第6号(平成28年10月13日発行)

神奈川県衛生研究所

神奈川県 麻しん情報(6)

麻しんは、空気感染、飛沫感染、接触感染により感染し、その感染力は非常に強いと言われています。麻しんには予防接種が有効です。麻しんを疑う症状が現れた場合は、かかりつけ医にその旨を伝え、指示に従って医療機関を受診しましょう。
2016年8月より麻しんの感染が拡がり、神奈川県では、第33週(8月15日~8月21日)に今年初めての麻しん患者が報告されました。第40週(10月3日~10月9日)には報告がなく、累計で6件です。(当該週の各保健福祉事務所からの報告をもとに期日を決めて集計しているため、集計数が変動することがあります。)

【神奈川県の麻しん】

  1. 週別麻しん報告数 2016年 第1週~40週(n=6)
  2. 地域別麻しん累積報告数 2016年 第1週~40週(n=6)
  3. 年別麻しん報告数

【国内の麻しん】

国立感染症研究所の感染症発生動向調査(IDWR)を参照してください。

☆麻しんとは
麻しんウイルスにより起こる急性の全身感染症です。感染後7~14日で発熱、咳、鼻水などの症状が現れ、2~3日熱が続いた後、39℃台の高熱と発疹が現れます。初めは風邪のような症状です。肺炎、中耳炎を合併しやすく、患者1000人に1人の割合で脳炎が発症すると言われています。麻しんウイルスの感染経路は空気感染、飛沫感染、接触感染で、感染力が非常に強く、免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%発症します。

麻しんを疑う症状があったら
発熱、発疹の症状がみられる場合は、麻しんの可能性も考えて、もよりの医療機関に連絡の上、速やかに受診しましょう。

感染予防について
麻しんは手洗い、マスクのみでは予防できず、麻しんワクチン(MRワクチンを含む)の接種が有効な予防法です。定期接種対象の方や麻しんの既往・ワクチン接種歴がない方には接種をお勧めします。また、麻しんの患者さんに接触後72時間以内に麻しんワクチンを接種すると発症予防に効果的であると考えられています。

妊娠中の方は特に注意を
妊娠中に麻しんにかかると、流産や死産の原因となることが報告されています。妊娠中の方やその家族の方は、感染者の多い地域への外出は控えるなどして、感染を避けるようにしましょう。

【麻しん関連情報】

国立感染症研究所

厚生労働省