第19回施策調査専門委員会審議結果

掲載日:2015年4月1日

審議(会議)結果

次の審議会等を下記のとおり開催した。

審議会等名称

水源環境保全・再生かながわ県民会議 第19回施策調査専門委員会

開催日時

平成24年3月21日(水曜日)9時30分から11時40分

開催場所

波止場会館4階 大会議室1

出席者【委員長・副委員長等】

田中 充【委員長】

淺枝 隆、天野 望、中村 道也

オブザーバー委員 新堀 豊彦

次回開催予定日

未定

所属名、担当者名

水源環境保全課調整グループ、担当者名 高乘

電話番号 045-210-4352

掲載形式

  • 議事録(議題2を除く)

審議(会議)経過

議題1:森林生態系評価について

  • 水源環境保全課高乘主査から【資料1-1、1-2】により説明。関連で【資料2-3】も説明。

(田中委員長)
これまでも森林関係についていろいろな調査をしてきております。それが、今ご説明いただいた森林モニタリングや人工林の整備状況調査、対照流域法です。それに加えて、今回の新しい取組ですが、施策調査専門委員会からも項目が必要だという意見が出て、こういう調査が位置付けられたわけです。森林生態系評価については、これまで行ってきた水源環境保全事業が、森林生態系を豊かにするような効果をあげているだろうかという問題設定をして、それについて解明していこう、把握をしてみようという試みです。
他の自治体や都府県ではあまりない取組なので、調査の手法や評価の視点も含めて、枠組みを整理した上で取り組んだ方が良いのではないかということで、昨年秋から施策調査専門委員会で意見交換して今日に至ったということです。
今日お示しした資料1-1が、平成24年度の出発点となる調査の考え方です。最終的にこのような形に整理してみたわけですが、委員の皆様からご意見をいただき、あるいは疑問点について確認していただいて、共通認識を持ちながら次年度に引き継いでいきたい、このような経過かと思います。それでは、どうぞ疑問点があればお願いします。

(新堀オブザーバー委員)
これを読んでいてびっくりしたのですが、資料2-3の2人工林の整備状況調査のところで、内容的に県内水源保全地域内の人工林、国有林を除く約4万2500箇所を踏査するということですが、これは出来るのですか。

(水源環境保全課)
これは既に行っております。

(新堀オブザーバー委員)
これは大変でしょう。国有林の方は手がつけられないわけですが、それは放っておいて良いのでしょうか。国有林の方も問題はないのでしょうか。

(水源環境保全課)
それはあるかも知れませんが、県で対応するには難しい面があります。

(新堀オブザーバー委員)
ただ、国有林事務所に対して、どうなっているか状況を聞くことは可能ですよね。こちらから手を出してやるわけにはいかないでしょうけれども、実際、国有林は相当ありますからね。それがきちんとしなければ、こちらだけやっても意味がない。間接的にでも国有林の事情をよく聞いておく必要があるのではないでしょうか。

(自然環境保全センター)
国有林との関係につきましては、国有林も1万ヘクタールぐらいを占めておりますので、国有林の整備はいろいろな影響に関わってきますから、国有林に対しても県と同じような、水源の森林づくり事業と同じように、連動した形でやっていただけないかということで、森林再生課の方で毎年、国有林との連絡調整会議を設けています。その中で県と全く同じようなことは出来ないわけですが、少しでも協力していただく形でやっております。
丹沢大山につきましても、年2回ぐらい国有林とやりとりをして、例えばシカの植生保護柵などは国有林内にも設置させていただいたり、ブナの再生についても国有林内でやらせていただくなど、出来ることから連携は取らせていただいております。
ですから、全く連絡調整を取らないというよりは、県の事業にも理解をいただいて、やれることからやっているという状況です。

(田中委員長)
人工林の整備状況調査は、5年に1回かなり大規模に一斉調査でやっておりまして、次回は平成26年度になるのですか。

(水源環境保全課)
はい。

(田中委員長)
2年、3年先にはまた実施するということになりますね。

(新堀オブザーバー委員)
それから、3番目の観測施設を設置した4地域というのは具体的にどこですか。

(自然環境保全センター)
大洞沢と、あとは相模湖のそばの貝沢という場所、それから山北町の中川になりますけれども、ヌタノ沢という西丹沢自然教室のすぐ手前になります。あと南足柄地帯のフチヂリ沢という、箱根外輪山で現在進行しております。

(田中委員長)
これは資料にも載っています。資料4の11-2ページ、水環境モニタリングのところですね。色が見にくいかもしれませんが、「調査実施箇所」ということで①②③④とありまして、①が大洞沢、②が貝沢、③がヌタノ沢で、④がフチヂリ沢、この丸はこの図の中に読み込まれているのですか。

(自然環境保全センター)
星印の箇所です。

(田中委員長)
なるほど。この対照流域法については、これも第1期のスタート地点から場所の選定を始め、準備をしてきたということですね。

(淺枝委員)
対照流域法ぐらいでしたら、県民の方にどのような関連性があるのかを説明するのは簡単だと思います。しかし、私もどこかの段階で絶対に必要とは思いますが、生態系の評価となると、生息数、密度、種類などどこまでやることになるかは別として、説明が難しくなります。例えばシカとか影響のあるような動物であれば、これが下草に影響するので、その仕組みを県民の方に説明することは可能です。確かに、シカが生息しているとこであればシカが生態系を決定する重要な要素でしょうけれども、それ以外の生物が生態系をコントロールしている場所もたくさんあります。しかし、そうした場所の95%は、水質にはほとんど影響がありません。水量にもほとんど影響ありません。
その時、水源環境を良くするという観点での説明は極めて難しくなります。前から河川の方で盛んに申し上げていたのですが、「河川の環境を良くしましょう。だから税金を使わせてください。」という方向に変えるのであれば良いですが、あまり水質とは関係ないですが、税金を使わせてくださいという説明は難しいと思います。もちろん、水質と全く関係がないわけではありませんが、おそらく関係するには50年、それ以上を要するというレベルの話です。そのため、使われている税金で生態系を評価することで、水質や水量を良くしますというのは、なかなか説明しづらいと思います。
その意味では、どこかの段階で、“森林の環境を良くします”という目的も加えることが必要ではないかと思います。生態系の評価を行なって、私がその水質や水量に対する意味合いを説明しようとしても、6割は説明出来ますが、あとの4割は説明出来ません。ここのところをどう踏み込むかをよく考えておかないと、後になってさてどうしましょうということになるのではないかと思います。

(水源環境保全課)
この関係で、県でも局長まで資料確認を行った際の返しですが、淺枝委員と近いような話ですが、水源施策自体は森林生態系の要素も含んでいることは間違いないです。ただし、生態系評価をやるかやらないかを机上で決めることは無理ではないか。要するに、生態系のとらえ方はいろいろと違いますから、違う考え方の人を全部集めて、生態系評価をやるかやらないかを議論しても、多分それは無意味だろうと。
例えば人工林などの場合には、生態系が見られないこともあるかも知れない。それを考えると、生態系評価として大上段に振りかぶるのではなく、例えばその要素は一応指標として中に含めて、それで林分ごとにどのような効果があったのか、どんな変化があったのかなどをデータ的に積み上げていくしかないのではないかと。生態系の観点から評価するのではなく、生態系の要素を入れ込んで、その経年変化のようなところをデータとして押さえていくぐらいが良いところではないかとの話でありました。

(淺枝委員)
そうですよね。私もそのぐらいにとどめておかないと、説明しづらいかと思います。

(新堀オブザーバー委員)
基本的には、人工林の生態系はもともと極めて貧弱なわけです、スギ、ヒノキがほとんどですから。しかも林床植生が単純化していますから、生態系そのものはあまりないのではないかと思います。シカの問題ぐらいで、他の動植物はあまり関係がない気がします。
特に整備されて、きれいにしてあるところは林床植生がほとんどない。きれいにしてある方が良いのか、ある程度生えていたほうが良いのかは、専門家でないからよく分からないけれども、下草をきれいに刈ってしまって、普通に歩けるようになっているところが良いのか、ササ薮があった方が良いのか、あるいはもっといろいろなものが生えていた方が良いのか、その辺りがどうなのかは判断がつかないですね。

(天野委員)
木平委員の説明は、要は納税者に対してこの事業が有効であるという、その説明が必要だということですよね。そのために生態系調査が必要だからということで、水質をどうするかという話と、水量をどう確保するかとは別の話ではないかと思います。
今までも神奈川県の水がめ開発は、一応ダムが県内にたくさん造れましたから、それで対応は出来た。これからは上流の、水を流してくるところを、緑のダムとしてさらに保全していく必要があるのではないか、これは水量の問題だとばかり思っていました。
これが良いか悪いかは分かりませんが、生態系をもって森林の環境保全の成果を云々するのは、どうかなと思います。時間をかけないと、5年とか10年というのは、はっきり言って目をつぶってもらう以外に、この事業はだめかなと。そのくらい時間がかかるものではないかという感じがします。

(淺枝委員)
良い生態系が良い水質を生み出すということでは必ずしもないと思います。重要なのは、生態系という言葉がひとり歩きしていることです。先ほどご説明いただいた程度の話であれば、おそらく木平委員もそういうことをイメージされていたと思いますが、今までやられてきたことであれば、近い範囲にある気はします。
しかし、ここで生態系評価としてしまうと、おそらくこの言葉自体がひとり歩きをしてしまいます。先程エコハイドロロジーの話が出ましたけれども、エコハイドロロジーはそういう意味でエコロジーと一線を画す分野なのです。水に置き換えると、水量とか水質とかにポイントを置いたような研究分野で、それはエコロジーとは少し違います。

(新堀オブザーバー委員)
私は昔から、水源林としては濶葉樹林、広葉樹林、自然林などの方が重要で、スギ、ヒノキの植林というのは貯水槽としての力もたしかに弱い。つまり人工林はもう人工林で仕方がない。それはそれで人間が必要としてやっている産業の一部ですから、そこをどこまでどうやって守るのかということになると、林床植生はどうするかという問題も非常に難しい。あった方が良いには違いないが、ただ、どういう仕方でどういうものが良いのかということは、詳しく研究がされるかどうかという問題もあると思います。私達は林床植生というと本当は自然植生でないとピンとこないわけです。

(中村委員)
私がずっと発言している意味と言いますか、それは今回出てきた森林生態系評価ではなく、そんなに難しいことではないのです。この制度が出来た経緯として、県民が税という形で行政に協力しようというのは、今委員がおっしゃったことだと思います。
しかし、行政の事情ですから、いろいろと制度が検討されていく間に、お金がないから人工林の方にかなりシフトしてしまったのです。そのような事業の具体的な内容までは県民はほとんど知りません。これは良い意味でも悪い意味ででもありますが、神奈川県民はかなり行政を信頼しているところがある。行政はそれを逆手にとってはいけないと思いますが、とりあえずは初めの一歩で、人工林であっても森林だから、水源環境税が使われても良いだろうと。私ども市民団体もそんなに細かく行政を突くことはしませんでしたが、税というお金で行政の事業に協力しようとしている県民が一番大事に思っているのは水源環境です。この名前も水源税ではない。ですからやはり水を育む森の環境を健全な形にしてほしい。人工林にも税をあてがうのは構いませんが、人工林と自然林は分けて考えていただきたい。森の自然環境を取り戻すためにこういう事業をしています、こういうお金の使い方をしていますということが、あまり県民にきちんとした形で説明されていないのではないかという気がします。
今、県民は神奈川県の水源税の制度に協力していますが、こういう信頼関係は意外ともろいものです。誰かが1人言い始めて、それが大きな形になったら、この制度はつぶれます。私は将来も丹沢のためにこの制度は活用していくべきだと思っているので、県民が納得するような説明を、例えば人工林の評価1つとっても、県有林が行っている人工林の施業と民間が行う施業は内容が違う。人工林としてどちらか良い方の整備にならっていくべきでないかと思うのですが、そういう指導はほとんどない。個人の所有であればその所有者に任せているところがあります。個人所有者は、人工林というのは木材生産が目的ですから、お金になればそれで良いという人も中にはいるわけです。人工林なら人工林の整備のあり方というものを、きちんとした基準を作って、それに沿った形での整備をしていく。そういう整備内容もきちんと県民に分かるような説明が必要だと思います。

(田中委員長)
議論を少し戻しますと、事業の目的として人工林か自然林か、対象をどうするかという話で、大事な問題ですが、これはもう少し大きなレベルで議論しなくてはいけないことですね。
もう一つは、資料1-1に関して淺枝委員から、森林生態系評価に特化することは、水源環境保全税と距離が出てくるおそれはないかというご指摘です。本来この税でやっている事業は、良好で安定した水の確保ということで、水量の確保と水質の向上両面を追求しているわけですが、それが森林生態系評価という1つのパッケージになって、森林生態系を評価する事業に変えて突っ込んでいくと、そこはそこでまた広い世界があるので、この事業の本来の目的である安定した水の供給確保にどのようにつながっているのかの道筋を明確にしておかないと、外れたことをやっているのではないかと県民から指摘される可能性がある、ということだと思います。
そこで1つの提案は、資料1-1の森林生態系評価、こういう考え方でひとまずスタートさせようということでよろしいかと思いますが、その目的とか趣旨、ねらいを書いておいた方が良いのかなと思いました。先ほど河原課長から、局長からも同じような意味で、これは評価というより効果を把握するといった趣旨の話がありました。評価というと評価指標がどうだ、評価基準はどうだということになるので、森林整備をして実際、水なり、生き物なりにどういう効果が出ているのかという効果把握のような視点ももっと前に出した方が良いのでないのか。局長はそのような趣旨のご発言だったと理解しました。これは、ある意味で淺枝委員のご指摘もそこに通底するというか、大体連携するものであると思います。そういう趣旨で少し方向性を考えてみたらどうでしょうかということです。ご専門の立場からすれば、森林生態系という新しいフィールドにどういう評価をするのか、その評価体系を作る、評価基準を作る、評価項目を設定する、それは学術的にも行政的にも興味深いと思いますが、税の目的という意味では、あまり距離を延ばさないというか、踏み込まないような形で、当初目的に近いところでやるようにしてはどうでしょうかと。そんなところでしょうか。

(天野委員)
簡単に言うと、旧津久井郡全体の、いわゆる一級河川の水質がより良くなれば、結果的には相模湖や津久井湖の水質も、道志川、相模川もありますけれども、そちら側でとらえることじゃないのかなと。水源涵養機能という言葉は水源環境がどうかということで、生態系ですけれども、これは山の生態系ではなく、川の生態系だと考えたらどうでしょうか、そういうことはあり得ませんか。

(新堀オブザーバー委員)
それはつながっていますよ。切り離すわけにはいかないです。生態系が両方とも良ければ良いわけです。

(天野委員)
量の確保ということについては、まず山の形状だったりしますよね。ただ、そこから質ということにすぐに結びつけることは非常に難しいのではないかなと。質を見るならば、そこから流れ出した後、一級河川があるわけだから、そこへ焦点を当てた方がむしろ説得力がある。
県民はおいしい水とかいろいろな評価をするけれども、まず安全な水、横浜水道局などは、我々はきちんとした安全な水を作っていると言いますよね。それ以前に自然体としての安全な水、理想とする数値、それをきちんと出していけば良いということではないでしょうか。

(田中委員長)
それは、ここで言うと水環境モニタリングの中の河川モニタリングという分野でやっているわけです。河川モニタリングの中で水質の直接調査と、それと水生生物調査を行っているということだと思います。

(天野委員)
それだけでは足りないのですか。

(田中委員長)
資料1-1のような森林生態系評価が提案されてきた経緯は、お金をかけて森林整備事業を、水源の森林づくりをやっている。その結果として、どういう形で森林生態系が向上し、さらにその結果、というかそれが目的なのですが、水源涵養機能が豊かになったかと。そのことを森という場で把握できるようにする必要があるのではないか。つまりアウトカムとかアウトプットと言っています。アウトカムが成果ですが、この水源環境保全事業の効果、成果を把握出来ないかということだと理解しています。

(新堀オブザーバー委員)
ブナ林が枯れたことなどが、どのくらい影響しているかということは大きいと思います。山の水の保有性がどのぐらいあって、要するに平均して水が流れるようになっているかということは、森林生態系と関係があります。

(淺枝委員)
先程から出ている水質か水量かに、非常に大きなジレンマがあります。例えば水質という観点では、これは人為的なものでほとんど決まっています。森林を整備したところでほとんど変わりません。それは宮ヶ瀬ダムの水を見れば分かります。水質の観点からいえば、下水道の整備をして、山梨県が整備して、それで終わりです。それでおそらく9割解決します。
けれども、もうひとつの水量の、水源の環境と言った時、山の話が当然出てくるわけです。水質には影響しないかもしれないが、長い将来で見たとき、水量にはかなり影響します。そうするとやはり山を良くしなければいけないということがあって、それは将来の投資と考えた方が良い。ただ、水量には少し影響するかも知れませんが、直接今飲んでいる水の水質にはほとんど影響しません。ですから、どうやって県民の方に説明すれば良いかというのが難しいのです。

(田中委員長)
他方で、先ほど説明があった資料2-3のように、今までもこういった水源環境事業の中でモニタリング事業を幾つかやっているわけです。対照流域法もそのひとつですし、人工林の整備状況調査もひとつです。

(天野委員)
植物生態系ということもあります。私は生態系というとすぐ虫とかそういう微生物だと想像します。植物生態系がきちんとしていれば、ほかのものも全部良くなるのです。

(淺枝委員)
水源生態系という言葉を作れば良いのではないでしょうか。そうした言葉が今はなくて、山の水質とか水量を良くする、山の生態系を考えましょうかという学問分野はしません。エコハイドロロジーというのはもっと流域全体、川も海まで含めた、それから出来上がったのが先程の生態水文学ですけれども、流域を全部ひっくるめての話です。水源生態学というのはないのです。
木平委員が書かれていますように、これはたしかに生態系とも関係しています。一方水文とも関係している。そして水循環という視点に立ったいろいろなことに関係しています。こうしたことを考えると、水源に関係する生態学という言い方の方が適切なような気がします。

(田中委員長)
こういう事業を、つまり既存の調査に新しいアプローチをして、それらの全体的な総合評価もしていく、このような考え方を整理して、平成24年度、第2期においてこういう調査事業をスタートさせる、これは合意されていますので、是非やりたい。
その総合評価につながるような水源環境生態学、水源生態学、水源生態系評価、つまり森を整備することで豊かな生態系ないし水源涵養機能もよみがえり、水源涵養機能を増進している効果を把握する。そのような調査手法、評価手法を確立し、整理しようということだと思います。
我々委員からは、事務局に注文するばかりで申しわけないですが、いずれにしても準備会、あるいはワークショップといいますか、有識者のフリーディスカッションの場を設けて、ブレーンストーミングをしながら考え方を整理していく、1年かけてその準備をしたいということですので、頑張ってやってみましょう。よろしいでしょうか。自然環境保全センターでは意見などありますか。

(自然環境保全センター)
特にはありません。今日ご議論いただいたようなことも含めて、ワークショップなどでいろいろと議論して、神奈川県でやる森林生態系の視点の評価とはどういうものかを決めていければと考えております。

(田中委員長)
この森林生態系評価という見出しというか、タイトルは下ろすわけにはいかないのですか。少し加筆するわけにはいかないのですか。副題をつけるとか。

(自然環境保全センター)
特に問題はないと思います。

(田中委員長)
そうですか。たしかに森林生態系評価というと、やや違った、先ほどいろいろと議論があったように、淺枝委員からも、天野委員からもお話がありましたが、ちょっと違う方向へ発想が行くので、水源生態系評価とか水源環境生態系評価とか、少し水源という言葉を入れるように、評価というのも強いということであれば効果の測定とかにしてはいかがでしょうか。

(水源環境保全課)
現行の評価手法における生態系手法の追加といったイメージでよろしいでしょうか。今の評価手法の中に生態系の視点なり指標なりを加える。それがまず1つですね。木平委員もおっしゃられていましたが、それを加えた後で、さらに生態系の観点から何か2次的アウトカムが出せるのかということを整理しておいたらというご意見です。
この場のご意見でも、生態系評価と大上段に振りかぶるのではなくて、まず指標として足してくださいと。その指標を足すことによって水源環境の施策効果全体が把握出来るような、そういう指標を足してくださいというご意見と理解したのですが。

(田中委員長)
私の理解としては、既に、対照流域法を含めて3つぐらいの森林関係のモニタリングというか調査をしていますね。そこに生態系という視点から新しい調査フィールド、調査対象を広げて、ラインは多少でこぼこがあるかも知れないけれども、水源環境に対して生態系がどう変わってくるのかという、少し新しい項目を足しましょうという話があると思うのです。
それともう一つ、ではその3つなり4つの調査をつなげて、全体としてこの水源環境保全事業がどういう成果を上げているかという総合評価みたいなものもありますよね。このような2つ対象があると思うのです。今回はとりあえず、第一弾は新しい生態系というところを加味した調査手法、評価手法を入れていきましょうということだと思います。そういうことでよろしいですか。

(水源環境保全課)
はい、結構です。

(天野委員)
ちょっと学問的に聞きたいのですけれども、先程からの話の生態系評価ということ、私は土の中の微生物とかそういうものだと思っていたのですが、そうではなくて、クマザサが再生したとか、何が再生したとかということであると、植生再生という言葉は学問的にないのですか。

(新堀オブザーバー委員)
あります。

(天野委員)
ということは、そのことがあって初めて微生物とか虫とかそういうものの生態系がよみがえるということであるとすれば、ここで求めていくものは、木平委員が言われたように、植生再生評価などではないのですか。

(田中委員長)
資料2-3を見ますと、今まで既存でどういう調査をしてきたかというリストがあります。これは先ほど事務局からもご説明いただいています。今おっしゃられているのはこの1ですね。水源の森林づくり事業の推進に係るモニタリング調査というのがあって、この中に林床植生や土砂移動量、光環境など調査することになっています。
ですから今ご提案のことも入ってはいるのですが、森林植生なり、生き物なり、あるいはお話のように地下の部分、それも含めて全体的に生態系という視点が今まであまり強くなかったので、こういうモニタリング調査、人工林整備調査、水源涵養機能、対照流域法調査などに少し生態系という視点も加えていきましょうというのが新しい提案です。
しかし生態系、生態系とあまり強く言い出すと、水源環境税の目的と距離が広がっていってしまうので、そこは水源環境保全が大きな目的なので、それに近いところでの生態系評価にしましょうと、それが今の議論なのです。そういう理解ですね。

(水源環境保全課)
はい、そうです。

(中村委員)
例えば生態系と水量とのつながりですが、別に人工林を集中して批判するつもりありませんが例えば地域水源林としてダムの標高より低いところの人工林にかなりお金を出していますね。ところが人工林の中へ入りますと、昔は水が流れていたのだろうというような沢が幾つもあるわけです。それは例えば石を見ればわかることで、石がみんな丸くなっています。そこは、もとはクヌギやコナラの林で、もっと水が潤沢に流れていたのではないかと。場所によっては小さな水槽まであるところがあります。ところが水道管ももう錆びついていて、水もないから使っていない。人工林を、木材を生産する森林だけではなく、そういった水量を取り戻すための整備がされたら結果として、生態系の回復につながってくると思うのです。
人工林整備では、間伐率や、木材生産量の話だけが一律に先行して、水源環境を整えるという幅の広い意味の整備はかなり弱いのではないかと思うのです。

(田中委員長)
まずは、今、中村委員がおっしゃられたように、まさにそういう水源環境保全のためにこの事業をやりましょうということです。

(中村委員)
ただ、次の5年間の見直しの中にそのような取組が入っていないのです。

(淺枝委員)
これはそれを入れようという意味合いではないのですか。

(田中委員長)
今までも3つぐらいの調査をやってきているのですが、それに加えて新しい生態系という視点からということです。それで、先ほど繰り返し申し上げたのは、個別の調査は良いが、同時に総体として水源涵養機能が回復したのか、水源涵養に貢献というか、これをやったことでどのぐらい効果が上がったのか。そこは押さえないと県民に対する、それこそ税金をいただいている部分で、個別のことはやりました。間伐材はこれだけ伐り出した。では全体として当初の目的に照らした時に、水源涵養機能は回復しているのか。こういうことに答えられないと。そこを答えるようなことを発しましょう。もしそれが不十分だとすれば、事業のあり方などを見直していくことになると思うのです。

(淺枝委員)
もう少し分かりやすい言い方をすると、森林水循環調査なのです。つまり森林生態系全体ではなくて、水循環に関係するところをもう少しよく調べて、そうすると今中村委員がおっしゃったような問題が分かるわけです。どこが問題だから水がなくなったのかということになる。

(新堀オブザーバー委員)
そのことでちょっと聞きたいのですが、私が気になったのは、人工林と自然林の持っている機能の違いの大きさです。自然林の方が水を保全するための大きな力がある。現場に行ってみないと分からないと思うが、要するに稜線中心の上のほうが全部人工林でなければ非常に状態は良いのです。
ところが人工林が稜線まで上がっている部分も丹沢には相当あります。そういうものが増えてきてしまうと水の質とか保有能力は落ちるわけだから、かつての植林事業では稜線いっぱいまで伐っては植えている。千メートルぐらいまでやってしまっているのです。あれをやめて、上のほうの部分はまた自然林に戻すということを計画的におやりになった方が良いのではないかという印象を持っています。
中村さんは現場にお住まいだけれども、私は好きで丹沢を歩いて、丹沢全山ほとんどの稜線を知っているわけですけれども、稜線の部分が自然林でないところも若干あるわけです。そういうところをどうするかということも考えて、出来るだけ稜線部には人工林がなくなるということでないと。主稜はないけれども、下がってくると幾つも人工林が頭まで来てしまっているところがあるわけだから、そういうところを注意しなければいけないのではないかという気がします。目いっぱい植えてしまっているところがあります。

(田中委員長)
今の新堀委員のご質問は、人工林と自然林の差があるかということですか。

(新堀オブザーバー委員)
ですから、自然林が繁ってた方が良い場所に人工林が進出しているところも現実に既にかなりあるのです。だからそれはできるだけ早く伐採して自然林に戻すことが必要ではないだろうかという気がします。

(自然環境保全センター)
その件ですが、稜線部までということ、特に委員がご懸念されたように高標高域の部分だと思いますが、高標高のところの稜線部については、行政も含めてですが、おっしゃるとおり、機能的にどちらが良いのかと見た時に、森林再生課の所管になりますけれども、50年構想の中では800メートル以上のところについてはなるべく自然林ということで、あと同じようなことですが、渓畔林の部分についても、それは人工林よりも本来の機能でいえば広葉樹ということで、変えられるところは混交林などに徐々に変えていこうという方向性は持っています。

(田中委員長)
それでは、この議論はこのあたりにしたいと思います。先ほど出た森林水循環調査という1つのアプローチですが、ここでの議論は、最初は水源保全事業を実施する中で、副次的効果として森の生態系が豊かになっていると、それも調べる必要があるのではということで始まった話なので、生態系にも目配りしつつということ、その兼ね合いですね。生態系調査100%というのではなくて、生態系も調べるけれども基本的には水源環境保全事業の本流と離れないようにやるというのがおおよその合意だと思います。その点、調査設計をするときにお考えくださると良いかと思います。
よろしいでしょうか。ありがとうございました。ひとまず議題1はこれまでとします。

議題2:県外対策における事業評価について

  • 水源環境保全課長谷川グループリーダーから【資料2関係】により説明。
  • 委員が意見交換を行った(※非公開)

報告事項1:第3期県民会議への引継書

  • 水源環境保全課高乘主査から【資料3】により説明。

(田中委員長)
資料3ですが、引継書ということになります。5年間の総括を振り返ってどういう成果があったかという、年次的な形で整理した後、特にこの5年間を通じて何が課題になったかという、残された課題ですね。それからそれについての若干の特記をした上で、これを表紙として、あと必要書類を連れて引継書とすると、こういう考え方ですね。

(水源環境保全課)
はい。

(田中委員長)
それでは、こんな形で整理させていただきたいと思います。どちらかというと引継書の方は施策調査専門委員会として取りまとめていますので、もしご意見あるいは確認すべきことがありましたらどうぞご発言いただきたいと思います。これも1月の段階で一度確認していただいていますけれども。
特に今議論がありました森林生態系評価の検討というところは、こういうことが必要だということがありましたが、今議論になっていることを(3)特記事項に明記しておりまして、森林生態系評価の検討を行う際には水源環境保全・再生施策の目的との整合性や、中長期的な観点、この両方をあわせての短期での分析・評価の実現性について留意する必要があるのではないかと。かなり包括的な言い方ではありますが、一応今日ご議論いただいたようなことも読み取れるように整理してあります。
よろしいでしょうか。それではこの2件の報告については確認ということで、もしお気付きの点がありましたら早急に、また後ほどでも出していただきたいと思います。

報告事項2:特別対策事業の点検結果報告書

  • 水源環境保全課高乘主査から【資料4-1、4-2】により説明。

(田中委員長)
今見ていただいている冊子の方ですね。これは毎年出しています点検結果報告書です。これは最終的には来週の全体の県民会議の場で知事にお渡しするということで座長からお願いする。最終段階までかなり詰めてまいりまして、県民会議委員からもご意見を頂戴して、そこも反映しているということです。今日の段階ではつけ加えた点などにまだ下線部を入れて示しているのですね。

(水源環境保全課)
そうですね。

(田中委員長)
これは、当日は取りますか、どうしますか。

(水源環境保全課)
26日に、審議いただく際はアンダーラインがあった方が変わった部分が分かりやすいかと。

(田中委員長)
知事に渡す時は、下線を外したものを出すということにしましょう。

(水源環境保全課)
分かりました。

閉会

(田中委員長)
今日予定の議題はこれでよろしいでしょうか。特に大事な森林生態系評価のあり方については、かなり突っ込んだ議論をさせていただきました。これは次の県民会議に報告をすることになるでしょうか。

(水源環境保全課)
報告することになります。

(田中委員長)
それでは資料の作り方も含めて、微調整があれば調整しなければいけないということですね。

(水源環境保全課)
確認ですが、資料1-1は今、森林生態系評価の実施になっています。これが先程のお話で、森林水循環調査(生態系の要素を加味した調査)というイメージで良いですか。

(淺枝委員)
生態系を考慮した水循環調査で良いですね。

(水源環境保全課)
水循環の調査内容自体も莫大に広げてしまってはというのがありますが、やることは生態系の追加項目ということでよろしいですね。

(淺枝委員)
そうです。

(水源環境保全課)
分かりました。趣旨、ねらいも少し明確にした方が良いとのお話がありましたので。

(田中委員長)
生態系を考慮したとするか、その逆が良いか、どちらが良いですかね。

(淺枝委員)
どちらでも良いです。

(田中委員長)
水循環を考慮した生態系調査にしましょうか。

(淺枝委員)
それでも良いですね。

(田中委員長)
生態系に着目するのだけれども、それは水循環という観点からやるのか、生態系という視点から水循環調査をするのか、どちらが良いですか。

(中村委員)
先ほど課長さんから説明をいただきましたが、神奈川県はいろいろな事業をしています。そして各事業にモニタリングも全部やっているわけです。そうであれば、そういうものを全部踏まえた上で整理して、それで先生のおっしゃった水源生態など、そういう文言を書くほうが分かりやすいかなという気がします。

(田中委員長)
水源生態系は、評価のポイントで本文のほうで使ったら良いかなと思いましたが、見出しで使いますか。

(水源環境保全課)
水源生態系は、まだ学問体系など多分ないと思うのです。

(田中委員長)
ですからタイトルは先ほどご提案になったように、森林水循環を考慮した生態系調査、生態系評価のあり方に関する考え方などでしょうね。

(水源環境保全課)
生態系調査でしょうか。

(田中委員長)
生態系評価が良いのか、効果測定が良いのか、効果把握が良いのか、生態系の効果把握とかね。いずれにしてもまだ案なので、私と事務局で調整させていただいて、今日の議論を反映した形で出させていただきます。一応、こういうことをやるという考え方は、前回の県民会議でも1回出させてもらいましたでしょうか。

(水源環境保全課)
県民会議では出しておりません。

(田中委員長)
そのことを明確にしておいて、またあれやこれやという議論になるので、少し表現などは気を付けなければいけないですね。整理をしておきましょう。
それではよろしいでしょうか。第19回の施策調査専門委員会をこれにて閉会いたします。どうもありがとうございました。

【会議終了】

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会議資料

次第

資料1-1 平成24年度森林生態系評価の実施に関する検討の考え方

資料3 第3期県民会議への引継書(施策調査専門委員会部分抜粋)

資料4-1 点検結果報告書(平成22年度実績版)

資料4-2 点検結果報告書(平成22年度実績版)の「総括」(案)に対する意見等について

※資料1-2及び資料2関係は非公開

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