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神奈川県微生物検査情報

神奈川県衛生研究所

第227

平成23年11月30日発行
病原体検出は平成23年9月分



表1 病原体検出状況(保健所等別)―平成23年9月

<検出状況>

  • 9月の病原体検出数は合計42件、細菌は23件、ウイルス・リケッチアは19件であった。
    前月と比べて検出数が細菌は15件から23件に増加したが、ウイルス・リケッチアは60件から19件に減少した。
  • 感染症および食中毒発生に伴う行政検査等では、細菌が14件、ウイルス・リケッチアが1件検出された。
  • 病原体定点等の医療機関からの検査では、小児科定点から細菌が8件、ウイルスが18件、その他の医療機関から細菌が1件検出された。
  • 保健所管内別の病原体検出状況は表1のとおりである。

表2 病原細菌検出状況(臨床診断別)―平成23年9月

  • 小児科定点のA群溶血性レンサ球菌咽頭炎患者におけるA群溶血レンサ球菌分離成績は、検体数2件中1件が陽性で、T型はT12であった。
  • レジオネラ症患者より、レジオネラ・ニューモフィラ1群が1件検出された。レジオネラ・ニューモフィラ1群は、7、8、9月と連続して検出されている。
  • 小児科定点および医療機関のマイコプラズマ肺炎患者7検体中6検体から肺炎マイコプラズマがPCRで検出された。今年のマイコプラズマ肺炎の患者報告数は、第33週(8/15~8/21)以降、例年の同時期と比較して、多くなっている。
  • 小児科定点の百日咳患者12検体中1検体から百日咳菌がPCRで検出された。
  • 食中毒2事例8検体から毒素原性大腸菌 ETEC O148 (STh)が検出された。

表3 病原細菌検出状況(月別)―平成23年9月

 

 

表4 ウイルス・リケッチア検出状況(臨床診断名別)―平成23年9月

  • RSウイルス感染症の流行が例年より早く、患者報告数も多く、検査依頼件数も増加している。9月は5件依頼があり、4件からRSウイルスが検出された。
  • 流行のピークは過ぎたが、9月に入っても、手足口病の検査依頼件数が多い状況が続いている。引き続きコクサッキーウイルスA6型が、手足口病患者から4件、ヘルパンギーナ患者から1件検出されている。
  • 食中毒様胃腸炎の発生は8事例で、便33検体について検査を実施した。1事例1検体からノロウイルスが検出された。

表5 ウイルス・リケッチア検出状況(月別)―平成23年9月

 
 

 



表6 食品・環境由来の病原細菌検出状況―平成23年9月

  • 浴槽水7検体から、レジオネラ・ニューモフィラが検出された。血清型は、7群と12群およびUTの同時検出、9群とUTの同時検出、1群とUTの同時検出が各1検体、1群、4群、UTの単独検出がそれぞれ2検体、1検体、1検体であった。浴槽水からのレジオネラ属菌検出は2月以来である。
  • 食中毒2事例の保存食品5検体から、毒素原性大腸菌 EHEC O148(STh)が検出された。

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