第24回施策調査専門委員会審議結果

掲載日:2015年4月1日

審議(会議)結果

次の審議会等を下記のとおり開催した。

審議会等名称

水源環境保全・再生かながわ県民会議 第24回施策調査専門委員会

開催日時

平成25年7月25日(木曜日)17時30分から19時30分

開催場所

横浜新都市ビル9階 市民フロアNo.3ルーム

出席者【委員長・副委員長等】

木平 勇吉【委員長】、淺枝 隆【副委員長】

天野 望、伊集 守直、田中 充、中村 道也

オブザーバー委員 坂井 マスミ、中村 洋介

次回開催予定日

未定

所属名、担当者名

水源環境保全課調整グループ、担当者名 高乘

電話番号 045-210-4352

掲載形式

  • 議事録

審議(会議)経過

議題1:森林モニタリング、河川モニタリングの平成24年度調査結果、平成25年度調査計画について

議題2:特別対策事業の平成24年度実績、25年度計画について

  • 自然環境保全センター 濵名研究企画部長から【資料1】により、環境科学センター 飯田主任研究員から【資料2】により、水源環境保全課 高乘副主幹から【資料3】により、議題1及び議題2に関して一括して資料説明。

(木平委員長)

 ありがとうございました。それでは、議題1及び議題2に関して一括して資料の説明がありましたので、質問も含め、ご意見をいただきたいと思います。

(田中委員)

 資料1の森林モニタリングに関する質問ですが、1点目は3ページの大洞沢の関係で、ページの下の方に林床の被覆度分布や樹冠開空度の分布図があり、そこに古いシカ柵の凡例がありますが、古いシカ柵と新しく設置した植生保護柵との関係はどのようになっているかということです。

 2点目は、大洞沢の結果について、植生保護柵を設置したことでシカの出入りがなくなり、それにより植生が回復してきた。そのことが、ページ中段にグラフで示されている対照流域の流量データから変化が読み取れると考えて良いのかどうか教えてください。

 3点目は、4ページの貝沢ですが、間伐をすることで植生がどのように回復してきたかの効果を見る場所ではないかと思いますが、資料中段にある流量の変化のグラフに関して、この図から結論としてどのような結果が読み取れるのか。まだまだ時間をかけないと分からないのか、あるいは降水量の変化と流量の変化、しみ出し方について対照流域で効果が上がっていると見て良いのでしょうか。

(自然環境保全センター)

 1点目の大洞沢の植生保護柵について、3ページ上段の平面図で、新しく設置した柵は実施流域3の全域を囲む形で作っております。ページ下段の分布図、古いシカ柵は過去に県有林で「県民手作りの森事業」を実施し、スギやヒノキを植栽した時の柵ですが、植栽した木が大きくなるのに伴い柵を一部撤去しています。紫色の線のところは残っている場所ですが、柵の下半分しか残っておらず、開放しているのと同じ状況です。壁状に流域の真中辺りだけ残っていて、尾根のところは撤去しております。過去には尾根から流域の中腹辺りまで囲っていましたが、現在は古いシカ柵は全体を囲っていません。こうした柵の影響も解析をしております。

 2点目の大洞沢の水流出の図で、昨年1年間の流出のグラフを載せていますが、まだこの段階で結論を出すのは早く、2~3年間かかると思います。欠測もなく現在のところ良いデータが取れていますので、このままデータを蓄積していけば、2~3年で柵の中の植生が回復した時には色々なことが分かってくると思います。

 3点目の貝沢の件ですが、流出のグラフはこの段階では判断が出来ません。流出のグラフは、水の流出した実態、日変化の量をグラフにしたものですが、様々な変化が入ったもので、雨の降雨だけではなく、植物の蒸散する量等色々な作用が入っており、分解して解析する必要もありますので、実態を示してはおりますが、詳細な解析はデータを蓄積した後になります。

(田中委員)

 流量変化のグラフを見ますと、上の棒グラフが降水量で、棒の長いところが雨が多く、流出量も多くなるということで、ほぼ同じ時期に流出量が多くなるのではないかと思いますが、流域1は多くなり方がやや少ない感じもしますがいかがでしょうか。

(自然環境保全センター)

 流域1は他の流域と比べて、比流量と言いますが、基底流量が多いということになりますが、これもまだ結論を出すには早くて、昨日も東京大学の鈴木先生と現場に行っておりますが、もう少し時間をかけて検討した方が良いとのご意見でした。比流量は流域面積の取り方等も影響してきますので、データを蓄積した段階で色々なことが分かってくると思います。

(田中委員)

 分かりました、もう少し時間がかかるということですね。

(中村委員)

 対照流域の資料1の3の表で、モニタリングのねらいが設定されており、実施予定が記載されていますが、ここだけでモニタリングを行っていくのか、先行する事業のモニタリングも反映されていくのかお聞きします。

(自然環境保全センター)

 この試験流域で対照流域の試験を行いますが、事業モニタリングと連動して行っていますので、水源の森林づくり事業の50地点のモニタリングなどとも連携しながら行っております。すでに先行している事業モニタリングの結果なども踏まえて、事業サイドとも連携しながら行っていきます。

(中村委員)

 対照流域調査の狭い地域のみでモニタリングを実施するよりは、すでに実施されている地域がありますので、そこのモニタリング結果を現在行っている流域に反映していく方が、高い精度が得られるのではないかと思います。

 次に資料3の1-9ページ、水源の森林づくり事業のモニタリングに開空度がありますが、何を基準として開空度の数値を望ましいとしているのでしょうか。これは元々木材生産をしていた時の、林業を行うための目安だったと思います。間伐をして質の高い木材を生産するための基準だったと思いますが、それを水源環境の質を高めるための数字として当てはめる必要があるのか。逆に、開空度が15か20%かは別にして、間伐したところでどのように植生が変化し、回復していくのか、そのモニタリング結果を基準にして、開空度を決めていく必要があると思います。先に開空度の基準を決めていますが、これが何故望ましいのか教えてください。

(木平委員長)

 今のお話は、1-9ページの上から5行目、20%以上が望ましいと記載されている部分のことですか。

(中村委員)

 そうです、何故望ましいのかが分かりにくいのです。木材生産の人工林の話であれば、数値としてそうした見方もあると思いますが、水源環境を高めていく時に開空度が望ましいというのは、事業を実施して、その結果に基づき開空度を設定していくものではないかと思います。何故望ましいかの理由が納得出来るものであればこれでも構いません。

(木平委員長)

 開空度と言うのは、林内の照度を一律、単純明快に表す指標です。

(中村委員)

 それは分かりますが、それが水源環境とどのように結び付くのか。20%にすると確実に植生が回復するのかどうか、植生が回復するには25%の開空度が必要ということになるかも知れません。

(自然環境保全センター)

 間伐の際、林業でもこの開空度の指標を使っていました。林内の明るさ、樹冠の明るさ、木の根元の明るさの目安を開空度とし、魚眼レンズで写真を撮って空の比率を取っているものです。

(中村委員)

 そのことは分かっていますが、それは元々人工林で木材生産をしている時の指標ではないでしょうか。

(自然環境保全センター)

 そうしたことにも使っていますが、魚眼レンズを使って写真を撮って、客観的にどれ位明るいか、暗いかを示している数字です。

(中村委員)

 それでは20%で植生が回復するということですね。

(自然環境保全センター)

 林内が真っ暗だと草が生えないと一般的に言われていて、明るさの目安として開空度を使っているということです。

(田中委員)

 中村委員の質問は、望ましい開空度が何故20%で、どのような観点から設定しているのか知りたいということではないでしょうか。

(中村委員)

 明るさの指標だということは分かりますが、望ましいと記載してあるのは、水源環境整備や森林管理をしていく上で20%がベストなのですかということです。

(自然環境保全センター)

 下層植生を生やしてしていく上で、生えやすくなっているということで、特に林業的な意味合いはありません。

(中村委員)

 モニタリングの結果、下層植生の回復状況で20%という数字が出てきたのですか。

(自然環境保全センター)

 ここで20%と言っているのは、林業的な面など色々な部分を含めて、光改善を行う際、開くのには20%が望ましいとの一般論を書いています。

 中村委員が言われたように、水源環境としての林床植生を改善していくのにどの位が良いのかは、現在モニタリングしているところです。これがまだ2回目の5年目ですが、最初伐った時は20~25%でも、5年経ってしまうと開空度が縮まり下層植生が減ってきてしまうので、持続するのにはどれ位開空度を上げたら良いのかはモニタリングの最中です。水源環境として下層植生をどの位にしたら良いのかは、今後のモニタリング結果により検討していきます。

(木平委員長)

 水源環境から見た望ましい森林の姿は、この事業が始まって以来の課題ですが、上層部のヒノキ、スギの明るさの一つの測定値だと思います。

(中村委員)

 これは人工林の中だけの取扱いですか。

(自然環境保全センター)

 開空度については、広葉樹も全て対象に含めています。

(中村委員)

 広葉樹整備の現場を見ると、このパーセントという数値はなかなか当てはまらないと思います。例えばものすごく伐ってしまった場合、シカ管理も関わり、低木も一緒に整備してしまうと、いくら開空度が開いても下層植生は回復しません。

(自然環境保全センター)

 シカの影響については、施業だけを技術的に進めても改善しないところもありますし、除伐についても考え方を見直しているところです。水源環境としての下層植生の働きを行っていくのに、技術的に何パーセントの開空度を目指した間伐をしたら良いのか、技術検証の部分で行っていることもあります。今後、仮に20~25%の開空度で下層植生が安定して5年位残っているとの結論が出れば、施業技術として活かしていけると考えています。

(中村委員)

 事業者への指導をする際に、数字的な目安で指導材料として使うのは分かりますが、こうした事業に数字を使用するのはあまり納得出来ません。間伐材の搬出促進についても、目安として何立方メートルと出てきますが、先日の10ミリ位の大雨で水源税を投入していない流域の川は濁っていないのに、投入した流域の川は濁っている。数字がきちんと示すのであれば、本来、水源林としての質が高まるはずなのに逆になっています。数字を示すことが、山林所有者や事業実施者に逆手に取られている、実際に指導しているのであれば改善されるはずなのにされていない。私は数字を出しても、仕事をしている人に理解されているかどうか疑問です。

(自然環境保全センター)

 開空度について何パーセントが良いかということは、これからの話になります。施業する時は、開空度だけで施業基準を決める訳ではありませんので、森林の質や上層の状態、下木がどれ位あるかなどトータルで見て手法を決めていきますので、その中で開空度は一つの基準になります。開空度、言い換えれば間伐率に近いものになりますので、実際には森林を整備して効率的な成長を促す、下層植生を育てるためには、何パーセントの伐採が必要かといった目安です。

 あとは目安プラスその山の状態によって、実際の施業方法が決まってきます。これだけで決めるということではありませんので、ある程度の目安となります。

(中村委員)

 分かりました、結構です。

(木平委員長)

 間伐を実際にどのようにするか、タイミングが問題です。何もしない訳にはいかない。トライアルをしてデータを取り、様子をみる。これを何回か続けることにより水源環境に良い人工林の扱い、整備の方向性が少しずつ明らかになっていく。その時に必要なことは、データを出来るだけ出すことです。

 中村委員の言われるように、見ただけで山が分かる、技術が高い方や経験が豊富な方であれば分かりますが、それは全ての人には当てはまりませんので、全体についてそうあるべきだとするのはなかなか無理でトレーニングやデータが必要です。

 この事業が終わるまで理想的な森林整備の仕方の議論が続きますが、それは良いことで、悪いところを直していく。中村委員がおっしゃるように、開空度が全ての基準になる訳ではありません。

先程の降水量と流出量の関係ですが、降水量は林床に到達した雨量ですか、それとも天空の降雨量ですか。

(自然環境保全センター)

 林床ではなく、林の外の雨量です。

(木平委員長)

 空から降ってくる雨量と、林地に到達する雨量にはすごい差があります。林地では降った量の半分位しか到達しないところもあります。将来分析の時には、その点を考慮に入れるべきだと思いますがいかがですか。

(自然環境保全センター)

 両方の測定を行っている場所もあります。

(淺枝委員)

 資料2の3ページの川のスコアについて、この辺りはずっと定期的に調査されていると思いますが、改善傾向は示されていますか。

(環境科学センター)

 第1期の調査の結果に、今回の県民調査で得られたデータを載せたデータですので、未だ第1期のデータしかありませんので、25年度と26年度の結果を見ないと何とも言えない状況です。

(淺枝委員)

 昔はこのような調査ではありませんでしたよね。

(環境科学センター)

 はい、昔の調査は別の方法で行っていて、その際に出た結果をまとめて出していました。

(淺枝委員)

 これは新しい調査なので、続けていけばこれからの結果が出て分かりますが、昔の川の状況、この事業が始まる前に行っていた調査との比較が上手く出来ませんか。たしかに徐々に川はきれいになっていますよね。

(環境科学センター)

 今回は資料として出しておりませんが、第1期のまとめとして過去の調査を集約して経年的に見た分布図を出しており、それを見ると改善傾向にあることが明らかになっています。

(淺枝委員)

 県外上流域対策、山梨県との対策について、このプランでは少なくとも相模川のアオコに対しては一番大きくなっていますが、全リン濃度0.6mg/ℓの目標はいつ頃達成を予定している目標ですか。

(木平委員長)

 これは工事を竣工した直後ではないでしょうか。

(淺枝委員)

 これは、いつ頃の予定になりますか。

(水源環境保全課)

 24年度に実設計を行い、25年度は工事と試験運転、26年度から本格稼動の予定です。

(淺枝委員)

 基本的に生活排水対策としては、清流センターが中心になりますか。

(水源環境保全課)

 そうです。

(淺枝委員)

 清流センターだけで良いのでしょうか。もう少し何かあっても良いのではないでしょうか。

(木平委員長)

 これはあくまでも清流センターに入った水をどのようにするかということですね。山梨県の方では、必ずしもここに入らない水もありますよね。

(水源環境保全課)

 桂川全体と比べると放流水の量は非常に少なく、2%程度と思われます。残りの部分については、現時点ではこのようなことはしていません。

(淺枝委員)

 富士吉田市の排水のうち、どの位がこのプラントに入っていますか。富士吉田市は、結構人口密集地帯だと思いますが、大体のところで結構です。

(水源環境保全課)

 富士吉田市にも下水処理場がありまして、富士吉田市はそちらに入る方が多かったと思います。

(淺枝委員)

 あの辺りの下水処理がどこまで進むかということで、相模湖のアオコがどれだけ減らせるかということに非常に大きく関係してきます。相模湖に入るリンがどの位減るかということと上手くリンクさせて計画を立てると、リンの量によって相模湖のアオコに効いてきます。県民の方にも説明しやすいので上手く工夫されると良いと思います。

(木平委員長)

 山梨県でも森林環境税で同じようなことを行っていますが、その規模は極めて小さく、お金の配分も少ない。今荒れている森を整備しようということで、比較的木材生産に力点を置いているので、上から流れてくる水の浄化をこちらで考える場合、相当大きな負担がない限り効果が上がらない。清流センターで出ているものを部分的に直すことは、根本的な対策にはなりにくいと思います。

(水源環境保全課)

 富士吉田市にある下水処理場の処理水ですが、正確なデータが今はありませんが、富士吉田市の処理水から出るリンの濃度は少なく、PAC処理をした後位の数字が出ていますので、その処理水をPAC処理する意味はほとんどありません。

ただ、下水に接続している戸数が少ないので、実際に下水に接続していればきれいになりますが、多くの戸数が単独槽であったり、生活排水がそのまま桂川に入るというのが現状です。

(淺枝委員)

 そこが少し改善されれば、相模湖に入るリンの量に効いてくるので、そうすると相模湖のアオコに顕著に出ますので説明しやすくなります。

(水源環境保全課)

 平成9年のデータですが、山梨県から来る全リンの71%が面源、いわゆる森林や農地から来ていて、入るのが約30%となっています。その30%については山梨県でも下水道事業、合併浄化槽の事業を行っており、具体的な進捗状況は、平成15年度末に生排処理率44.1%だったものが、第1期の終わりの平成23年度末になると、58.8%、約60%近くの生排処理率になりました。あとは自然起源のものについてどうするかということかと思います。

(淺枝委員)

 流域総合計画の調査では、昔見積もっていた自然由来の量が少なくなっていて、人為的な量が多そうだということになってきています。逆に言えば上手く対応すれば、減らせる可能性が大きくなってきているのかなと思います。

(水源環境保全課)

 もし、人為的な部分が多いのであれば、そこに対策を取れば効果が出ることは間違いないと思います。

(木平委員長)

 山梨県で行う内容については、神奈川県と協議して事業計画を立てると聞いていますが、やはり山梨県に対する問題意識のPRをしない限り進まないと思います。山梨県民の方はそのような意識が少ないのではないでしょうか。県庁も無関心ではないですが、下流に対する意識が薄いと感じます。

(中村委員)

 神奈川県が上流域から恩恵を受けているといっても、神奈川県の税金を使う以上は、森林とか水源環境に対する問題意識を共有してもらわないと意味がないと思います。今回、山梨県も同じような制度を設けるのであれば、山梨県がどのような税の使い方をするのか。神奈川県民の税金まで使おうとしている時に、神奈川県以上に山梨県がその事業に積極的に取り組もうとしているのか。そこをきちんと見極めた上で県民の税金を使うべきだと思います。

 もう一つは、リンを処理してアオコだけ解決すればそれで良いのでしょうか。この制度が出来る前、地方税制の委員会の時に、相模湖はダムが古くて当時の環境庁が基準値を出す以前に様々なものがダムに堆積していて、今の科学技術をもってしても処理出来ないものがいくらでも堆積しているはずだとの話を聞きました。

相模湖や津久井湖の流域の方には申し訳ありませんが、上水と下水を分けてしまった方が良いのではないか。本当に質の良い水を県民に供給するのであれば、それが一番早いのではないかと聞きました。横浜市の水道局でも同様の話を聞きました。水の質について、将来の100~200年後を考えた時にはそのような考えがあっても良いと思います。

(天野委員)

 相模湖の水質を100%完璧なものに戻すことは難しいと考えています。相模湖や津久井湖の流域下水道をやって以降、湖の水質は良くなってきていますが、この位までを目標としましょうという科学的な目標値を作らないと、事業が終わった時に「これは失敗だ、税金の無駄遣いだったのではないか」ということになりかねない。水質と言う点では相模湖は関心が深いので、その辺りが気になります。

(木平委員長)

 相模湖の水質についての目標値というものが県にはありますか。

(水源環境保全課)

 環境基準を満たしているかどうかということとは別の目標ですか。

(天野委員)

 窒素・リンの数値がどの位とか現在の数値があるわけですが、それをゼロにすることは基本的に難しく、昭和22年から湛水が始まって、昭和47年に環境基準が定まるまでは水環境の考え方は全くなかった。流域に住んでいる方の生活は古典的で、川にものを流すものだと考えていた。それを取り返すことはほとんど不可能だと考えています。

(淺枝委員)

 環境基準はありますが、今の値はそれよりも全然高く、そこまで達成するのはとても無理です。何年後にどれ位近付けるかの議論がされている最中です。流域総合整備計画の結論が出るのはいつ頃でしょうか。

(中村委員)

 目標値があれば改善されている度合いも分かりますし、山梨県に対してもこの目標値を設定しているのでこの部分で協力してくださいと言いやすくなると思います。

(天野委員)

 水源環境保全税を使って広域的な浄化対策を行っていく以上、0.01でも0.001でも改善されましたよという何かがないといけない。相模湖の場合はそのようなものがあるならば出した方が良いと思います。

(木平委員長)

 山梨県との共同事業で一番関心があるのは、相模湖の水質改良です。数値目標をどのように設定出来るのかを考えて、来年度以降の山梨県との共同事業を検討していくという意見でよろしいですか。

(天野委員)

 私はその方が良いと思います。

(中村委員)

 渓畔林の事業そのものは積極的に進めてほしいと思いますが、流域のどこからどこまでを事業対象区域としているのか分かりにくいので、その点をはっきりさせてほしいと思います。

 もう一つは、渓畔林事業のモニタリングが5年に1度なのは仕方ないと思いますが、規模をもう少し拡大してほしいと思います。今の規模では狭すぎて、何をモニタリングしていくのか分かりにくい。5年に1度なら、なおのことモニタリングの指標が必要です。例えばブナ林や人工林であれば下層植生があると思いますが、そのようなものも含めて指標をおいて、5年後にどのような形になるのか、今の段階で捉えておく必要があるかと思います。

(自然環境保全センター)

 渓畔林整備事業については、渓畔林の整備は生物多様性等、通常の森林のサンプル整備よりも配慮しなければいけないことが多く、まだまだ渓畔域の整備の手法や技術が確立されていないので、モデル的に行っている事業です。

 このため、検証がなされれば私有林等にも広げていきたいということが事業目的としてあります。全体のスキームとしては、まずは県有林の統合再生流域のところでモデル的に行い、方向性が見えた段階でもっと広いエリアに広げていきたいと思います。範囲としては、一般的に言われている渓流から左右30メートルとなっていますが、林相によっては幅を広げたり、柔軟に行っていきたいと思っています。

 また、これまで一般の森林整備と同じようなモニタリングしか実施していませんでしたので、第2期から新たな視点を加えまして、内水面試験場にも協力いただいて水生生物の指標を加えたり、整備の結果水温とかリターの供給量も渓畔林に影響しますので、そうしたものも少しずつ加えていきたいと思います。

(中村委員)

 渓流であれば、特色のある植生も指標にしていただければと思います。

 もう一つは治山事業について、以前はコンクリートだけで行っていましたが、例えば大きな石を組んだり、太い木を残していくとか、流域の水の流れをただ単に抑えるだけでなく、周辺環境にも配慮してきた治山事業がこの10~15年進んできていますので、そうしたものも渓畔林事業の中に組み込んで一体化してほしいと思います。こちらが森林の事業、こちらが水源林の事業と分けずに、同じ地域で事業を行うのであれば一体として考えていくような事業の進め方をしていただきたい。

(自然環境保全センター)

 今の枠組みでは、既存事業として行っているもの以外で水源環境に直接効果があるものとの整理になっているので、水源税の対象としては入りませんが、渓畔域で行っている作業については一体的に考えていく必要があると思います。今のところ渓畔林整備と治山事業を行っている箇所が同時並行のところはありませんが、該当の箇所があればそのような方向性で行っていきたいと思います。

 

(木平委員長)

 中村委員のおっしゃるように、渓畔林整備は新しい概念だと思います。これまで渓畔林は渓流の管理、治山的な色彩が強かったと思いますが、これからは生物が生きている環境等、新しい基準や考え方が出て来ているので、そうしたものを取り込んだ事業が出来ると良いと思います。水温や日陰であるとか、水中環境や水中生物であるとか、そのようなことも測れるようになれば良いと思います。今のところ、たしかにそうした部分は弱いと思います。他の点について何かありますか。

 

(淺枝委員)

 空中写真について上手く活用されていますか。特に森林の航空写真であるとか。

 

(自然環境保全センター)

 森林の航空写真については、例えば5年に1回定期的に行うのがもっとも望ましいと思います。空中写真から撮った森林の一つの塊、ポリゴンの写真を処理し、どこにどれ位の森林があるか、全体的な量、樹種の把握をする際に活用しています。

 

(淺枝委員)

 それを上手く利用すれば視覚に訴える情報になりますので、県民の方に説明しやすくなると思います。

 

(自然環境保全センター)

 平成22、23年に水源エリアの写真を撮っていますので、その時点での状況、その前の状況等を連続して見せていければ良いと思います。上空から間伐した写真だけでは、質的な部分の土壌の流域や下層植生の状況等を見せるのは難しいので、そのような使い方も併せて全体的に分かりやすくお示し出来ればと思います。

 

(淺枝委員)

 航空写真は、県民の方にパッと見てもらって理解してもらうのに一番良い方法だと思います。

(木平委員長)

 こうした調査は必ずしも威力があるものではありませんが、上から見た場合、山のすき具合が良く分かりますから、啓発資料としての活用の可能性は高いと思います。

 

(自然環境保全センター)

 空中写真では林分単位で地図上で分けていまして、人工林だけですが、5年に1回手入れの状況や機能状況の調査をしており、その変化をGIS上で色分けしてお見せすることは可能です。

 

(淺枝委員)

 それを県民の方に見えるようにすると良いと思います。

 

(中村委員)

 間伐材搬出の目標数値が、なぜ水源整備の質に関わりを持っているのか未だに理解出来ません。間伐後の場所を本当にモニタリングしているのでしょうか。わずか10ミリの雨でも濁ってしまうような森林整備が、はたして健全な間伐施業なのかどうか。それはモニタリング以前の問題だと思います。

 木材生産が悪いとの趣旨ではありませんが、ここまで広がってしまった人工林を今後も全て維持していく必要はないと思います。公有林に関しては50年後に50%広葉樹にする方向が出ていますが、民有林も低標高地にある樽木も取れないような丸太があり、そのようなところにも水源環境税を出して間伐をしている。低標高地は、使いものにならないような木は全伐して水源税は使わない方が良い。税を出して立木を買い取るかたちで昔のクヌギやコナラの林に戻す。

 再造林が可能なところはお金を出して木材生産をして、次の木材生産のための林業管理をしていく。人工林の管理のあり方を見直す必要があると思います。低標高の施業地を見ますと、例えば秦野の財産区は、手入れは良いが残っている材木の質は良くありません。個人の財産だからといって、いつまでどこまで税を注ぎ込んでいくのか。あと4~5年経ったら協定協約は20年間面倒を見られなくなるので無理だと思います。税を使った人工林整備のあり方は考え直す必要があると思います。

 

(木平委員長)

 私もそのとおりだと思います。人工林の扱い、どこまでを木材生産の区域にするか。これまでの県の回答は、契約時の所有者の木材に対する意向があるので簡単にはいかないと聞いています。一方では、税金の使い方として、それを乗り越えなければいけないと思います。

 

(自然環境保全センター)

 県では平成18年に神奈川森林再生50年構想として、これまでの取組をまとめ、分かりやすい形で県民に示しています。その中で林道から近い200メートル位の所は、これまで木を植えて大きくなった人工林がありますので、木材を利用しながら間伐を行い、収益を上げていただく。そのようなことを目指して次の森林整備につなげていく。

 また、林道から遠い箇所は、林業的な取組で森林を良好な状態に保つことが難しいと思いますので、間伐を進めて混交林化し、比較的お金や手のかからない森林に仕立てていくといった、エリア的な考え方をしています。

中村委員のおっしゃった道から近い秦野の入口辺りは、材質が悪いとご指摘がありましたが、桂剥きにして合板材料とする使い方も出て来ています。柱より高くはありませんが、昔のように全てをチップにする使い方だけではなくなってきました。その辺は全て20年の協約で行っているものではなく、補助金の中で森林所有者が整備をしていきたいという所もありますので、そのように整備を進めているということで、全て県が水源税を注ぎ込んで行っているものではありません。道からの距離や森林の状況、所有者の意向を総合的に考えながら取り組んでいる状況です。

 

(中村委員)

 低標高域の木材全てが悪いと言っているのではありません。人工林をもう一度きちんと見直し、質の良い人工林であるとか、再造林が可能である所など、例えば南足柄の標高の低い所で平坦で造林して生産するまで安易な場所があると思います。そのような所であれば、少々質が悪くても再造林していく方向にすれば良い。

 しかし、道に近くてもそうでない所もある。人工林は全て一回見直し、生産する場所と元に戻す場所について、森林再生50年構想は考え方の目安ですので、離れていても良い場所もあり、近くても悪い場所もあるので、丹沢の森林を一度見直した方が良いと思います。

 

(木平委員長)

 今まで作成された資料は、費用が総額で出されており、林分毎の資料が見えない。山梨県のデータを見せてもらいましたが、林分毎の値段が出ているのでお金と成果の関係がよく見える。神奈川県のやり方は総量主義でなかなかピンと来ないところがあります。人工林の取扱いなど技術的な問題と同時に、お金の効果について常に考えていかなければならないと思います。

 

(中村委員)

 お金があるとどうしても一律的になってしまいますが、お金がなければより効果的な考え方をすると思います。間伐材の搬出促進事業は、水源環境整備事業とは少し質が違う気がします。

 

(天野委員)

 私は裏丹沢に住んでいまして、表丹沢は100ヘクタールなど大きな山を持っている方がいますが、裏の方に行くと大きな山は財産区しかありません。100ヘクタール持っている所有者は、もしかするともうからないからやめようと思っていたところ、税金が入ってきたので良かったと思っている人もいるのではないでしょうか。

 大規模所有者と小規模所有者を分けて、間伐をして補助金をもらう人と、小さい森林主に対しては水源税を使って整備し、水源かん養保安林として契約してもらうなど少し区別した方が良い。目的をはっきりさせて、内容を区別した方が良いと思います。

 

(木平委員長)

 間伐材については、技術的な面から出たのではなく、日本では間伐材がもったいないとの雰囲気があるから無理をして出していると思います。神奈川の場合は1万立方メートルの間伐材を出すのに数億のお金を出していますが、それは技術的に見てもおかしいし、経済的にも説明しづらいと思います。

 

(中村委員)

 税を使って所有者に代わって整備することには反対ではありません。整備することで森林は回復するし、野生動物の被害問題も軽減される方向にあると思うので、整備そのものに異論はありません。

 ただし、整備した材を確実に搬出することを、20年後までこのとおり確実にやっていくのか、目標数値をこういうところに出すのはあまり理解出来ません。間伐材搬出に税を出すのではなくて、林齢が50年生までの森林に関しては整備を目的にお金を出す、そのお金が搬出に回っても良いと思います。60~70年を超えると伐期齢になるので、所有者は伐らざるを得ない。伐った木材を流通できるシステムを行政が考えれば良い。出した木材が貯木場に野積になり下の木材から腐っていく。実際にその材がどこまで利用されているかは分かりませんよね。

 

(自然環境保全センター)

 間伐材搬出したものは利用しており、利用出来るものは利用しながら森林管理をしていくとの原則はあります。間伐材搬出で誤解があるといけないのは、搬出するところは自ら出来るところに搬出支援をすることによって、しっかりと管理してもらうことが大前提です。仮に県が管理した場合、搬出補助金程度のお金では、到底、管理、確保や整備は出来ません。

 自ら行うことに対しては少し後押しをする、出来ない部分、荒れた山は県が公的に管理し、水源の森林として整備していく。県が整備した上で、さらに間伐材搬出についても支援しているわけではありません。個人が出来るところは後押しをし、しっかりと管理してもらうとの考え方にはご理解をいただければと思います。

 

(中村委員)

 例えば質の悪い間伐材は、杭丸太にしかなりません。それを作るために間伐をしている。林齢の低い森林を間伐してそこにまわす、その部分に税が入ることは良いと思います。

 しかし、今の形ですと搬出の目標がありますから、大きな所有者は税をもらうために柱材を間伐材で出しているところがある。私はこうした制度のあり方は、やはりおかしいと思います。

 

(木平委員長)

 間伐の問題として、間伐の仕方、それから間伐材をどのようにするかということ、技術的な問題と経済的な問題を考えていかなければいけない、県に考えてほしいというのが委員会の評価です。伊集委員はいかがですか。

 

(伊集委員)

 前回、第1期5か年計画の中で、水源の森林づくり事業で前期の事業内容を前倒しで行っている箇所がありました。これは今回の事業では資料3の1-6ページになります。5か年計画合計額ですと67億となっていて、第1期分で第2期に予定していた事業を前倒して行っていると思いますが、ここに記載してある第2期5か年計画額は、前倒しした部分は除かれているのか、つまり当初の計画から変更した金額でしょうか。

 

(自然環境保全センター)

 67億4,900万円は第2期5か年計画上の数字です。平成23年度に第1期分で前倒しをして使う部分がありましたので、第2期の確保に関する測量や調査を先行して行ったものです。

 

(伊集委員)

 それは余裕があったので、第2期に予定されているものを行ったということですか。

 

(自然環境保全センター)

 整備そのものではなく、調査を先に実施しました。

 

(伊集委員)

 その場合、前倒した分は除いて5か年計画を作成したのでしょうか、それとも前倒した分を除いた後に第2期5か年計画を作成したのでしょうか。

 

(水源環境保全課)

 時点的には第2期5か年計画が作られた後の話になります。

 

(伊集委員)

 その場合は第2期で予定されていたものを一部前倒ししている訳ですね。中身としては、予定されていた額より少なくなっているので、その次に予定していたものを入れてあるのか、どの様な関係になっていますか。

 

(自然環境保全センター)

 1年前倒して予備調査を行っていますが、前倒した分は、本来第2期に行う部分のお金がそのまま残っていますので、第3期の部分が連動して前倒しすることになります。

 

(伊集委員)

 5年間行っていくなかで予定していた部分が第1期に移ったわけですね。額はそのままということなので、予定どおりにいけば余るかも知れないし、もっとお金がかかる部分が出てくるかも知れないということですね。

 

(水源環境保全課)

 はい、そうです。

 

(木平委員長)

 今日は県から出していただいた実績及び計画について、数量的なもの、技術的なものについて大体皆さん納得されたと思いますが、中身の部分で水源税をどの様に有効利用していくか等に関して多くの意見が出ましたので、それを25年度以降実行に移し、出来るだけ私達が出した意見の中で出来るものはやっていただきたいというのが、今日の委員会の意見ではないかと思います。最後になりますが、委員の皆さんから特に意見があればお願いします。

 

(中村委員)

 モニタリングについては、県の職員の方もぎりぎりの人員で仕事されていると思いますので、外部の会社を使ってでもきちんとやっていただきたいと思います。継続的なモニタリングは事業を進める上で、神奈川県民の理解を得る上で不可欠と思います。折角モニタリングの結果が出ていますので、毎年でなくても3年に1度位でも良いので、モニタリングを継続して事業の中に組み込んで欲しいと思います。

 

(木平委員長)

 モニタリングは手間やお金がかかりますので、重点的にモニタリングし、事業をやった後をしっかりと見ることだと思います。

 

(中村委員)

 事業でシカを獲っていて、シカが減ったか増えたかは、頭数を数えれば把握出来ます。しかし、シカを獲った結果、周辺の環境がどのように変わったかはモニタリングをしなければ出て来ないと思います。登山者が目の前でシカが殺されているところを見た時に納得出来るかどうか、それにはモニタリング結果がかなり大きな影響を持つと思います。多少経費がかかるとしても、実施していただきたいと思います。

 

(木平委員長)

 それでは、オブザーバーの方からご意見があればお願いします。

 

(坂井オブザーバー委員)

 間伐材搬出促進の話がありましたが、先日みなとみらいで開かれた神奈川家づくりフェアに行って、製材業や工務店の社長さん達とお話しました。県産材のブランド力は低いから富士山材のブランドで売ると言った工務店さんをどう思うかとか、少し予算を足すとこの部分に県産材が使えるといったプランの提案をしてみたらどうかと話しましたが、みなさんお仕事に忙しくて、県産材をどう売るかというところまでは、気が回っていないようでした。神奈川県は東部と西部では密接につながっていて、そこでとれる木だから意味があるという説明をすると、「林野庁的な説明しか出来なかったこれまでの見方は変えないといけないね」とおっしゃっていました。

 神奈川県の森林には神奈川県の事情があり、他県とは違うわけですから、そこに関わる仕事をされる方達には、ご自分の言葉で、なぜ神奈川県なのか、なぜ県産材なのかというメッセージを持っていただかなければ、将来はないと思います。

 

(中村洋介オブザーバー委員)

 坂井委員の言葉に加える形になりますが、私も県産材の購入の方法を知りません。このような立場にありながら、購入方法を知らないのは大きなことではないかと思います。中村道也委員もおっしゃっていましたが、県産材を使えば環境が変わるかも知れないと思います。県産材の宣伝方法の促進を考えなければならないと思いました。

 先日、気仙沼に行き「森は海の恋人」の著者の畠山さんにお会いし、お話を聞く機会がありましたが、資料を見ていると山と川が対象となっていますが、海がその終着点になります。委員を1年半関わってきて、海の漁業資源とのつながりはどのようになっているのか、海と山の森のつながりも知りたいと思いました。

土壌侵食の件ですが、自然の土壌侵食もある訳で、それを止めてしまうと海に栄養塩が行かなくなることもあると思うので、そうした点も検討していただけたらと思いました。

(木平委員長)

 ありがとうございました。それでは、これで本日の委員会を終了いたします。

【会議終了】

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会議資料

次第

資料1 対照流域法等による森林のモニタリング調査(H24実績・H25計画)

資料2 河川のモニタリング調査(平成24年度調査結果、25年度調査計画)

資料3 特別対策事業の平成24年度実績、25年度計画

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