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つつが虫病

つつが虫病は、Orientia tsutsugamushi というリケッチア(生きた細胞の中に寄生する細菌の仲間)による感染症です。このリケッチアはダニの一種であるツツガムシが保有しています。
日本ではアカツツガムシ、タテツツガムシ、フトケツツガムシの3種がOrientia tsutsugamushi を媒介するとして知られ、その種類や地域によってつつが虫病に感染する時期が異なります。神奈川県を含む関東以西では晩秋から冬にかけて、東北・北陸地方では春と、秋から冬に患者の報告が多くみられます。感染症法では全数把握対象疾患4類感染症に定められています。

※全数把握対象疾患:診断したすべての医師が最寄りの保健所に届けなければならない疾患を指し、感染症法という法律で1類から5類までが定められています。

感染経路

リケッチア(Orientia tsutsugamushi )を保有するツツガムシに刺されることで感染します。全てのツツガムシがリケッチアを保有しているのではないため、ツツガムシに刺されると必ずつつが虫病になるわけではありません。感染の発生は一般に晩秋から冬にかけて多くみられますが、ツツガムシの種類や生息地域によっても異なります。人から人へうつることはありません。

症状

発熱、発疹、ツツガムシの刺し口の3つが特徴です。ツツガムシに刺されてから5~14日後に、全身の倦怠感や食欲低下とともに頭痛、発熱などの症状が現れます。熱は38~40℃の高熱になります。また、ツツガムシの刺し口に近いリンパ節の腫れが次第に目立つようになります。症状が現れた日から2~3日後、胸や背中から腹部にかけて赤褐色の直径2~3mmの発疹が現れ、その後、腕や顔にも増えていきます。適切な治療を受ければ、早々に熱が下がり、他の症状も改善します。しかし、治療が適切でないときは高熱が続き、重症化すると肺炎や脳炎、多臓器不全で命をおとすこともあります。

診断について

特徴的な刺し口や発熱、発疹などの症状に加え、病原体検査によって診断されます。検査法には、血液や病理組織から病原体を検出する方法や遺伝子を検出する方法、また血清中の抗体を測定する方法があります。

治療について

適切な抗菌薬による治療を行うことで、治癒します。治療期間は患者さんの回復状態にもよりますが、通常7日間から10日間程度の抗菌薬の投与が行われます。発病後、治療が遅れて重症化すると肺炎や脳炎をおこすことがあるので、早期の診断・治療が重要です。

予防のために

つつが虫病を予防するワクチンはありません。ツツガムシに刺されないことが大切です。ツツガムシは、田畑や山林に生息しています。山菜採りなどで刺される機会が多いことから、感染が流行する時期には山間部に立ち入らないことです。立ち入る際には、皮膚を露出しない服装をし、虫除けをするなどの対策を行います。帰宅後には早めに脱衣を行い、速やかに入浴し、身体を洗い流して刺し口の有無を確認することが大切です(ツツガムシが身体に付着してから刺すまでには時間がかかるため、その前にツツガムシを洗い流す)。ツツガムシに刺されていることが確認された場合は、自分でとらずに医療機関を受診して下さい。

参考リンク

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