平成30年5月7日発行

神奈川県衛生研究所

神奈川県 麻しん(はしか)情報(2)

今月に入り、沖縄県で海外からの旅行者を発端とする麻しん(はしか)の感染拡大が報告されています。
神奈川県では、第1週から第17週(4月23日~4月29日)まで、麻しんの報告は1件(第2週 1月8日~1月14日報告)でした。ゴールデンウィーク中に国内外を旅行され、旅行先や経由地で麻しんの発生があった地域に行かれた方、旅行後に麻しんを疑う症状が現れた場合には、もよりの医療機関に麻しんを疑う旨を連絡の上、受診してください。
4月17日、国立感染症研究所 感染症疫学センターより「麻しん風しん混合(MR)ワクチン接種の考え方」が発表され、定期接種対象者や、麻しんにかかったことがなく、ワクチン接種歴もない方で、海外旅行・国内旅行を予定している方、医療・保育・教育関係者などにワクチン接種が推奨されています。母子手帳などで接種記録を確認し、接種を希望される場合はもよりの医療機関にご相談ください。

☆麻しん(はしか)とは
麻しんウイルスにより起こる急性の全身感染症です。感染後10~12日で発熱、咳、鼻水などの症状が現れ、2~3日熱が続いた後、39℃台の高熱と発疹が現れます。初めは風邪のような症状です。肺炎、中耳炎を合併しやすく、患者1000人に1人の割合で脳炎が発症すると言われています。麻しんウイルスの感染経路は空気感染、飛沫感染、接触感染で、感染力が非常に強く、免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%発症します。

麻しんを疑う症状があったら
発熱、発疹の症状がみられる場合は、麻しんの可能性も考えて、もよりの医療機関にあらかじめ連絡された上で、速やかに受診しましょう。

感染予防について
麻しんは手洗い、マスクのみでは予防できず、麻しんワクチン(MRワクチンを含む)の接種が有効な予防法です。定期接種対象の方や麻しんの既往・ワクチン接種歴がない方には接種をお勧めします。また、麻しんの患者さんに接触後72時間以内に麻しんワクチンを接種すると発症予防に効果的であると考えられています。

妊娠中の方は特に注意を
妊娠中に麻しんにかかると、流産や死産の原因となることが報告されています。妊娠中の方やその家族の方は、感染者の多い地域への外出は控えるなどして、感染を避けるようにしましょう。

【麻しん関連情報】

国立感染症研究所

厚生労働省