更新日:2023年4月27日

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充電式シェーバーの商品テスト

充電式シェーバーの充電中の温度変化について商品テストを実施しました。

 電気カミソリを充電していたら過熱し本体が溶けた、焦げたにおいがして熱くなっていた、という相談が寄せられたため、充電式シェーバーの使用時の温度上昇、充電中の状態や温度、また表示や取扱説明書について調べ、その結果を消費者へ情報提供します。

1 調査の概要

 
調査対象品 充電式シェーバー 8種類

 充電・交流式 6種類

 充電式2種類

調査内容

(1)通常使用時の温度上昇

日本工業規格JIS C 9335ー2-8:2017に基づき、10分間運転した時の 

シェーバー本体各部の温度の測定を行いました。

(2)充電時の異常の有無

日本工業規格JIS C 9335-2-8:2017附属書Bに準じて充電を行った際の

異常の有無を調べました。

併せて充電時の温度を測定しました。

(3)表示および取扱説明書

家庭用品品質表示法、電気用品安全法、電気用品安全法施行令に基づく表示

がなされているか、精査をしました。 

調査期間 平成31年1月から平成31年2月
検査機関 一般財団法人 日本文化用品安全試験所

 

2 調査結果

(1)検体

表1 検体の種類
検体 電源方式 充電池の種類 価格帯(円)
1 充電・交流式 ニッケル水素 5,000以上
2

充電式

ニカド 1,000~2,000
3 充電式 リチウムイオン 5,000以上
4 充電・交流式 リチウムイオン 5,000以上
5 充電・交流式 ニカド 1,000~2,000
6 充電・交流式 リチウムイオン 4,000~5,000
7 充電・交流式 ニカド 5,000以上
8 充電・交流式 リチウムイオン 3,000~4,000

 

(2)通常使用時の温度上昇
 付属の充電器を用いて満充電にした後、充電器を外して10分間運転をしました。刃と本体の温 度を測定し、限度値※との比較を行いました。

※限度値 環境温度より金属部分(刃)は+30℃、成形材料部分(本体)は+50℃と定められています。この試験は20℃の環境下で実施しているので、限度値は次の表のとおりです。

 

表3 通常使用時の温度上昇
検体 本体
測定値(℃) 限度値(℃) 判定 測定値(℃) 限度値(℃) 判定
1

27

50 22 70
2 25 50 22 70
3 30 50 23 70
4 27 50 23 70
5 26 50 22 70
6 32 50

23 70
7 29 50 22 70
8 30 50 25 70
  • すべての検体で温度上昇は限度値以下でした。

 

(3)充電時の異常の有無

 充電をしているときの異常の有無とその温度を測定しました。

表3 充電時の異常の有無

検体 本体温度(℃) 充電器温度(℃) 充電時間(時間) 状態
1 29 31 1 1時間以内で充電は完了し、その後各部の温度変化は見られなかった。
2 26 32 8 8時間程度で満充電状態となるが、「ランプ」は消灯せず、その後も充電を継続して温度変化は見られなかった。
3 30 33 1 1時間程度で充電は完了し、その後各部の温度は下がるが、約3時間おきに少量の充電を繰り返した。
4 26 32 1 1時間程度で充電は完了し、その後各部の温度変化は見られなかった。
5 25 23 8 8時間程度で満充電状態となるが、「ランプ」は消灯せず、その後も充電を継続して温度変化は見られなかった。
6 22 25 8 3時間程度で受電は完了し、その後各部の温度変化は見られなかった。
7 26 29 5 3時間程度で満充電状態となるが、「ランプ」は消灯せず、その後も充電を継続して温度変化は見られなかった。
8 25 36 2 2時間以内で充電は完了し、その後各部の温度変化は見られなかった。
  • 検体6では、取扱い説明書には充電時間8時間と記載されていたが、半分以下の時間で充電が完了しました。
  • 検体2、5、7は充電が完了した後も充電中であることを示す「ランプ」は消灯せず、充電動作を続けましたが、これは取扱説明書に記載されているので、異常な動作ではありません。

 

(4)表示及び取扱説明書

 家庭用品寝室表示法、電気製品安全法、電気用品安全法施行令に基づく表示がされているか調べました。

 

  • すべての検体について概ね記載がありました。

 

3 まとめ

  • 今回の調査結果から、電源様式、充電池の種類、価格によって、通常使用時の温度上昇には差異はなく、限度値を大きく下回りました。
  • 充電時の温度上昇、異常の有無についても電源様式、充電池の種類、価格によって差異は認められず、問題はありませんでした。

 

4 消費者へのアドバイス

  • 商品によっては、充電が完了した後も充電中であることを示すランプが消灯しないものもあります。
  • シェーバーには防水のもの、水洗いのできるもの、水洗いのできないものがあります。取扱説明書をよく読んで適切に使用してください。
  • 表示や取扱説明書には法令で定められた事項のほかにも消費者が商品を使用する際に参考になる情報が書かれていますので、よく読んで大切に保管しましょう。
  • 取扱い説明書には、廃棄する際の分解方法などの記載があるものもありますので、最後まで手元に置いて参考にしてください。
  • 今回の調査結果では、通常使用時および充電時に温度上昇の異常は見られませんでした。しかし、消費生活センターには、充電中に本体が高温となる旨の事故情報が寄せられています。充電中に、本体や充電器が高温になるなど異常を感じたら、すぐに使用を中止して、メーカーに相談してください。

消費生活相談は、消費者ホットライン188番をご利用ください

188

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