更新日:2023年8月25日

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「働く障がい者」を知ってください(1)

働く障がい者の事例をご紹介します。

当センターがこれまで障がい者本人への支援を行ってきた中で出会った方々を参考に、「働く障がい者」の例を作成しました。

Aさんの場合

25歳、女性、発達障がい(アスペルガー症候群)

現在の職業

老人福祉施設の庶務部門で勤務
主な業務 職員の勤務データ入力、郵便物処理、日用品の払出し・配布など
就業時間 9時から17時

学生時代・これまでの職歴

人とのコミュニケーションが苦手で、休日は家で過ごすことが多く、パソコン関係の専門学校を卒業後、接客のパートなどをしたが続きませでした。

支援機関との出会い

Aさんは、知人のすすめで、地域の相談支援事業所へ行き、これまでの経緯を話し相談しました。今後のことを考え、市役所で精神障害者保健福祉手帳を取得することにしました。市役所では、最寄りの障がい者就労支援機関の紹介を受けました。

職業能力評価の実施及びその結果

就労支援機関では、就職活動を始めるにあたって、まずは本人の職業適性や課題を理解した方が良いだろうとのアドバイスを受けました。そのため、就労支援機関から神奈川県障害者雇用促進センターへ職業能力評価を依頼しました。4人から6人のグループで行う作業検査では、ほとんど発言がありませんでした。1対1で行う個別の作業検査では、速度・精度とも良好でした。更に、パソコン技術をみる検査では、操作能力が極めて高いとの結果でした。

求職から採用までの経緯

1件目に応募した会社では、会社側と本人の希望が合わず不採用となりました。2件目の会社では、会社と本人のミスマッチを防ぐため、3日間の職場実習を行うことになりました。そこで良好な評価を得て、面接を経て採用となりました。

人事担当者の声

面接時はかなり緊張していましたが、会社からの質問に誠実に答えていました。面接時にご本人から、対人関係が苦手と聞きましたので、電話応対のない業務に調整しました。また、職場内で指示をする時に複数の職員から行うのではなく、指示担当の職員を決めるよう、所属部署に伝えました。採用にあたってご本人に、電話応対のない業務である旨の説明をしたところ、安心した様子でした。

現在の状況(職場の声)

パソコン操作能力が高いので、データ入力はほとんどミスなく行ってくれています。本人から休み時間は一人で過ごしたいと要望があったため、空いている個室の利用を認めたり、声をかけないように配慮しています。

現在の状況(本人の声)

職場の方が丁寧に仕事を教えてくれ、メモをとる時間も十分にあるので、とてもうれしく思っています。対人関係に苦手意識がありましたが、(勤務先の老人福祉施設の)入居者の方とのあいさつも、少しずつ慣れてきていると感じます。

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