成年年齢引下げに関するアンケート(保護者向け)調査結果
成年年齢引下げについて、保護者の皆様にアンケート調査を行いました。
調査の概要
調査目的
成年年齢引下げの認知度・理解度や効果的な啓発方法について調査し、今後の啓発活動など消費生活行政の参考とする
調査方法
インターネット、郵送及びFAXによるアンケート調査(全13問)
調査期間
令和4年6月29日(水曜日)から同年9月22日(木曜日)まで
調査対象
10歳から20歳までの子ども又は孫がいる保護者
回答者:10,526名
回答者の属性
年齢
30歳未満 8名
30歳代 371名
40歳代 6,217名
50歳代 3,823名
60歳代 95名
70歳以上 12名
調査結果の概要
成年年齢引下げの認知度について
今年の4月に成年年齢が20歳から18歳に引き下げられたことを知っていたかをたずねたところ、「知っていた」と回答した方が9割以上だった。
成年年齢引下げを知った媒体等について
今年の4月に成年年齢が20歳から18歳に引き下げられたことを「知っていた」「引き下げられることは知っていたが、これからだと思っていた」と回答した方に成年年齢引下げを何で知った(聞いた)かをたずねたところ、「テレビ・ラジオ」と回答した方が8割以上だった。
お子さん(お孫さん)の成年年齢引下げに関する認知度について
お子さん(お孫さん)は成年年齢が20歳から18歳に引き下げられたことを知っていると思うかたずねたところ、「知っている」と回答した方が約8割だった。
成人が一人で契約をすることができることの認知度について
成人になると保護者の同意を得ることなく一人で契約を締結することができることを知っているかたずねたところ、「知っている」と回答した方が9割以上だった。
成年年齢引下げにより生じる問題について
成年年齢の引下げによって、どのような問題が生じると思うかをたずねたところ、9割以上の人が「18歳、19歳の若者が、悪質商法等の消費者被害に遭いやすくなる」と回答した。次いで、約8割の人が「18歳、19歳の若者が、自らの経済力に見合わない高額の買い物をしてしまう」と回答した。
成年年齢引下げに係る若者への啓発方法について
成年年齢引下げにより消費者トラブルに巻き込まれることが懸念される「若者」に対する普及・啓発活動としてどのようなものが効果的だと思うかたずねたところ、約9割の人が「学校における消費者教育」、「インターネットやSNSでの啓発」と回答した。
成年年齢引下げに係る保護者への啓発方法について
成年年齢引下げにより消費者トラブルに巻き込まれることが懸念される「若者の保護者」に対する普及・啓発活動としてどのようなものが効果的だと思うかたずねたところ、約8割が「インターネットやSNSでの啓発」、次いで約6割が「チラシ・ポスターの配布や掲示」と回答した。
自由意見
成年年齢引下げについて、自由意見をたずねたところ、主なご意見は以下のとおりであった。
引下げに反対、不安、わかりにくい等の否定的な意見
- 判断に乏しい者に対し、成人扱いするのは、不安しかない。
- 成年年齢を引き下げたことがプラスだと感じる事が今のところ無い。
- 20歳でも学生のうちは心配なのにさらに18歳に引下げは心配すぎる。
- 18歳から成年になる…と決まってから実際にスタートするまでの期間が短いと感じた。事前に十分に当事者の子どもたちや親が正しく理解できるような説明がしっかりなされているか心配。
- 18歳からOKになったものと今まで通り20歳からのものとが混同され、当事者ですら曖昧になっているようだ。
- 成年年齢引下げに対応できる子どもはよいが、知識と自覚のない子どもが言われるがままに事件に巻き込まれてしまうことが怖いので、成人となった個人としては尊重はするが、何かあってからでは遅いと思う。成年年齢引下げには怖さしか感じていない。
消費者教育の必要性(学校・家庭)についての意見
- 学校の授業の中で「特別授業」としての扱いではなく、必須科目として金融や経済の勉強をしっかり教えてほしい。
- 知識がない事により問題が起こる為、親や学校での教育がとても大切だと思う。日頃から周りの啓発がある事で自然に理解出来ると思う。
- 「成年年齢引下げにより起こりうることなどを専門家から聞く」というような授業を学校で行うことが望ましい。また、皆で話し合うのもよいと思う。各家庭に任せるといろいろな事情で説明できなかったり、理解しないまま成年になりトラブル発生になりかねない。
(未成年者取消権に代わる)契約時の制限・保護が必要という意見
- まだ過渡期なので、作ってしまったクレジットカードの解約等に応じるよう国から通達を出して欲しい。さらに、信用情報にマイナスとして残らないよう20歳以下は特別措置を講じるべき。
- せめて20歳になるまでは消費者トラブルになる前に緩和策を設けてほしい。
引下げに肯定的な意見
- 少年法の改善に繋がるので成年年齢の引き下げには賛成だが、消費者トラブルに巻き込まれないように社会、学校と家庭の教育もしっかりする必要があると感じている。
- 引下げは構わないが家庭や学校でもよく説明して本人に理解させる必要があると思う。
- 世界標準に近づいたことは良いことだと思う。
事業者側への取り締まりや厳罰化等が必要という意見
- 金融などの業者にも、20歳から利用可能とするなどの自主規制を強く要望してもらいたい。
- 若年者に限らないと思うが、消費者側だけが気をつけていても悪意のある事業者は隙をついて様々な手法で契約させるケースもあるので処罰の厳罰化や事業者に向けたチェック体制、情報開示なども同時に行った方が良いと思う。
子ども本人への期待
- 今年18歳を迎えた息子が、思っていた以上に自覚があることに驚いた。高校での指導が的確だったのだと思う。信頼できる先生がいるのであれば学校での指導はとてもありがたい。
- 今は施行されたばかりなので当事者たちが混乱しているかもしれないが、今後定着していけば意識が変わり問題はなくなると思う。娘の高校では授業の一コマを使い説明があったので、しっかり理解できているようだ。
成年年齢引下げへの理解度が増したり、気づきがあった、という意見
- 成人しようが親子の関係は変わらないので、いざというときに相談してもらえる関係を維持できるよう、親は何をすべきかが課題と考えている。
- 今年19歳になった子がいるが、選挙権が早まったということ以外は成人年齢が引き下げられた実感はなかった。このアンケートをきっかけに、お金のトラブルについても親子で話し合い、注意して見守って行こうと思った。
その他
- 知的障害のある子どもにはもっと小さい頃から「成人とは」の教育が必要なのに急に成人を迎えてしまった。親としては成人になってからの生活や福祉の準備、勉強などゆっくり向き合う時間がもっと欲しかった。
- 保護者へのフォローアップを行うべき。そもそも、成年年齢引下げ自体を肯定的に受け止めていない。
調査結果
成年年齢引下げに関する保護者向けアンケート調査結果(PDF:283KB)
参考情報
成年年齢引下げに関する保護者向け特設サイトを開設しています。

https://www.pref.kanagawa.jp/osirase/0207/gua/