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神奈川県微生物検査情報

神奈川県衛生研究所

第228

平成23年12月26日発行
病原体検出は平成23年10月分



表1 病原体検出状況(保健所等別)―平成23年10月

<検出状況>

  • 10月の病原体検出数は合計50件、細菌は17件、ウイルス・リケッチアは33件であった。
     
  • 感染症および食中毒発生に伴う行政検査等では、細菌が5件、ウイルス・リケッチアが13件検出された。
  • 病原体定点等の医療機関からの検査では、小児科定点から細菌が9件、ウイルスが17件、基幹定点から細菌が1件、その他の医療機関から細菌が2件検、ウイルスが3件検出された。
  • 保健所管内別の病原体検出状況は表1のとおりである。

表2 病原細菌検出状況(臨床診断別)―平成23年10月

  • 小児科定点のA群溶血性レンサ球菌咽頭炎患者におけるA群溶血レンサ球菌分離成績は、検体数7件中3件が陽性で、T型はT9が2件、TB3264が1件であった。G群溶血レンサ球菌が1件検出された。
  • レジオネラ症患者より、レジオネラ・ニューモフィラ1群が1件検出された。7、8、9、10月と連続して検出されている。
  • 今年のマイコプラズマ肺炎の患者報告数は、第33週(8/15~8/21)以降、例年の同時期と比較して、多くなっている。小児科定点、基幹定点および医療機関のマイコプラズマ肺炎患者からも8検体中6検体で、肺炎マイコプラズマがPCRで検出された。分離培養はPCRで検出された6検体において陽性が3件、判定不可(雑菌増殖)が3件であった。
  • 有症苦情2事例中1事例より、カンピロバクター・ジェジュニが、他の1事例よりサルモネラO9群(S.Enteritidis)が検出された。

表3 病原細菌検出状況(月別)―平成23年10月

 


表4 ウイルス・リケッチア検出状況(臨床診断名別)―平成23年10月

  • 10月に入り、つつが虫病の流行が始まり、つつが虫病を疑う患者8例中7例の検体からオリエンチア ツツガムシ(つつが虫病リケッチア)が検出された。推定感染地域は、足柄上郡山北町が5例、南足柄市が1例、秦野市が1例であった。
  • RSウイルス感染症の流行が例年より早く、患者報告数も多く、検査依頼件数も増加している。
    10月は患者10例について依頼があり、RSウイルスが5件検出された。
  • 10月に入り、手足口病の流行は終息に向かったが、引き続きコクサッキーウイルスA6型が4件検出されている。
  • 藤沢市保健所管内で2011/2012シーズン初発の集団かぜが発生し、5例について検査したところ、5例すべてからインフルエンザウイルスAH3型(香港型)が検出された。
  • けいれん重積症状を呈した5歳児からインフルエンザウイルスB型(山形系統)が検出された。

表5 ウイルス・リケッチア検出状況(月別)―平成23年10月

 
 

 



表6 食品・環境由来の病原細菌検出状況―平成23年10月


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