財政健全化のための税制改革グランドデザイン(案)について

掲載日:2018年3月28日

財政健全化のための税制改革グランドデザイン(案)について

平成12年10月
神奈川県
目次

1基本的な考え方

2財政自立を支える税体系の確立に向けた取組

3喫緊の重要課題を推進するための方策

4京浜臨海部等の産業活性化に向けた政策誘導

5豊かな暮らし・健全な地域、地球環境の向上のための税政策

6超過課税を活用して取り組む事業の概要

1 基本的な考え方

本県では、21世紀に向けて「活力ある神奈川、心豊かなふるさと」を築くため、「かながわ新総合計画21」に掲げる施策を着実に推進するとともに、3つの10%目標を掲げ、組織数、職員数、県債発行額を削減・抑制するなど、行財政改革に計画的に取り組んできたが、こうした努力をもってしても平成10年度には、23年ぶりの赤字決算という危機的な事態に直面し、平成11年度も引き続き赤字になるなど、依然として、財政収支の不均衡という財政体質から脱却していない。
 
さらに、平成12年度以降、何も対策を講じなければ、今後5年間で1兆円を超える巨額の財源不足が見込まれている。このため、引き続き、施策・事業の見直しや人件費の抑制、自主財源の確保等の取組を進めているが、こうした県自らの努力だけでは歳出入のギャップを埋めることは極めて困難であり、国と地方の税源配分の見直しなど、地方税財政制度の構造的な要因を改革しなければ根本的には解決しない深刻な課題となっている。
 
一方、今日、国・地方を通じて地方分権の大きな流れが形成されつつあり、自治体の自主・自立を基本とした税財政運営が一層強く求められている。税制面では、先般、課税自主権の拡大に向けた制度的な基盤整備が行われた。
 
このような状況の中で、本県では、平成10年12月、大都市圏自治体にふさわしい地方税財政制度のあり方や、県独自の税源充実策の検討を「神奈川県地方税制等研究会」に諮問したが、平成12年5月、同研究会から、中間報告書が知事に提出された。
 
本県としては、同研究会から提言された「神奈川らしい税制」の方向性をもとに、広範な県民各層の意見を踏まえた検討を行ってきた。こうした中で、分権時代の地方財政を自立的なものとし、地域ニーズに対応した施策を継続的・安定的に展開するためには、安定的基幹税源の確保や国・地方の税源配分の枠組みの適正化が不可欠であることから、今後とも、地方税財政制度の抜本的な改革を国に提言する。
 
また、現在の危機的な状況において、行財政改革のさらなる徹底を図ることはもとより、当面の税収不足を補う方策の具体化を速やかに図り、本県が早急に取り組まなければならない緊要な課題に一層充実した対応を行うとともに、税制上の優遇措置による政策誘導や豊かな暮らし、健全な地域、地球環境の維持・向上に向けた、これからの時代にふさわしい税制の検討を行い、その実現を図っていくこととする。

2 財政自立を支える税体系の確立に向けた取組

(1) 独立的、安定的基幹税源の確保の検討

法人事業税は、県税の基幹税でありながら、その課税標準が法人税に依拠していることから、その課税方法に、外形標準課税方式を導入することにより、法人事業税の独立性を高めるとともに、法人事業税の応益性からみた税負担の不公平さを改善し、安定的な基幹税源を確保する必要がある。
この外形標準課税について、政府税制調査会の中期答申では、「すべての都道府県において幅広い業種を対象に、薄く広く負担を求める外形標準課税について、景気の状況等を踏まえつつ、早期に導入を図ることが必要」(「わが国の税制の現状と課題-21世紀に向けた国民の参加と選択-平成12年7月14日)と位置づけられたところであり、本県としても、外形標準課税が可及的速やかに導入されるよう、国に強く働き掛ける。
 
区分 内容
本県として望ましい外形基準 全国一律、全業種に広く薄く課する方式で、事業活動価値(給与総額、支払利子、賃借料、利潤)を原則とするが、中小法人への配慮等から、次に掲げる措置を講ずることが必要である。
 事業活動価値の各要素に一定の課税係数を掛け合わせる手法を用いること
 事業活動価値と資本金額を組み合わせること
 中小法人について軽減税率を適用すること

(2) 国・地方の適正な税源配分の検討

地方税源の充実確保策について、地方分権一括法に係る参議院行財政改革・税制等に関する特別委員会の附帯決議(平成11年7月8日)では、「地方における歳出規模と地方税収との乖離を縮小する観点から、国・地方を通じる税体系のあり方について抜本的な検討を行うこと」とされており、本県としても、地方団体における個人所得課税及び消費課税の位置づけを高め、財源確保を図る観点から、現行の税源配分を抜本的に改革し、安定的な地方税体系を構築するよう国に提言する。
なお、個人所得課税及び消費課税における望ましい制度については、「神奈川県地方税制等研究会」の今後の検討結果を踏まえ、より具体的な提言を行う。
 
区分 内容
個人所得課税 負担分任の性格が強く、税源の地域偏在が少ない個人所得課税の充実について、個人住民税の税源配分の割合を高めること等の検討を早急に進める。
消費課税 地域の経済活動の規模を反映し、税源の地域偏在が少ない消費課税については、例えば、現行の税源配分割合(国4%、地方1%)を見直すこと等により、地方消費税源の充実を図ることの検討を早急に進める。

3 喫緊の重要課題を推進するための方策

(1) 法人二税の超過課税措置とそれに伴う中小法人に対する配慮の拡大

本県が取り組まなければならない、喫緊な重要課題に対処するため、現行の法人二税の超過課税措置を延長する。この場合、中小法人の厳しい経営状況に配慮し、超過課税の対象から除かれる中小法人の範囲を拡大する。

区分 内容
税率
  • 法人事業税 標準税率の5%増し(現行どおり)
  • 法人県民税法人税割 5.8%(現行どおり)
中小法人に対する配慮
不均一課税の基準額の引上げ
  • 法人事業税 (所得 年5,000万円以下から所得 年1億円以下)
  • 法人県民税法人税割 法人税額 年1,600万円以下から法人税額 年2,600万円以下
    <所得ベース 年5,547万円以下から 年8,880万円以下>
中小法人に対する配慮
不均一課税の資本金の引上げ
  • 法人事業税 (1億円以下から2億円以下)
  • 法人県民税法人税割 (1億円以下から2億円以下)
実施期間 5年間
特別な財政需要

(1) 地震防災対策の強化
本県では、これまで阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、緊急かつ重点的に地震防災対策を進めてきているが、地震被害想定調査に示された課題や国の新たな取組に対応するため、「神奈川県地域防災計画(地震災害対策計画)」の修正を行った。この計画に沿って今後とも、県民生活や企業活動の安全性確保の視点から重点的に取り組む必要がある。

(2) 産業振興対策の強化
世界経済・日本経済の変革とIT革命の進展などの中長期的な変化は一層進んでおり、さらに経済がグローバル化し、産業の空洞化が懸念される中、本県産業はサービス化が進むなど構造が転換しつつあり、新たな産業の創出環境の整備、本県産業の高付加価値化など高度化が求められている。
そこで、県内経済の活性化や、こうした変化の影響を受けやすい中小企業の経営基盤の強化に、引き続き、取り組む必要がある。また、産業集積と狭い県土、著しい人口集中の中で、廃棄物問題は深刻な問題であり、引き続き重点的に取り組む必要がある。

(2) 法人課税についての臨時特例措置

法人事業税は、行政サービスに対する応益原則の考え方に立って、すべての法人が応分の税負担をすべきであるが、当期利益がある法人であっても欠損金の繰越控除の制度の適用により、税負担が生じないこととなっているため、外形標準課税が導入されるまでの間の臨時特例措置として、一定規模以上の法人にあっては相応の負担をしていただく措置としての法定外普通税の創設について検討する。

(3) 自動車税の超過課税措置とそれに伴う環境政策、福祉政策その他の政策的配慮

(1)本県における自動車の保有台数は、極めて狭い県土の中にあって、全国で3位の状況にあり、(2)さらに自動車利用の拡大に伴って、大気汚染については、二酸化窒素の環境基準達成率が全国でも最悪(全国で1位ないし2位)であり、また、(3)交通事故の発生件数(ここ数年、全国で1位ないし2位)も増加の一途をたどるなど、深刻な状況となっている。
 
こうした喫緊の行政課題への対応は、現在の厳しい財政環境の下では、十分措置しがたい状況にある。そこで、こうした自動車によってもたらされる様々な行政需要に的確に対応するために、自動車の利用者に広く薄く応分の負担を求める考え方に立って、自動車税の超過課税を実施する。
一方、環境政策の観点から低公害車に対する不均一課税措置を講じるとともに、福祉政策・公共交通政策の観点から軽減措置について配慮する。
 
ア 超過課税措置
区分 内容
税率 1案 標準税率の1.2倍
2案 標準税率の1.15倍
3案 標準税率の1.1倍
実施時期 平成13年度
実施期間 5年間
特別な財政需要 (1) 自動車による環境負荷低減化対策の推進
自動車に起因する環境汚染に対応するため、特に緊急な対策が必要なディーゼル自動車の黒煙対策、低公害車導入、沿道緑化対策等の促進により環境負荷の低減に取り組むとともに、交通管理システムの導入の拡大、交通需要の抑制に向けたマネジメントの推進、公共交通機関としてのバス利用の促進策への支援等交通需要の低減、平準化を図ることにより、総体としての環境負荷増大に対応する必要がある。
(2) 県民が安心して安全に暮らせる交通対策の推進
多発する交通事故に対応するため、生活道路における交通信号機の設置、交差点の改良等交通安全施設の整備、交通環境の維持管理水準の一層の向上による安全性・快適性の確保、さらには、交通指導、啓発事業等により事故の抑制・未然防止を推進する必要がある。
イ 環境政策の観点からの誘導施策
大気汚染の環境改善及び地球温暖化の防止の実現に向けて、環境にやさしい自動車の普及促進を図る観点から、クリーンエネルギー車や本県が定める低公害車などに対して不均一課税措置を講ずる。
区分 内容
税率
  • 電気自動車、天然ガス自動車、メタノール自動車及びハイブリッド自動車並びに「超低排出ガスレベルの技術指針値」(注)に適合した自動車…標準税率の0.5倍
  • 本県が定める低公害車のうち上記以外のもの及び最新の七都県市指定低公害車のうち本県が定める低公害車以外のもの…標準税率
実施時期 平成13年度
実施期間 5年間
(注) 「超低排出ガスレベルの技術指針値」:低公害車の開発目標として、環境庁が「低公害車等排出ガス技術指針」(中量車以下平成10年12月10日・重量車平成12年4月26日)の中で定めた技術指針値で、窒素酸化物、炭化水素等の最新規制値の4分の1相当(75%低減)のレベル以下のもの

(1) 「本県が定める低公害車のうち上記以外のもの」とは、次に掲げる低排出ガス基準の「移行期低排出ガスレベル」又は燃費基準の「目標基準値」のいずれかを達成している自動車とする。

低排出ガス基準

「低公害車等排出ガス技術指針」の中で定めた「移行期低排出ガスレベル」の技術指針値以下のもの
移行期低排出ガスレベル(窒素酸化物、炭化水素等の最新規制値の4分の3相当(25%低減)のレベル)

燃費基準

ガソリン乗用車
車両重量
(kg)
703未満 703以上
2,266未満
2,266以上

目標基準値
(km/l)AT車

目標基準値
(km/l)MT車

21.2 18.8~7.8 6.4
ガソリン貨物自動車(車両重量2.5t以下)
車両重量
(kg)
703未満 703以上
1,516未満
1,516以上
目標基準値
(km/l)AT車
18.9~16.2 16.5~10.3 10.3
目標基準値
(km/l)MT車
20.2~17.0 18.0~10.7 9.3

 

(2) 「最新の七都県市指定低公害車のうち本県が定める低公害車以外のもの」とは、次の自動車で、(1)に該当する以外のものとする。

区分 対象となる自動車
車両総重量3.5トン以下の自動車(中量車以下) 平成11年4月1日以降七都県市が低公害車として指定した自動車
車両総重量3.5トン超の自動車(重量車) 平成8年3月29日以降七都県市が低公害車として指定した自動車
ウ 福祉政策の観点からの減免対象の拡大
これまでの減免措置は、障害者や社会福祉法人等が所有する自動車で、一定の用途に専ら使用するものを対象としている。
これに加えて、高齢者や障害者等の社会参加や自立的な生活づくりが進むこれからの社会の方向性に鑑み、自動車税の減免措置の対象とする所有者及び用途等を見直すとともに、減免額について、これまでの全額減免に加えて、一部減免方式を導入するなど、弾力的な取扱いを講じる。
区分 内容
減免対象 (1) 現在、社会福祉法人が所有する自動車で、高齢者及び障害者等の通院、通所の用に専ら供するものについては全額減免としているが、社会福祉法人のほか、民法第34条の規定により設立された公益法人
及び特定非営利活動法人(NPO法人)を加えるとともに、その用途についても在宅福祉サービスを加え、減免の対象を拡大する。
(2) 障害者の施設に入所している障害者の親族が所有する自動車で、その施設が実施している帰宅援助プログラムに基づき、その入所者が一定期間帰宅する場合に供する自動車について、新たに減免の対象とする。
(3) 一般旅客自動車のうち、構造上、福祉的配慮がされていると認められる自動車について減免の対象を拡大する。
(4) 障害者又はその者と生計を一にする者が所有し、当該障害者のために専ら使用する自動車については、福祉政策の観点からこれを減免することとしているが、一定の総排気量以上の自家用乗用車については、その減免額に限度を設定する。
減免割合 その用途等によって、全額減免又は一部減免とする。
実施時期 平成13年度
エ その他政策的配慮
(ア) 公共的な観点から、国の運輸政策により、その運賃・料金が認可制又は届出制となっている自動車等への配慮
国の運輸政策により、その運賃・料金が、運輸大臣の認可制又は届出制になっている一般乗合旅客自動車運送事業及び一般乗用旅客自動車運送事業並びに貨物自動車運送事業の用に供される自動車については、自動車税の超過課税を行った場合、利用者への負担転嫁が容易にできないこと等から、超過課税の負担を求めないことが適当であり、また、走行用エンジンがない被けん引車については、排出ガスを出さないことから、低公害車と同様な取扱いをすることが適当であるため、それぞれ不均一課税措置を講ずる。
区分 内容
軽減対象及び税率 (1) 一般乗合旅客自動車運送事業及び一般乗用旅客自動車運送事業並びに貨物自動車運送事業の用に供する自動車 
一般乗合旅客自動車運送事業(道路運送法第3条第1号イ、第9条)及び一般乗用旅客自動車運送事業(道路運送法第3条第1号ハ、第9条)並びに貨物自動車運送事業(貨物自動車運送事業法第2条第1項、第11条第1項等)の用に供される自動車については、その運賃・料金が、運輸大臣の認可制又は届出制となっており利用者への負担転嫁が容易にできないこと等から、標準税率の1.0倍の税率とする。
(2) 被けん引車
被けん引車は、走行用のエンジンはなく、排出ガスを全く出さないため、低公害車について不均一課税を講じる施策との均衡上、標準税率の1.0倍の税率とする。
実施時期 平成13年度
実施期間 5年間
(イ) 中古商品自動車等の減免
中古商品自動車及びクラシックカー等については、超過税率と標準税率との差額について、自動車税の減免措置を講じる。
区分 内容
減免対象 (1) 中古商品自動車
中古商品自動車は、中古自動車販売業者が商品として所有している自動車で、財団法人日本自動車査定協会が商品自動車として証明したものについて、減免措置を講じる。
(2) クラシックカー等
歴史的価値を有する一定のクラシックカー(通常車歴25年以上の自動車)等について、減免措置を講じる。
減免割合 標準税率と超過税率との差額について減免
実施時期 平成13年度
実施期間 5年間

4 京浜臨海部等の産業活性化に向けた政策誘導

工場等の立地が制限される工業等制限区域から除外された京浜臨海部等について、企業誘致と土地の有効利用を促進し、当該地域における産業の活性化と雇用の創出を一層推進するため、当該地域における一定の不動産の取得に係る不動産取得税について、不均一課税措置を講ずる。
区分 内容
対象不動産 対象地域において、工場及び事業所等を新設又は増設した場合における当該工場及び事業所等並びにその敷地である土地
対象地域 平成11年3月の「工業等制限法」の見直しにより、工業等制限区域から除外された地域
軽減税率
(標準税率4%)
 標準税率より低い税率を設定し、軽減策を講じる。(3%以内)
実施時期 平成13年度
実施期間 5年間

5 豊かな暮らし・健全な地域、地球環境の向上のための税政策

 生活環境税制の構築の検討
神奈川の豊かな自然環境を守り、かつ、県民の良好な生活環境を確保し、アメニティーの高い生活空間づくりをするため、自然環境や生活環境に対して考えられる負荷全般を規制・抑制するとともに、その税収を都市的な防災対策を含む幅広い生活環境対策の費用に充てる「生活環境税制(アメニティー税制)」を検討する必要がある。具体的な個別税目の構築に当たっては、行政課題や課税対象に加えて、県税と市町村税のいずれがふさわしいのか、また、市町村行政との整合性などを見極めつつ検討することとする。

ア 環境保全税

 理念 環境問題の地球的広がりに対応して、地球規模で考え、地域から行動する視点をもって、環境汚染に伴う各種の被害(損失)を予防する。
 基本的方向性 環境汚染対策や廃棄物対策について、その施策の展開を踏まえ、講じうる税制について検討する。
当面は、自動車税の不均一課税について、「環境保全」の目的に沿うよう、制度構築する。

イ 水源環境税

  • 理念 自然環境が持つ様々な恵み(便益)の一つである水の安定的確保と水質の保全を図るとともに、それらの基盤となる自然生態系の循環機能(水循環機能)を保護する。
  • 基本的方向性 家庭や工場、事業所などで利用される水の安定的確保と水質の保全、それらの基盤となる水循環機能の保護に資する水源地域環境諸施策の充実を目的として、利用者負担の観点に立った「水源環境税(仮称)」の早期導入を図る。
  • 検討課題
    納税義務者 水道水等の利用者の範囲を検討
    徴収方法 普通徴収に加えて、特別徴収義務制度の検討
    課税標準 課税客体について検討
    税率 定率制、定額制等幅広く検討する。
    使途等 水の安定的確保や水質の保全のための施策の検討

ウ 都市生活環境税

  • 理念 社会生活の質的豊かさを維持するため各種のアメニティーを増進させ、良好な生活環境の保全(創造)と管理を行う。
  • 基本的方向性 都市生活環境の保全と管理を図るために講じうる税制について検討する。
エ 都市防災税
  • 理念 良好な都市環境の確保の観点から、安心して暮らせる地域社会の実現を図るため、地域に根ざした都市災害対策等を推進する。
  • 基本的方向性 都市防災対策について、その施策の展開を踏まえ、講じうる税制について検討する。
当面は、法人二税の超過課税の充当目的である地震防災対策の中で、必要な財源を確保する。

6 超過課税を活用して取り組む事業の概要

(1)法人二税の超過課税

特別な財政需要1 地震防災対策の強化

【平成13~17年度までの所要見込額】

  • 事業費 5,000億円~5,300億円
1 県民のくらしを守る
主な事業
  • 防災行政無線の改修及び通信網の多重化の検討
  • 情報収集・提供活動を行うための装備・資機材の計画的配備
  • 広域防災活動備蓄拠点と広域応援用備蓄資機材の整備
  • 防災拠点となる合同庁舎、警察署等の耐震化と体制整備
  • 住民に身近な市町村における防災力向上推進への支援
  • 災害医療拠点病院の施設・設備整備に対する支援
  • 防災空間となる防災公園の新規整備
  • 緊急時に避難路となる道路整備
  • 電線の地中化の促進
2 地震に強い県土基盤づくりの推進
主な事業
  • 緊急時の物資、人員の輸送路の拡幅工事等輸送能力の確保
  • 緊急輸送路上の全橋りょうの耐震工事の実施
  • 災害時に緊急物資の受入港となる港湾の防波堤整備、漁港道路橋耐震化、耐震化岸壁の実施
  • 急傾斜地崩壊危険区域内における法面工の実施
  • 高潮、津波対策としての堤防工や護岸工事の実施

特別な財政需要2 産業振興対策の強化

【平成13~17年度までの所要見込額】

  • 事業費 700億円~800億円
主な事業
  • 中小企業者や創業者の新事業分野の開拓への支援
  • 京浜臨海部とアジア諸国とのネットワークの形成
  • 基盤産業に属する中小企業新商品・新技術開発への支援
  • 県内工業団地等の再編整備及び企業誘致の推進
  • 中小企業経営に必要な資源の提供窓口の一元化による支援体制の整備
  • 中小企業の円滑な資金調達への支援
  • 商店街活性化への支援
  • 産業廃棄物最終処分場の建設
  • PCBの適正処理の推進

平成13~17年度までの所要見込額の合計

  • 事業費 5,700億円~6,100億円
  • 超過課税相当額700億円~800億円

(2)自動車税の超過課税

特別な財政需要1 自動車による環境負荷低減化対策の推進

主な事業
  • ディーゼル車からの黒煙低減対策の実施
  • 低公害車(天然ガス車等)の普及促進事業の実施
  • 低黒煙化良質軽油使用事業者に対する助成
  • 低公害車の燃料供給基盤整備への支援
  • 庁用自動車の低公害化
  • 電気自動車及び太陽光充電施設の導入
  • 自動車リサイクル事業への支援
  • 高性能舗装による走行騒音の低減化
  • 緑の大気浄化能力を活用する沿道緑化等の推進
  • 交通流円滑化のための次世代総合交通管理システムの導入(交通公害低減システム、動的経路誘導システム等)
  • 交通需要の抑制に向けたマネジメントの推進(エコ・パークアンドライドシステムの実験実施等)
  • 自動車の代替交通手段の整備支援(低公害低床バスの導入促進、公共車両優先システム車載機器導入促進等)
  • 生活交通確保のための公共交通への支援

特別な財政需要2 県民が安心して安全に暮らせる交通対策の推進

主な事業
  • 生活道路における歩道の整備、交差点の改良、信号機・道路標識の設置などによる交通安全施設整備の推進
  • 段差のない歩道及び幅の広い歩道等の整備推進
  • 鉄道駅舎へのエレベーター及びエスカレータ-の設置(公共交通機関拠点のバリアフリー化の促進)
  • 交通安全県民運動の推進
  • 交通救急センターの円滑な運営への支援
  • 交通安全指導・普及啓発等の推進
  • 道路の安全性・快適性の確保

平成13~17年度までの所要見込額の合計

事業費 2,000億円~2,500億円

超過課税相当額 900億円~1,000億円(標準税率の1.2倍とした場合)