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神奈川県微生物検査情報

神奈川県衛生研究所

第279号

平成28年3月17日発行
病原体検出は平成28年1月分


表1 病原体検出状況(保健所等別)―平成28年1月


<検出状況>

  • 1月の病原体検出数は合計263件、細菌は36件、ウイルス・リケッチアは227件であった。
  • 感染症および食中毒発生に伴う行政検査等では、細菌が22件、ウイルスが108件検出された。
  • 病原体定点等の医療機関からの検査では、小児科定点から細菌が9件、ウイルスが102件、インフルエンザ定点からウイルスが14件、基幹定点から細菌が2件、ウイルスが3件、その他の医療機関から細菌が3件検出された。
  • 保健所管内別の病原体検出状況は表1のとおりである。

表2 病原細菌検出状況(臨床診断別)―平成28年1月

  • A群溶血性レンサ球菌咽頭炎患者9検体中7検体から、A群溶血レンサ球菌が分離培養によって検出された。血清型は、T1が4検体、T12が2検体およびT4が1検体であった。
  • 感染性胃腸炎患者12検体中1検体からその他の大腸菌(血清型O25 afa+)が、1検体からカンピロバクター ジェジュニが検出された。
  • マイコプラズマ肺炎患者4検体中4検体から、肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ ニューモニエ)がPCRおよび分離培養により検出された。
  • 百日咳患者1検体から百日咳菌がPCRと分離培養により検出された。
  • レジオネラ症患者2検体中1検体から、レジオネラ ニューモフィラが分離培養によって検出された。血清型は、血清群1であった。
  • その他の感染症では、市内医療機関において入院患者にバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)の保菌者が見つかったことから、17検体についてVREスクリーニング検査を行ったところ、すべての検体からバンコマイシン耐性エンテロコッカス フェシウム遺伝子型(VanA)が検出された。
  • 食中毒様事例では、67検体中3検体からカンピロバクター ジェジュニが、1検体から黄色ブドウ球菌が検出された。

表3 病原細菌検出状況(月別)―平成28年1月

 


表4 ウイルス・リケッチア検出状況(臨床診断別)―平成28年1月

  • 咽頭結膜熱患者3例からウイルスが検出された。その内訳は、アデノウイルス1型が1例、アデノウイルス3型が1例、アデノウイルス5型が1例であった。
  • 感染性胃腸炎調査では11例中7例から下痢症の原因となるウイルスが検出され、その内訳は、ノロウイルスが10例、アストロウイルスが1例であった。また、感染性胃腸炎と診断された小学校(3校)の給食関係職員について検査を実施したところ、5例(7検体)中、3例(4検体)からノロウイルスが検出された。
  • インフルエンザ様患者168例中153例からインフルエンザウイルスが検出された。その内訳は、インフルエンザウイルスAH1pdm09が108例、インフルエンザウイルスAH3型が15例、インフルエンザウイルスB型が30例であった。また、集団かぜ事例8集団29例について検査を実施したところ、5集団13例からインフルエンザウイルスAH1pdm09が、3集団10例からインフルエンザウイルスB型が検出された。
  • 無菌性髄膜炎患者3例(8検体)中1例(1検体)からEBウイルスとヒトヘルペスウイルス7が同時検出された。
  • 食中毒様胃腸炎調査では75検体について検査を実施したところ、35検体からノロウイルスが検出された。

表5 ウイルス・リケッチア検出状況(月別)-平成28年1月

表6 食品・環境由来の病原細菌検出状況―平成28年1月


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