サクセス ストーリー
新川崎・創造のもりでオープンイノベーションを加速。
次世代半導体パッケージ開発に向けた、「レゾナック」の挑戦

株式会社レゾナック
1990年代より茨城県つくば市でパッケージング技術(注)の開発を行い、2018年に神奈川県川崎市へ拠点を移転。
2021年には「JOINT2」を発足し、「新川崎・創造のもり」にてオープンイノベーションを推進。微細配線や大型化対応など、次世代半導体パッケージ開発へ取り組む。

パッケージングソリューションセンター
センター長
畠山恵一 様
(注)パッケージング技術:半導体チップを保護しつつ、基板との電気的接続や放熱などの役割を担う実装技術のこと。半導体の性能向上や小型化が進む中で、複数の半導体チップを一体化する次世代半導体パッケージングの重要性が世界的に高まっている。
つくばから川崎へ拠点を移した理由とは
当社のパッケージングソリューションセンターは、もともと茨城県つくば市にありましたが、2018年に川崎市へ全面移転しました。移転の背景には、3つの理由がありました。第一に、5000平方メートル規模の設備を支えるための十分なスペースが確保できること。第二に、顧客やパートナー企業とのディスカッションや共同研究が活発化する中で、羽田空港や東京駅からのアクセスに優れた立地が求められたこと。そして第三に、神奈川・東京エリアには多数の半導体関連企業が集積しており、協業のしやすさが大きなメリットにつながると考えたからです。

神奈川県・川崎市からの支援の活用とその効果
移転に際しては、神奈川県の立地支援制度を活用しました。事業計画や雇用規模などの要件を満たし、補助金を受けながら評価装置等を導入しました。助成期間は10年にわたり、センターは事業開始当初の想定を超える130名規模の体制へと成長し、特殊設備への対応もスムーズに実現することができました。

また、川崎市が整備した「新川崎・創造のもり」内、産学交流・研究開発施設(AIRBIC)の当社入居フロアの仕様についても、当社の要望に応じて設計段階から耐荷重や柱の位置、クリーンルームの天井高に至るまで柔軟に対応して頂きました。例えば、一部の部屋では1平方メートルあたり1.7トンという高い耐荷重を確保することで、重量のある半導体製造装置の設置にも対応するようにしました。さらに、クリーンルーム設計においても柱を極力排除するなど、研究開発効率を最大限に引き出すための構造的工夫が凝らされています。こうした官民連携の柔軟さが、先端産業に求められる特殊条件を満たす拠点整備に大きく寄与していると考えています。
川崎拠点でのオープンイノベーションと「JOINT2」の中核拠点としての役割
JOINT2では、半導体の微細化や大型化に伴う新たなパッケージング技術(注)の開発を目指し、14社がテーマごとに技術課題を持ち寄って研究・評価を実施しています。中でも川崎拠点は、当社の30年にわたる実装材料評価ノウハウを活かし、各社の技術を集約して試作・検証を行う中心的な役割を担っております。材料・装置メーカー同士が競合関係にありながらも、評価結果を共有し合うことで、顧客からの要求を先読みした技術提案が可能になっています。

来訪企業・大学は年間250件を超え、情報交換や共同研究が日常的に行われています。つくば時代と比べて来訪数は5倍に増加し、「現物を見ながら対話できる拠点」の価値の高まりを実感します。実際、こうした“見せる設備”が新たな連携のきっかけになることも多く、1日1件以上のペースで関係者が訪れることで、ネットワークが自然と広がっていく効果も生まれています。
神奈川県の立地や環境がもたらす産業集積と今後の展望
神奈川県には、半導体関連の材料・装置・基板・加工など、各工程を担う企業がバランスよく集積しています。加えて、羽田空港や都心からの優れたアクセス性、そして研究・製造に適した立地環境も相まって、産業横断的な連携が生まれやすい土壌が整っています。
当社では現在、こうした神奈川県の産業インフラと人的ネットワークを最大限に活用し、国内外のパートナーと連携した先端パッケージング技術の開発に注力しています。
近年、パッケージング技術の高度化が進む中で、材料・基板・加工などの各プレイヤーが単独で競争力を維持することは難しくなってきています。そのため、日本のパッケージ産業全体が“One Team Japan”として連携し、設計から実装、評価までをシームレスにつなぐ体制の構築が求められています。
こうした中、当社はPSC(パッケージングソリューションセンター)を共創の中核拠点として位置付け、「JOINT2」を通じた産学連携・企業間連携の強化、そして地域内外の知見と実装環境の融合を進めています。これらの取り組みにより「神奈川発の、世界と戦えるパッケージ技術をつくる」という新たな産業モデルの実現に近づいているとの実感を肌身で感じています。
"企業誘致施策「セレクト神奈川NEXT」"
神奈川県では、県内経済の活性化と雇用の創出を図るため、企業誘致施策「セレクト神奈川NEXT」により、県外・国外から企業を誘致するとともに、県内企業の再投資を促進しています。県の企業立地促進補助金は、県内市町村の企業立地に関する補助金と併用できます。詳細は、次の県ウェブページをご覧ください。
「セレクト神奈川NEXT」のご案内