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神奈川県微生物検査情報

神奈川県衛生研究所

第261号

平成26年9月30日発行
病原体検出は平成26年7月分


表1 病原体検出状況(保健所等別)―平成26年7月

<検出状況>

  • 7月の病原体検出数は合計95件、細菌は23件、ウイルス・リケッチアは72件であった。
  • 感染症および食中毒発生に伴う行政検査等では、細菌が15件、ウイルスが20件検出された。
  • 病原体定点等の医療機関からの検査では、小児科定点から細菌が7件、ウイルスが47件、眼科定点からウイルスが2件、基幹定点から細菌が1件、ウイルスが3件検出された。
  • 保健所管内別の病原体検出状況は表1のとおりである。

表2 病原細菌検出状況(臨床診断別)―平成26年7月

  • 腸管出血性大腸菌感染症患者届出に伴う検査で、4事例34検体中3検体から腸管出血性大腸菌が検出された。血清型はO103(VT1)が1検体、O121:H19(VT2)が1検体、O157(VT2)が1検体であった。また1検体から、腸管凝集性大腸菌O111:H19が検出された。
  • A群溶血性レンサ球菌咽頭炎患者10検体中4検体から、A群溶血レンサ球菌が分離培養によって検出された。血清型はT4が2検体、T12が1検体、T25が1検体であった。
  • 感染性胃腸炎患者7検体中1検体から、その他の大腸菌が検出された。血清型はO126が1検体であった。
  • マイコプラズマ肺炎患者2検体中2検体から、マイコプラズマ ニューモニエがPCRと分離培養によって検出された。
  • 細菌性髄膜炎患者1検体中1検体から、肺炎球菌が分離された。
  • レジオネラ症患者3検体中2検体からレジオネラ ニューモフィラ(血清群1)が分離された。
  • 食中毒4事例(県域事例2事例、関連調査2事例)で、15検体中1事例2検体からサルモネラO8群(S. Litchifield)が検出された。また2事例5検体からカンピロバクター ジェジュニが検出され、そのうち1検体からカンピロバクター コリが、同時検出された。また1事例1検体からカンピロバクター コリが検出された。

表3 病原細菌検出状況(月別)―平成26年7月

 

 

表4 ウイルス・リケッチア検出状況(臨床診断名別)―平成26年7月

  • 咽頭結膜熱患者7例中6例からウイルスが検出された。その内訳は、アデノウイルス1型が1例、アデノウイルス3型が3例、アデノウイルス1型とパレコウイルス3型の同時検出が1例、パレコウイルス1型とライノウイルスの同時検出が1例であった。
  • 感染性胃腸炎患者15例中2例から下痢症の原因となるウイルスが検出された。その内訳は、ロタウイルスが1例、サポウイルスが1例であった。
  • 手足口病患者10例中6例からウイルスが検出された。その内訳は、コクサッキーウイルスA4型が3例、コクサッキーウイルスA6型が2例、パレコウイルス3型が1例であった。
  • ヘルパンギーナ患者30例中27例からウイルスが検出された。その内訳は、コクサッキーウイルスA4型が25例、コクサッキーウイルスA5型が1例、コクサッキーウイルスA6型とライノウイルスの同時検出が1例であった。
  • 麻しん疑い患者13例33検体について検査を実施したところ、8例19検体から麻疹ウイルスが検出された。
  • 流行性耳下腺炎患者5例中2例からムンプスウイルスが検出された。
  • 中国からの帰国者でインフルエンザを発症した患者1例について、鳥インフルエンザを含めたインフルエンザウイルスの検査を行ったところ、インフルエンザウイルスAH3型が検出された。
  • 流行性角結膜炎患者6例中2例からアデノウイルスが検出された。その内訳は、19型が1例、37型が1例であった。
  • 無菌性髄膜炎患者5例中3例からウイルスが検出された。その内訳は、パレコウイルス3型が2例、ライノウイルスが1例であった。
  • その他、不明熱患者1例からパレコウイルス3型が検出された。

表5 ウイルス・リケッチア検出状況(月別)―平成26年7月

表6 食品・環境由来の病原細菌検出状況―平成26年7月


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