第11号(平成26年8月1日発行)

神奈川県衛生研究所

神奈川県 麻しん情報(11)

麻しんは、感染力が非常に強く、年齢に関わらず重篤化しうる感染症です。
毎年春から夏にかけて流行が見られますが、今年は例年に比べ報告数が多い状況が続いており、今後も厳重な注意が必要です。
予防対策としては、予防接種による免疫獲得が最も重要です。1歳のお子さんと小学校入学前1年間に当たるお子さんは、定期予防接種の制度を利用して必ず2回接種しましょう。特に1回目の接種は、1歳のお誕生日が来たらなるべく速やかに受けましょう。そして、今まで麻しんにかかったことがない若い世代の方で、2回の予防接種を受けていない又は接種をしたか不明の場合は、まず医療機関へ相談しましょう。

  1. 神奈川県の麻しん報告数の週別推移 
    第30週は報告がありませんでした。第1週(12/30~1/5)から第30週(7/21~7/27)までの累積報告数は39例です。
    2014年は、例年の同時期と比較して、報告数が多くなっています。(2013年同時期の累積報告数は21例でした。)
    国立感染症研究所によると、第1週から第29週(7/23現在)では、人口100万人あたり麻しん累積報告数は全国で3.2でした。近郊では東京都6.2、神奈川県4.4、千葉県4.0、埼玉県3.3でした。
  2. 各保健所管内からの報告状況
    横浜市、川崎市で報告が多くみられています。
  3. 年齢別・男女別累積報告数状況
    年齢別累積報告状況では、20~39歳の報告が48.7%を占めています。
    男女別では男性が25例、女性が14例となっています。
  4. 予防接種歴・年齢別報告状況
    累積報告数全体の74.4%を接種歴無しあるいは不明が占めています。
  5. 神奈川県衛生研究所における麻疹ウイルス検出状況(微生物部)
    神奈川県衛生研究所では、2014年1月から7月20日までに麻しんが疑われた患者24例から、遺伝子検出法により麻疹ウイルスが10例検出されています。

麻しんの報告数は、当該週の国からの還元データおよび各保健所からの報告をもとに集計しています。報告遅れ、修正等のため、報告数が前後することがあります。

<参考リンク>