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令和5年6月28日発行

神奈川県 ヘルパンギーナ情報(1)24週

ヘルパンギーナは高い熱、のどの奥にひどく痛む水ぶくれ様の発疹が現れるウイルス感染症です。
痛くて水分や食事が摂れないこともあります。脱水にならないように少しずつ水分や食事をとりましょう。
手足口病と同様に毎年夏に流行し、乳幼児への感染が多くみられます。熱性けいれんや無菌性髄膜炎、心筋炎を伴う場合もあります。特異的な治療法やワクチンはありません。
2~4日間の潜伏期間のあと4日ほど発熱・口腔内の水疱が続き、水疱が自壊して症状が軽快していきます。

感染経路は接触感染を含む糞口感染外部サイトを別ウィンドウで開きますと飛沫感染です。症状が改善しても便からは一カ月ほど、感染性のあるウイルスの排出があります [a]。感染の予防には、トイレ・オムツ交換の後、外から帰った後、食事の前などに手洗いをしっかり行うことが大切です。ヘルパンギーナの原因は主にコクサッキーウイルスですが、このウイルスは、アルコール消毒に抵抗性をもつノンエンベロープウイルスです。鼻水やよだれがついたおもちゃはよく洗い、オムツ用品、トイレ、ドアノブやスイッチなど、よく手が触れるところはしっかりと拭き掃除を心がけてください。

学校保健安全法では、必要があれば、校長が学校医と相談して出席停止などの措置を取りうるその他の感染症とされています。保育所への登園の目安は(1)解熱 (2)のどの痛みがとれ、普通に食事が摂れることの2点になります[b]。


ヘルパンギーナの報告数は、小児科定点として定められた医療機関(神奈川県内234ヵ所2023年3月24日時点)からの報告をもとに毎週集計しています。定点当たり報告数とは、その週の報告数を報告医療機関数で割った値であり、1定点医療機関当たりのヘルパンギーナの報告数をあらわしています。
ヘルパンギーナの警報レベルは、定点当たり報告数が、6以上が開始基準、2未満が終息基準となります。

  1. 年別・週別報告数の状況
    過去大きな流行があった年は、2000年、2001年、2010年で神奈川県域(横浜市, 川崎市, 相模原市を除く)での定点当たり報告数は11を超えていました。2023年は21週に1を超え、24週は県域で6.75と警報レベルを超えるようになりました。約10年振りの大きな流行が予想されます。
  2. 保健所別発生状況(グラフ2)
    24週の定点当たり報告数は茅ケ崎市保健所(16.43)、厚木保健福祉事務所(10.50)、大和センター(7.63)、小田原保健福祉事務所管内(7.00)、川崎市(6.95)、秦野センター(6.67)で6.00を超え、警報レベルです。
  3. 全県の年齢・年齢群別の状況(グラフ3)
    年齢群別では0~5か月、10歳以上を除く、全ての年齢群で報告数が増えています。20歳以上も6例報告されています。

<参考リンク>

注:リンクは掲載当時のものです。リンクが切れた場合はリンク名のみ記載しています。