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令和5年7月18日発行

神奈川県 ヘルパンギーナ情報(4)27週

ヘルパンギーナは高い熱、のどの奥にひどく痛む水ぶくれ様の発疹が現れる、ウイルス感染症です。
痛くて水分や食事が摂れないこともあります。脱水にならないように少しずつ水分や食事をとりましょう。
手足口病と同様に毎年夏に流行し、乳幼児への感染が多くみられます。熱性けいれんや無菌性髄膜炎、心筋炎を伴う場合もあります。特異的な治療法やワクチンはありません。
2~4日間の潜伏期間のあと4日ほど発熱・口腔内の水疱が続き、水疱が自壊して症状が軽快していきます。

感染経路は接触感染を含む糞口感染外部サイトを別ウィンドウで開きますと飛沫感染です。症状が改善しても便からは一カ月ほど、感染性のあるウイルスの排出があります [a]。感染の予防には、トイレ・オムツ交換の後、外から帰った後、食事の前などに手洗いをしっかり行うことが大切です。ヘルパンギーナの原因は主にコクサッキーウイルス外部サイトを別ウィンドウで開きます [b]ですが、このウイルスは、アルコール消毒に抵抗性をもつノンエンベロープウイルスです。鼻水やよだれがついたおもちゃはよく洗い、オムツ用品、トイレ、ドアノブやスイッチなど、よく手が触れるところはしっかりと拭き掃除を心がけてください。

ヘルパンギーナは、学校保健安全法では、必要があれば、校長が学校医と相談して出席停止などの措置を取りうるその他の感染症とされています。登園登校の目安は(1)解熱 (2)のどの痛みがとれ、普通に食事が摂れることの2点になります[c]。


ヘルパンギーナの報告数は、小児科定点として定められた医療機関(神奈川県内234ヵ所2023年3月24日時点)からの報告をもとに毎週集計しています。定点当たり報告数とは、その週の報告数を報告医療機関数で割った値であり、1定点医療機関当たりのヘルパンギーナの報告数をあらわしています。
ヘルパンギーナの警報レベルは、定点当たり報告数が、6以上が開始基準、2未満が終息基準となります。

  1. 年別・週別報告数の状況
    過去に大きな流行があった年は、2000年、2001年、2010年で神奈川県域(横浜市, 川崎市, 相模原市を除く)での定点当たり報告数は11を超えていました。2023年は21週に1を超え、24週は県域で警報レベルの6を超えるようになりました。27週は全国7.32、全県6.90、県域6.86と警報レベルを上回りました。政令指定都市を除く県域では、2週連続減少しました。


    22週 23週 24週 25週 26週 27週
    5月29日
    ~6月4日
    6月5日
    ~6月11日
    6月12日
    ~6月18日
    6月19日
    ~6月25日
    6月26日
    ~7月2日
    7月3日
    ~7月9日
    全国 1.87 3.00 4.50 5.79 6.48 7.32
    全県 1.38 3.03 5.15 6.16 6.43 6.90
    県域 1.72 4.01 6.75 7.97 6.92 6.86
  2. 保健所別発生状況
    27週の定点当たり報告数は横浜市7.00、川崎市8.14、横須賀市6.22、茅ヶ崎市11.29、平塚保健福祉事務所秦野センター12.50、厚木保健福祉事務所11.50で警報レベル(6)を上回っています。小田原保健福祉事務所は5.00と減少しましたが、終息レベル(2)は上回っています。
  3. 全県の年齢・年齢群別の状況
    年齢群別の定点当たり報告数は0歳代、1歳では減少し、8歳、20歳以上では横ばい、その他の年齢群では増加しています。

<参考リンク>

注:リンクは掲載当時のものです。リンクが切れた場合はリンク名のみ記載しています。