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神奈川県微生物検査情報

神奈川県衛生研究所

第273号

平成27年9月24日発行
病原体検出は平成27年7月分


表1 病原体検出状況(保健所等別)―平成27年7月

<検出状況>

  • 7月の病原体検出数は合計127件、細菌は36件、ウイルス・リケッチアは91件であった。
  • 感染症および食中毒発生に伴う行政検査等では、細菌が19件、ウイルスが21件検出された。
  • 病原体定点等の医療機関からの検査では、小児科定点から細菌が17件、ウイルスが50件、基幹定点からウイルスが20件検出された。
  • 保健所管内別の病原体検出状況は表1のとおりである。

表2 病原細菌検出状況(臨床診断別)―平成27年7月

  • 腸管出血性大腸菌感染症患者届出関連に伴う検査で、40検体中8事例9検体から腸管出血性大腸菌が検出された。血清型はO157が7検体、O26が2検体であった。
  • A群溶血性レンサ球菌咽頭炎患者15検体中11検体から、A群溶血レンサ球菌が分離培養によって検出された。血清型は、T1が5検体、T3が1検体、T4が1検体およびUTが4検体であった。
  • 感染性胃腸炎患者5検体中2検体からその他の大腸菌(O8、OUT・EPEC)が検出された。
  • マイコプラズマ肺炎患者5検体中4検体から、肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ ニューモニエ)がPCRと分離培養によって検出された。
  • その他の感染症は6検体の依頼があり、そのうちバンコマイシン耐性腸球菌感染症患者4検体中4検体からバンコマイシン耐性エンテロコッカスフェシウム遺伝子型(vanA)が検出された。
  • 食中毒様事例(関連調査を含む)では8事例(県域5事例、関連調査3事例)、51検体を検査したところ3事例6検体から食中毒菌が検出された。検出菌の内訳は、サルモネラO4(S.Saintpaul)が1事例3検体、カンピロバクター ジェジュニが1事例1検体、黄色ブドウ球菌が1事例2検体であった。

表3 病原細菌検出状況(月別)―平成27年7月

 


表4 ウイルス・リケッチア検出状況(臨床診断別)―平成27年7月

  • 咽頭結膜熱患者12例中11例からウイルスが検出された。その内訳は、アデノウイルス3型が8例、アデノウイルス4型が2例、単純ヘルペスウイルス1型が1例であった。
  • 手足口病患者49例中36例からウイルスが検出された。その内訳は、コクサッキーウイルスA5型が1例、コクサッキーウイルスA6型が21例、コクサッキーウイルスA14型が1例、コクサッキーウイルスA16型が11例、ライノウイルスが2例であった。
  • ヘルパンギーナ患者4例中2例からウイルスが検出された。その内訳は、コクサッキーウイルスA10型が1例、コクサッキーウイルスA16型が1例であった。
  • 流行性耳下腺炎患者2例中1例からムンプスウイルスが検出された。
  • 高齢者施設におけるインフルエンザ集団発生に伴う入院患者2例からインフルエンザウイルス AH3型が検出された。
  • 無菌性髄膜炎患者14例(36検体)中10例(18検体)からウイルスが検出された。その内訳は、1例目は咽頭拭い液からアデノウイルス2型とライノウイルス、便からコクサッキーウイルスA9型が、2例目は髄液と咽頭拭い液からコクサッキーウイルスA9型が、3例目は咽頭拭い液からヒトヘルペスウイルス7が、4例目は咽頭拭い液からサイトメガロウイルスとヒトヘルペスウイルス6が、5例目は髄液と咽頭拭い液からコクサッキーウイルスA9型が、6例目は咽頭拭い液と便からコクサッキーウイルスA9型が、7例目は髄液と咽頭拭い液と便からコクサッキーウイルスA9型が、8例目は咽頭拭い液と便からコクサッキーウイルスA9型が、9例目は咽頭拭い液と便からアデノウイルス3型が、10例目は髄液からエンテロウイルス(型未決定)であった。
  • 食中毒様胃腸炎の発生は9事例(県域5事例、関連調査4事例)で、便73検体について検査を実施したところ、2事例19検体からノロウイルスが検出された。

表5 ウイルス・リケッチア検出状況(月別)―平成27年7月

表6 食品・環境由来の病原細菌検出状況―平成27年7月

  • 食品検査では、食中毒1事例2検体からセレウス菌が検出された。

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