きました。今日、最後のご検討を頂きまして報告書を取りまとめて頂くことになっておりますので、どうぞ宜しくお願いしたいと存じます。

今日、この研究会の終了後、3時頃になろうかと思いますが、知事もこちらに参りますので、その時に座長から知事へご報告頂ければと考えておりますので、どうぞ宜しくお願いいたします。

それから皆様、既にご案内のことと存じますけれども、座長におかれましては、この4月から地方財政審議会の会長職に専念をされるということでございまして、本日をもってこの研究会の委員を辞されることになってございます。大変残念でございますけれども、地財審の関係で、どうしてもやむを得ないということでございます。座長におかれましては、本研究会設立当時から10年にわたりまして座長を務めて頂いたわけでございます。この間、本県独自の臨時特例企業税、そして水源環境保全・再生のための超過課税などの創設に、大変お力添えを頂いたことでございます。本当にありがとうございました。

また委員の皆様におかれましては、大変お忙しいところを申し訳ございませんが、今後も本県が抱える税財政問題、非常に課題が多うございます。引き続きまして、お力添えを頂きますよう、どうぞ宜しくお願いいたします。

それでは、本年度最後の研究会になりますけれども、本日もどうぞ宜しくお願いをいたします。

事務局 続きまして、議事に入ります。議事の進行は座長にお願いいたします。座長、宜しくお願いいたします。

(1)神奈川の地球温暖化対策における炭素税等導入の検討について

座長 それでは、第43回になりますが、神奈川県地方税制等研究会を開催したいと思います。委員の皆様方には年度末のお忙しいところをご参集いただきまして、私からも重ねて御礼を申し上げる次第でございます。

本日の研究会は、ワーキンググループと研究会との合同開催という形で進めさせて頂きます。本日の議題でございますが、お手元にございますように神奈川の地球温暖化対策における炭素税等導入の検討についてということでございます。炭素税導入の検討につきましては、昨年の3月28日に知事から諮問がございまして、ワーキンググループに論点整理を行って頂いて、これまでこの研究会として4回にわたって議論をして参りました。今回、報告書の最終案を作成して頂きましたので、事務局の方からご説明があります。宜しくお願いします。

担当課長 では、私からご説明申し上げます。資料を幾つか用意させて頂きましたが、資料2に見え消し版ということで検討結果報告書(案)を用意しておりますので、こちらでご説明申し上げたいと思います。この報告書につきましては前回、2月5日の研究会での議論を踏まえまして、そこで指摘された点について修正をするということで、事前にワーキンググループの委員長とも相談をしながら修正案を作成をさせていただき、事前に各委員にも見て頂いたという経緯でつくらせて頂きました。

1枚目をお開きいただきますと、まず「はじめに」というところでございます。前回この部分は全くございませんでしたので、すべてアンダーラインを引かせて頂きました。内容的には一番最初のパラグラフでは、知事から昨年、諮問を頂いたということでございます。次のパラグラフでワーキンググループにおいて、現状の把握と論点整理をして、議論を積み重ねてきたということでございます。

その次のパラグラフでは、我が国の温室効果ガスの削減状況は非常に厳しい状況にありますので、国、地方自治体、産業界、各家庭など、国を挙げてこの問題に真剣に取り組んでいかなければならないということを記載しております。そして、こうした中、いわゆる炭素税については、全国一律の税制として導入されるべきですが、その議論を活性化させて早期導入が図られるためには、神奈川県で独自の炭素税について議論することはフロントランナーとしての意義があるだろうということでございます。

もとよりということで、こういったものの議論につきましては、県民の意見が十分に反映されていなくてはならないとか、県民の高度な環境意識に支えられなければならないというようなことを記載してございます。

最後、現下の経済情勢は大変厳しい状況にありますけれども、我が国が低炭素社会の実現に向けた努力を止めることはできないだろうということで、最後この報告書を基に実りある議論を行えることを切に望むものであるということで、一応整理をさせて頂いてございます。

少し飛びまして、目次のところです。ご覧のとおり、消したところは見え消しでございまして、そこで直した分がアンダーラインということです。具体的な内容は、それぞれの中でご説明してまいります。

1ページでございます。まず、1ページの見出しのところですが、前回、地球温暖化対策というのが至るところでありましたが、それはCO2削減の場合、これは議論的には地球温暖化で温度が上がることもある一方で、温度が下がるという議論もあるというお話がありました。最後、座長から、低炭素社会の実現という方向でやっていけば両方を睨んでいるということでしたので、地球温暖化対策ということで記載した分は、原則この低炭素社会の実現に向けた等、そういった表現にすべて改めさせて頂きました。見出し以下、そういう部分は至るところに出てきますが、一応そういう主旨で直させて頂いております。

少し飛んで恐縮ですが、6ページでございます。6ページの2つ目の○でございますが、道路特定財源の記載の部分でアンダーラインを引いたところ、「地方の道路整備の必要性等に加え、環境問題への国際的な取組みも踏まえ、平成21年度の税制改正において」という記載を加えさせて頂いております。ここは、化石燃料に対する課税、現行の化石燃料の課税については環境税としての位置付けができるという議論がございまして、後段にも出てきますが、そこを少し細かく前段の部分で記載しております。特に環境問題の国際的な取組みを踏まえ、というのは国のスタンスでございますので、そこを明確に記載しております。

ちなみに平成21年の税制改正につきましては、税制改正の一連の法案は3月27日に参議院否決の上、衆議院で再可決ということで、本日法律が公布されたところでございますので、これにつきましては法律が施行、明日、4月1日に施行されるという運びになろうかと思います。

次に、見開きの7ページのところでございます。幾つか表を加えさせて頂きまして、まず表の4でございます。この表の4は、我が国の化石燃料等にかかるエネルギー税額ということで、炭素トン当たりの税額にしてございます。

前回は、炭素トンではなくて、円/l(リットル)や、円/kg(キログラム)ということで、それぞれの重量に応じて表示しておりましたが、炭素トン当たりで共通して表示しないと中々正確な比較ができないという議論がございまして、それで作り直したところでございます。

基本的に前回と見た目はほとんど変わらないのですが、一番右の電気のところは前回と見た目が若干変わっています。前回の表ですと、電気につきましては、石炭等他のものに比べて更に低い形になっていたのですが、炭素トン当たりに表示しますと、石炭等より若干高くなる表になっております。それは電源開発促進税等でもあるということで、目に見える形ではそこが変わっています。

次は、表5でございます。これはガソリンの炭素単位当たりのエネルギー税額の国際比較ということで、前回の議論の中で、アメリカやカナダ等の税額が低い国々が入っていないので、それらの国々を入れた方がいいのか、もしくは入れないとしたらどういう理由があるのかという議論がございました。これにつきましては、アメリカ、カナダ等は非常に炭素の排出が多いので、加えなくてもいいのではないかというお話もございましたので、今回は資料1で少し用意いたしました。

資料1で「世界全体のCO2排出量」ということで、環境省のホームページから資料を持ってきてございます。上の表は世界全体のCO2の排出量ということで、アメリカが20.3%、次は中国という形で多い順に見られるわけですが、国別の1人当たりの排出量ということになりますと、上からいきますとオーストラリアが一番1人当たりの排出量が多く、ついでアメリカ、カナダこの3国ぐらいが飛び抜けて多い状況でございます。真ん中あたりに日本がございますけれども、数値的にはこれでいくと大体9.5%で、1人当たりの炭素トンになりますと、オーストラリア、アメリカあたりはその倍以上の消費量ということになります。

一応、データ的にもアメリカ、カナダ等については、比較にならないほどCO2の排出量が多いので、こういった国については直接比較はしなくて良いのではないかということで今回は入れておりませんし、また実際に、環境省等、データで公表しているものも中々ございませんでした。ただ、アメリカを細かく拾っていきますと、連邦税は、ちょうどこの炭素トン当たり円で表示されている表でいきますと、5.10円になります。日本が全部で55.84円ですので、連邦税だけですと、その10分の1程度です。例えば州税はかなりばらばらのようですけれども、ニューヨーク州ですと11.45円ということですので、合わせますと16.55円です。よって、日本の55.84円に比べると、アメリカはその3分の1未満というレベルですので、アメリカについてはデータは少ないのですが、実際はこのくらいのレベルということで、一応確認はさせていただきました。

また少し飛びますけれども、12ページでございます。上から3行目の地方税として環境税を導入した場合のメリットということで、これはオとして改めて加えた部分でございます。前回の議論で、神奈川独自の炭素税を検討していく過程の中で、地方税として導入するメリットというのが明確に出てきましたので、それを少しまとめて記載したら良いのではないかというお話がございまして、ここでまとめております。

内容的には、最初の○でございますが、環境省の案ですと電気、都市ガスについては、発電・ガス事業者が用いる化石燃料に対して課税するということですので、かなり上流の部分になります。また灯油、LPGについても上流で課税ということで、国の環境税はかなり上流部分で課税するということですが、次の○で地方団体が課税する場合はより川下課税が可能であるということと、あと電気、ガスについては基礎控除制度が導入できるだろうということでございます。

そういうことで、担税力に配慮した仕組みを講じることが可能でありますので、3番目の○で、地方税として環境税を導入する場合は神奈川独自でなくても、全国一律で地方税として、このようなメリットを生かして導入することを検討といいますか、議論を深めるべきであるという整理にしております。

次に、14ページでございます。真ん中辺りから、負担の逆進性への対応というパラグラフがございまして、ここのすぐ下のところの3行目に、生活必需品的な価格弾力性の低い消費ということで、ご議論の中で生活必需品的なものについては、負担の逆進性に配慮する必要があるという話がありました。ここについては、あまり多く書く必要もないので、少しさらっと書いておいた方がいいのではないかという話もございましたので、一応ここだけ加えております。 また、一番下の○でございますが、これにつきましては基礎控除について、この前は別の資料でご説明したものをここに加えております。生活保護世帯においては、平均的な電気、ガス使用量相当額について基礎控除を設けて、丸々その負担をしないような形にするか、もしくは半分程度負担してもらうか、2通りの案があるいうことで、一応ここでは2通りの方法の記載をしてございます。これにつきましては後段で、税収試算をした際には2分の1負担で試算をしてございますので、また後ほどご説明申し上げます。

次に、17ページの2つ目の○でございます。これも先ほど少し触れましたが、2つ目の○、3つ目の○で、特にガソリン等の自動車燃料については課税しないとする、案の2につきましては、道路特定財源の部分の税率を下げないで、環境税的な意味合いというのを読み込んでいけば、整合性がとれるのではないかというご議論がございました。そこの部分について、国の位置付けと最後の○、したがってのところで、一定の環境税が既に課税されているものと位置付け、網羅的な炭素税の対象から外していくことが適当であると考えられるということで、ここに記載させていただきました。

次に、18ページでございます。神奈川独自の炭素税案ということで、案の1につきましては、すべての化石燃料に対して課税していく案、案の2につきましては、自動車燃料に対しては対象から外していく案という位置付けですが、今回加えましたのは税率の中の括弧です。前回の議論では、まず炭素トン当たり1,600円から2,400円というようなことでした。それを具体的に、それぞれの燃料ごとにリッター当たりの金額を同一で示しています。ガソリンは1.01円から1.52円リッター当たりという、以下、共通の炭素トン当たりの金額で記載しております。

また、その次の税収等ですが、ここは全く記載がありませんでしたが、この税率をもとに算定をさせていただきました。

案の1のほうは、もともと幅が1,600円から2,400円ということですので、その幅でいきますと、年220億円から340億円、家計の負担は年1,500円から2,200円となります。

また、案の2でいきますと税収額は160億円から250億円、家計の負担は1,000円から1,600円ということになります。これは基礎控除も計算しておりまして、その下にありますとおり、電気・都市ガス・プロパンガスを、この金額について基礎控除として設定をしております。

これは前回見ていただきました家計調査における「年間収入五分位階級1」ということで、一番左が年収268万円以下の世帯、それが大体、生活保護世帯の水準にオーバーラップしているということで、そこの平均使用量の半分を負担しないものとして設定したのがこの基礎控除でございます。

最後に21ページの一番下で、「おわりに」というのは前回はありませんでしたが、簡単ではございますけれども、追加しています。低炭素社会を目指してあらゆる手法を駆使していかなければならず、その中で環境税の導入については重要な役割を担うものであって、国においてその導入に向けた議論を加速していく必要があるということで、22ページに移ります。

最初の○では、環境税につきましては全国一律、国において導入していくことが望ましいのですが、その導入に向けては国税だけではなく、全国一律の地方税として最終消費段階で課税していく仕組みを講じることや、家計の負担を考慮し基礎控除制度等を設けていくこと等についても議論を深める必要があるということです。

最後の○で、こうしたことを前提としながら、神奈川県が本報告書でフロントランナーとして意義づけた独自の炭素税や既存税制の見直しについて、十分に議論して構築をしていくことについて望むものであると記載しています。若干「はじめに」とオーバーラップしている部分がございますが、こういった形で記載をしているところでございます。

私からは以上です。

座長 それでは、○○委員から何かありますか。

委員 特に前回から変わった箇所に関しては、今、税制企画担当課長からお話頂いたとおり、地球温暖化について、低炭素社会を目指すことを決定したということです。 それから12ページで既に説明がありましたが、地方税として導入するというのはフロントランナー的で全国一律が望ましいのですが、逆に我々が調査研究する中で、地方税ならではの細かい配慮ができるというメリットも浮かび上がってきたので、それに関しては明示的に書いていこうということで、12ページ、オの部分で3つの○になったということです。それから、1世帯当たりの負担額というのは前回出ていましたか。

担当課長 出ていませんでした。

委員 出ていなかったのですね。一応、そのイメージとしてどのぐらいの県民の負担になるのかということについて事務局に試算をして頂いて、イメージとして第2案でいくと、年間1,000円から1,600円ぐらいと、こういう数字が出てきたということです。

あえて言うと、その下にあるように、本文中では生活保護世帯が年間収入五分位階級1にほぼ相当するということで、全額免除と半額という2つの案が、本文では書いてあります。この試算では一応半分ということで試算をしていて、税収としては160億円から250億円程度の税収が見込まれると、この辺のイメージを明確に出したと、そのぐらいのところだと思います。

座長 はい、ありがとうございました。それでは……。

委員 議会では、どういう議論になっているのですか。

担当課長 今まで、議員からご照会があった時には、研究会で議論をしていただいているということで、その検討結果を待ってからという様に全部説明してございますので、具体的な内容につきましての議論はまだです。

部長 まだこの関係で、特に具体な議論は議会では行っておりません。

委員 事業税の新たな仕組みの中で、税率を下げる要件として、県独自の温暖化防止条例案の目標値を用いていたと思いますが、新聞報道だと温暖化防止条例案自体が継続審議になったようですので、その辺の記載はどうなりましたか。

担当課長 報告書の中では、具体的に地球温暖化対策推進条例を受けてということまでは書いておりません。ちょうど20ページのところでございますが、基本的な仕組みの※2で、例えばということで、エネルギーの年度の使用量が原油換算エネルギー使用量の数値で1,500キロリットル未満などが考えられるということで、省エネ法等などの指定を受けてこういう形で記載しております。もし本県の地球温暖化対策推進条例が通っていけば、より明確な形で神奈川県のやり方が出てくるのですけれども、今の段階ではそこまでは入り込んではございません。

座長 ○○委員いかがでしょうか。

委員 実現すれば日本で最初どころではなくて、世界で最初の地方炭素税ということになると思うのですが。

座長 議会の賛成が得られればですね。

委員 ワーキンググループで、色々と公聴会等なさったでしょう。反応はよかったんでしょう。

座長 どうですか。

委員 公聴は、まだやってないと思います。

委員 そうですか、あれは水のほうですね。国の先取りをしていくというのは良いことですよね。

座長 ○○委員、感想でも構いませんが、何か意見があれば。州関係は、ドイツは何ありませんでしたか。

委員 環境税ですか。

座長 環境税というか、取組み自体はかなり色々市町村レベルでやっていますよね。

委員 はい。そうです、州地方レベルというと……。

座長 課税はないですか。

委員 課税はありません。再生可能エネルギーの促進のための補助金的なものは市町村や州とかで行っているのと、あと家を低暖房住宅に替える時に、その補助金をというのはあります。

委員 ここで議論する必要はありませんが、環境と貿易というのは一つの論点でしょう。例えば、健康に悪いものの輸入を防ぐために、一旦規制したり、何か課税等を行うと、その環境保護のための政策がWTO違反になるということが起こり得ますよね。

よって、突き詰めていくと、神奈川だけで炭素税を導入しても県と県の問題等というのは、地方税のところでは出てくる可能性があるでしょうが、今の案だと、それほど高い税率でもないですから。ヨーロッパも、ある国だけが導入したら、EU裁判所で条約違反だなんていうことは、おそらく環境に関してはあまり起こらないのではないかと思います。

ですから、論点といえば論点なのでしょうが、先々あまり酷いチャージになると、それは要するに、自国産品保護のために環境政策を使うという人達が出てくる可能性はあり得ますからね。ただ、今は大丈夫だろうと思います。これは全く問題ないですよ。

委員 何が違法というか、不公平で不公正で、何が公正な競争なのかという、その判定自身をめぐる争いが、今、世界の経済的な枠組みであるわけですよね。今まで一国主義でこういう話の中に乗ってこなかったアメリカが、オバマ大統領になって、まさにその環境問題で、今度こそアメリカが世界を主導していくのだということを、何か声高に言っていますよね。これはこれで、また怖い感じがするのですが、やはりアメリカが本腰で、何かを狙って、自国の利益を考えながら環境で世界に乗り出してくると、やはり日本も独自の色々な考え方で、きっちりとその足元をすくわれないようなことをやっていかないと、発言権がなくなっていくと思います。

そういう点では我々のこの狙いというのは、神奈川県だけの地方炭素税が最後の姿ではなくて、やはり全国的にきっちりと世界に誇れるような制度を如何に国につくらせるかということだと思います。今まで神奈川県は外形標準課税にしても、臨時特例企業税というのは、あれが最終的な姿ではなくて、国がやる気がなければ、こちらで外形標準をやるということが、かなり総務省を動かしたわけです。

ですから、そういうことを今まで我々やってきているので、これもそういう意味でのフロントランナー的というのか、そういう位置付けであると思います。今まで北海道、東京都がチャレンジしても出来なかったことを、神奈川県としては問題提起していきましょうというところに意義があると思います。

委員 このフロントランナーというのは、NHKの番組でもありますけど、良い言葉ですね。臨時特例企業税のときに、確かにどこも身動きが取れなくなってしまいましたが、神奈川県は条例を成立させましたから。多少問題を抱えているとしても、そこはなかなか志が高くて、初期の目的を達成したというのがあります。

これは、臨時特例企業税と比べると、はるかにそういう障害は少ないので、フロントランナーとして打ち出して、国全体への制度に繋げるという、要するに国が導入しないと地方で導入してしまうという手法は、もの凄く効いてくる世界ですね。いや、良いと思いますね。やってみなければ、どこまで出来るかというのは勿論分かりませんが。

委員 水源環境税の場合も、元々座長が生活環境税制ということでメニューを色々出した中の一つである、水ということで、それこそフロントランナーで行ったら、後から他県もついてきて、30県まで今導入されているわけです。しかし、この炭素税の場合、何かフロントランナーで行っても、ふと後ろを見ると誰もついてこなかったという、少しその心配はあるんですけれども。

委員 いや、分からないですよ。確実に時代は変わりましたよね。やはりオバマ大統領になったから、随分違うでしょうから。

委員 今一つだけ、あくまでこれはメディアの方もいらっしゃるので参考までになのですが、今ちょうどフランスで、職業税という、地方税で標準課税があるのですが、もう去年の秋からサルコジ大統領が職業税を廃止し、その代替財源として、この地方炭素税で代替するということを明言したのです。

勿論、これはアカデミックな意味、あるいは行政的にいうと全然議論が進んでいませんが、ただ、大統領が言ったということの意味は結構大きいですから、既にヨーロッパでは地方税でも、カーボン税を導入するということが、やはり政治的に発想としてあるということですね。

座長 フランスのミッテラン大統領の時に、国から地方に動かした税金は何でしたか。

委員 自動車関係は地方に移しました。自動車税と、あと登録税ですとか免許税とかですね。

委員 税収のほうで、登録税をかなり本格的に動かしましたね。

委員 ここにも出ていますけれども、2003年に石油製品、内国消費税、共同税は今かなり地方に移しています。

座長 アメリカは、州では思いのほか環境政策を行っていますが、本当に州レベルの炭素税を導入していないということで大丈夫ですか。

委員 していないと思います。

座長 アメリカは結構、州レベルでは環境政策を行っていますよ。

委員 ええ、行っているとしたらカリフォルニアとかです。

委員 ただ、確か新聞報道ですと、カリフォルニア州議会で法案自体は成立したものの、連邦政府が今まで待ったをかけていたので、課徴金をかけられないでいるという記事を読んだ記憶があります。ですから、一応まだ州レベルでも導入されていないはずです。今後、オバマ大統領になったこともあって、先に導入されるかもしれません。ただ、州といっても国ですからね。

座長 それを言うと、滅茶滅茶になりますから。

委員 地方の環境税は、何でしたか。以前ウィスコンシンでは、下水道に水が流れるのを何とかチャージというのを見ましたが、あれが炭素ということになると。

座長 いや、炭素じゃない環境関係はほとんどですよ。例えばスカンジナビアでは地方にもあります。

委員 かなりね。一生懸命やっていますよね。

座長 良いですかね。特にご意見がなければ、時間はかなり余っていますが、この報告書(案)をご承認頂いたということにさせて頂いてよろしいでしょうか。

それではこの報告書(案)を、案を取らせて頂きまして、この研究会の報告書といたします。

さて、この研究会の当初にもありましたように、私事なりますけれども、私はこの座長というより、この研究会の委員の職を辞することになりました。先ほどご紹介がありましたように、10年間務めたのでございまして、十年一日というと僅かな期間ということになるわけですが、十年一昔といえば10年かかると歴史は大きく変わるのだということになり、短くもあり長くもあるような10年間でございましたけれども、本日をもちましてこの委員の職を辞させていただきます。

理由は先ほどお話がありましたように、昨年の10月24日、これは国会同意人事で、前任の伊東会長の後を継ぐようにと言われ、地方財政審議会の会長職を務めることになりました。これは設置法に基づく兼職禁止と、それから国会同意人事のほうの兼職禁止条項と両方ございますので、本来は常勤職になるべく3月末日までに努力するようにということで国会の同意を頂いていたのですが、実は3月の初めに、まだ完全に常勤職にはなれないという報告をいたしました。完全な常勤職にはなれないのですけれども、ただ常勤職となる努力をすることの義務が課せられているのと、それから地方公共団体のこうした研究会は利益相反になるので、そもそも総務大臣の許可が得られないということでございまして、本日をもちまして退任をさせていただきます。

長い間お付き合いを頂きました委員の皆様方と、それから事務局にはわがままを申し上げましたけれども、ご協力頂いたことを深く感謝する次第でございます。たまたまというよりも、そのために3月まで延ばさせて頂いたのですが、私も年をとりまして、今日これから退職辞令をもらって、本日をもって東大も定年退職いたします。

時々お祝いの会をやって頂くときに皆さんがおっしゃるのは、良い時に大学を辞めていきますね。もうじき死ぬんですけどと言うと、いや、良い時にお亡くなりになりますねとみんな喜んでくれます。そういう時期に辞められることを喜んでいるわけですが、しかし、とはいえ川は海に流れるけれども海は決して満つることがないというように言われます。やるべきことが多くて、努力しても努力しても次から次へとやるべきことが起きてくるという時代でございますので、今後この委員会及び神奈川県が一層努力を重ねていかれることを願って、私の退任の挨拶というよりも、お詫びと御礼の言葉にさせて頂きます。

また、今後の研究会の体制につきましては事務局のほうに一任しておりますことを、ご報告をさせていただきたいと思います。

それでは研究会そのものは閉会させて頂いてよろしいですか。あと、事務局に司会をお戻しいたしますので、宜しくお願いいたします。

事務局 どうもありがとうございました。これをもちまして、第43回の神奈川県地方税制等研究会を閉会いたしますが、引き続きこの場におきまして座長から知事へ報告を行って頂きます。時間は3時という予定でございますので、知事が入室されるまで今しばらくお待ち頂ければと思います。

(2)地方税制等研究会における検討結果の報告

事務局 ただいまから、神奈川県地方税制等研究会における検討結果の報告を、座長から知事へお渡し頂きます。

では、知事。

知事 こちらですか、はい。

座長 ご諮問いただきました案件につきまして、研究いたしまして、取りまとめましたので、お渡しいたします。

知事 どうも、ありがとうございました。しっかり参考にさせて頂いて、研究しますので、宜しくお願いいたします。

事務局 ありがとうございました。今回の報告のポイントにつきまして、△△委員より説明させて頂きます。

委員 地方炭素税というのがあり得るのかということも含めて諮問を頂きましたが、鋭意検討させて頂いて、おそらく日本で初めて実行可能性のあるものが出来上がったと思っています。

一般に炭素税というと、川上で企業が排出するところで、蔵出し税のような形でバーンとつかむのですけれども、なかなか地方の行政区画がある中で、それは難しいということで、一番川下である消費のレベルで、その化石燃料を使用する部分について課税したらどうかという、そういう発想でやりました。

現に今、自動車関係とか燃料とか、既に課税されているものがあります。これは一般財源化されたということもあり、これは環境税的な位置付け、意義付けができるのではないかというところで、そこに屋上屋を重ねるようなことはしないで、その税制から外れている部分について、主として対象にするという案を有力案として出しています。

それは、見て頂きますと18ページの表の右側の部分で、化石燃料からの二酸化炭素の排出に対して排出量に応じて網羅的に新税を課税するのですが、自動車燃料用のガソリンとか軽油とかLPガスとかジェット燃料、既に課税されているものは除いてという制度設定です。一番下の方にいきますと、それで試算をしたところ家計の負担が年間1,000円から1,600円程度ということで、税収は160億円から250億円です。

また、家計の生活状況を勘案しながら低所得者にも一律に課税するのか、生活保護者にもかけるのかというような批判があり得ると思うのですが、川下で課税することのメリットとして、そういうところに関しては基礎控除制度を導入して、低所得者への負担からくる逆進性を除くような仕掛けも可能です。企業のところで課税すると、どこに最終的に負担が行くかというのは、チェックできないわけですけれども。

知事 これは、消費する時に、それを消費者が消費税のように払って、それが税金になるわけでしょう。

委員 はい。

知事 その場合、基礎控除制度で弱者を除外できますか。そこのところは、どうなるのですか。

委員 できますよ。

知事 どんなふうに。

担当課長 電気・ガスは、供給する業者が非常に大口ですので。

座長 消費税ができる前は、昔の電気ガス税ですね、メーターで把握していました。あれに近い税金だというようにイメージして頂ければ。

知事 そうですか、そこで。

担当課長 電気ガス税は、そういった基礎控除制度がございましたので。

知事 あったんですか。そうですか、分かりました。

委員 地方がそういうことを行って、地球温暖化に対して、もしくは低炭素社会の実現に対してどの程度貢献できるのかというような話も当然出てきます。政策効果はどうなのか、幾ら神奈川県が粋がっても無理じゃないかという話もあるのですけれども、これはこの研究会の中で出てきた言葉なのですけれども、フロントランナー的な税制として位置付けていこうということです。本来であれば国が一律にやるべきところなのですが、国が動かないので。

かたや、オバマ大統領が地球温暖化対策でリーダーシップをとろうとしています。それからフランスの専門家の○○委員から、先ほどご発言がありましたが、サルコジ大統領も地方レベルの炭素税を考えているということがありまして、日本もぼやぼやしていられないだろうと、国際社会でリーダーシップを取っていくためには、やはりこれを実現する必要があるだろうということです。そのためには地方が、神奈川県からフロントランナー的に詰め寄っていきましょうと、そういう位置付けで国を動かしていこうと、こういう話がされたところです。

知事 なるほど。

委員 経済状況など、色々難しい問題があると思うのですが、皆さん最後までくじけないで、やはりフロントランナーとして、47都道府県を見ても首長さんの中でこれを最後まで取り上げて検討してくれるというのは、今、知事しかいないのではないかと私は思っていますので、是非ご検討いただきたいと。

知事 できればね。それができればとなったら、何か増税知事と言われそうですね。他の委員の方からも何か追加のコメントがあったら、是非聞かせてください。

座長 いえ、あとは知事のリーダーシップで。

知事 研究会を何回ぐらい開催して頂いたのですか。

座長 研究会としては4回ですが、ワーキンググループが何回か。

委員 もっとやりました。10回ぐらい開催していますね。

座長 では、あとは、さっきのフランスの例も、職業税という企業にかけている地方税を廃止するのと抱き合わせていますので、そこは知事の政治的な判断ですが、別の税金とどういう形で組み合わせるのかというのが一つあるんです。

知事 県も今、企業に特別に超過課税をしていますから、それを継続するかわりに環境の目的税みたいにするとか、こういうやり方ですよね。フランスは、それを地方自治体にやらせようという気なのですか。

委員 まず最初に、地方の法人課税の負担をどうするかという話で、景気も悪いですし、長年ずっとやめると言ってきた税なのですが、それはやはり政治決断であり、大統領がもう最終的に自分のときにやめると言いました。その代替財源という時に、先ほど知事からもありましたように増税、神奈川県も増税ということで、特に景気が悪い状況でそんなことを議論できるのかと、多分意見が出ると思います。

しかし、それを今のように、例えば今までの企業負担と差し引きゼロですが、中身をいわゆるグリーン化しましょう、あるいは増税しましょうということです。仮に多少住民の負担が増えるにしても、これは環境のためということであれば、やはりこういう厳しい状況の中でも比較的理解が得られやすいだろうという判断を、たぶん世界、特にヨーロッパの政治家の方はされています。ですから、これは地方税で導入しても大丈夫という判断だろうと思います。

知事 なるほど。

委員 あとは、今の話の絡みでは19ページ以降に、従来の言葉で言えば、企業課税である法人事業税のグリーン化ということで。

知事 そうですね、これですね。法人課税のね。

委員 しっかりと温暖化対策なり、低炭素社会実現のために取り組んだ企業については、一応上乗せした上で、そういう企業は減税していきましょうと、低下していきましょうというような仕掛けも同時に考えています。これは炭素税とは少し相対的に違うのですけれども。

知事 そうですね。グリーン化の基準というのは、やっぱり炭素、CO2を出さないようにしている企業ほど、この税率が低くなるような形ですよね。

委員 そうです。取組みの計画書の提出を義務付けますよね。それをしっかりフォローアップして、きちんと実現した企業については下げていくという考え方です。

知事 今、地球温暖化対策推進条例が継続になっているのですけれど、それによると、大きな企業には全てCO2の削減計画を出してもらうのですね。この提出は義務化なんですが、ただ今は、罰則がないのです。こういう形でこれとリンクさせるのも一つの方法ですね。

委員 そうです、インセンティブを与えるということで。

知事 なるほどね。はい、分かりました。

委員 そういうことで、神奈川県の税金全体を環境に優しくしていくという取組みの第一歩として考える、そんな理念も入れてあります。

知事 そうですね、はい。ありがとうございます。

事務局 ありがとうございました。最後に知事から、ご挨拶をさせていただきます。

知事 それでは私の方から一言、御礼を申し上げます。

本日は年度末の大変お忙しいところを、こうして研究会で、全体会は4回と聞きましたが、ご議論を頂きまして、誠にありがとうございました。心から御礼を申し上げます。

昨年の3月に、神奈川という地域にふさわしい二酸化炭素削減のための税制などの仕組みを構築できるのかというテーマで、研究会にお願いさせて頂きましたが、本日このように報告書を取りまとめて頂いたことに、改めて御礼を申し上げる次第です。

報告書の取りまとめにあたりましては、○○委員をはじめとするワーキンググループでの詳細な論点整理や、あるいは資料作成をして頂きまして、これを基に研究会全体で検討を行って、内容もかなり練られたものになっていると私も感じているところでございます。

本日、確かに報告書をこうして頂きましたので、これからは神奈川県として、この報告書をどう生かしていくか、県民の皆様方にご意見を幅広くお聞きしながら、その方向性を固めていきたいと考えております。

また、座長におかれましては、平成10年に神奈川県の地方税制等研究会を設置した当時から、10年間の長きにわたりまして座長をお務めいただいて、リーダーシップをとっていただきまして、先生、本当にありがとうございました。

この間、本県独自の臨時特例企業税ですとか、あるいは水源環境保全税の創設に大変なお力添えを頂きまして、心から感謝を申し上げます。明日からは地方財政審議会の会長職を専任されるということでありますので、本日をもって本研究会の委員をお辞めになられるということでありますが、今後とも国の方から、大所高所から神奈川県あるいは地方自治体の財政進展のためにご指導、ご鞭撻を賜りたいと思います。宜しくお願いいたします。

今まさに100年に1度といわれる経済危機が押し寄せておりまして、本県も来年度は非常に厳しい財政運営を強いられることになります。研究会にあっては、本県が抱える税財政問題の課題を解決すべく、今後ともご指導、ご鞭撻を頂きたいと思っているところでございます。

本日は大変貴重なご提言を賜りまして、ありがとうございました。今後、神奈川県としてしっかりとこれを生かして、全国に先進的な環境税、炭素税と言いますか、ある意味で新しい環境税制でチャレンジしていきたいと思いますので、ひとつご指導、ご鞭撻をよろしくお願いします。本当にありがとうございました。

事務局 これをもちまして、神奈川県地方税制等研究会からの報告を終了いたします。

以上をもちまして、研究会を終了いたします。

-以上-

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