県及び政令市の過去に対応したダイオキシン類汚染事案
県及び政令市の過去に対応したダイオキシン類汚染事案
神奈川県では、これまでに実施したダイオキシン類調査において、環境基準を超過するなど、高い濃度が確認された地域においては、その後の経過を確認するための調査を実施しております。
また、環境影響がないことを確認した地域については調査を終了しており、これらの地域における過去の汚染事案などへの対応事例については、以下の事例名をクリックすることによりご覧いただけます。
事例
- 平成11年7~9月に日米政府が実施した在日米軍厚木海軍飛行場(厚木基地)内の大気調査で高濃度のダイオキシン類が検出された。
- 主な発生源である廃棄物焼却施設に排ガス処理施設を設置、稼働したところ大気中の濃度が低減した。
なお、当該廃棄物焼却施設は平成13年4月末に運転を停止した。
- 平成11年5月に「鶴見川多目的遊水地」の建設予定地から高濃度のPCBを含む異物混入土が発見された。
- 平成12年1月に国土交通省京浜河川事務所が「鶴見川多目的遊水地土壌処理技術検討会」を設立し、処理方法を検討した。検討結果を基に一時保管対策工事を行い、平成14年5月末に同対策を終了した。
- 土壌汚染対策法第14条に基づき指定の申請を行い、平成23年6月に形質変更時要届出区域に指定された。同年9月から平成25年10月まで高濃度汚染土の浄化処理を行った。
- 平成12年1月に川崎市が実施した調査で、矢上川橋の水質が環境基準値を超過した。
- 同年4月に矢上川及び渋川の4地点で再度調査を実施したところ、すべて環境基準を達成していた。
(・平成12年度にダイオキシン法に基づく常時監視調査が実施されてからは、環境基準を達成しており、国土交通省が矢上川橋で3年に1度の頻度で継続して調査を行っている。)
- 平成12年度に県が実施した調査で、妙見橋の水質が環境基準値を超過した。
- 平成13年に実施した汚染源究明調査で流入する雨水排水の影響が確認されたが、環境基準値を超過した
地点の浮遊物質の濃度が比較的高かったことなどから、浮遊物質の混入の影響によるものと推定された。
上流部には発生源となる特定施設を有する事業所は無く、汚染源の特定はできなかった。
- 平成15年度に相模原市が調査を実施し、環境基準を達成したことから調査を終了した。
- 平成12年度に県が実施した調査で、相模川に流入する雨水排水が環境基準値を超過した。
- 平成13年度に汚染源を確認する調査を実施したところ、汚染原因である事業所が特定された。当該事業所による対策の実施以降、水質は改善されたことから調査を終了した。
- 平成12年度に県が実施した調査で、金瀬川の酒匂川流入点の水質が環境基準値を超過した。
- 平成13年度に汚染源究明調査を実施したところ、金瀬川に流入する水路の底質が環境基準値を超過していることが判明し、水路管理者の小田原市が底質を除去した。除去後の平成14年度の調査でも水質及び底質が環境基準値を超過したため、周辺土壌の調査を実施したところ、比較的高濃度であったため、再度小田原市が底質を除去し、土地管理者の県も土壌についての対策を実施した。
- これらの対策により、平成15年度調査では全地点が環境基準を達成し、対策を終了した。
- 平成13年度に川崎市が実施した調査で、麻生区内の大気及び水質で環境基準値を超過した。
- 平成14年度に川崎市は対策本部、ダイオキシン類専門家会議及び国、県等で構成する連絡協議会を設置し、連携して対策に取り組んだ。発生源事業所の焼却炉の停止(平成14年6月)以降、周辺汚染の改善が進み、環境基準を達成したことから、平成15年12月に対策本部、ダイオキシン類専門家会議及び連絡協議会を解散した。
- 平成14年5月にキャンプ座間内のごみ焼却施設の排出ガスから日本の排出基準値を超過するダイオキシン類が検出されたとの報道を受け、在日米軍及び国に確認を要請したところ基準値を超過する排出が確認された。県で相模原市内の周辺大気調査を実施したところ、環境基準を達成していた。
- その後、ごみ焼却施設の改善工事が実施され、県と市による立入検査で改善を確認した。
- 平成15年度に周辺大気、土壌、地下水、河川水質及び底質の調査を実施したところ、すべての地点で環境基準を達成したことから調査を終了した。
- 平成14年度に県が実施した調査で、相模原市内の1地点の地下水(工業用水)が環境基準値を超過した。
- 追跡調査を実施したところ、地下水の環境基準値の超過は認められず、恒常的な汚染ではないことが確認されたが、環境基準値を超過した地点の浮遊物質の濃度が著しく高かったことなどから、浮遊物質の混入の影響によるものと推定された。また、周辺土壌、井戸及び河川(水質及び底質)についても調査を実施したところ、全地点で環境基準を達成していた。
- 平成15年度に相模原市が調査を実施し、環境基準を達成したことから調査を終了した。
- 相模原市上溝地先にある鳩川の改修工事予定地内の一部が、過去に焼却灰を埋設した処分場であったことから、県は平成15年度まで予定地内の表層土壌及び地下水、鳩川の水質及び底質、当該地区流域の地下水について環境調査を実施した。
- その結果、すべての地点で環境基準を達成していたが、埋設された焼却灰が工事に伴い周辺環境に影響を及ぼすことのないよう、平成16年3月に学識経験者も交えて「鳩川改修工事に係る技術検討委員会」を設置、当該委員会からの提言を受けて、平成18年度から改修工事を実施し、平成21年度までに対策が完了した。施工期間及び施工後、全地点で水質の環境基準を達成したため、平成21年度で調査を終了した。
- 県は、環境庁(現環境省)からの情報(在日米軍が実施した厚木基地隣接産業廃棄物処分場の土壌調査により高濃度のダイオキシンを検出)を受けて、平成13年2月に厚木基地に隣接する産業廃棄物処分場の表層土壌を調査したところ、環境基準値を超過するダイオキシン類濃度が確認された。
- 平成14年度に土壌汚染の範囲を特定し、平成15年度に土地所有者が土壌環境基準値超過部分の土壌を撤去する工事を行った。
- 工事完了後から平成17年度までの3年間継続調査を実施したが、環境基準を達成したことから調査を終了した。
- 平成12年に引地川支流に流入する稲荷雨水幹線で、高濃度のダイオキシン類汚染が見つかった。
- 廃棄物焼却施設に設置された排ガス洗浄施設の洗浄水が、誤って雨水管を通じて未処理のまま排出されたためであり、この件を踏まえ、平成13年度から引地川水系下流域及び周辺海域等において、水質及び底質の調査を実施した。
- 平成13年度から20年度までの調査では、調査結果は他の水域と比較しても特に問題となる状況ではなく、平成20年7月に汚染の原因であった廃棄物焼却施設の解体工事が完了したことから、平成20年度で調査を終了した。
- 平成13年末に藤沢市が実施した調査で、引地川支川の一色川に流入する雨水排水路の水質が環境基準値を超過した。その後、県が実施した発生源究明調査により、ダイオキシン法の規制対象外の事業所における銅部品の半田付け工程からダイオキシン類が発生していることを確認した。
- 平成14年以降、この事業所周辺の環境調査を実施してきたが、事業者が半田付け工程の削減及び原因物質の切替を行ったことにより、水質の環境基準を達成している状況が数年にわたって継続したことから、平成21年度で調査を終了した。