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神奈川県微生物検査情報

神奈川県衛生研究所

第272号

平成27年8月26日発行
病原体検出は平成27年6月分


表1 病原体検出状況(保健所等別)―平成27年6月

<検出状況>

  • 6月の病原体検出数は合計137件、細菌は68件、ウイルス・リケッチアは69件であった。
  • 感染症および食中毒発生に伴う行政検査等では、細菌が43件、ウイルスが25件検出された。
  • 病原体定点等の医療機関からの検査では、小児科定点から細菌が24件、ウイルスが37件、基幹定点からウイルスが7件、その他の医療機関から細菌が1件検出された。
  • 保健所管内別の病原体検出状況は表1のとおりである。

表2 病原細菌検出状況(臨床診断別)―平成27年6月

  • 腸管出血性大腸菌感染症患者届出関連に伴う検査で、20検体中2事例7検体から腸管出血性大腸菌が検出された。血清型はすべてO26であった。
  • A群溶血性レンサ球菌咽頭炎患者36検体中15検体から、A群溶血レンサ球菌が分離培養によって検出された。血清型は、T1が2検体、T3が5検体、T4が2検体、T12が3検体、T2、TB3264およびUTが各1検体であった。
  • 感染性胃腸炎患者20検体中6検体から7株の病原細菌が検出された。その内訳は腸管凝集性大腸菌(O126)が1検体、その他の大腸菌が2検体(O152、血清型不定・検出遺伝子astA 、)、エロモナス ハイドロフィラ1検体、カンピロバクター ジェジュニが1検体、その他の大腸菌(血清型O6)とカンピロバクター ジェジュニの重複検出が1検体であった。
  • マイコプラズマ肺炎患者4検体中3検体から、肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ)がPCRと分離培養によって検出された。
  • レジオネラ症患者6検体中5検体から、レジオネラ ニューモフィラが分離培養によって検出された。血清群の内訳は、血清群1が5検体から、うち1検体からは血清群13も検出された。検出された5検体のうち血清群1が検出された1検体を除き4検体が集団発生事例の検体であった。
  • 食中毒(関連調査を含む)様事例では91検体中30検体から食中毒菌が検出され、そのうち8事例が食中毒であった。検出菌の内訳は、その他の大腸菌(腸管病原性大腸菌・血清型不定)が1事例1検体、サルモネラO4群(S.Saintpaul)が1事例2検体、サルモネラO7群(S.Infantis)が1事例1検体、カンピロバクター ジェジュニが2事例6検体、黄色ブドウ球菌が2事例9検体(うち1事例は1検体からセレウス菌も検出)、ウエルシュ菌が1事例10検体であった。
  • 依頼検査2213検体中1検体からサルモネラO4群(S.Chester)が検出された。

表3 病原細菌検出状況(月別)―平成27年6月

 

 


表4 ウイルス・リケッチア検出状況(臨床診断別)―平成27年6月

  • 咽頭結膜熱患者17例中15例からウイルスが検出された。その内訳は、アデノウイルス1型が2例、アデノウイルス2型が1例、アデノウイルス3型が10例、アデノウイルス4型が2例であった。
  • 感染性胃腸炎患者14例中2例から下痢症の原因となるアストロウイルスが検出された。
  • 手足口病患者21例中16例からウイルスが検出された。その内訳は、コクサッキーウイルスA6型が1例、コクサッキーウイルスA14型が1例、コクサッキーウイルスA16型が12例、単純ヘルペス1型が1例、コクサッキーウイルスA10型と単純ヘルペス1型との同時検出が1例であった。
  • ヘルパンギーナ患者2例からコクサッキーウイルスが検出された。その内訳は、コクサッキーウイルスA6型が1例、コクサッキーウイルスA16型が1例であった。
  • 麻しん疑い患者3例(8検体)中1例(2検体)から麻しんウイルス(H1型)が検出された。
  • インフルエンザ様患者1例からインフルエンザウイルスAH3型が検出された。
  • 無菌性髄膜炎患者6例(15検体)中3例(7検体)からウイルスが検出された。その内訳は、1例目は3検体からコクサッキーウイルスA9型が、2例目はヒトヘルペスウイルス6型、3例目は髄液と便からはエコ−ウイルス16型が、咽頭拭い液からはライノウイルスが検出された。
  • 食中毒様事例では71検体中17検体からノロウイルスが、6検体からサポウイルスが検出された。そのうち食中毒事例(他県からの関連事例を含む)は4事例で、ノロウイルスが検出された事例が3事例、サポウイルスとノロウイルスの2種類が検出された事例が1事例であった。

表5 ウイルス・リケッチア検出状況(月別)―平成27年6月

表6 食品・環境由来の病原細菌検出状況―平成27年6月

  • 食品検査では食中毒等4事例9検体中、2事例2検体から食中毒菌が検出された。検出状況は、カンピロバクター ジェジュニが鳥ささみから、黄色ブドウ球菌が弁当から検出された。
  • レジオネラ症の集団発生が1事例あり、浴槽水7検体中2検体からレジオネラ ニューモフィラ1群と13群の両方が検出された。

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