ホーム > 電子県庁・県政運営・県勢 > 県政情報 > 総合計画 > 総合計画に関する審議会 > 第105回神奈川県総合計画審議会 審議結果

更新日:2018年8月27日

ここから本文です。

第105回神奈川県総合計画審議会 審議結果

第105回神奈川県総合計画審議会の審議結果

次の審議会等を下記のとおり開催した。

 
審議会等名称 第105回神奈川県総合計画審議会
開催日時

平成24年3月26日(月曜日)15時00分から16時30分まで

開催場所 神奈川自治会館 3階 301会議室
出席者

小林重敬、○鈴木佑司、○藤原まり子、江口隆裕、大賀圭治、大久保一郎、金子勝、斎藤聖美、笹生悦子、角野てい子、野村芳広、林英樹、広瀬研吉、藤井繁子、丸山善弘、宮澤泰隆、服部信明、山口昇士、亀井たかつぐ、近藤大輔、根岸孝之〔計21名〕(順不同)(◎会長、○副会長)

次回開催予定日 未定
問い合わせ先

所属名 政策局政策調整部総合政策課、担当者名 新井

電話番号 045-210-3061(直通)

ファックス番号 045-210-8819

審議経過

(事務局が委員数30名に対し、この時点で21名の出席を確認し、半数を超えるため、審議会が成立する旨発言。)

1 開会

 小林会長:それでは、これから第105回神奈川県総合計画審議会を開会いたします。最初に、 新任役員の紹介でございます。推薦団体の役員の改選に伴いまして、今回、この審議会に初めて出席される委員のご紹介をさせていただきます。恐れ入りますが、紹介された方はご起立願います。宮澤泰隆委員でございます。山口昇士委員でございます。

2 議事

議題 新たな総合計画の策定等について

 小林会長:それでは議事に入らせていただきます。本日の議題は「新たな総合計画の策定等について」でございます。

「かながわグランドデザイン」の基本構想及び実施計画の素案につきましては、前回、11月24日でございますが、前回の当審議会におきまして、非常に熱心なご討議をいただいたところです。

その後、県議会や県民の皆様、市町村などから広くご意見をいただき、「基本構想」及び「実施計画」の案をとりまとめ、1月26日に開催されました計画策定専門部会でご議論をいただいた後、委員の皆様から書面協議という形でご同意をいただいた上で、県議会の審議を経て、過日、3月23日になりますが、基本構想については県議会のご議決をいただいたところです。

本日は、基本構想及び実施計画の案を最終的にご審議いただくとともに、3月29日に予定しております知事への「答申」の案をご審議いただきたいと存じます。

それでは、早速、審議に入らせていただきます。本日の議題につきましては、事前に私と鈴木部会長で案を検討させていただいておりますので、まず、鈴木部会長から内容についてご報告いただきたいと思います。よろしくお願いします。

 鈴木副会長:鈴木でございます。最初に私の方から、これまでの経緯について、簡単に説明させていただいた後に、事務局から資料を基に説明させていただきます。

当審議会は昨年の9月13日に開催されました審議会で、東日本大震災等を踏まえた「基本構想」の必要な見直し、プロジェクトを中心とした新たな「実施計画」の策定、この二つについて、知事から諮問を受けまして、審議会及び計画策定部会で、それぞれ3回ずつ審議してまいりました。その間、パブリックコメント等々、対話の場、その他、県民や団体、市町村からご意見を伺い、2度の県議会での審議もいただき、基本構想につきましては、条例に基づいて、先週末に、議決をいただいたところです。

さて、こうした経緯を経て、このたびお手元に配らせていただきました、「かながわグランドデザイン 基本構想(案)」と「かながわグランドデザイン 実施計画(案)」を、諮問に対する「答申」の案という形でまとめましたので、本日は、この答申に向けた議論を行いたいと思います。資料の内容については、事務局の方から説明していただき、その後、部会でどのような議論があったかについてご説明させていただくことにしたいと思います。

(資料1から3・参考資料1から2に基づき、計画案の修正内容について事務局説明)

 鈴木副会長:少し私の方からポイントを絞って、ご説明させていただきます。

まず、資料1「かながわグランドデザイン 基本構想(案)」については、既にこの場で何度も審議いただき、了解をいただいております。根本的な点での修正は特段ありません。資料2「かながわグランドデザイン 実施計画 プロジェクト編(案)」と資料3「かながわグランドデザイン 実施計画 主要施策・計画推進編(案)」ですが、県議会、パブリックコメント、部会などで、一番ご意見をいただいたのが、「実施計画」の数値目標に関することでしたので、この点について、ご説明させていただきます。

資料2の14ページと資料3の68ページをあわせてご覧いただきますと、比較的分かりやすいと思います。

まず最初に、資料2の14ページの5「犯罪や事故のない安全で安心なまちづくり」では、三つの具体的な取組みがあります。この読み方ですが、「犯罪などの起きにくい環境づくり」をご覧いただきますと、県のみならず市町村、あるいは民間という、様々な主体をどのように組み合わせてやっていくか、お分かりいただけると思いますし、2012から2014年までの3年間で、どのような内容にどう取り組むかを書いています。

そして、資料3の68ページの5「犯罪や事故のない安全で安心なまちづくり」では、2011年度に22.3%という県民意識を数値目標に設定しております。これは、県民の皆様がどのように思っていらっしゃるかという、体感指標を掲げています。県が設定する数値目標を、県自身が一次評価を行い、県民の皆様や県議会の皆様に客観的に二次評価していただけるようにするということは、日本では三重県から始まりました。もちろん三重県はイギリスにおけるブレア政権のやり方を導入したものでした。しかし、多くの都道府県では良い評価結果を得ようとするために、目標値を低めに設定する傾向に変わってきています。良い成績を上げることに全力を上げてしまうことがあり、本質的な行政の役割が果たせなくなるため、目標設定をやめてしまったというケースも多くありますが、神奈川の場合はこれを続けている、極めておもしろいケースです。

さて、数値目標について、前回から修正した点については、アンダーラインを引いています。これは、計画全体を分かりやすいものにという知事の意向もあり、より分かりやすい説明としたものです。この目標設定については、県民ニーズ調査における主観的な意識を目標にすると客観的評価にならないのではないか、体感指標は数値目標なのか、という疑問を多くいただきました。この点について、これまでは、「検挙率」や「刑法犯の認知件数」という数値目標を設定してきました。検挙率については、2002年(平成14年)には19.2%という、戦後でも最も低い検挙率になっており、これを数値目標に設定してどうするんだという意見もありました。また、犯罪認知件数については現在、平成14年の約半分にまで減っており、数値上の治安はかなり改善されています。それにも関わらず、県民の皆様の認識という点では、22.3%という低い水準にあります。これを県民の皆様の要望に応える安全・安心を提供する役割として、県民の安心感を上げていく努力をすることは県にとって大変重要ですので、県民ニーズ調査の「犯罪や交通事故がなく安全で安心して暮らせること」に関する県民意識(満足度)を数値目標にいたしました。

満足度調査というのは、色々な国の幸福度調査なども出ており、行政の重要な役割になってきていますが、私どもとしては、客観的な事実というものを忘れることなく、同時に目標レベルについて100点をとりやすい安易な方向にもっていかないような工夫をいたしました。また、数値目標というのはそもそも難しいものですので、今回は、どういう政策的効果をねらっているかを文章で分かりやすく説明するよう工夫しています。「実施計画」については以上です。

次に、資料4をご覧ください。本日、皆様方に主としてご意見をいただきたいのが、この答申案です。昨年の9月13日、東日本大震災が起こって半年というタイミングで、諮問をいただきました。この間、計画の案は様々な形で修正され、本日、最終案をお示しすることになりました。そこで、会長とご相談して、審議会としての答申案をまとめました。

まず、一点目「計画の評価」ですが、三つに分けて、記載させていただきました。

まず、「基本構想について」は、東日本大震災等の影響を勘案して、必要な修正をほどこしています。それぞれ、いただいたコメントへの対応を示し、既にお示ししたとおり、皆様方の了解を得ておりますので、これで適切だと考えます。また、震災以降に「いのち輝くマグネットかながわを実現したい」という知事のご意向が基本理念として、めざす方向性が明確に示されておりますし、2章で政策の基本方向として「エネルギー政策の転換」や「災害対策の強化」などの視点を加えることにより、社会環境の変化への対応が的確に図られております。

次に、「実施計画について」ですが、「プロジェクト編」と「主要施策・計画推進編」の2冊に分けて、分かりやすくいたしました。また、前回の審議会でも部会でも随分議論になりましたが、「神奈川の将来像」に掲げられた「神奈川モデル」について、どのような取組みを具体的に進めていくのか、6つの柱ごとに説明することとしております。

最後に、「計画の策定手続きについて」ですが、骨子、素案の各段階において県民参加や市町村との意見交換を行ったほか、知恵袋会議や対話の広場などでの意見聴取も行い、提案された意見等をできる限り計画に反映させるなど、計画づくりが適切に行われたものと思います。

次に、「計画の推進に当たっての留意事項」についても、三つに分けて記載させていただきました。まず、「社会環境の変化への柔軟な対応」でございますが、20数年に渡る超長期の計画の一環として当然考えなければならない状況の変化に柔軟に対応していくことは、とても大事なことです。神奈川の人口も、今後、超高齢社会に移行するということが展望されますので、今から適切な対応を図ることが求められていることから、幅広い視点から様々な分析を行う必要があり、これに関する対応が示されています。

次に、「計画の適切な進行管理」ですが、計画を着実に推進し、進行管理を行っていくためには、数値目標の達成状況をお見せするほか、統計データなどを活用して、総合的な政策評価を行うような分かりやすさが必要です。それが「政策のマネジメント・サイクル」であり、このサイクルを計画の進行管理に組み込みました。

最後に、「横断的な対応と連携の推進」ですが、計画の推進に当たっては、部局間の分野横断的な対応はもとより、県民、NPO、企業、団体、市町村などとの連携をどのように図るのかが、当審議会や部会でも大変議論になりました。そこで、答申文に入れさせていただきました。

やや長くなりましたが、私どもの説明は以上です。

 小林会長:ありがとうございました。冒頭にも申し上げましたように、今日審議いただくのは、基本構想及び実施計画の案でございますが、特に、部会長からご説明ございましたように、我々審議会として、このような基本構想、さらに実施計画を議論し、まとめたことを県知事に答申する案を資料4にまとめさせていただいております。審議会としては、こういう立場で、この計画案をこう考え、知事に答申としてお出しするという文章を示させていただきましたので、特に、この内容についてご審議いただければ有り難いと思っています。当然、それ以外の実施計画などについてもご意見があればいただきたいと思います。

 藤井委員:各論で申し訳ないのですが、資料3の主要施策・計画推進編の68ページにある、4の「大規模災害などに備える災害対応力の強化」ですが、耐震化された木造住宅の戸数ということで、下線が引いてあるところで「住宅の耐震化率を90%にする」とありますが、これは新築住宅ではなくて、既存の木造住宅を90%にするということなのでしょうか。

 藤澤総合政策課長:既存の住宅と新規の住宅を含んでいます。昭和56年の建築基準法の改正により、新規に建てられる住宅は耐震化の基準を獲得しているので、既存住宅が建て替えなどにより更新されるものを含めて、90%以上を耐震化していきます。

 藤井委員:7,200戸で何パーセントになるのでしょうか。

 藤澤総合政策課長:この3年間で7,200戸を支援することで、基本的には90%をめざしていきます。新しく建てられる住宅と既存の住宅で建て替えられるものは耐震化の基準を獲得するので、それ以外の既存の住宅の中で、県の支援を受けるものと受けなくても自主的に対応される分を分析して、3年間で7,200戸を対応していくことによって、90%に向けた道筋ができるという計算になっています。

 藤井委員:目標のところに90%というのが強調されているので、「うちの家が耐震化されていないのはすごくまれなんだ」という誤解が生じると思いました。例えば、現状の1,637戸は何パーセントが達成されていて、目標値が90%ということなら分かりますが、戸数で目標値が定められているのに、アピールが90%と言っているのはどうなのでしょうか。それから、実際の自分の周りを見ても、耐震化改修されたところは殆どないので、現状と合わない気がしました。

 藤澤総合政策課長:今回、県議会のご指摘を踏まえて記載の修正を行いました。素案では目標設定の理由を3行程度で簡潔に記述していたのですが、分かりにくいというご意見をいただきました。また、事業もハード事業であったり、ソフト事業であったり、様々な事業があるため、目標設定の内容や目標の水準も若干異なってきます。そこで、三つの視点で記述を見直しました。一つ目として、国や県の計画で将来方向が定められているものについては、その将来方向を書いていこう、という修正を行いました。二つ目として、これまでの実績を踏まえてステップを踏んで計画目標を定めていくものについては、これまでの実績を記載しました。三つ目として、新たな取組みなどについては、具体的に対応する事業の内容を記述しました。こうした視点で記載を充実しました。

ご指摘いただきました耐震化の目標については、国や県の計画で90%の耐震化をめざすという計画がございますので、その記述を加えました。7,200戸の意味合いを細かく書き込みますと、記述が大変長くなってしまうため、このような記載をさせていただきました。

 川﨑政策調整部長:中央防災会議で木造建築住宅については、90%をめざすとなっています。県の現状では、2010年の実績は1,637戸となっており、これまでの財政力の問題や計画ベースの話もあるため、確実に1,600戸ずつ増やすことを3年間でやっていき、限りなく90%に近づけていくという数値目標を立てたところです。

 藤井委員:何年ごろに90%をめざしてとか記載してあると分かりやすかったのですが。

 小林会長:そこはなかなか悩ましいんですよ、きっと、旧耐震の戸数が結構あるんですよ。県としてこれだけ施策をやっても、おそらく、私は90%は難しいと思います。表現しにくいので、このような表現になっているのだと思っています。

 藤井委員:私は90%とすることをめざすと書いてあるので逆にびっくりして、非現実的な数字が書いてあると思ったんです。

 藤澤総合政策課長:ちなみに、平成17年の実績は74%となっております。10年後の平成27年に向けて、全体で90%をめざすために、直さなければならないのが約4万戸となりますので、県が7,200戸支援し、残りの3万3千戸は、普及啓発で耐震化を促進して行こうと区分しています。

 小林会長:書き方ですよね。

 藤井委員:こう書いてあると何となく、みんなこれだけやっているのに、私の家だけやっていないのかと、現状で勘違いをするのではないかと思ったので。

 小林会長:少しこの辺は考えさせてください。県民に誤解を与えない記述で、的確にどう表現したら良いのかを。 

 広瀬委員:答申案についてですが、1「計画の評価」の(2)「実施計画について」ですが、この実施計画のプロジェクトには6つの柱を立て、非常に重要なよく要点を整理されていて、重要な柱になっていると思います。もし出来ましたら、この実施計画について、6つの柱を立てて位置づけたことに触れていただければ、より良くなるのではないかと思いました。

 小林会長:確かに、そうした方がメリハリがついて良いと思います。 

 服部委員:答申案ですが、1の(3)「計画の策定手続きについて」ですが、今回は大震災以降のいろんな大きな変化に、いかに県が対応していくかが大きな柱としてあって、短期間の中で計画を取りまとめなければならないという、大きな制約があったことは間違いないと思いますが、一方で、先程から話があるように、非常に短い期間で、ここまで取りまとめをしたということで、いろいろ県民に対して意見をいただく場面や、市町村に対しても照会をいただきました。ある面、県の総合計画が、これだけの短期間の中で大幅な見直しを含めて行うことは、若干の課題があったんだろうと、委員の皆様が共通してお感じになっていると思います。そういう意味で、今は、「計画づくりが適切に行われたものと考えます」と、プロセスのところだけ書いてありますが、何か私達もそこの部分では課題を抱えていると、次の見直しなり、策定の時には、やはり一定の時間を確保しながら、県民が参加をし、より広範な今までやってきたことの検証があって、次の策定に当たるべきだというようなことが、雰囲気として伝わるような内容を少し織り交ぜたほうが、いいのかなと感じております。これが、これからの検討の中で、可能性があればということで、受け止めていただければと思います。

 小林会長:ありがとうございます。例えば「今回、大変市町村、県民にご努力いただいた」とか、「多大なご努力をいただいた」とかの表現に言い換えて、ニュアンスが伝わるように書き換えるということですね。ありがとうございました。

 丸山委員:この答申案の関係で、特に「計画の推進に当たっての留意事項」の関係で意見を述べたいと思います。たいへん短期間で、たくさんのご意見をいただきながらまとめていただいたということと、それから作り方のところも、ずいぶん工夫されて、思いきって変えていただいたことについては、大変ありがたいなと思います。それから、先ほどもお話がありましたとおり、短期間でまとめたということでありますので、PDCAを回すときの来年の見直しについては、より丁寧にやっていく必要があるということと、あわせて、この計画を作るに当たっての前提として、やはり東日本大震災をどういうふうに受け止めるのかというのがあったと思います。そういった点で言いますと、例えば、皆さんご承知のとおり、県内でもそうでしたけれども、被災地では、避難所や仮設住宅でも、いわゆる自主的な自治組織が早くできたところと、なかなかできなかったところでは、様相もずいぶん違ったと認識しています。そういう意味で、この「計画推進に当たっての留意事項」の(3)にも書いてありますけれども、やはり連携をしながら、色々な県民、NPO、企業、団体、市町村などと連携を深めるということと、あわせて、主体としての県民や団体の力というもの、言い換えれば「市民力」であったり、「自治力」であったり、そういうものをもっともっと連携しながら、力をつけ、発揮するような方向で取り組んでいくと申しましょうか、そういうことがとても大事だなというふうに思います。ですから、こういう書き方でもよいのですけれども、できれば「計画の推進に当たっての留意事項」の次の行のところに、続けてその辺の記述をしていただいて、一つの項目というよりも全体にかかわる中身として、ともにより住みやすい、胸を張って、どこよりも住みやすいような、そういう神奈川県づくりをするんだという感じで、全体にかかってくるテーマなんだというふうに表現した方がよいのではないかというのが意見です。

 小林会長:ありがとうございます。この神奈川県の総合計画は、常に県民の力というか、ほかにないような力を持っている県民がいる、そういう県だということをベースに議論してまいりました。そういう意味では、どんな問題に当たっても、常に県民の力が発揮できるような、そういう環境を作り出して計画を推進していく必要があるというような、例えば、頭書きをここに入れることも一案と考えられるのですが、その辺は事務局とも、あるいは部会長とも相談して、私どもで考えさせていただきたいと思います。

 角野委員:この計画全体を見て、基本構想は非常に考え方も良いし、立派にできていると思うのですが、それから波及して、私は医師会関係ですので、保健医療福祉というところに及びますが、実施計画を見ていくと、現場から考えると、例えば2014年、あるいはその辺で、全部ではないにしても、目標にするにしては、ある意味かけ離れているのではないかという印象が非常に強かったです。例えば、資料3の実施計画の主要施策・計画推進編の69ページに「病院などに勤務する看護職員の数」というのが出ておりますけれども、県もお分かりのように、看護職員の数は全国でワースト1なのです。ここで、2012年に62,400人の看護職員ですが、2014年、たった2年で1万人も増やすことを「目標とします」と書いてありますが、どう考えても、新設校ができるわけでもないし、養成校ができるわけでもありません。逆に言えば、養成校の予算まで減らしているようなこの状況の中で、2年で1万人増えますよというような書き方は、いくら目標にするといっても、現場から考えるとかけ離れ過ぎていないかということになります。実施計画ですから、少しは、実施に近づけることを目標に作るわけですから、かけ離れ過ぎているのはいかがかという印象を受けました。

 小林会長:その辺はどうですか、事務局の方で。

 藤澤総合政策課長:こちらにつきましては、記載されておりますように、県の看護職員の育成、確保に向けた計画が別にあるため、ここで数値を変更するわけにはまいりませんが、実際に私ども政策を進め評価を行う中で、この事業について、養成数もしくは確保数に満たない場合は、低い評価を受けることになります。そうしたPDCAサイクルの中で、次の展開を検討し、看護職員需給見通しの改定とも一定の整合を図っていくことになります。個別の計画がありますので、今回の計画としてはこのような数字を置かせていただいています。

 角野委員:非常によくそれは存じています。潜在看護師を減らそうとか、ナースセンターを活用しようとか、そちらの委員もさせていただいますのでよく分かっているのですが、それを分かった上で申し上げるのは、ここまで大きな数字を出さなくても、例えば3,000人でも4,000人でも5,000人でも、その辺を目標値としておけば、達成されるかもしれないと期待感が持てます。5,000人でも難しいと思うのですね、これは常勤数ですから。実施計画の中で、計画としてはきれいにできているのですけれども、現場から離れ過ぎているのではないか、難しかろうというふうに感じました。

 川﨑政策調整部長:常勤換算ということで、医療の現場は、最近、勤務態様に非常に多様性がある。非常勤もあれば嘱託もあれば臨任もあるということで、従来は実数で捉えた部分もあったのですけれども、実態がなかなか現れてこないだろうということで、常勤換算にして需給計画の見通しをしているという、そういう整合性を取っております。

 小林会長:よろしいですか、今のお答えで。先ほど部会長からお話がありましたように、よく数値目標というと、普通は低めに設定するんですね。これは逆に相当高めに設定しているわけで、そのことが逆に問題ではないかというご指摘ですよね。達成されないときは、評価がAからDのうちのDに格下げされて、それを担当している部局がそれなりの評価を受けるという数値でございますので、それはそういう扱いがされますので、おっしゃるような問題を抱えながら数値を入れたということは、逆に意味があると考えておりますが、よろしいでしょうか。

 斎藤委員:今、小林会長がおっしゃられたことを申し上げようと思っていました。社員に目標を出させても絶対確実に達成できる低いものしか出さなくて、いつもそれを高くさせるのに苦労しています。その逆というのは、非常にすばらしい計画を作ってくださったと改めて思っています。

 山口委員:この答申案の文面の感じ方ですが、例えば、計画の推進に当たっての留意事項、次の点に留意するよう求めますとして、(1)から(3)まであるが、結びの文言で、柔軟かつ迅速な政策展開を検討していく必要があります、次が、政策形成に生かしていく必要がありますと。これは、答申であるから、例えば、柔軟かつ迅速な政策展開を検討していただきたいとか、踏まえた幅広い視点から分析を行い、政策形成に生かしていただきたいとか、必要がありますという意思表示の部分であるから、されたいという様な言い方は、我々行政の言い方になるから、どうなのかという意味もあるが、必要がありますというのは、指摘はしているのでしょうが、答申のそれぞれの項目の文言、結びの文言としてはどうなのかと違和感があります。私の感じたことだけ言わせていただきました。

 鈴木副会長:今いただいた言葉は、大変力強い応援になります。インパクトのある表現を考えるというのが一点であるが、一方で、皆さん方の意見を正確に伝えるということにも大変苦労したところです。山口委員のご意見は力強いご意見、背中を押していただけるものなので、留意事項の記述について、少し、インパクトのある、それこそ「求める」という文章に改めることを検討させていただきます。

 金子委員:黒岩知事が打ち出している政策が、全部前に出て、印象的には非常に良いと思いましたが、細かい表現で、気になるところがありました。先程も出ましたが、何となく環境とかエネルギーを大事にするとか、多文化社会の対応で総力戦という第一次世界大戦を想像させるような表現で、少し馴染まないのではないかと。それから、肝心なところですが、スマートという意味が、コンセプト的に新しい意味をもっています。というのは、基本的に、再生可能エネルギー、その他の場合は、IT技術を駆使してコントロールして、エネルギーの不安定を無くし、効率化するという意味が含まれていると思います。ところが、エコタウンという指標のところに出てきたりしていて、エコタウンというのは随分前の話の気がします。例えば、資料2の9ページの最後にエコタウンの整備とありますが、もう少し最近は進んでいて、スマートタウンとかスマートシティとか、そういう表現になっていると思います。街ごとがエネルギーを自給できるイメージ、そういう分譲住宅があちこちにできているので、何となく、エネルギーを地産地消するエコタウンというのは引っかかります。次は、スマートファクトリーとでてきます。全体としてスマート、賢いという、スマートエネルギー構想となっていて、ここだけ、何となくレトロな感じがします。不思議な感じの表現という気がしました。

それから、産業でエネルギー関連産業という括りがありますが、これは非常に狭いイメージになって、エネルギー環境関連産業というふうにした方が良いかと思います。というのは、太陽光電池やメガソーラーをあちこちで、黒岩知事が一生懸命やっています。そういうイメージが強いが、例えば、空調メーカーでも、基本的に省電、節電をするために空調の温度を整えているような機能を付けるなどエネルギー環境関連と言えるし、蓄電池メーカーもそうですし、東京とか品川に立地しているIT関連の企業であってもそういう企業に入りますし、建築系でも従来型ではなくて、スマートハウスを基本的に提供して、エネルギーを自給したり、内装メーカーでも、断熱材、断熱シートを開発してますから、実は幅広い範囲で、トータルに創エネや省エネがあります。エネルギー関連産業については、太陽光ばっかりいっていますけど、もう少し、幅広いコンセプトにした方が、時代にあっているのではないかと思う。環境エネルギー関連産業とか幅広い方がいいのではないかと思います。

それから、津波避難施設数の数値目標について、東海及び東南海などの連動地震も否定できない中で、地形的に津波の高さはバラけるわけですよね。津波避難施設というと海浜公園に高い避難ビルを建てるとか、そういうイメージに思えてしますので、誘導とか避難路とか、もう少し、関連するお金がかからない避難対策を、目標値に含めたほうがよいのではないか。賛成する意味で表現を豊かにするほうがイメージも伝わりやすいのではないでしょうか。

 鈴木副会長:先ほど事務局の説明がありましたように、「総力戦」については、非常に長い時間をかけて適切な表現に変えています。「総力戦」という戦争用語を使わないで、趣旨を生かす、という表現をさんざん事務局と議論して、工夫して使わせてもらっています。二点目のスマートエネルギーをもう少し広い意味で使うべきで、環境とのリンケージをはっきりさせるということは、その通りです。今回、これが長期計画の策定において緊急度が高いと、知事からの要望の強かったということもありまして、確実に実施できる方向性をここで出しておかないといけない、という制約もありました。

エコタウンについては、スマートタウンにするとスマートエネルギー構想に収まりにくいということもあって、表現の工夫をしたところです。少し考える余地が残っているかなとも思いますし、次の人達にもう少しそこはリンクするように申し上げたいです。

 藤澤総合政策課長:一点目のご意見については、県有地を活用して先端的な住宅開発を促進していこうという計画であり、総合計画中でエコタウンとして示しておりますが、めざすべきところは、委員のおっしゃったスマートタウン、スマートシティと同じものとご理解いただければと思います。二点目のエネルギーにつきましては、エネルギー関連として、省エネ、総エネ、蓄エネ全てを含んだ形で示しておりますので、例えば建材などの開発についてもこれに帰するものであれば含まれております。三点目の避難対策についての数値目標についてですが、3の「津波被害を軽減する対策の強化」には構成事業が三つあり、三番目が「津波避難情報の提供・伝達の充実」となっております。先の震災においても、6割の人が直ぐに避難をしたということもあり、意識を高めてもらうことが重要という視点で数値目標を設定し、意識の啓発を図ってまいりたいということです。

 野村委員:一点は、町村会の山口さんの方からもございましたので、そのときご回答いただきましたので、よろしくお願いしたいと思います。それから計画推進に当たっての留意事項のところを見たのですが、高齢化社会と人口問題を踏まえた上で、この計画というのは成り立っていると僕はそう思ってます。あえて、これをまたここに入れるのかなと。わざわざ「2010年国勢調査の結果などを踏まえた幅広い視点から分析を行い」と書いてあるんですけど、この計画自体はその点も踏まえてできているものだと理解していたのですが、なぜあえて触れているのかなというのが疑問です。それと(2)の「計画の適切な進行管理」は、これ毎年単年度の結果を踏まえてローリングしてということを言っていることだろうと思いますけれども、「効率的・効果的な政策運営を行っていくよう」に求めると書いてありますが、ローリングで達成するのか、未達成なのかそれによってまた状況を変えていくんですけど、ここに効率的だとか効果的な政策運営というのはなじまないんじゃないかという気持ちもしてますけれども、この二点をお願いいたします。

 小林会長:恐らく最初のご指摘は、確かにそうかもしれませんね。むしろ表現としては、2010年国勢調査の結果などを踏まえ、幅広い視点から、分析を行っているので、その結果を政策形成に生かしていただきたいと、そういう表現の方がむしろ正確だ、というご意見だと思います。

 藤澤総合政策課長:ご指摘の点についてですけれども、実は現計画、今回の見直しも含めてですけれども、2005年の国勢調査の結果を踏まえて、人口推計を行っております。2010年の結果に基づく都道府県の推計はこれから出てくることになりますので、こうした状況の変化を踏まえているという趣旨です。二点目につきましては、効率的で効果的な運営については、手法も含めてしっかり見直していくという視点で記述しております。

 野村委員:効率的・効果的という部分でピンと来ないんですよね。ローリングをしますと。それでPDCAで回しますと。政策運営を行っていきますと。そういうことじゃないかと思いますが、効率的・効果的というと努力目標という感じもします。

 小林会長:おっしゃることはPDCAサイクルをしっかり回してくださいということをここではっきりうたう、そのことを表現するということに結果としては効率的・効果的な政策運営につながるわけです。我々の意見としては、こういう表現に留めておいた方がいいんじゃないかというご意見だと思いますが、少し考えさせてください。

 笹生委員:答申案の3番目ですが、横断的な対応と連携の推進ということで、「県民、NPO、企業、団体、市町村などと一層連携を深める努力をする必要があります」というところで、すべて含まれているということであると思うのですが、今回のグランドデザインに関しまして、これからの情報発信、広報活動が非常に重要になってくると思いますが、県民に周知する場面で、NPO、企業、団体、市町村など全員の力をもって、このプロジェクトを成功にもっていこうということで、ぜひこの情報発信、広報活動に力を入れていただきたいと思います。

 近藤委員:端的に申し上げたいと思います。答申案の「2 計画の推進に当たっての留意事項」ということで、私、市・町の総合計画の審議もやっているんですけれども、県において、プロジェクト事業費の概算が載っているというのは非常にいいなと思っております。ただし、要は事業費の3分の1以上が県債、借金に頼っているんですね。答申を出すに当たって、より県債に依存しないというか、無駄のない事業の進捗に努めるかどうか、財源のところでも一言申し添えてはいかがかなと意見を申し上げたいと思います。

 根岸委員:黒岩知事の肝いりの政策の数値目標がなければならないという話の中で、資料3にある数値を出したと思うのですが、資料2から見る、目的に対してどれがどの数値に当たるというのが少しわかりにくいんですよね。せっかく数値を出してもらっているのに、こちらの資料2の目標に対して資料3がどのように言っているのかということがぱっと見てどこがどう反映しているのかわかりにくいので、もう少しここの表現の記載方法を工夫していただければ、よりやさしいと言うか、この政策に対してどれだけの数値目標が示されているということが分かりやすい。表現の方法を工夫してもらえるとよいなということで一つ意見を述べさせてもらいます。

 亀井委員:一点質問させていただきたいのですが、この答申案の「計画の推進に当たっての留意事項」(1)の一番目の丸に「柔軟かつ迅速な政策展開を検討していく必要があります」とありますが、それに伴って資料3の67ページ「神奈川からのエネルギー政策の転換」ということで1、2と書かれていますが、例えば原子力発電所が今稼働数が微妙なところにきていて、なおかつ買電価格もこれから7月に決まるということもあります。どういうことが前提としてこれができているのかということをもう一度確認させていただきたいのです。それがどういう前提なのかによって、例えばクリーンエネルギーの種類も変わってくるでしょうし、PDCAサイクルのスピードも違ってくると思うのですけれど、それについてお聞きしたい。

 小林会長:先ほどの根岸委員と亀井委員のご意見は、つくりに関するご質問、ご意見ですので、事務局から、まず根岸委員の「数値目標とプロジェクトの中身がわかりにくい」というご意見に対してはいかがでしょうか。

 藤澤総合政策課長:数値目標については、当初それぞれのプロジェクトを象徴するような目標を一つ立てるという整理しました。今回、一つのプロジェクトごとに複数の目標設定を行うということにしましたが、必ずしも一つの構成事業に一つの目標が対応しているものではなく、あるいは一つの数値目標が複数の構成事業に関わってくるようなものもあります。このため、プロジェクトごとに代表的な、県民が成果を実感できるような数値目標を設定したとご理解いただければと思います。数値目標全体を通じて、プロジェクトごとに事業の内容ですとか、あるいは規模ですとか、それぞれ異なっておりまして、統一的な書きぶりは難しいものと考えております。

 根岸委員:それを察した上で意見をさせていただいたので、どこが一個って当てはまるというのは見ればわかるのですが、それを察した上でわかりにくいですよという意見なのです。

 小林会長:この数値目標というのは、私が部会長の時代に設定して、そのときは数値目標の項目自体非常に少なかったんです。今回は大変多くの数値目標を入れているのですが、それをプロジェクトに束ねていると、確かにわかりにくい部分が出てくるかとは思いますが。

 根岸委員:どこがどうというのは何となくわかりますけれども、それでもわかりにくい。

 鈴木副会長:これまでは資料2と資料3は1冊でしたので、ある面で言うとすっきりできていたのですけれども、分厚くなって読みにくいということもありまして、二つに分けて分かりやすさを前に出したということが一点あります。もう一つは、実はもっと難しいと言われるのは、主要施策とプロジェクトの関係の方が読みにくいのではないかということで、今回はこの主要施策とプロジェクトの関連性についての一覧表をつけさせていただきました。根岸委員がおっしゃった、二つに分けたことの良さとわかりにくさということの両方があるということは十分認識をしておりますが、これでお許しいただきたいのですが。もう一つ、亀井委員のご意見に対しては、実は、資料2の8ページを見ていただきたいのですが、エネルギー政策の転換についての、下の図でございます。この中に三つの原則をご覧いただくと、第一が「原子力発電に過度に依存しない」となっております。3年間について、どう縛りをかけるか、そこはどのように算定しているんだ、という点については、事務局の方から説明してもらいます。

 藤澤総合政策課長:数値目標で特に一番、象徴的なのは、1の「『かながわスマートエネルギー構想』の推進」の一番目の目標「県内の電力消費量に対する再生可能エネルギー等の導入などの割合」を2014年までに10%程度とするというものです。平成22年度に閣議決定された国のエネルギー基本計画では、2030年度までに概ね20%をめざすという形になっております。県のスマートエネルギー構想ではこれを2020年度までに、つまり10年前倒しして、20%を達成しようということで、中間年の2014年に10%程度をめざしていこう、という根拠になっております。

 川﨑政策調整部長:先ほど近藤委員からのご質問で、県債がかなり多いんじゃないか、3分の1を占めていると、これは借金のつながりということでお話があったと思いますが、基本的に78ページをご覧いただきますと、柱VIの「神奈川のポテンシャルを生かした活力創出」の一番下に、27の「活力と魅力あふれるまちづくりと交通ネットワークの充実」というプロジェクトがあります。基本的にはこのプロジェクトと、柱IIの4「大規模災害などに備える災害対応力の強化」のプロジェクトで、道路とか急傾斜地ですとか、あるいは河川の整備とかが対象になっています。これはいわゆる普通建設債で、7割が通常債で充当でき、例えば施設が仮に30年もつとして、30年で償還していくことになります。当該年度に借金しないでやるということ自体が、財政規律を逆に損なってしまいますので、この部分についてはルールどおりに入れています。赤字債などを無理して入れているという形ではなく、あくまでルールどおりだという理解でございます。

 近藤委員:負担を平準化するということは十分わかります。一つはやはり見通しとしても高齢化の形がありますし、それぞれ減退する中で、財政論というのを我々は考えてないわけじゃないよ、ということを申し上げたかったわけです。

3 閉会

 小林会長:ありがとうございました。予定の時間にきているのですが、よろしいでしょうか。答申案については、多くの意見をいただきましたので、ここでこういう形で修正しますということをお諮りすることは無理がございます。皆様の意見が議事録にも残っているのをしっかり把握しておりますので、皆様の意見をもとに、特に、資料4の答申案については、部会長と相談の上、修正させていただきます。修正については、私と部会長にご一任いただくという形にさせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。その他についてもご意見、しっかり承っておきますので、必要があるところについては、修正させていただきたいと思います。そういうことでよろしければ、審議自体はここで終了させていただいて、次の段階に移りたいと思います。具体的には3月29日に、先ほどいただいた意見については、文言を含めて内容を修正し、県知事に答申するということにさせていただきたいと思います。それでは審議会はこれで閉会させていただきます。

会議資料

 

このページに関するお問い合わせ先

このページの所管所属は政策局 政策部総合政策課です。