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神奈川県微生物検査情報

神奈川県衛生研究所

表1　病原体検出状況（保健所等別）―平成30年8月

<検出状況>

• 8月の病原体検出数は合計95件、細菌は33件、ウイルス・リケッチアは62件であった。

• 病原体定点等の医療機関からの検査では、小児科定点から細菌が3件、ウイルスが27件、基幹定点からウイルスが5件検出された。
• 保健所管内別の病原体検出状況は表1のとおりである。

表２　病原細菌検出状況（臨床診断別）―平成30年8月

• 腸管出血性大腸菌感染症届出関連に伴う検査で、192検体中5検体から腸管出血性大腸菌O26（VT1）が、2検体からO111（VT1&VT2）が、1検体からO121（VT2）が、2検体からO145:HNM（VT1、eae）が、3検体からO157（VT1＆VT2）が検出された。
• A群溶血性レンサ球菌咽頭炎患者10検体中6検体からA群溶血レンサ球菌が検出された。血清型は、T1が2検体、T3が1検体、T4が1検体、TB3264が2検体であった。
• レジオネラ症患者3検体中1検体からレジオネラ　ニューモフィラ　1群が検出された。
• 食中毒様事例（有症苦情含む）では、45検体中10検体から食中毒菌が検出された。その内訳は、腸炎ビブリオが4検体、カンピロバクター　ジェジュニが4検体、黄色ブドウ球菌が1検体、ウェルシュ菌が1検体であった。そのうち1名はカンピロバクター　ジェジュニおよび黄色ブドウ球菌の重複感染であった。
• 依頼検査では、1306検体中1検体からサルモネラO4群が、2検体からサルモネラO7群が検出された。

表３　病原細菌検出状況（月別）―平成29年8月～平成30年8月

表４　ウイルス・リケッチア検出状況（臨床診断別）―平成30年8月

• デング熱疑い患者2例（4検体）について検査を実施したところ、1例からデングウイルスが検出された。デングウイルスが検出された患者には海外渡航歴があった。
• 咽頭結膜熱患者7例からウイルスが検出された。その内訳は、アデノウイルス2型が1例、アデノウイルス3型が4例、アデノウイルス（型未決定）が2例であった。
• 感染性胃腸炎患者4例中１例からノロウイルスが検出された。
• 手足口病患者10例中8例からウイルスが検出された。その内訳は、コクサッキーウイルスA5型が1例、コクサッキーウイルスA9型が1例、コクサッキーウイルスA16型が1例、エンテロウイルスA71型が4例、コクサッキーウイルスA16型とアデノウイルス1型の同時検出が1例であった。
• ヘルパンギーナ患者12例からウイルスが検出された。その内訳は、コクサッキーウイルスA4型が8例、コクサッキーウイルスA5型が3例、エンテロウイルスA71型が1例であった。
• 麻疹疑い患者7例（16検体）、風疹疑い患者9例（18検体）について検査を実施したところ、患者7例（11検体）から風疹ウイルスが検出された。
• 無菌性髄膜炎患者5例15検体中12検体からウイルスが検出された。その内訳は、1例目は髄液と便からエコーウイルス6型、2例目は髄液、咽頭ぬぐい液および便からエコーウイルス30型、3例目は咽頭ぬぐい液と便からヒトパレコウイルス2型、4例目は咽頭ぬぐい液と便からエンテロウイルスA71型、5例目は髄液、咽頭ぬぐい液、便からエコーウイルス3型であった。
• 伝染性紅斑熱患者1名からコクサッキーウイルスA9型とEBウイルスが同時検出された。
• A型肝炎疑い患者2例（4検体）、患者接触者5例（5検体）について検査を実施したところ、患者（4検体）および患者接触者（1検体）からA型肝炎ウイルスが検出された。
• 不明熱患者1名からＥBウイルスとヒトヘルペスウイルス7が同時検出された。

表5　ウイルス・リケッチア検出状況（月別）-平成29年8月～平成30年8月

表６　食品・環境由来の病原細菌検出状況―平成30年8月

• 有症苦情の参考食品1検体からカンピロバクター　ジェジュニが検出された。