第10回施策調査専門委員会審議結果

掲載日:2015年4月1日

審議(会議)結果

次の審議会等を下記のとおり開催した。

審議会等名称

水源環境保全・再生かながわ県民会議 第10回施策調査専門委員会

開催日時

平成21年11月4日(水曜日)14時00分から16時10分

開催場所

神奈川県中小企業共済会館4階 第1会議室

出席者【委員長・副委員長等】

田中 充【委員長】、木平 勇吉【副委員長】

天野 望、中村 道也

次回開催予定日

未定

所属名、担当者名

緑政課水源環境調整班、担当者名 原田

電話番号 045-210-4324

掲載形式

  • 議事録

議事概要とした理由

-

審議(会議)経過

(田中委員長)
第10回施策調査専門委員会を始めます。本日は、淺枝委員と原委員が大学の関係でご欠席ですので、委員4人で議論したいと思います。また、オブザーバ委員として、新堀委員を始め各委員がご出席ですので、後ほどご意見を伺いたいと思います。
それでは、早速、議題1の点検結果報告書についてです。平成21年3月の県民会議において、点検結果報告書をまとめたわけですが、今回は、平成20年度実績版について、検討したいと思います。それでは、事務局から説明をお願いしたいと思います。

【緑政課から、議題1点検結果報告書(仮称:平成20年度実績版)について説明】

  • 資料1-1により、点検結果報告書(仮称:平成20年度実績版)の作成の基本的考え方について説明。
  • 資料1-2により、点検結果報告書(仮称:平成20年度実績版)の各事業ごとの構成について、水源の森林づくり事業を例に挙げて説明。
  • 資料1-3により、12の特別対策事業の総括(まとめ)について、前回報告書と比較しながら説明。
  • 平成21年3月に、第1期の県民会議委員が、任期(平成19~20年度)を総括する趣旨で、平成19年度の事業実績を中心に点検結果報告書を作成した。今後の点検・評価については、20年度以降の事業についても、県民会議は点検する用意があるとした。
  • 今回の点検結果報告書は、前回と異なり、第2期の県民会議委員の任期(平成21~23年度)の途中であるため、20年度の事業実績の更新を中心に、中間的な報告書を作成する。


(田中委員長)
ありがとうございました。本日、施策専門委員会で内容を検討して、11月26日の県民会議にこの案をご提示する予定です。したがって、本日は施策調査専門委員会として、どのようにまとめ、整理するかを検討する必要があります。
まず、資料1-2の冒頭部分は前書きですので、本体の水源の森づくり事業から入りたいと思います。各委員からも事前にご意見を頂いておりますが、特に各事業ごとの総括や矢印が付記されている追加・修正部分について如何でしょうか。

(星崎水源環境保全担当課長)
本日欠席の浅枝委員からは事前に意見を聴取しましたが、他の委員からもご意見の趣旨等をご説明いただければありがたいと思います。

(田中委員長)
それは大事な点ですね。つまり、各委員から提出された意見については、まだ点検結果報告書の事務局案として取り込む段階まで行っていなくて、本日の議論を踏まえて反映させるということですね。
木平委員からは、水源の森林づくり事業の総括の文章案もご提案いただいていますね。

(木平委員)
この点検結果報告書は、県民会議が県に対して提出するものです。したがって、この報告書の読者は、県知事であり、県の担当者であり、県民でもあるので、この報告書の趣旨は一般県民の視点で問題を提起すること、つまり、できるだけ読んで分かりやすい明快なものが必要だと思います。
現在の事務局案を見ると、専門家や担当者には分かると思いますが、なかなか読む意欲が湧かないんですね。非常に形は整っていますが、中身はいきいきしたところがありません。少し具体的で県民が感じられる要素を入れると、全体的に少し柔らかくなって良いと思います。
また、この施策の主たる事業が水源の森林整備だと思うので、少し細かく記述すれば良いと思います。水源の森林づくり事業の総括を見ると、「着実にできている」と記述されていますが、それだけでは県民会議の存在意義もありません。着実にできている部分もあれば、上手く行っていない部分もあるということを入れた方が、読者も分かりやすいと思います。例えば、委員からの意見の言葉を然るべき箇所に挿入しても良いと思います。

(田中委員長)
ありがとうございます。委員の意見をどのように受けとめるかですね。

(星崎水源環境保全担当課長)
事務局案の文章は、木平委員が仰せのように、定型的で横並びで見やすいように工夫していますが、それが却って量的にコンパクトになり過ぎている、あるいは、読んで味気ない部分はあると思います。批判的な部分や委員の感じることが十分反映されていないというご意見であれば、その辺は文章が長くなっても良いと思います。それが県民会議の意見ということであれば、そのような形でも結構です。
ただ、中村委員や木平委員から提出された意見をどのように扱うのか、施策調査専門委員会の中で方向性を示していただきたいと思います。事務局としては、個々の意見の全てを点検結果報告書に挿入するわけにもいかないと思っています。
また、今後の予定について委員長とも相談しますが、これをたたき台にして他の県民会議委員にもご意見を頂く方が良いと思っています。その点でも、挿入した方が良いご意見を示していただければ、事務局で準備したいと思います。

(天野委員)
前回報告書において、森林整備の人材・養成の確保が以前から課題とされて、その結果「かながわ森林塾」が開設されたと思います。私は平成21年度から開設された「かながわ森林塾」の塾長を知事から依頼されて、9月からその仕事を始め、先般も第1回運営委員会を実施しました。
今回、60人台の応募がありましたが、第1次、第2次などの過程の中で最終的に20人に絞りました。現在は確か18名になったと思います。それで幾つかの問題がありますが、運営委員会の中で、やはり一人前の作業をできるようになる人材がどのくらい残れるものなのか、それらについては、やはり2年で基礎研修を終了して、ハローワーク等に登録して就職をしていきますが、5年ぐらいは、最低限度この事業の第1期の経過を見なければならないと思います。事務局案では「引き続き努力されたい」と簡単に記述されていますが。
先日事業者の人からもそのような意見を聞いたのですが、今の賃金でどれだけの人間を確保できるかという問題にはなります。また、将来推計によると、今後10年くらいの間に、現在、労務しているプロの方々が約100名いなくなるんですね。すると、仮に毎年20人を養成できたとしても、一人前になるのに5年かかります
それから、一番深刻なことは、ここ2~3年の間に現在働いていた人たちが確か38人もう辞めてしまったという話です。だから補充よりも辞める人が多いと感じます。この点について、新堀委員に相談しなければと思っています。やはり丹沢大山の再生については、単なる県民会議の中での議論だけでなく、この事業を進める事業者とも、十分にその辺の意思疎通を図って、やはり本当に丹沢大山再生をどうすればいいのか、もっと真剣に取り組まないと、人材の確保はなかなか難しいかなという感じもいたします。特に賃金の話をしておりました。
昨日、私の家に造園業者が来て、水源の森林づくり事業の仕事をしているとの話で、賃金について質問しました。水源の森林の整備作業の場合には、庭木の手入れというわけにもいかないので、職人を選抜しているが、1,000円上乗せしていると造園業者の親方が話をしていました。
この点検結果報告書の記述について、「引き続き努力をされたい」とありますが、県民や県民会議委員が、作業員の養成・確保が容易ではないという認識を持っていただかないと、これらの事業がなかなか具体的には進めないと思います。
今は森林整備の作業において、労働安全上、地下足袋では駄目で、安全靴を履かなければならないのですが、安全靴を履いて山を登ることすら、素人にはなかなかできないことで、そのようなイロハから技術を身に付けて安全に作業ができるためには、1~2年ではできないですね。簡単に人材を養成することができるということは、慎重に考えなければならないと思います。
もう1点、水源林整備事業とシカの保護管理の関係についてです。私の住む所では、相模原市に依頼されてイノシシ用の檻が設置されているのですが、猟友会にシカを捕獲してくれるよう頼むと、津久井町の平成20年度の捕獲頭数は8頭だと言うのです。私の屋敷の中に夕べも2頭いました。10,000haの旧津久井町の山林で8頭という数字は果たしてどこから出てきたか。現実離れをしているのかなと感じました。
森林管理とシカ管理をしっかりと組み合わせていく必要があります。事業が進捗するほど効果が出てくるので、この点は、人材育成と併せて、今後のこの事業成功に導く重要なことだと思います。つまり、県民の価値の統一を図ることが重要な課題となると思います。

(新堀オブザーバ委員)
天野委員のご意見に関連するので、発言させていただきます。
まず第1に、森林塾で森林整備の人材を養成する。それが大体1年に20人前後で、5年間で100人になるだろうということです。私も直接関係しているので、非常に頭が痛いのですが、現実に今度は伐採して、搬出して、製品化するプロセスが、今、県の行政として大幅に遅れがある。したがって、間伐した木を切捨にして、搬出できない状況が起きていることが1つあります。
それから、今のような状況では、とても森林の状況を良くするというわけにはいかない程度にしか切っていないので、その森林整備のための人材が必要だということ。それから、搬出して、活用する問題があるんですね。その3つがうまく並行しないと、水源環境の森林整備はでき上がらない。その3つがうまく作動しないとできないというのが、私はこの計画の中で一番大事なことだと思います。それが欠落している部分が結構あると心配しております。
もう1つ、シカの問題については、鳥獣総合対策協議会の会長を私が務めていますが、中村委員も鳥獣総合対策協議会の委員です。私は丹沢大山におけるシカの存在は、今の生態系あるいは生物多様性の観点から、非常に大事な存在だと認識しています。しかし、実際に増加し過ぎていることも事実で、それによって下層植生が破壊されることもあるので、ある程度管理捕獲していますが、年間約1,500頭捕獲したと報告を受けていますが、それほど効果がまだ目に見えてこないという実態があります。津久井町が8頭との話を聞きましたが、全体的にそのくらい捕獲しているわけです。実際に効果が現れてこないのでは困るわけですが、1平方kmの範囲に大体何頭のシカが実際に生息できるのか、また生態系や植生に被害を与えないで済むか。それを明記した方が良いのか、私は迷っているところです。県民がどのように受け止めるかを考えると、その程度は書いた方が良いと思いますが、自然環境保全センターはどう思いますか。

(自然環境C)
現在、シカの捕獲頭数については再度検討しております。現在、生息推計頭数が実際に適正かどうか解析している最中でございます。他のデータについては、しっかりしたモニタリングを調査していまして、それに沿って第3次ニホンジカ保護管理計画を見直しております。
ただ、申し上げておく必要があることは、シカの管理の効果が表れるには時間のずれがあるということですので、その辺も考えながら今慎重に進めております。新堀委員が仰るシカの適正頭数や収容量について、基本的な知見はありますが、なかなか現場で明確に示すことは難しい部分もありますので、その辺を専門委員も含めて今検討しているところで、もう少し時間をいただければと思います。

(新堀オブザーバ委員)
一般県民の認識として、一体どのようにしているのか聞かれるのです。私は聞かれれば、実施されていることを説明するわけです。にも関わらず、なかなか効果が上がらないのは何故かよく分からないと申し上げています。シカ対策について、中村委員のように現場での感覚と鳥獣総合対策協議会での議論と併せて深めていかなければならないと思います。
同時にブナの再生は、ほとんど不可能に近い状態だと思います。シカも関係ありますが、それ以上に困っているのは大気汚染のほかにブナハバチの問題です。ブナハバチは相当研究が進み、生態も良く分かってきましたが、これを退治する方法がはっきりしません。薬を散布すれば、他の生態系が壊れますから、それはできません。ブナハバチの幼虫を餌とする鳥が、何故もっと集まって食ってくれないのか。あれだけ大発生していれば、鳥としては本当にうれしい餌がそこにあると思いますが、それを食べに来ないわけ。だから、天敵が少ないわけです。したがって、一度大発生すると手がつけられない。だから、少し弱っているブナであれば、丸坊主にされた結果、枯れるという現象が進行しています。僕らもどうしたら良いのか分からないのですが、ブナハバチに対する対応策は、これからのブナ林を守るためには、これ以上枯らさないことが絶対必要だと思います。そのために、どうすべきか積極的に考える必要があると思います。

(田中委員長)
いろいろご指摘を頂きました。ブナハバチの問題やシカ管理の問題は2番の丹沢大山の保全・再生対策で言及されています。さて、本題はこの点検結果報告書をどのようにするかという話で、個別の事業と他の事業との連携は重要な課題ですので、県民会議として丹沢大山の再生事業の関係も含めて整理しないといけないと思いますが、当面、点検結果報告書をどのようにまとめるかということです。事務局としては、委員からご意見を受けて、このような形で反映や整理するという考えは現時点でありますか。

(星崎水源環境保全担当課長)
委員からのご意見について、おかしいというものは全くありません。基本的には報告書に挿入しても特段問題なく、貴重なご指摘だと思います。ただ、どの程度の細かい内容まで報告書に反映するのか検討の余地はあると思います。事務局としては、このように考えていますが、専門委員会として重要な意見や異論があるという話を頂ければありがたいと思います。それを踏まえて、たたき台を作成したいと思います。

(田中委員長)
各委員からご意見を頂いていますが、それぞれ事業を進める段階でのご意見もあります。アオコ対策のエアレーションに関する意見もご指摘だと思いますが、さて、それらをそのまま点検報告書に反映すべきかどうかという議論はあるわけです。だから、ご指摘として注意すべきことや必要なことはあると思いますが、点検報告書としてどのような形にするかですね。
先ほど木平委員から、少し県民目線で分かりやすくしたらどうかというご意見がありました。例えば、中村委員から水源の森づくりについて、相当多面的に具体的な施業の問題、シカ管理の問題等の指摘を頂いていますが、この点検結果報告書の総括の下に、委員のコメントや感想の形で活かす方法もあると思います。そうすると、非常に率直な感想や指摘が痕跡として残ることになります。如何でしょうか。

(中村委員)
例えば、目標林型が4つ出ていますが、これを水源地域の中にどのように配置するのかという例はありません。健全な森づくりなど抽象的な言葉では表現されていますが、流域単位、例えば丹沢の水源地域の中で、生産材を目的とする森や渓畔林をどの程度広げていくのか、20年後に目指す森林を平面的に書き込むことはできないのですか。

(星崎水源環境保全担当課長)
現状として、その地図を落とせと言われても、多分ないので落とせません。

(中村委員)
丹沢の地図はあるわけだから、例えばその中で県有林の森林は、稜線部では自然林だけど、モザイク状に人工林があります。将来もずっと人工林でいいのか、あるいは場所によっては天然林にするのか、20年後の目標の山を地図に落とし込めば、県民の目には分かりやすいと思いますが。目標林型と言っても、複層林や巨木林がどこで行われるのか分かりません。しかし、この地域や流域は、例えば渓畔林を積極的に進め、将来的な量も分かるようにできるのではないかと思います。

(田中委員長)
それは次期計画の検討において、そのような図を描き、いわば森づくりのイメージを出す方が良いのではないかというご指摘だと思います。

(中村委員)
森林50年構想や丹沢大山自然再生計画では、単に山の絵を書いているだけですから、やはり具体的なものが必要ですね。

(森林課)
水源の森林づくり事業の目標林型は、公的管理・支援の方法とリンクしています。例えば、水源分収林で契約する場合は、目標林型は複層林となっています。水源協定林の場合は、森林を借上げて森林所有者に代わって県が管理しますが、人工林は混交林にしていき、広葉樹は広葉樹のまま手入れをしていきます。買取りの場合は、人工林であれば巨木林や混交林、広葉樹林であれば広葉樹林のまま手入れをしていきます。協力協約は森林所有者への補助金ですので、基本的には人工林は人工林のままです。つまり森林所有者との契約形態と目標林型をセットで行っていく事業です。
基本的に大まかな県の森林の目指す姿を示してあるのが、かながわ森林再生50年構想で、標高800m以上は自然林に、標高800mから300mについては、さらに林道から200メートル内外で区分し、林道から遠い場所は、人工林経営は難しいので、混交林、広葉樹林にしていきます。林道から近い場所は、人工林の経営を続けていく可能性があるので、人工林として育てていきます。50年間の目標で概ね現在の杉、ヒノキ林を半分にするのが50年構想です。
土地・森林の所有者は、県など公的主体ばかりでなくて、特に水源林の事業対象は個人や会社が所有しいるので、50年構想で示す林道からの距離や経営的な条件で、近い場所はなるべく所有者に対して補助金をつけたり、あるいは、複層林や分収林もできる可能性があるので、所有者と話をしていくわけですが、そのとおりにならない場所があり、実際には林道から200m以内でも、水源協定林の協定を締結して混交林化する場所もあるし、林道から遠い場所でも混交林を嫌う所有者もいるので、その場合は補助金方式で協力協約を締結し、自分で手入れをしていただきます。このように、大まかな絵として50年構想はありますが、それを実際に平面的、地図的に落としてしまうことは、個々の所有者がいるので、却って反発を頂き、事業が円滑に進まないこともあるので、あえて平面的な目標林型の図面は作成していないわけです。

(中村委員)
以前、水源林や優良林制度まで遡りますが、最初に私有林を行政と協定を結びながら整備したときには、地図の上に例えば協定林や買取り林を色で表し、面積は落として書いていた。そうすると我々素人は、見て分かるわけです。そのときに私が出した意見は、丹沢の森林の中で買取りや協定、協約を結ぶ森林がばらばらで、施業実施する上で効率が悪いのです。今年の買取りの隣地を翌年に買い取れば、施業する業者も働きやすいわけです。例えば、今年の整備施業地が津久井で来年は山北という非効率な仕事にならないではないかという話をしたら、なかなか難しいという話でしたが。

(田中委員長)
分かりました。次期計画のときに、そのような工夫ができるかどうかですね。少し検討してみましょう。もちろん現場を抱える行政の立場もあるので、よくすり合わせをしたいと思いますが。新しい計画づくりも含めて、確かに目標がある方が県民に対して分かりやすいということもあるので、そこは少し検討課題にさせていただきましょう。

(中村委員)
今、50年構想と水源林の協定協約の話が出ましたが、例えば地図に落としていくと、やりにくくなることがあると、聞きましたが。逆に、私は50年構想と水源の協定協約がバッティングしなくなると単純に思いますが。

(森林課)
バッティングというより、基本的に考え方は整合しています。

(中村委員)
例えば、林道から200m以内で、50年構想では生産林としている場所を、水源林で協定を結んだ場所もありますよね。

(森林課)
先ほども説明したとおり、所有者の意志にもよるのです。例えば、息子の代では山の世話はできなくなるので県に任せると言う所有者には、林道の近くでも県が借り上げて、混交林にしてしまう。ゆくゆくは自然林になっていくようにです。それは次の世代がそこで人工林経営をしないというのであれば、もう仕方ないのです。

(田中委員長)
そのくらいにしましょうか。それで、点検結果報告書について、1番の水源の森林づくりや、2番の丹沢大山の保全・再生を、今議論しましたが、これ以外にも委員から頂いたご意見があります。この委員の意見を委員会として、この点検結果報告書にどのような形で総括として考えていくのか、結論を出さないと事務局も作業が進められないということになりますね。全体も含めて、少し各委員から意見を頂くことにしましょうか。
木平委員からは、具体的な文案も頂いていますので、私もなるほどと思いましたが。

(木平委員)
私は、点検結果報告書の構成は悪くないと思います。しかし、それぞれの部分で、上手く行っていることばかりではなく、森林整備の労働力の問題や水源林の確保の問題など、現在の課題も記述した方が良いと思います。森林所有者の意識や、森林の分布など非常に困っていることも文章に書かせてもらって良いと思います。それは行政の落ち度でもないわけです。困難な問題を書かないと。
森林の水源かん養の効果を測定することは大変難しいので、対照流域法の調査は費用がかかるということも赤裸々に記述されたら良いと思います。

(星崎水源環境保全担当課長)
事業を進める中で、我々が苦労することは沢山ありますが、それを県民会議の中で、行政の努力不足という話なのか、それとも尤もなことだという評価の話だと思います。
木平委員、中村委員からは、我々の苦労についてもご理解していただいた上でのご発言だと思いますので、その点も併せて記述すべきだという専門委員会の意見であれば、そのように修正します。

(天野委員)
この施策が始まって、今までの事実として見えてくるわけです。津久井では、私も近所の人たちも、水源の森林づくりを進めています。結局、自分の親から相続した山が何処にあるか分からないのがほとんどですが、神奈川県の水源の森林づくりによって測量されて、図面が完成されます。そうすると、この図面があれば、相続税、現物納付のときに完全に対応できるので、こんなありがたい制度はないという捉え方で、この水源の森林づくりに協力している人もいます。
議論が進んでくると、最初に神奈川県が目標としたこと、あるいは県民会議で議論をしたことは移っていくわけですから、その辺の移り方は捉えて、事実は事実として県民の方々に報告して、理解して頂いた方が良いと思います。

(田中委員長)
ありがとうございます。それでは、具体的な記述に関するご指摘は、委員から事務局に寄せていただくことにしましょうか。

(星崎水源環境保全担当課長)
本日の議論を踏まえて、事務局でもう一回たたき台を作成します。ご意見が多い事業と少ない事業がありますが、アンバランスでも良いとの話でしたので、意見を提出していただいた委員や委員長と調整する形にしたいと思います。

(中村委員)
この報告書を読むと、先ほど木平委員が仰ったように、上手く進捗している事業もありますが、将来的にこのような課題があるという記述はあまりないですね。

(星崎水源環境保全担当課長)
そうですね。19年度、20年度の実績を踏まえた形での総括という前提ですので。当然、次の段階では、次期の計画についての課題も出てくるわけです。

(田中委員長)
まだ、課題の前に、現状の総括・まとめというのが第1段階だと思います。少し積み上がってくれば、今度は課題を指摘して、それを次期計画の検討に反映する流れになるんでしょうね。ですから、今の段階で課題についても、中村委員からご指摘が出ているので、それを取り込めるものは取り込むということもあると思います。
まとめさせていただくと、いろいろご意見を頂いた中で、方向性として、もう少しはっきり書いた方が良い。また、課題も少し書いたらどうか。そして、県民の目線で分かりやすく記述するという指摘です。それを前提に、場合によってはもう一回委員から意見を出していただいて、それをもとに、事務局でもう一回整理してもらって、調整する。そんな方法にしましょうか。委員の先生方、よろしいでしょうか。そのようなことにして、この後にもう一回見ていただきたいと思います。
私から申し上げれば、前回と同じ修正なしというのは、如何なものかと思いますので、私の意見を少しお伝えしたいと思います。19年度、20年度と1年度積み上がったわけですから、少し1年度分の何か指摘もあれば良いと思います。
オブザーバ委員の皆さんから、如何でしょうか。

(久保オブザーバ委員)
公募委員ですから、県民の立場として意見を申します。この報告書は緻密にできていると思いますが、しかし、読みづらいなという感じが思います。それで、資料と記述を区別したらどうでしょうか。要するに、まず言いたいことをはっきり出して、資料は分ける。そうしないと、何か全部読み切れない感じがするんですね。だから、もしそれができなければ、ダイジェスト版を付けるとかですね。我々が見て、目につく絵とか漫画とか、その中に使っている部分もあると思いますが。工夫が必要ではないかという感じがします。

(田中委員長)
ダイジェスト版は、確かに工夫が可能だと思います。それから、この点検結果報告書は実績報告という意味合いもあり、実績を整理して報告しています。全体年間40億円近い事業の実績の進捗ですね。

(井上オブザーバ委員)
シカ対策の話が出ていますが、シカとヤマビルの関係があると思います。特に津久井地域の場合、生活圏内にヤマビルが出ています。この報告書の中に、取組は一切ありませんが、今後ヤマビル対策も検討していくか。他の部署では当然ヤマビル対策を実施していますが、併せて何か記載できないものかと考えています。
もう一つ巨木林の関係ですが、樹齢100年以上の森林にするという目標は良いと思いますが、実際には伐期は50年から60年と言われていますが、木を伐採して、利用して、植樹し育てるというサイクルがあると思います。また、巨木林にすると、林道が整備されている場所は良いとして、搬出がさらに困難になると思いますが、この点はどのような考えですか。

(星崎水源環境保全担当課長)
シカとヤマビルの関係は、同じ緑政課で実施しています。総合的な対策として、今取り組んでいます。ただし、財源は水源環境保全税でないので、この報告書にはあまり記述していません。

(田中委員長)
この報告書は、水源環境保全税を財源とする事業に関する報告書になっているのですね。

(井上オブザーバ委員)
それは分かりますが、ヤマビルはシカによって地域の中に入ってくると言われているので、当然シカ対策によって、ヤマビルも防げると思うのです。しかし、実際ヤマビルが里に生息して困っています。他の部署で対策している旨記述したらと思いますが。

(田中委員長)
それでは、この点検結果報告書については、整理して、今月下旬の県民会議にもう一度提示して、ご意見を頂く形にしたいと思います。
それでは次に、議題2の次期実行5か年計画の検討スケジュールと基本的考え方について、事務局から説明をお願いしたいと思います。

【緑政課から、議題2次期実行5か年計画の検討スケジュールと基本的考え方について説明。】

  • 県及び県民会議において、次期5か年計画策定に向けた検討に着手する。
  • 平成21年度後半は、県民会議から県に対して、点検結果報告書(20年度実績版)と、次期5か年計画に対する意見書を提出。
  • 平成22年度以降、次期5か年計画の骨子案、素案、案を県民会議に協議しながら、議会に報告する予定。
  • 適宜パブリックコメントを実施する予定。


(田中委員長)
ありがとうございました。次期5か年計画について、今後のスケジュールやおおよそ大枠の方向性をご提示を頂きました。これは、かなり重要で今後の大きな枠組みを規定することになると思います。平成21年度のスケジュールを見ると、1つは先ほどご議論した点検結果報告書と、もう1つは、次期5か年計画に関する意見書が大きな話だと思います。
つまり、基本的には、まず継続するか否かと言う議論があります。現段階では現行計画の3年目ですが、振り返って継続すべきと言うのか、一定の効果があり終了して良しと言うのか。その入り口で全然大きく違ってくるわけです。その上で継続するならば、どのような点に留意して、どのような考え方で決めるかを意見書としてまとめることになるので、これは県民会議の総意として大きな話になると思います。

(星崎水源環境保全担当課長)
意見書の段階では、個別事業の面積等の話ではなくて、大枠の考え方になると思います。例えば、山梨県側にも対策を取るべきだという意見や、13本目の新規事業が必要であればその意見と、その前提となる委員長が仰った方向性が出てくるものと考えています。

(田中委員長)
総論と各論ということになるのですね。

(星崎水源環境保全担当課長)
議論する中で、事業の積算が出てきて、最終的には現行の5か年計画と同等なものを作成していくという考え方です。

(中村委員)
スケジュールとしてはこれで構わないと思いますが、この意見書の提出の内容は、いつ検討するのですか。

(田中委員長)
これからです。事務局は、意見書は厚いものを考えていますか。

(星崎水源環境保全担当課長)
いいえ。19年度、20年度の点検結果報告書のご議論の中で課題が出ているので、その点から出発するのかと考えています。

(田中委員長)
副座長とも今後調整すると思いますが、その基本的な考え方と施策の部分についての考え方となると、意見書は数頁のものと想定されます。

(星崎水源環境保全担当課長)
市町村からも要望が出ているので、それも含めて報告しながら、大枠としての意見を頂ければと思います。

(中村委員)
5か年計画となると、その期間はその計画で動くことになりますね。森林を含めた自然環境を対象にした事業は、丹沢大山自然再生計画も同様ですが、最近言われる「順応型管理」により早く見直して、事業によっては、実施した年に見直すことも十分あり得ると思います。しかし、現行計画の今の段階で認められませんよね。

(星崎水源環境保全担当課長)
例えば、「かながわ森林塾」による人材の養成・確保も、水源の森林づくり事業の中に追加しています。市町村の河川・水路の整備についても、直接浄化対策の目標を30箇所としていますが、事業モニターした結果、批判的な意見も頂いているので、市町村には逆に生態系に配慮した整備により実施していただいています。したがって、目標に到達しなかったとしてもやむを得ないと思っています。ただ、県民に対して説明する必要はあると思います。

(中村委員)
関連性があれば、5か年計画の中に書き込まれていない事業でも使えるのですか。

(星崎水源環境保全担当課長)
計画事業費も各事業ごとに記述していますが、地域水源林の整備は計画事業費を既に超過していて、公共下水道の整備は少ないという状況です。

(中村委員)
例えば、森林整備の人材の養成・確保として、かながわ森林塾があります。しかし、森林の技術者を養成するのに、行政が関わっても何もできないと思います。逆に、業者に対して、安定的な年間を通した事業を与えて、3~5年の随意契約で仕事を与えて、そこに1~2人分の人件費を出して、次の若い人材を育成した方が良いと思います。私はそのような形の予算の出し方もできるのかなと思います。

(星崎水源環境保全担当課長)
それはご提言いただければ良いと思います。要するに、それは工夫の問題ですから、ご意見は幾らでも受けるつもりはあります。

(中村委員)
先程シカ管理の話も出ていましたが、私の住んでいる札掛地区では、保護管理の効果が出ています。それは森林所有者と森林管理が県有林であることと、森林整備が積極的に行われていること、また並行して管理捕獲が行われています。そうすると、かなり目に見える効果が出るのです。
しかし、行政区分が異なると、市町村によって取り組む姿勢が違います。シカ管理は森林整備は基より、管理捕獲も行政区分を跨いだ一体性がないとなかなか効果が出てきません。県がもう少し積極的に指導して欲しいと感じます。

(星崎水源環境保全担当課長)
それはやり方の問題、工夫の問題なので、何の問題もないと思います。保護管理の計画の配分の問題になってくるわけです。

(田中委員長)
中村委員も仰るような、ある種のフレキシビリティはあるのですね。

(星崎水源環境保全担当課長)
あります。しかし、先程中村委員が言われたように、随意契約で人件費を付ける話は、県全体の入札制度の問題になるので、できないと思います。

(中村委員)
随意契約と言いましたが、それはやり方で、幾らでもできると思います。そのようなやり方をすれば、業者の生活が安定すれば、後継者は出てくると思います。だから、いろいろな見直しの仕方で、一定の業者に一定の仕事量を与えることは可能と思います。

(天野委員)
私も中村委員と同じことを最初考えました。しかし、神奈川県が特定の業者にこの人間を使ってくださいということはできないのです。だから、森林塾で一定の教育を受けた人間を、ハローワークに登録するのです。ハローワークに業者が求人してくれない限り、この人たちの就職はないと思います。だから、運営委員会を設けて、県は県費で養成する代わりに、目的は水源の森林事業ですから、業者の方も必ずハローワークへ登録して、ぜひ採用してくださいという方法が必要なのです。人を県が送り込むことはできないのです。

(田中委員長)
契約の方法は県のルールがあるので、そこは工夫が必要だと思いますが。資料2はこのようなスケジュールで、したがって、21年度後半はこの点検結果報告書と意見書が課題になりますので、よろしくお願いしたいと思います。
繰り返しますが、次期計画に向けて来年度以降、課題とすることを、委員会としても、骨子案や素案に乗せていく話になると思います。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、最後に議題3の渓流調査に関する文献調査について、説明をお願いいたします。

【日本工営から、議題3の渓流調査に関する文献調査について説明。】

  • 20年度以来、懸案事項となっていた渓流調査について、文献により研究事例を調べて報告。

(1)ヒノキ林流域と広葉樹林流域の降雨流出の違い
ア小規模降雨における流出
→小規模降雨では、ヒノキ林流域では、広葉樹林流域に比べ、降雨に対する流出が速く、かつ大きなピーク流量が発生する。
イ大規模降雨における流出
→大規模降雨においては、降雨に対する流出の速さやピーク流量に関し、ヒノキ林流域と広葉樹林流域とで、大きな変化が見られない。
(2)森林を構成する樹種、林齢・間伐による土壌侵食の違い
ア樹種による土壌侵食の違い
→土壌侵食は、無間伐のヒノキ人工林において著しく発生し、広葉樹林やカラマツ林の30倍以上。
イ林齢・間伐による土壌侵食の違い
→間伐が行われているヒノキ人工林における土壌侵食量は、無間伐のヒノキ人工林の1月10日程度。

(田中委員長)
これを文献調査して、今度は渓流調査に反映できることになりそうですか。

(星崎水源環境保全担当課長)
調査方法そのものを調査したわけではなく、その求めようとしている調査効果を探して報告しました。これについては、かなり効果があるという調査結果にはなっています。

(田中委員長)
ありがとうございました。大変興味深い文献の結果でした。

(木平委員)
すごく常識的な、実験データのそろった結果ですね。

(田中委員長)
間伐すると非常に効果が上がるということが良く分かりました。実際に現地で調査することも必要ですが、同時に多くの知見や先行の研究があるので、このような文献調査もこの委員会で少し検討していきたいということで報告がありました。ありがとうございました。
予定の時間を超過しましたが、一応これで終了となります。
次の県民会議は、11月26日の午後ですね。場所は決まっていますか。

(星崎水源環境保全担当課長)
県庁の議会第3会議室です。

(田中委員長)
それでは、県民会議のご出席をよろしくお願いしたいと思います。本日は熱心にご議論ありがとうございました。

【会議終了】

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会議資料

資料1-1 点検結果報告書(仮称:平成20年度実績版)の作成の基本的考え方

資料1-2 点検結果報告書(仮称:平成20年度実績版)(案)

資料1-3 12の特別対策事業の総括(まとめ)(前回報告書との比較)

資料2 次期実行5か年計画の検討スケジュール 及び 基本的考え方

資料3 渓流調査に関する文献調査

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