事例1
(概要)平成19年6月4日、保健所は、5月25日に鳥料理店で友人と飲食を共にした2名が食中毒様症状(発熱、下痢、嘔吐)を呈した旨の連絡を受け、発症者2名の検便および当該料理店の調理施設のふきとり10件、調理従事者5名の便について、食中毒菌検査を実施した。発症者2名及び従事者1名の便からCampylobacter jejuni を検出したが、3名の血清型(Penner)は、G群、P群、R群と異なった血清型を示し、同一感染源との特定は出来なかったため有症苦情扱いとなった。
(Campylobacter 食中毒について)
Campylobacter 食中毒では、食品が複数の血清型の菌に食品が汚染されている例も報告されている。そのため発症者からのCampylobacter の血清型が異なっていても原因菌とする例も見られる。今回の発症者1名は大量に鳥レバーを摂取しており、鳥一羽のレバーは限られた量でもあることから、複数羽の鳥レバーを摂取した可能性が高いと考えられ、異なった血清型が検出される可能性があった。今回のふきとり検査では、Campylobacterは不検出であったが、当該料理店では、先般、同様な事件が発生し、喫食者、従事者から血清型の異なるCampylobacter jejuni を検出したことがあり、Campylobacterが調理環境を汚染している可能性も否定できない。
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