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神奈川県微生物検査情報

神奈川県衛生研究所

第275号

平成27年11月17日発行
病原体検出は平成27年9月分


表1 病原体検出状況(保健所等別)―平成27年9月


<検出状況>

  • 9月の病原体検出数は合計89件、細菌は15件、ウイルス・リケッチアは74件であった。
  • 感染症および食中毒発生に伴う行政検査等では、細菌が9件、ウイルスが17件検出された。
  • 病原体定点等の医療機関からの検査では、小児科定点から細菌が2件、ウイルスが53件、基幹定点から細菌が4件、ウイルスが4件検出された。
  • 保健所管内別の病原体検出状況は表1のとおりである。

表2 病原細菌検出状況(臨床診断別)―平成27年9月

  • 腸管出血性大腸菌患者16検体中2検体から腸管出血性大腸菌O157(VT1+、VT2+)が検出された。
  • 感染性胃腸炎患者3検体中2検体からその他の大腸菌が検出された。内訳はO125が1検体、O153が1検体であった。
  • マイコプラズマ肺炎患者8検体中、4検体から肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ ニューモニエ)がPCRによって検出され、そのうち3検体が分離培養で検出された。
  • レジオネラ症患者3検体中2検体から、レジオネラ ニューモフィラ(血清群1)が分離培養によって検出された。
  • 食中毒様事例(有症苦情含む)38検体を検査したところ3検体から食中毒菌が検出された。検出菌の内訳は、カンピロバクター ジェジュニが2検体、黄色ブドウ球菌が1検体であった。
  • 依頼検査2012検体中1検体から腸管出血性大腸菌O26(VT1+)が、1検体からサルモネラO8群(S.Newport)が検出された。

表3 病原細菌検出状況(月別)―平成27年9月

 


表4 ウイルス・リケッチア検出状況(臨床診断別)―平成27年9月

  • デング熱疑い患者2例からデングウイルスが検出された。いずれの患者にも海外渡航歴(タイ)があり、渡航先で感染したと推察された。
  • 咽頭結膜熱患者3例中2例からウイルスが検出された。その内訳は、アデノウイルス3型とエコーウイルス18型の同時検出が1例、アデノウイルス5型とエンテロウイルスD68型との同時検出が1例であった。
  • 感染性胃腸炎患者4例中1例から下痢症の原因となるノロウイルスが検出された。
  • 手足口病患者31例中29例からウイルスが検出された。その内訳は、コクサッキーウイルスA6型が18例、コクサッキーウイルスA10型が2例、コクサッキーウイルスA16型が7例、コクサッキーウイルスA6型とアデノウイルス2型の同時検出が1例、コクサッキーウイルスA16型とエンテロウイルスD68型の同時検出が1例であった。
  • ヘルパンギーナ患者8例からコクサッキーウイルスが検出された。その内訳は、コクサッキーウイルスA2型が2例、コクサッキーウイルスA6型が3例、コクサッキーウイルスA10型が2例、コクサッキーウイルスB4型が1例であった。
  • インフルエンザ様患者3例中2例、集団かぜ患者(1集団)5例および鳥インフルエンザ感染症疑い患者1例からインフルエンザウイルスAH3型が検出された。
  • 無菌性髄膜炎患者4例(9検体)中3例(4検体)からウイルスが検出された。その内訳は、1例目は髄液から水痘帯状疱疹ウイルス、咽頭拭い液からヒトヘルペスウイルス7が、2例目は便からヒトパレコウイルス1型が、3例目は咽頭拭い液からヒトヘルペスウイルス6が検出された。
  • その他の疾患5例のうち伝染性紅斑患者3例からウイルスが検出された。その内訳は、コクサッキーウイルスA9型とEBウイルスとヒトヘルペスウイルス7の同時検出が1例、コクサッキーウイルスA9型とヒトヘルペスウイルス6の同時検出が1例、コクサッキーウイルスA9型とヒトヘルペスウイルス7の同時検出が1例であった。
  • 食中毒様事例30検体について検査を実施したところ、9検体からノロウイルスが検出された。

表5 ウイルス・リケッチア検出状況(月別)―平成27年9月

表6 食品・環境由来の病原細菌検出状況―平成27年9月


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