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ウイルス性結膜炎

結膜(上下のまぶたの裏側と、白目の部分を覆う膜)に炎症が起こり、目の充血やかゆみ、涙や目やになどの症状を起こすのが「結膜炎」です。結膜炎の原因は様々ですが、このうちウイルス感染が原因で起こるのがウイルス性結膜炎で、人から人へ感染しやすいことが特徴です。ここでは、代表的な3つのウイルス性結膜炎を紹介いたします。
3つの病気は全て感染症法における定点把握対象疾患5類感染症に定められ、毎週指定された医療機関(咽頭結膜熱は小児科定点、急性出血性結膜炎および流行性角結膜炎は眼科定点)から保健所に報告されています。学校保健安全法では、咽頭結膜熱は第2種の感染症に定められており、「主要症状が消退した後2日を経過するまで」は出席停止になります。また急性出血性結膜炎および流行性角結膜炎は第3種の感染症に定められており、感染の恐れがないと認められるまでの間は出席停止になります。

咽頭結膜熱(プール熱)

プールを使用したこどもの間に流行することがあることから、プール熱とも呼ばれます。年間では、6月頃から増加し7~8月がピークになります。感染者は、1歳~5歳のこどもが多くを占めています。

原因: アデノウイルス(多くは3型、他に4、7型など)
症状: ウイルスに感染して5~7日後に、38度以上の発熱、咽頭炎によるのどの痛み、結膜炎による目の充血、ゴロゴロした目の痛み、目やに・涙の増加が現れ、3~7日間続きます。目の症状は流行性角結膜炎よりも弱いですが、発熱・咽頭炎といった目以外の症状を伴うことが特徴です。咽頭結膜熱にかかった人の咳やくしゃみからも感染(飛まつ感染)します。

急性出血性結膜炎(アポロ病)

アポロ11号が月面着陸したころに流行し始めたことから、アポロ病とも呼ばれます。

原因: エンテロウイルス70、コクサッキーウイルスA24(変異型)
症状: ウイルスに感染して1~3日後に、ゴロゴロした目の痛み、目やに、異物感、羞明(しゅうめい:異常にまぶしさを感じる)などが現れます。結膜の充血、結膜下(白目の部分)の出血で目が赤くなる所見が特徴です。ほとんどの場合、両目に症状が現れます。他に、発熱や頭痛などの症状を伴うことがあります。流行性角結膜炎よりも早く通常約1週間で治癒しますが、ごく稀に、感染後に手足の麻痺をおこすことがあります。

流行性角結膜炎(はやり目)

感染力が強いことから、昔から「はやり目」と呼ばれています。角膜(黒目)と結膜の両方に炎症が生じます。

原因: アデノウイルス(主に8、19、37型)
症状: ウイルスに感染して8~14日後に、まぶたの裏側の隆起(ぶつぶつ)、目の充血、目やにや涙の増加などが現れます。角膜の炎症によって異物感や目の痛みも生じます。また、耳の前や顎の下のリンパ節の腫れを伴います。最初は片目だけの症状ですが、多くは数日中にもう一方の目にも症状が現れます。通常、2~3週間で治癒します。

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治療について

ウイルスによる目の病気に対しては、抗菌薬は効果がありません。炎症が強い時には炎症を抑える薬の点眼、また細菌感染(二次感染)の予防に抗菌薬の点眼薬等を使用することがあります。点眼薬を使用する際には、容器の先がまぶたやまつ毛、目に触れないようにし、さらに念のために症状のある側の目だけに点眼することが大切です。

予防のために

ウイルスによる目の病気は、主にウイルスのついた手で目をこすることによって感染します。感染を予防するために、以下のことに注意しましょう。

また、症状が現れた場合、他人への感染を予防するために、以下のことに注意しましょう。

参考リンク

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