サクセス ストーリー
新設された2棟で社内外の交流を活性化。
綾瀬市の拠点を中心に
全社的なイノベーション促進をはかる「東ソー」

東ソー株式会社
設立は1935年。「基礎素材」「付加価値素材」「バイオサイエンス」「高機能材料」「水処理エンジニアリング」の5つの事業を中心に、暮らしや産業を支える製品を国内外に提供する総合化学メーカー。
2025年、神奈川県綾瀬市にある東京研究センターに、新研究棟およびイノベーションセンターを新設した。
上席執行役員
東京研究センター長
理学博士 井出輝彦様
神奈川県綾瀬市に立地した理由
今回新設した新研究棟およびイノベーションセンターの立地場所を神奈川県綾瀬市にした一番の理由は、1975年の東京研究所(当時)開設以来、この神奈川・綾瀬の地で数百人の従業員が何十年間も研究してきたということです。同時に、当社従業員も含めた家族も暮らしているエリアですので、その生活も考えれば最も自然な選択肢でした。また、既存の研究棟で働く従業員とのコミュニケーションの取りやすさを考えても、あまり他の選択肢はありませんでした。
新研究棟では、バイオテクノロジーの先端技術に係る研究開発を応用した分離分析・臨床検査関連の素材・試薬・装置の製品化を行っています。
イノベーションセンターには、セミナー会場やカスタマーサービスの機能を設けており、社外との交流を強化しています。
新研究棟およびイノベーションセンターの新設により、解決を目指した課題のひとつが、バイオサイエンス事業の生産性です。
もともと当事業の研究・開発活動は、山口県周南市の拠点とここ綾瀬市の2か所で行っていました。どちらも同じような機能を有しており、業務としても近い動きをとることが多いのですが、距離的に離れていたため効率化が難しく、社内で改善を望む声が以前から多く挙がっていました。
そこに建屋の老朽化、従業員の増員といった要因も重なったことから、10年ほど前に新研究棟の建設の計画がスタートしました。

神奈川県・綾瀬市からの支援と連携
今回の新研究棟の建設計画では、神奈川県の企業誘致施策「セレクト神奈川NEXT」を活用しました。
新研究棟の建設計画では、新研究棟だけでなく、社外への発信力を高めるためのイノベーションセンター新設の話も出てきたことから、今回の神奈川県の企業立地促進補助金の活用させていただけることはありがたかったです。
今回のプロジェクトメンバーの中には、補助金申請手続きの経験者がいませんでした。そのため、神奈川県の職員の方々に申請書の書き方などを丁寧にサポートいただけたことは本当にありがたかったです。何度も足を運びご迷惑をおかけしましたが、おかげで信頼関係も構築でき、滞りなくプロジェクトを進めることができました。
また、神奈川県からは、「神奈川R&D推進協議会」※にもお声がけいただき、この交流で補助金の活用のポイントなどを事前にヒアリングできたことも大変有意義だったと感じています。
さらに、これまで綾瀬市ともよい連携を続けてきましたので、その信頼関係にも背中を押されました。綾瀬市は、防災訓練やイベント開催といった地域活動に加え、地元企業同士をつなげる会も定期的に実施してくださっています。当社としてはこれらを非常に心強く感じていますので、これからも神奈川県や綾瀬市と、よりよい関係性を継続していきたいと考えています。
※神奈川R&D推進協議会…県内に研究所を持つ大企業、大学などが参加する「神奈川R&Dネットワーク構想」の推進組織です。

執務室をワンフロアにして業務効率を改善
新研究棟は、使用し始めて間もないタイミングではありますが、すでに生産性の向上を実感できる部分もあります。たとえば、これまでバラバラに存在していた執務室をワンフロアに収めました。総勢200人弱が使用する大空間です。これにより社内のやりとりがスムーズになり、業務効率が大きく改善しています。またフリーアドレス制にすることで、異なる部署間での社内交流をより促進させることができています。

フリースペースから生まれるイノベーションに期待
今回の新設におけるコンセプトは「領域を越えたつながりを生むリサーチパーク」です。新研究棟においては、廊下などの空きスペースに誰もが使用できるテーブルとイスを点在させています。これには、社内コミュニケーションをより活性化させ、新たなイノベーションにつなげたいという思いが込められています。先述したワンフロアの執務室、建屋内に設置したカフェコーナーも同様の狙いがあります。さらには、新研究棟と従来の研究棟である8号棟を、3階部分に空中廊下を設けることで連結しました。従業員が部署を越えて交流しやすいよう、様々な工夫を取り入れたのです。
異なる部署間でここまで容易に交流できる建屋は、社内においてほかにありません。新研究棟を訪れると、廊下のテーブルなどで従業員がいつもディスカッションしているのを見かけます。当社としては、ここでの会話をきっかけに新製品の開発につながった、といった話が出てくればうれしく思いますし、そんな未来を期待しています。
一方、イノベーションセンターは、主に外部への情報発信やカスタマーサポートの役割を担っています。研究に関するセミナー開催などに加え、お客様への製品説明とそのフィードバックを受け、ニーズを吸い上げる場として機能させることも目的のひとつです。新研究棟とまさに両輪となることで、より質の高い研究・開発につなげていきたいと考えています。

神奈川におけるライフサイエンスの今後
神奈川県内には化学・生物系の企業のみならず、研究所や大学なども多く、高いポテンシャルを感じます。当社を含むバイオサイエンス関連業界としても、昨今話題となっているナフサの供給不安などを含め、国際情勢が不安定であることからなかなか見通しの立たない状況が続きます。だからこそ、ここで後ろ向きになることなく、社内外の交流を活性化させることで、イノベーションをより力強く促進していければと思っています。神奈川県や綾瀬市とも引き続き連携を深めながら、地域貢献や、業界としての発展にも尽力していきたい所存です。
“企業誘致施策「セレクト神奈川NEXT」”
神奈川県では、県内経済の活性化と雇用の創出を図るため、企業誘致施策「セレクト神奈川NEXT」により、県外・国外から企業を誘致するとともに、県内企業の再投資を促進しています。県の企業立地促進補助金は、県内市町村の企業立地に関する補助金と併用できます。詳細は、次の県ウェブページをご覧ください。
「セレクト神奈川NEXT」のご案内


