令和7年8月22日発行
令和7年8月27日更新
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神奈川県 ARI情報 2025年33週
1 ARIサーベイランスとは
急性呼吸器感染症(Acute Respiratory Infection: ARI)は、急性の上気道炎(鼻炎、副鼻腔炎、中耳炎、咽頭炎、喉頭炎)又は下気道炎(気管支炎、細気管支炎、肺炎)を呈する病原体による症候群の総称です。インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症、RSウイルス感染症、咽頭結膜熱、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、ヘルパンギーナなどが含まれ、飛沫感染等により周囲の方にうつしやすいことが特徴です。
【1】 | こうした流行しやすいARIの流行の動向を把握すること |
【2】 | 仮に未知の呼吸器感染症が発生し増加し始めた場合に迅速に探知することが可能となるよう、平時からサーベイランスの対象とし、公衆衛生対策の向上につなげること |
以上を目的として、令和7年4月7日から感染症法上の5類感染症に位置付けられ、ARIは5類感染症定点把握疾患(※1)となりました。
2 発生動向の把握について
神奈川県では、ARI定点医療機関として指定された約250か所の医療機関のご協力のもと、症例定義(※2)に合致する患者数について毎週報告していただき、流行状況の把握を開始しました。約1割の医療機関では検体採取にもご協力いただき、県内5か所の地方衛生研究所で検査を実施いたします。
※1 定点把握対象の疾患は、予め指定した医療機関から報告されます。この医療機関のことを定点といい、その数は人口に応じて決められています。
※2 「咳嗽、咽頭痛、呼吸困難、鼻汁、鼻閉のいずれか1つ以上の症状を呈し、発症から10日以内の急性的な症状であり、かつ 医師が感染症を疑う外来症例」と定められています。
*15週時点の情報から掲載を開始しました。
*集計時点が異なるため、各保健福祉事務所からの報告と一致しないことがあります。
[1] 週別・定点当たり報告数の状況(神奈川県、2025年15週~33週)
33週(8月11日~8月17日)は、全国34.14、全県44.95、県域41.91でした。
5週前 | 4週前 | 3週前 | 2週前 | 1週前 | 今週 | |
28週 | 29週 | 30週 | 31週 | 32週 | 33週 | |
7月7日 ~7月13日 |
7月14日 ~7月20日 |
7月21日 ~7月27日 |
7月28日 ~8月3日 |
8月4日 ~8月10日 |
8月11日 ~8月17日 |
|
全国 | 52.66 | 54.03 | 48.20 | 52.82 | 52.49 | 34.14 |
全県 | 67.43 | 66.99 | 60.53 | 65.39 | 66.11 | 44.95 |
県域 | 62.71 | 62.39 | 55.49 | 59.62 | 59.42 | 41.91 |
*県域とは、神奈川県内の市町村のうち横浜市、川崎市、相模原市を除いた地域です
また、県内のCOVID-19、インフルエンザ及びARIの動向は以下のとおりです。
[2] 年齢階級別・定点当たり報告数(神奈川県、2025年31週~33週)
33週(8月11日~8月17日)は、前週と同様、1-4歳が最も多く、次いで5-9歳、10-14歳の順でした。すべての年齢階級で前週に比べて定点当たり報告数が減少しました。
[3] 保健所別・定点当たり報告数(神奈川県、2025年31週~33週)
33週(8月11日~8月17日)は、鎌倉保健福祉事務所、小田原保健福祉事務所足柄上センターを除くすべての保健所で前週に比べて定点当たり報告数が減少しました。
[4] 病原体検出状況(神奈川県衛生研究所実施分)
*病原体検出や集計等に時間を要するため、[1]~[3]より遅れての掲載となります。
(1)年代別検出結果(2025年33週検体採取分)
33週は24検体から、A型インフルエンザウイルスが1件、SARSコロナウイルス2が2件、RSウイルスA型が2件、ヒトパラインフルエンザウイルス3が1件、ヒトアデノウイルスが1件検出されました。
(2)検出結果の週別推移(2025年15週~33週検体採取分)
注:各週の病原体情報をご参照ください。
[参考リンク]
厚生労働省