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[2009.10.7掲載]

研究ノート

行政判断の根拠となる検査法の信頼性についての検討
~食品のアレルギー表示制度の中で~

  平成14年度より施行された食品アレルギー表示制度では、卵・乳・小麦・落花生・そばの加工食品中の検査を行政検査として行うこととなっており、その中でアレルゲンタンパクの検査法が設定されている。

  検査の定量法としてELISA法、確認検査法としてウエスタンプロット法およびPCR法が採用されている。検査の対象が加工食品全般で単一の素材でないことから、その検査法がはたして適合するのか、ということが問題点の一つとして挙げられた。そこで、神奈川県内3機関(県衛研、横浜市衛研、川崎市衛研)が共同し、検査法の適合性及び技量の同等性を確認するため、検査法の精度管理を行い、信頼性の向上を図った。
  ELISA法およびウエスタンブロット法において、3機関の手法や技量が同等であり、室内精度※1が確保されていることを確認した。また、平成19年度に改良されたELISAキットにおいても3機関の室内および室間精度※2が確保されていることを確認した。食物アレルギー患者の実態に即した見直しが行われる本制度では、平成20年度にえび・かにの検査法が追加された。PCR法を含め、今後もこれらの検査法の見直しに対応した検討を進めていく。


※1室内精度;単一試験室内における精度
※2室間精度;多数の試験室における精度

 
 
(理化学部 渡邊 裕子)
(当検討に対する研究論文)
「食品のアレルギー物質検査における精度管理法の検討-Ⅰ 酵素免疫法測定法(ELISA)による定量(衛生研究所研究報告、37、53-55(2007))

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