更新日:2020年7月29日

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第5回水源環境保全・再生かながわ県民会議 審議結果

審議(会議)結果

次の審議会等を下記のとおり開催した。

審議会等名称

第5回水環境保全・再生かながわ県民会議

開催日時

平成20年5月26日(月曜日) 18時00分から20時15分

開催場所

神奈川県本庁舎 3階大会議場

出席者【座長・副座長等】

金澤 史男【座長】、新堀 豊彦【副座長】

淺枝 隆、天内 康夫、天野 望、石村 黄仁、片山 幸男、加山 俊夫(代理出席)、久保田 英賢、久保田 政宏、倉橋 満知子、木平 勇吉、坂本 勝津雄、瀬戸 孝夫、高橋 弘二、高橋 二三代、田中 充、沼尾 波子、蓮場 良之、長谷川 朝惠、福江 裕幸、古米 弘明、牧島 信一、真覚 邦彦、増田 清美、柳川 三郎、横田 和浩、吉村 妙子

次回開催予定日

 

所属名、担当者名

土地水資源対策課、担当者名 霜島、金井

電話番号 045-210-3106

掲載形式

  • 議事録

審議(会議)経過

(事務局)
定刻でございますので、県民会議を始めさせていただきます。
出席委員の状況ですが、27名の出席です。本日、傍聴に1名の方がおいでです。
4月から部局の再編があり、政策部となりましたので、冒頭にあたり政策部長からごあいさつさせていただきます。

(黒川政策部長)
県民会議の委員の皆さん初めまして、政策部長の黒川です。
今年4月に県庁の組織再編がございまして、新たに「政策部」が設置され、政策部長となりました。どうぞよろしくお願いします。
昨年度からスタートしました水源環境保全・再生施策の取組みにつきましては、現在、取りまとめを行っているところですが、事業進捗・税収ともに、ほぼ計画どおり推進することができる状況となっております。
委員の皆さまには、昨年度4月に県民会議が発足して以来、県民参加の仕組みづくりを県とともに作っていただき、市民事業支援制度のあり方について、ご報告をいただいたり、地域ごとの意見集約を図るため、県民フォーラムを全3回開催していただくなど、大変ご活躍をいただいております。
本当にありがとうございます。この場を借りて御礼を申し上げます。
お陰様をもちまして、市民事業への支援制度につきましては、ご報告に基づき、市民事業支援補助金をスタートすることができました。また、去る5月15日には、昨年度の県民フォーラムでいただいた多数のご意見を取りまとめ、「県民フォーラム意見報告書」として知事へ報告をいただいたところです。
今年度に入ってからも、すでに、県民フォーラムの開催、事業モニターの実施と、様々な取組みを積極的に行っていただいております。
私も、先日の事業モニターに参加させていただきましたが、市町村の森林整備を直に視察するとともに、委員の皆様の真剣で、熱心な取り組みに、感激したところでございます。
県民会議の皆様には、本県の「水源環境保全・再生施策」の推進に向け、今後とも、引き続き、ご意見・ご指導いただきたいと存じます。本日は、どうぞ、よろしくお願いいたします。

(金澤座長)
早速ですが、本日の議題1番目、県民フォーラム意見の知事への報告についてでございます。私からまず簡単に報告をさせていただきます。
資料の1をご覧いただきたいと思います。そこにありますように5月15日、私と新堀副座長、それから田中、沼尾、両専門委員会の委員長で知事に直接報告書を手渡しました。報告書に関しましては、3回の県民フォーラムの内容を示す資料をつけ、さらに、5ページ以降に各フォーラムで寄せられました意見をまとめてございます。そして、さらに3ページ目に県民フォーラム意見ということで、特に重要と思われるものを抜き出し、箇条書きにしております。
ここに持ってくるまで、事務局に大変ご苦労をいただいて、整理をしていただきました。さらに、そのすべての中から、3回の県民フォーラムの企画をしていただきました準備委員の方々に、特に重要と思われるものをマークしていただき、その意見に基づきながら、3ページ、4ページの重要なものをピックアップしていただいたということです。
第1回の県西地域では、片山委員、瀬戸委員、高橋委員、第2回の県北のフォーラムでは、坂本委員、石村委員、倉橋委員、第3回の県央・湘南地域では、真覚委員、吉村委員、柳川委員に、大変この報告書のまとめる過程でもお世話になり、御礼を申し上げたいと思います。
さらに知事に渡します時に、資料1の1枚目の裏側に、取りまとめに当たっての座長コメントをつけさせていただきました。これは、私が特に県民会議委員の意見を代表する形で重要だと思われる点を3点にまとめたものであります。
一つは、森林整備の作業に従事する人材の確保について。こういう人材の一般的な不足に加え、後継者の確保が困難になっているという問題は深刻さを増している。安定的な仕事量の確保、労働条件の改善などの方策を検討していただきたい。これが第1点。
二つ目は、県産材の活用など、林業振興策との関連について。産業政策としての林業振興策に関しては、県民会議が直接担当する分野ではないけれども、水源環境や森林を保全・再生する上での林業の役割に期待が高まっている。環境保全の視点から林業支援について特段の取り組みを期待する。これが第2点。
それから三つ目は、県域を越えた水源環境保全・再生の必要性について。桂川・相模川流域を初めとして、水源環境保全・再生の課題は県域を越えて取り組むことによって十分な効果が得られるということで、施策大綱、実行5か年計画では、県域を越えた、特に山梨県側の問題については調査費しか出ていないので、見直しの機会があればこの点に関する新たな施策の展開を検討してほしい。このように重要と思われるところを3点にまとめて、知事に直接この点をお話いたしました。
知事は、もちろん報告書全体について、また特にこの3点について、よく検討をしたいというお答えをその場でいただきました。15分の予定でしたが、30分以上知事と会見し、非常に重く受けとめていただいたという印象を持っております。
以上ですが、その後、事務局へ知事から何か指示等ございましたでしょうか。

(事務局)
検討するよう指示がございましたので、関係部局と調整に入るところでございます。

(金澤座長)
私の報告で何かお気づきになったところとか、ありますか。

―意見なし―

(金澤座長)
それでは、県民フォーラムの内容は、随時知事に伝えるという作業を、これからもやっていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは議題の2に入らせていただきます。
市民事業支援制度の応募状況について。これは星崎担当課長からお願いいたします。

(星崎水源環境保全担当課長)
市民事業支援制度につきまして、ご説明させていただきます。
資料2をお開きいただきたいと思います。2月14日の第4回の県民会議以降の状況でございます。2月19日に最終報告書を県に提出していただきまして、最終的にこれに基づきまして、県では制度設計を行ったところでございます。その後、様々広報等に努めまして、4月1日から募集を開始させていただきまして、4月12日に海老名市文化会館で説明会を開き、22団体の参加を得たわけでございます。4月30日が締め切りということでございまして、32団体65事業の申請をいただきました。
予算が900万円でございますが、合計申請額が1,828万9,000円という状況でございます。特別対策事業区分としまして、森林の保全・再生事業、それから森林の保全・再生以外の事業、資機材購入費ということで、記載の内訳になってございます。また普及啓発・教育事業区分と、調査研究事業区分についても記載の内訳になってございます。
今後の予定でございますが、ただいま市民事業等審査専門委員会の委員の方々にこの資料を送らせていただいて、見ていただいております。6月9日に第1回選考会を開きまして、第2回の選考会を6月13日、これは海老名市役所で公開プレゼンテーションとして行う予定でございます。それを経て補助事業を決定しまして、7月1日からの事業開始となるかと思います。また年度末には事業報告会等を開きたいと考えてございます。
以上でございます。

(金澤座長)
ありがとうございました。
これも審議事項というよりも、前回、前々回の県民会議で議論していただいた内容、それから専門委員会で議論していただいた内容に基づいて進んでいるということでございます。
沼尾さんから何かコメントしていただけますか。

(沼尾市民事業等審査専門委員会委員長)
今事務局からご説明いただいたような形で、この支援事業制度について、かなり幅広く県内あるいは周辺に宣伝をしていただいた結果、32件の応募をいただきました。
現在、委員で、書類の審査に当たっているところですが、当初想像していた以上の応募をいただきまして、これだけ県内で様々な活動が行われていることを改めて感じたのと同時に、恐らくこれをきっかけにして、新たな取り組みをやってみようということで、会を組織されたりしたようなところもあるようでして、そういう意味では、水源環境保全・再生に向けた取り組みをこれまで以上に活気あるものにしていく、一つのきっかけになっているのではないかなという印象を受けております。
ただ、うれしい悲鳴であると同時に、他方、予算には限りがあるということで、これからそれをどういうふうに審査していくかというところが鍵になるかと思います。
6月13日の公開プレゼンテーションは、いろいろな団体の方のお話を伺いつつ、団体相互の情報交換とか交流というようなことも含めて行いたいと考えておりますので、頑張ってやっていきたいと考えております。

(金澤座長)
県民会議で使い勝手のよい制度にという意見を踏まえて、事務局も頑張っていただいて、資料等を工夫し、QアンドA等もいろいろ用意していただいたので、こういう取り組みが功を奏したのかなと思います。ここまでご苦労された方に改めて御礼申し上げたいと思います。
今後のスケジュールについても、今説明がありましたが、今後何かこういうところに気をつけてとか、お気づきの点がありましたら、ご発言いただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
どうぞ、坂本委員。

(坂本委員)
市民事業支援制度への申請が32団体あったということで、私もほっとしているところです。ただ、神奈川県の山はすごく広く、32団体が動いたとしても、多分虫食い状態で、なかなか全体を整備するというところまではいかないと思うのです。最初の一歩としては、すごく意味があるのだけれども、山の広さを考えると、太刀打ちできない状況だと思っています。
先日、後でまた報告があると思いますが、秦野市の、里山整備の取り組みをモニターに行った時に、行政と地権者とボランティア団体が協働で行っていた。ここの場所をみんなでやりましょう、だれかやる人いませんかという仕切りを行政が行っていたのです。多分、この水源環境税の補助があるのだと思いますが、ある意味で市町村の独自の取り組みを促すと同時に、NPOたちの意図するものが合致していく。そういう動きを、将来、市民事業の補助でもとれたらいいなと思います。
今回は、県民会議が受け付けて、審査するという形になっていますが、32だからまだいいのですが、これが100、200の団体が出てきた時に太刀打ちできるかというと、やっぱり厳しいと思います。
山を抱えている市町村の森林課とか経済課などが、ある意味で窓口になり事業を推進し、県民会議がそれと関係していくという図式が何年後かにできるといいなと思っています。
県民会議は、チェックする側の立場に回ったほうがいいのではないか、認定してしまうと、チェックしづらい部分もあるので、その辺がジレンマの1つかなと思います。

(金澤座長)
今後のことも含めた建設的なご意見だと思いますが、新堀委員とか沼尾委員に答えていただくような話でもないと思います。
他の方はいかがですか。今のことに関連してもよろしいですし、それ以外のことでも結構です。
倉橋委員、お願いします。

(倉橋委員)
質問ですけれども、6月に第1回と第2回の選考会があると聞きましたが、これは全ての団体が、1回と2回に分かれてプレゼンテーションをするということですか。それとも、書類選考で決定された人のプレゼンテーションなのでしょうか。

(事務局)
第1回目の選考会につきましては、書類選考です。その結果お話を聞かせていただかないと判断できないということで、プレゼンテーションでお呼びするグループを決めさせていただきます。第2回目の選考会は、そのグループの方々にプレゼンテーションをしていただきます。

(倉橋委員)
そうすると、2回プレゼンテーションするのですか。

(事務局)
いいえ。そうではなく、1回目は書類選考で委員の皆様で絞っていただく。絞られた方を2回目のプレゼンテーションにお呼びするという形でございます。

(金澤座長)
これは、幾つの団体が申請してきたかということとの関係で決めたことだと思うんですね。10団体くらいであれば、全員面接とかプレゼンとかもあったと思いますが、先ほど、坂本委員のおっしゃったように、30数団体では、委員5人ではとても大変だということで、まず書類で第1次選考を行うわけです。高橋委員、どうぞ。

(高橋(弘)委員)
申請状況がまとめられておりますけれども、この中で、もう一つのまとめ方として、県の市町村別というか、行政センター単位になりますが、地域性からのまとめ方は何かやっていらっしゃいますでしょうか。

(事務局)
申し訳ございませんが、やってございません。
県民会議等でかなり議論いただきました、県外のお話ですが、説明会には、山梨県のグループが参加されたのですが、申請は出ていない状況でございます。

(金澤座長)
資料として、NPOの事務所のある地域と、それから活動の対象がどこかということで、資料を作っていただけないですか、次回までに。

(事務局)
わかりました。

(金澤座長)
我々としても、掴んでいたほうがいい情報だと思います。どの辺の地域の方々が、どの辺の地域で活動することに助成をしたのかということを知っていてもいいと思います。
坂本委員、どうぞ。

(坂本委員)
私は、県北地区、相模原から公募委員なのですが、相模原市の森林は、めちゃくちゃ広いです。しかも、今後、政令指定都市を目指して動いたとしたら、4つもダムを抱えた政令都市という位置づけになろうかと思うのですが、秦野市の事例ではないですけれども、相模原として山の整備、里山の整備をどのようにしていくのかという、プランが必要になるかなという気持ちで見守っています。
虫食い状態にしないためにも、1つの指針があって、重点的にこの地区をやるから、市民事業どうだろう、頑張れないかなという協力の求め方が、すごく必要ではないかと思います。
現に私は、この市民事業に応募させていただいたのですが、場所を見つけることにすごい苦労します。個人が持っている山は、特に難しい状況があります。候補地探しにしくじった団体は、今回名乗りを挙げられず様子を見ていると思うのです。
政策として、どこをポイントにして、底辺を広げていくか。そこまで考えた上での掘り起こしじゃないと、今後、飛躍的なブームが起きないのではないかという気がしています。
以上です。

(金澤座長)
今の点、私が理想として頭に思い浮かべることを言わせていただくと、県内の森林なり水源環境にかかわる状況の全体像をマップに作るということだと思うのです。我々が全部の網を掛けることはできないけれども、おっしゃったように、マップに事業の状況を落とし、ここは市民事業でやっている、ここは森林、水源環境税で管理している、ここは市町村がやっているというように見ていって、その中でどこは手がつけられていないとか、そこについてどうしたらいいかをマップに基づいて、議論できるようになったらいいなと思っています。そんな方向を目指してやっていけたらと思っています。
そういうご意見も念頭に置きながら、引き続きよろしくお願いをいたします。
それでは、議題の3に移ります。施策調査専門委員会の検討状況についてです。田中委員長、ご報告をお願いいたします。

(田中施策専門調査委員会委員長)
それでは、差し替えの資料が机上に配付されていると思います。あと、事前送付した資料に5月15日に行いました施策調査専門委員会の資料がございます。これをご覧いただきながらご説明したいと思います。
まず資料の3をざっと最初にご紹介してから、当日の議論の様子を報告したいと思います。資料3と右側に番号を振ったものは、今年度第1回目の施策調査専門委員会の資料でございまして、前年度、19年度の調査の概要と、今年度どういう調査をやるかという、紹介を主に行いました。1枚目が議事次第でございまして、めくっていただきますと以下資料3-1から、3-2、3-3と順番になっております。資料3-1は平成19年度の最後、第3回の専門委員会の議論の概要でございます。
資料の3-2でございますが、この水源環境保全・再生の5か年計画に基づきます事業が9つございます。1ページ目にございますが、森林保全の再生につきましては事業ナンバーの1番から5番まで、水源の森林づくり事業ほか地域の水源林整備事業まで。それから裏面には、河川の保全・再生事業は6番の自然浄化事業でございます。それから7番が地下水の保全・再生事業、保全対策の推進。それから8番と9番が、これは水源地域における負荷の軽減ということで、公共下水道の整備と合併浄化槽の整備ということでございます。この9つの事業をそれぞれ目標立てて年度ごとに行っていくというのが、水源環境保全・再生計画の中の位置づけでございます。
それを図にしましたのが3-2(2)です。このように事業がそれぞれ位置づけられているということでございます。
その上で、この事業を、平面図にするとどのようなことになるかという、対象地域を図にしたものでございます。
以下、個別の事業を少し内容に入って見ていったものが資料の3-3からでございます。対照流域法は、森林の保全整備に伴いまして、とりわけその効果を測定するために、対照流域を決めてAの地域ではかなり強度の間伐等を行い、いわば森林管理を行う。Bの対照地域では、むしろそれを放置しておいて、その両方の差を現地現場で見ることで、その森林管理の効果を把握していこうという調査でございまして、これも5か年、さらにはその後の継続も考えておりますけれども、一応5か年で事業計画を組んで地域を選定したものがこの資料3-3でございます。
それから3-4でございますが、河川のモニタリング調査でございまして、内容的には河川調査を行うときに、2つの調査の枠組みで行おうということで調査計画を立ててございます。一つ目は、従来型で県を初めとした関係機関が行うものと、2つ目は、県民調査で、県民の皆さんが参加して行うという調査です。そこでの調査項目であるとか調査地点といったものをここで検討してございます。内容的には3-4(1)と3-4(2)とで具体的な調査の内容が示されてございます。ちょっと厚いものですけれども、専門委員会の調査です。
それから、めくっていただきますと3-5という資料です。これは水源の森づくり事業ということで、水源の森林づくりを複層林にする、あるいは巨木林をつくるとか、そういう形で、さまざまな林型にしていこうということで、この調査を行っております。この事業を推進しておりまして、その事業内容を以下、資料のような形でまとめてございます。
また、その効果を測定するためのモニタリング調査でございまして、平成19年度調査の概要が出ております。
それから、以下は水源の関係、森林の関係が続いておりまして、次に3-5(2)が、丹沢大山の保全・再生対策でございます。これは、丹沢大山に限定をしまして、ここでの土壌流出防止であるとか、あるいはブナ林等々の保全のための事業、森林整備事業でございます。
それからめくっていただきまして、森林事業の第3項目は、渓畔林整備事業ということです。これは、特に水源の上流部の渓畔林、渓流におきまして、土壌流出防止であるとか浄化といった観点から、森林整備を行うということでございます。これは特に上流部にその対象地域が該当いたします。
それから、森林整備事業の4番目が間伐材搬出促進事業です。これは間伐をしたものの搬出の支援をしていこうということでございます。
それから同じく森林整備事業の3-5の資料が、5番目が地域水源林整備事業ということです。これは県ではなくて、市町村が取り組む、特に里山等の保全について県が支援をしていくということでございます。そうした市町村事業を計画として取りまとめたものです。
それから6番目が、河川浄化でございます。自然浄化事業ということで、これも5か年計画で組んでおりまして、年度ごとに直接浄化あるいはそのモニタリング、浄化した水質も効果を測定するモニタリングということを行うということでございます。
以下、参考資料ということで具体的な調査のデータ等が載っています。
後ろに7番と8番がございます。これもご紹介させていただきますが、資料3-5(7)という地下水保全対策事業でございます。地下水保全対策を5か年計画で進めるということで、その中の19年度の実績と20年度の予定がまとめられています。それから、水源地域の公共下水道の整備、これ8番でございますし、それから9番が水源地域の合併処理浄化槽の整備です。
大変事業の数が多いものですから、以上の9つの事業について、まず19年度の実績と、20年度の予定を一応この専門委員会で調査をする、審議をするということが1つでございます。
それから資料だけ申し上げますと、資料3-6という、パワーポイントのスライドの資料が載ってございます。これは、また新しい調査の枠組み、作業の枠組みとしまして、GISといういわゆる画像情報で地理情報としてデータベース等を使いながら県民にわかりやすく情報を提供するという事業も柱として行っております。その内容を、どういう作業方針あるいは調査方針で進めるかということで、ホームページ等の活用などがに載ってございますし、さらにスライドの資料の5ページ目あたりから、「統合型GIS」という情報処理システムを活用して、従来集めてありました既存のデータベース等をこの中に入れ、さらには19年度から始まりました水源環境保全・再生事業の調査データもこの中に入れていく。それをコンピューター上でわかりやすく地理情報システムとして提供する。こういうことをシステム作業として行おうということでございます。これがこのGISの作業でございます。
資料3-7は、相模川水系の上流域との水系を連携して行うということで、山梨側と共同調査をしている内容の紹介です。
以上が資料、大変分厚いものですけれども、これをもとに調査の内容、調査の進め方について審議をいたしました。
その主な結果が別紙で、今日差し替え資料になってございますが、専門委員会での主なポイント、委員からの発言、それから県側の対応ということが整理されてございます。
いくつかの指摘がございまして、例えば、森林の管理を行った効果を測定する対照流域法について、今後の進め方でありますとか、特に生物調査を行っても、状況がやはりすぐには変わらないので、その点の配慮が必要であるといった点、それから、特に森林管理をかなり強めにやらないと、実際上その効果というのは把握できない、難しいのではないか。つまり強度の間伐であるとかいったことを、かなり丁寧にやらなければいけない。このような指摘がございまして、それについては、概ねそのような形で進めていくということで、事務局からの回答がございました。
それから、2つ目の河川モニタリング調査でございますが、ここでの大きな議論としては、水量調査を丁寧にやるべきではないかという話がございました。特に渓流調査等につきましては、水がどのように保水が推移してきているのかといった水量調査を実施してはどうだろうか、という点について指摘がございまして、これもその方向で考えていきたいということで、回答がございました。
裏面にまいりまして、今度は個別事業の1番から9番の、それぞれの19年度、20年度事業計画についての議論をいたしました。ここでも水量調査の件、それから渓流調査の件、それから河川モニタリングの件について、何点かご指摘がございました。
最後にGISの情報について、データをわかりやすく県民に公開する、提供するということの趣旨での議論になりました。事業の実績データ以外にも、今まで県の当局が持っている、場合によっては市町村も入っていると思いますが、そういう様々なデータがある。そこにGISという形で、そこに統合していくことになるけれども、それについてどこまで入れるのかといったような整理が必要ではないかといった議論がありまして、これについては引き続き検討していくということで取りまとめてございます。
以上でございます。

(金澤座長)
ありがとうございました。それでは何かご質問、お気づきの点等あれば、どうぞ。
当日の専門委員会の委員の方から何か補足等あればお願いします。
倉橋委員、どうぞ。

(倉橋委員)
この日は私も傍聴させていただいて、先生方の活発なご意見を伺って、大変感心いたしました。1つ聞き忘れたのですけれども、地下水の7番、A3の地下水の保全・再生ですが、このところに休耕田の借り上げなど書いてありますが、この点に関しまして、多少具体的に予定があるのでしょうか。また、地下水の保全対策ですから、地域で考えているのか、そこも伺いたい。

(金澤座長)
休耕田の借り上げ等具体的になっているのかどうか、事務局お願いします。

(事務局)
まず、施策の範囲でございますけれども、地下水を主要水源として使っている市町村は、座間市、秦野市、足柄上・下郡、小田原市、それから三浦市が施策の範囲ということになります。
休耕田の借り上げでございますけれども、メニューとしては入ってございますけども、市町村がつくる地下水の保全計画の中で、どういう扱いをされているのかということで、私どもも協議させていただいて、助成をするかどうか決めていますが、今のところ、この資料にはございません。

(倉橋委員)
休耕田、農地の問題ですが、もちろん地下水の保全地域だけではないと思っています。しかし、米問題もこれからよい方向に向いていくのかなと期待したいところなのですけれども、高齢者がどんどん農地を手放していくという状況の中で、少し急がないと食料問題とか間に合わないのではないかなと大変危機感を感じておりますので、この辺をもう少し具体性を持って進めていただきたいなと。この5か年の間でもう少し見える形で進めていただきたいなと思って、発言をさせていただきました。

(金澤座長)
ありがとうございました。
ほかにいかがでしょう。古米委員、どうぞ。

(古米委員)
古米です。私も施策調査専門委員会に出席しておりまして、最後の4番目のGIS作成というところは、今後非常に問われている部分で、具体的に作業を進めていただいているということを聞いております。ここに記載されていない委員会での議論内容としましては、私の発言ではございませんが、やはり水の議論というものは市町村単位ではなくて、小流域単位で行うべきで、どの流域でどの事業がどう展開されているのかだとか、先ほど金澤座長からもご指摘のあったように、どこがどれだけの整備がなされているのかといったことをGISにてわかりやすく示す必要があるということです。鋭意、事務局の方も工夫をされるはずだと思いますが、言いかえると、こういった県民会議の場で目の肥えているいろいろな方から、こういった図があるといいですねということを少しずつ集めることで事務局も非常にスムーズに作業できるように思います。是非いろいろな形でGISの活用方法に関して情報提供いただくと、最終的に施策専門委員会で議論をする時にも役立つだろうと思います。
1つ取っ掛かりですけれども、先ほど市民事業支援の事業が6月に最終的に決定するとありました。こんな事業がどこで実施されているのかというのを、是非このGISのマップの上に載せていく。要は、県がやっているこのプラスアルファの市民事業でこういうところをやっていますよというのを載せていく。そういったプラットフォームとして使うのが、まさにうってつけかなと思いますので、ぜひ進めていきたいと思います。

(金澤座長)
ありがとうございました。
他にいかがでしょうか。高橋さん。

(高橋(二)委員)
今の地下水保全対策の中で、座間市に対しての支援がありますけれども、座間市民の方から意見をいただきました。座間市の場合、地下水を飲み水に使っているのですが、この座間市に充てられた8,051万円というお金の使い方について、市民としてちょっと腑に落ちないという意見だそうです。秦野市ですと、湧水の流れが割と緩やかなので、もし汚染された場合の、浄化装置が大変な力を発揮するんですが、座間市の場合は流れが速いので、秦野市と同じような浄化装置が果たして本当に必要かどうかというのを疑問に思ったということで、県民会議委員として是非意見を伺うことができないかと言われたので、よろしいでしょうか。

(金澤座長)
今、お答えできる方いらっしゃいますか。

(事務局)
座間市につきましては、秦野市は、昨年委員の皆さんにも見ていただきましたが、浄化装置そのものをつけて運転をしてございます。座間市につきましては、浄化対策をするために昨年度どんな調査をやるかということで、現実に水質の調査をして、その対策についてどう考えるべきかと今検討しているところでございます。その中で、実際にその浄化装置をつけるかどうかという部分について、まだ検討をしている状況でございます。私どもと再度また検討しながらやっていきたいと思ってございます。

(高橋(二)委員)
では、座間市がその機械を使うということではなく、その方向性もあるが今検討しているよというところでよろしいですね。

(事務局)
もともと座間市は、それをつけるつもりでいたのですが、調査をした結果が、もう少し検討しないといけないという報告は受けてございます。

(金澤座長)
今の質問で思い出したのですが、県民フォーラムの意見、報告書の中にも、今のような質問が多数寄せられておりまして、これに関しても知事さんに各部局の総力を挙げて誠意を持って答えていただこうと、一つ一つの質問にですね。それをお願いしていますので、こういうような質問も、県民会議で出た質問に関しては、できれば文章で回答できるような形で準備していただければと思います。
長谷川委員、どうぞ。

(長谷川委員)
事業のモニタリング評価についてはよくわかりました、ありがとうございます。
ですが、事業の採択に当たってのシステムはよくわかっておりません。普通の補助事業ですと、例えば要件があって、それをポイント制などで優先順位を決めて取っていくというような場合がございます。課長のお話にありましたように、地域が限定されている場合には、優先順位が決まってくると思うのですけれども、今後市民事業ではありませんが、たくさんの手が挙がったときに、どういうプライオリティをつけていくのかというのは、どこで判断されていくのかが、あまり示されていないような気がするので、その辺のご説明があったほうが、事後のモニタリングに生きてくるのではないかと思います。

(金澤座長)
これも事務局、お願いします。

(事務局)
市町村との協議につきましては、5年計画を出していただき、それに基づいて5年間の計画目標と予算の総額などで調整をしながらやらせていただいてございます。県民会議には、そういった資料を出してはいない状況はあると思いますけれども、市町村の交付金という意味でいけば、市町村と個別にやり取りをさせていただき、それからまた全体の市町村との会議等で決めているという状況です。

(金澤座長)
いわゆる箇所づけについて、どういう根拠に基づいて箇所づけをしたのかということだと思いますが、どこまで詳しいものが必要かはまた検討していく必要があると思います。
専門委員会でも必要があればそういう資料を要求して、検討対象にしていただくということでいいと思います。
牧島委員、どうぞ。

(牧島委員)
先ほど、いわゆる流域、上流域を中心にしてGISでフォーカスを当てて、そこに様々なデータを重ね合わせていくというお話がありまして、一目で分かることを心がけながら、ともかく目標に向かって努力をしていこうということは、大変画期的なことではないかと思います。
長谷川委員のお話にもありましたように、いわゆる成果をどう見ていくのかということになるかと思うのですが、以前、お話し申し上げたように、この県民会議は、非常に大きな学習組織だろうと思うのです。具体的な事業をしながら学習組織という言い方は馴染まないかもわかりませんが、やはり新しいことにチャレンジをしていくわけですので、お互いに学習をしていくという面があるかと思います。限られた情報、あるいはそれぞれの知見の中でベストを尽くすということが、専門家の目から見れば必ずしも正解ではないということもあり得るわけですね。そういう意味でそれがどこのポイントで、どういう事業が行われているのか、それにはどういう背景があって、どういう事業特性を持って行われているのかということが、お互い見えてくると、助言の仕方がどんどん変わってくるだろうと思います。
そのように目に見える状況がどんどん生まれることが、非常に効果的な施策を展開していく基盤をつくることになるのではないかと思いまして、大変心強く感じております。
以上でございます。

(金澤座長)
ありがとうございました。柳川委員。

(柳川委員)
私は、施策調査専門委員会の皆さんから出された意見に対しする県のお答えを聞きながら、5か年計画というものが、この制度導入前の形のまま5年間進むのではなくて、提言の中にも入っておりましたけれども、意見を踏まえて見直しの時期がいつごろを想定しているのか。とりあえず、この5年間は市町村が挙げてきた事業に基づいてやるのか、途中で見直しがあり得るのかどうかという点を伺いたい。
また、施策調査専門委員会の資料の3-7、地下水の涵養という問題について、地下水そのものを浄化するということですが、我々も先般見させていただきましたが、涵養についてのあり方の調査研究もまだまだやっていかないと、現時点では非常に厳しいのではないか。
私は、つい最近、秦野市の上流の室川に行って、白笹稲荷という、ご存知の方もおいでになるかもしれませんが、そこにたくさんの湧水の地点があります。その白笹橋で、簡易テストをしたら非常に汚れているのです。これは大きな課題だなと。汚染された水が地下に行って、たまったものを浄化するよりも、水の表面上にあるものを調査研究して、地下水の涵養策を考える形が大事なのかなと思います。
もう1点、これもつい最近、酒匂川の上流域の、山北高校の酒匂川の左岸に行って、同じようにCODで簡易調査した。これまた非常に汚いんですよ。これだけいろいろなことが叫ばれている中で、上流域となど大事な地域の現状はまだまだ改善する余地がいっぱいあります。そこで、冒頭申し上げたように、大きな事業というのは、常に見直しだとか、よりたくさんの意見を踏まえて、何らかの新しい形の展開もぜひ取り組んでいただければありがたいと思います。よろしくお願いいたします。

(金澤座長)
実行5か年計画の見直し、5年たつ前の段階での見直しの可能性みたいなのは、いかがですか。

(事務局)
基本的に12の枠組みというのは、かなりご議論させていただいて、5年計画で出させていただいていますので、ここはなかなか変えられるものではないと思ってございます。ただ、市町村の5年間の計画がすべてコンクリートされているわけではなく、様々な要因で変化をしていますので、そういう中でもっとよりよい施策といいますか、やり方があれば、お聞きかせいただいて、取り入れていきたいと思ってございます。

(金澤座長)
倉橋委員。

(倉橋委員)
今の見直しの件ですけれども、今までこの水源環境税が始まる前の状態は、凍結されたように固まった状態が長い間続いて、やっとこれからという状態になったのですが、やはり外の流れ、例えば外国の問題とかがどんどん変わってきていますよね。それも急激に変わってきている状態があるので、それを見据えた中で見直しをしていかないと、逆に後手に回ったり、間に合わなかったりという問題になりそうな気配が感じられます。
というのは、やはり外材が入ってこなくなれば、国内産の今まで出ていかなかった材がどんどん出ていく可能性が出てくるわけですね。その時に、やっぱり売れればどんどん皆伐してしまう。皆伐して、また植えてくれればいいですが、その後の問題がどうなるかというところ。例えば民有林でしたらば個人の問題ですから、なかなかこちらの意見も通らなかったりしますから、そういったときに、もう少し緊急性の場合というか、見直しを、5年と切らなくても、もう少し対応するシステムも必要ではないかと思います。

(金澤座長)
県の財源は、水源環境税だけではありませんから、緊急であれば、それは県議会を通じて緊急の対策という手もあるわけです。そういったいろいろな手を考えながら、具体的にこれが緊急に必要だというような合意が県民会議でできれば、それを水源環境税の中だけでなく、もっと大きな予算としてやるべきではないかなど、意見が出でくると思います。もし具体的なものがありましたら、出していただきたいと思います。
吉村委員、どうぞ。

(吉村委員)
基本的なことかもしれませんが、資料の3-2(1)、A3の中で、事業のねらいと実施状況や調査項目の「―」と記載のあるものは、モニタリングもしないのか、それとも今後について検討中なのか、そのあたりを知りたいということ。
それから、その他にも、いろいろモニタリングとか、質的指標とかありますけれども、これら事業をやった結果、こういうふうな状況を達成したいということ、これはまさに達成度にかかると思うのですけれども、この部分については、例えば具体的な数値目標、このレベルは達成したいというものがあるのか、項目によってはそうではなくて相対的に改善したということをモニタリングしていくのか。
すぐにではなくてよいのですが、そのあたりが示されていると、公募委員だけの事業モニターといった事業を見ていくときにもわかりやすいですし、県民にもわかりやすいのではないかと思います。

(金澤座長)
前者の点を中心に事務局から、まず答えていただきます。

(事務局)
こちらの表については、基本的に目標値が定まっているもの。例えば間伐材の搬出、何立米出します、それを有効活用しますということになっていまして、さらにそれを質的に指標に変換していきますが、―のところはそれ以上のものはないということで、合意になってございます。
例えば調査、測量というところは、それを調査、測量すればいいということで、それ以上の質的なものというのが目標値として置いていないという読み方をしていただければありがたいなと思います。

(金澤座長)
吉村さん、とりあえずいいですか。

(吉村委員)
2つ目に申し上げました、相対的に見ていくのか、それとも絶対的にこれぐらいは達成したいというようなものがあるかということも、今後示されるといいと思います。

(金澤座長)
その絶対的、相対的な点は、田中委員、どうですか。

(田中施策調査専門委員会委員長)
例えばですが、下層植生の被覆度、そういうものが何%程度目安としてあるのか、それとも今までよりも少しでも改善の方向に向かっているのかという、そういった意味です。良くはなっているけれども、まだまだ理想には遠いとか、そういうこともありますし、既にある程度、目標に近い状況にあるかもしれないということです。

(事務局)
今の話、例えば森林整備の質をどのように評価したらいいのか。例えば森林の手入れが適正にされているという、適正とはどういう状況かというような議論がありまして、これはなかなか難しいです。ただ、一応ここでのモニタリングの項目、例えば1番目の一番上の欄のところ見ていただくとわかりますが、光環境であるとか植生とか土砂の移動、こういうものを見て、総合的にここは一応適正に管理されている状態であるというふうに、基本的には目視というか、人が入って確認をしていくと、そういう調査の仕方、それぞれ現場を確認するという形で見るということです。

(金澤座長)
瀬戸委員、どうぞ。

(瀬戸委員)
さっきの見直しのことについての関連ですが、先ほど柳川委員から山北高校の横の酒匂川の水質が汚いという話がありました。今、山北町では20年度から4年間をかけて、丹沢湖の集水域のところに合併浄化槽をつくろうということで、4年間で200基を予定しています。
その中で意見が出ていますのは、もちろん丹沢湖の上流域をやるのは必要だけれども、結局最終的に取水するのは酒匂川の一番下流のほうですので、いくら丹沢湖の上流を一生懸命やったとしても、最終的に全部集まって飲み水になるわけです。そういうことになると、先ほど言われたような、ほかの地域のもっと下流域も合わせてやっていかないとだめなのです。
そういう意味で、集水域だけに限らないで、もう少し範囲を広げてほしいという要望が出ています。これはすぐに見直して取り上げていただけるかどうかわからないと思いますけれども、今後の方向として、そういう考え方でやっていただきたいと思っています。

(金澤座長)
ありがとうございました。これも検討に値する問題ですので、考えていきたいと思っています。他にはいかがでしょうか。どうぞ、天内委員。

(天内委員)
先ほど話の出た地下水のことですが、座間の市役所の方とお話ししたことがあるのですけれども、座間市の水道が確実に、少しずつ富栄養化しているということをお聞きしました。あそこは恐らく、旧相模川の伏流水を水道に汲んでいるのだと思いますけれども、徐々に窒素分が上がっているということは、相模湖、津久井湖のダム湖の富栄養化とパラレルなのではなかろうかと思っています。つまり、座間市が今、水道水を地下水に頼っているということは、その窒素を地下に封じ込めるというか、ため込みを促進している反面もあるのではないかという気がします。できることならば、座間も他の市町村と同じように、県水その他の水を使う方向に少しずつ切り替えていかれたほうが、いろいろな意味でいいのではないでしょうか。
秦野とか箱根山麓の地下水汲み上げとは、かなり意味が違うと思っていますけれども、そういったことも1つの検討方向として、科学的に調べて、意見などで示していく必要もあるのではないかと思っています。
以上です。

(金澤座長)
県の研究機関、もしくは、県の担当部局で、県内全体の地下水の汚染状況というか、水質状況について全体的な調査など行っていますか。

(事務局)
はい、やってございます。
県として、モニタリングということで、地下水についてもやっています。例えば、工場などで、汚染状況があれば、追跡して調査をしますし、ローテーションを組んでモニタリングをしておりますので、状況はかなり把握しております。

(金澤座長)
それを掴んだ上で、必要な対策がされているかどうかの判断をして、水源環境税を利用する市町村もあるでしょうし、別のスキームもあるかもしれませんが、適切な対応がきっちりされているかどうかということですね。

(事務局)
その中で、秦野市と座間市、それから三浦市については、直接浄化対策について、この水源税を充てていくことも可能だと選択をしていただいています。昨年、座間市がいろいろな調査をされて、検討している状況でございます。

(金澤座長)
専門委員会では、実施した内容についての効果というのはできると思いますけれども、求められている水準になっているかどうか、先ほどの絶対的な水準、相対的な水準というものがありますけれども、そのあたりも念頭に置いた評価ができるといいですが。
他にはいかがでしょうか。

―特になし―

大分時間もたちましたので、このくらいでこのセッションを終わらせていただき、またお気づきの点があれば随時ご発言いただくということで、議題の4にいきたいと思います。
県民視点による広報広聴の取り組みということで、県民フォーラムについて、この間実施されました2つ、それから、これから行われます横浜・川崎について、簡単に情報の交換をしておきたいと思います。
まず、先ほどの県民フォーラム意見のところでも若干内容的には触れさせていただきましたが、改めて簡単にご報告を願います。県央・湘南地域の結果報告を真覚委員、お願いいたします。

(真覚委員)
お手元の資料4に沿ってご案内したいと思います。既にかなり詳しくまとめていただいていますので、口頭の説明もポイントだけに割愛させていただきます。
まず、実施は3月23日と書いてございますが、秦野の表丹沢野外活動センターで、ちょうどこの日に秦野市の里山祭りというお祭りがございまして、そういうものに関心がある方も大勢集まっています。秦野市と相談の上で、そこで同時開催しようということで進めました。
内容につきましては、他の2回のフォーラムと構成等は同じでございますが、メンバーが入れ替わるというような形で進行しております。まず座長からこのフォーラムの目的の説明をいただいた後に、地元の秦野市の副市長さんから、秦野市としてこの1世紀、100年を見据えた森づくりの構想を持っているんだと。これと県が打ち出した構想とを連携しながら、市の事業を継続して、今回の新しい交付金を大いに利用したいというような趣旨のごあいさつがありました。それに続いて、星崎課長から水源環境保全・再生の取り組みにつきまして、内容及び予算のご案内をいただきました。それから4番目に、沼尾委員長から新しく打ち出されました、市民事業支援制度について、表に向けては初めてでございますが、説明をいただきまして、是非これに参加してほしい、大いに活用してほしいというような呼びかけがございました。
続いてでございますが、資料裏のページの事例報告、フロア討論でございますけれども、これは、ここに書いてございます沼尾委員長を初め4名のパネリストによって行われました。
まず、秦野市の大津課長から、先ほどご案内もありましたが、いわゆるボランティア団体、それから森林の所有者、それから仲立ちとしての行政の関係が、非常にうまくいっている。つまり行政側が中に立つことによって、森林所有者に対しても、あるいは参加のボランティア団体に対しても、かなり安心感を持って参加してもらっている。そういったことの発表でございました。
先ほど来、坂本委員のお話にもありました、この活動とフィールドの裏づけですね。これを登録制度という形で、秦野市ではボランティア登録、それからフィールド登録、そういう形で情報をうまく結びづけて、その間に行政がいるという形での展開ということが、注目されているところであります。それからその後は、民間団体の椎野さん、金目川水系ネットワークの柳川さんから活動の実態を案内いただきまして、かなり関心を呼びました。
大体このような展開でございますが、これに対して参加の方々からは、その次のページにあるようにいろいろ意見が寄せられました。特徴的なところを少し拾ってみますと、例えば項目の8番ですとか、あるいは35番です。この会場で秦野市の取り組みについて、秦野市民が初めて聞いた、大変よくわかったというような、理解の促進に役立ったということとか、あるいは項目の18番、19番、20番にございますように、計画に対する関心の高さ、あるいは情報公開に対する要望が非常に強いということも参加者の声として伺うことができました。それから21番、29番でございますが、いわゆる水源の森地域あるいはそういう地元以外の政令都市を含めて大都市で、もっと呼びかけが必要なのではなかろうか。今回は秦野市での開催ですが、そこへ例えば横浜・川崎等から参加された方が都市部に対して、もっとPRしてほしいというような要望が意見として出されておりました。これについても、これから横浜・川崎地区で行われますが、やはり水源地域だけでなく、その恩恵を享受する、都市部に対してもっともっとPRが必要かなとアンケートの中で感じた次第でございます。
以上です。

(金澤座長)
ありがとうございました。吉村委員と柳川委員も一緒に企画していただきました。
柳川委員はパネリストもやっていただいたのですが、何か補足することありますか。

(柳川委員)
私は、先程支援事業の関係のお話が出ましたけれども、沼尾先生に初めて公開の中で、このような形をやっていただいて、大変よかったと思っております。と同時に、我々が常にこのフォーラムで心掛けている水源環境保全の取組みを知らせるということをフォーラムでやる大変さ、時間がちょっと短かったのかなと思いましたが、年度末と新年度を迎えるに当たっての時期としては、大変効果的なフォーラムができたなと思っております。皆様に大変お世話になりまして、ありがとうございました。

(金澤座長)
時間もございますので、第4回の横須賀・三浦地域フォーラムを、高橋委員から簡単にご報告願います。

(高橋(弘)委員)
それでは、第4回の5月16日に行われました三浦半島地域です。開催したのは横須賀です。鎌倉から逗子、葉山、それから三浦までですが、残念ながら一番の問題は参加者がちょっと少なかったのではないかということです。
内容的には、まずは座長のあいさつの後、地元市長にかわりまして、副市長のあいさつをいただきました。その副市長は、前職が上下水道局の局長をやられた方なので、単なるあいさつではなくて、横須賀市の水道の現状も含めて説明していただきました。
その後、この水源環境保全・再生について星崎課長から説明いただいた後、横須賀市から村田さんという浄水の主査から説明いただきました。この人のお話の導入が、今年、横須賀市が水道の給水を開始して100周年を迎えた。その100周年を迎えた最初の水というのは、走水の水源、湧水を使っていた。現在も使われているものの、その量たるや現在横須賀市で使われている水量の0.5%しかない。では残りはどこから来ているかというと、それは相模川であり酒匂川であり、横須賀市から遠いところに水源を求めている。そこの水源を私たち遠いところからでも関心を持って、水源保全に対して現在水源税を納めているけれども、それに対してチェックし、事業の内容について知っていく必要があるだろうと。
その後のパネルディスカッションでは、横須賀市の人口から見たら2億円の水源税を毎年払っているのだということで、やはり会場に集まった人たちもそういうことを踏まえて話を聞いたのではないかと。そこで、パネルディスカッションで水源地域の実態をお話いただきました。横須賀市民としては、あまり関心もなくて、わからないことが多かったと思うのですが、それを坂本さんと、それから宮野さんが説明してくださいました。もう1人のパネリストは地元の安藤さんという環境活動をされている方ですが、その水源環境と言いつつも、やはり一番大事なのは林業として成り立つことでなければならないだろうし、水源を守るということそのものは森林のバイオマスとしてとらえて、山・川・海、一体として考えた政策をとっていく必要があるというようなお話でした。
内容的には水源を離れた地域での県民フォーラムとして、水源を知るという目的は十分達せられたフォーラムではなかったかなと思いました。今回は、横須賀・三浦地域の公募委員は私だけでしたが、前回の県民会議でご承認いただいた田倉さんと一緒にやらせていただきました。田倉さんの意見、それから後で参加した方々に話を聞きましたけれども、内容的には非常によかったのではないかと。ただ残念なことに参加者が少なかったかなということでした。
それで、会場からの意見として、いろいろありますが、私としては、この点を今後考えたらいいかなというのが、項番、3番の次世代である子供向けのフォーラムを企画してほしいということと、16番、17番に小中学校の体験学習に取り入れてほしい、それから水源域の宿泊体験ツアーを希望しますというようなことがありましたので、やはり次世代の子供たちに水源ということを、もっと身近に知らせることが私たちの1つの使命ではないだろうかなという気がいたします。
最後になりますが、次のページにアンケートがあります。本日のフォーラムをどのように知りましたかということで、一番多いのは、所属する団体を通じてということですけれども、逆の見方をすると、所属する団体、環境関係を中心にした団体に集まった方々が、この会場に足を運んでくれたのではないかなというような気がいたしました。それから一番下、Q2-2、フォーラムで興味深かったものはということでは、パネリストからの報告が一番多くありました。パネリストの方々、それからパネリストのご意見をまとめていただいた先生には大変感謝しております。ありがとうございました。

(金澤座長)
ありがとうございます。
関係された方、準備委員がこの中では1人ということですが、コーディネーターの古米先生、何か。

(古米委員)
3人のパネリストの方ですが、実は県外の宮野さんもおられたし、実際、水源地域にお住みの坂本さんがおられたし、地元の三浦の方がおられて、感想にあるように、本当にいいパネリスト3名に恵まれました。言い換えると、皆さんおもしろい話をされるので、もっと時間があったら、もっとよかったなと思いましたが、やはり6時半からスタートして8時半という時間の制約があったので、そこがもったいなかったなと感想としては持ちました。是非こういったディスカッションがあったということを来られなかった方に情報を発信をしたいと思っているところです。

(金澤座長)
ありがとうございます。
坂本委員、いかがですか。

(坂本委員)
私は、県民会議の委員というよりも、里の案内人という水源地の交流の里づくりの企画がありまして、そこの案内人をやっているので、その立場で水源地を語るという、やや難しい仕事でした。
会場へ行くまでに車で横浜横須賀道路を走って現地に入ったのですが、すごい山があって森があって、「ああ、水源地みたい」という感じで現地に入りました。時間前に、横須賀美術館にも行きました。里の案内人ですから、やっぱりどんな土地柄なのかというところから入って考えます。海があるし、山があるし、走水の水源地というのもあり、そういう意味では、もっと地元の方たちが水への関心とか、山へのこととか、そういう話がメインに来て、どちらかというと山と海の人たちが交流しようということで結論づくと、達成感があったのかなと思いました。
私は、2回目の県民フォーラム、相模原の県北地区を企画したのですが、何となく県民会議自体がちょっと曲がり角に来ている、そういう難しい時期なのかという感想を持ちました。
やっぱりいろいろな人と会って、いろいろな情報を交換し合うことは、すごく大事にしていきたい。それはポリシーとして持っています。
以上です。

(金澤座長)
ありがとうございました。
それでは時間もありますので、第5回の県民フォーラム、横浜・川崎地域で行う予定ですが、準備の進捗状況について、牧島委員からお願いします。

(牧島委員)
資料6がお手元にあるかと思いますが、実は追加の資料がございます。新たに5月21日に議論した内容を盛り込んでおりまして、それが新しいものでございますから、そちらをご覧になっていただければと思います。
ちなみに申し上げれば、最初の段階では、やはり事業実績ということで、自治体が実施されている事業に対して、ちょうど1年経過をしておりますので、水源環境税がどのような形で具体的に使われているのか。それは何を目指して、事業を行っているのかということを、ご説明をしていただくと。そのことを通して、水源環境税のありのままを理解していただくということを考えました。その考え方に従って、5月21日に話し合いをさせていただきました。まだ途中ではございますが、そろそろフォーカスが合ってきたのかなという段階でございますので、ご報告を申し上げたいと思います。
先ほど申し上げましたように、森林としては、秦野市さんが、特に市民との協働で大変すばらしい活動をされているので、それを中心にしながら報告をいただく。そして河川では小田原市の小田原めだかの保存ということでお話いただく。小田原市は、大変豊かな水がございます。横浜あたりにおりますと、うらやましい水量と水質であるところの、1つのこれもモデル的な事業を、まず市町村からご説明いただく。そして、その前に金澤座長、そして星崎課長からお話をいただきたいと考えております。
次に、事業モニター報告。水チームとして、2つぐらいのパターンの違った事業をモニターしていただいておりますし、また森チームも同様にパターンの違ったものを、モニターしておりますので、それをどなたかにご報告をいただくということで、お願いしたいと思っております。
それから、有識者からのコメントでございますが、資料にはお名前を書かせていただいておりますが、未調整です。木平先生と淺枝先生には、モニター事業でお付き合いいただきまして、大変貴重な助言をいただいておりますので、ぜひとも両先生に出ていただいて、有意義なコメントをいただければ大変視野が広げられ、この事業に対しての理解がより広く深くなるのではないかということで、是非ともお願いをしたいということでございます。
それから第三者の見方としてですが、これは神奈川県以外の流域で、さまざまな課題を抱えて、いろいろご努力されている、そういったことの知見をいただき、その他の流域の取り組み、あるいは水源涵養等々に対しての向かい方に、専門的にご助言いただくということも必要ではないかということで入れております。
やや人数が多いとは思いますが、報告は報告で2ついただきまして、あとは事業モニターと有識者コメント、そして第三者の見方ということで、この5人のメンバーでフロア討論をしていただければ、税の投入によって、いかに効果を挙げていくのかということを県民の皆様にご理解いただけるのではないだろうかと思っております。
秦野と小田原が最適な事業ではないかと考えているのですが、横浜・川崎の方々からすれば、若干、水源地域のイメージと異なったところがあるのかなと思います。ただ、横浜は、酒匂川から水をいただいておりますので、その辺は逆に理解をしていただくきっかけになればとも思っておりまして、水源地域への理解を深めていただくということをPRしていきたいと思っております。
具体的な内容については、まだ工夫の余地があるかとは思いますが、自信を持って説明を聞いていただくということになろうかということでございます。
検討の経過を報告をさせていただきました。

(金澤座長)
ありがとうございました。
今の件、補足とかご意見とか、ございますか。どうぞ。

(新堀委員)
大変ご努力ありがとうございます。
私がずっと言い続けていることですが、川崎市民はとにかくとして、横浜市民はどうも、道志川だけが自分たちの水源だという大きな錯覚があるわけです。だれに聞いてもそう思っている。市会議員までもそうです。それは、とんでもない間違いであるということを、やっぱり横浜市民にわかっていただくようにつくっていかないといけないと。
この水源環境問題で一番横浜市民にとって必要なのは、その点だと思うんです。理解してもらう。丹沢大山や山梨県側がなければ、我々の水は確保されていないということを、理解してもらうような内容をどうしても入れていただきたいと思います。

(金澤座長)
ありがとうございました。
ほかに、どうでしょうか。よろしいですか。高橋委員、どうぞ。

(高橋(弘)委員)
4回目のフォーラムを開催するに当たっては、地元で人口の一番多い横須賀市の上下水道局にお願いに行って協力をいただいたのですけれども、今回資料を見たら川崎、横浜、地元の行政が入っていないですね。この辺はいかがかと思うんですが、どういうふうにお考えですか。

(金澤座長)
いくつか、意見が出ていて、多分この資料を見たときに、多くの方はそう思われるかもしれないので、まだ時間がありますから、ご検討いただいたらいいと思います。
特に地域的に川崎、横浜の行政がいないということ。また、報告が行政側の報告だけになってしまうこと。それから何か県民会議の人だけがやっているというようなイメージを持ってしまうと思うのです。せっかく市民活動等もやっているので、横浜、川崎に拠点を置きながら、水源のことについて活動している団体の方の意見も出てくるといったイメージを私は持っています。そういう点も踏まえていただいて、ただ、そういう意見があったとしても、これはこれでやるぞと判断されても結構ですし、意見を入れて少し作り直してみようかなというご議論をしていただいても結構だと思いますので、検討してみていただければと思います。
私から1つお願いですが、先ほど高橋委員が参加人数のことを盛んに気にされていまして、横須賀は74名でした。第1回は、瀬戸委員が山北で非常に努力していただいて250人の参加でした。一番小さな町が一番多くて、そこからつるべ落としに落ちて、74人までいったということですね。横浜、川崎で70とか80では格好がつきませんので、山北の人口との比率でいくと何人になるかちょっとわかりませんが、200名程度、立ち見が出るくらいに持っていきたいと思います。またそういった行きたくなるような魅力ある内容にしていただきたいと、お願いをしておきます。
それでは、今後の県民フォーラムについてということですが、7月で一巡をしたということで、これで終わりにすると。最初に申し上げたように、我々2年の任期の間の県民フォーラムは一応これで打ち上げと、こういう形にするというのが1つ。
これは私の意見、思いですが、7月フォーラム終了後、8月から任期終了まで8カ月あって、ここで何もしないでいいのかなという気も一方でしております。前回、高橋委員から、特に横浜、川崎は人口も多いし、1回でいいのかというようなお話もあったので、県民フォーラムが一巡し、また2年間県民会議をやってきてどうだったのかという総括的なものを横浜、川崎地域でできないかどうかということです。
ただ、事務局のご都合もあると思いますので、もし事務局でできる体制にあると、予算も含めてですね。そういう話がととのったら、具体化について、次回以降提案させていただくということで、いかがでしょうかとお諮りしたいと思いますが、どうでしょう。よろしいですか。
私のイメージとしては、全国で、昨年度また5つ、森林保全関係の税を入れた県が増えまして、来年度予定している愛知県を含めて全国で30になります。この30の県がいろいろな経験をしているでしょうし、我々の経験も伝えていきたいし、できればいくつかの県の方にも来ていただいて、全国シンポのような形で経験を交流したいという希望を私は持っています。
そんなことができるのか、できないのか、少し検討させていただいて、もしできるようでしたら、次回提案させていただきたいということです。外国の方を呼ぶというように、広がるかもしれませんし、私も事務局への説得作業がありますが、不調に終わりました時はすみませんということで、よろしくお願いをいたします。
石村委員、どうぞ。

(石村委員)
私は相模湖で140ヘクタールの森林整備をやっておりますが、そのうちの80ヘクタールを生産林にすべく認証の森にしないかと、緑の循環会議などから話を伺っております。それがきっかけになって、その後、あちこち見て歩いているのですが、先日、林業振興策とかを、金澤先生が知事に進言されたということですけれども、現場を見てちょっと、これは大変だなと思ったのは、1つは静岡の東富士のSGEC(緑の循環)認証の森600ヘクタールの森林を見てきましたところ、そこでは3人の作業員で年間に30ヘクタール整備しています。600ヘクタールですから20年でやれば全部回ってこれると思います。
それからもう一つは、山梨ですね。アズマ林業という林業者がいまして、この会社は七、八人の会社なのですが、1社で年間1万立方メートルを搬出しています。急峻な場所でそれだけのことをやっているのです。
それからもう一つ極端な例ですが、この間、相模原市の石老山に見学に行きましたら、3人で1年間5ヘクタールやっているというのです。30ヘクタールを1年間で5ヘクタールでは、とても林業やっていけないじゃないかと思ったのですが、その3人が、言っておられたそうですが、「ここでいい木を選んで、名古屋に売りますと、立方メートル8万円で売れます」と。私は立方メートル8万円で売った経験が1回あるのですが、なるほどと、林業そのものでは、なかなかその作業費としてはペイしないけれども、本当にいい木を名古屋に持っていけば立方メートル8万。それで切り抜いていけると言います。
そこで、先ほどから森林整備をどのようにしていくかという話も出ていますが、本当に何か知恵を絞れば打開策があるのではないか。ちょっと私は5ヘクタール3人と、30ヘクタール3人とで愕然として、昨日、自信を無くしてしまったのですが、やり方によっては食べていけるよということなのですね。だからちょっと考え方を変えて、果たして名古屋へ送ることが流通機構上いいのかどうかは一応別問題として、工夫をすればやっていけるという人がいるのです。相模原市がこれから取り組んでいかなければならない水源の森林ですが、ここでどうやってその手法を探し出すかということを一生懸命考えています。
80ヘクタールでは生産林、政府の認証の森はとても無理ですが、それでもNPOの柔軟で自由な発想から何か考え出すことはできないかと思って、仲間と一緒にやっています。県も視野を広げてやってみたら解決策があるかもしれない。そういうようなことも思っています。
石老山で働いている70才前後の方は、岩手から来て20年間もやっています。ここでその担い手、人材確保の問題があるのですが、そういう問題もどうやって解決していくのか。非常にこの問題は難しいというか、大きな課題だと思います。ぜひこれを何とかやってみたいなという気持ちです。

(金澤座長)
ありがとうございました。林業振興の問題も含めて検討の場をつくっていきたいというふうに思います。
それでは、次に行きまして、事業モニターについて、それぞれチームリーダーから活動の報告をいただきたいと思います。森チーム、坂本委員からお願いします。

(坂本委員)
私、津久井に住んでいまして、秦野に行くための経路としては、清川からヤビツ峠を越えて山道通って行きました。そのときに非常にショックを受けました。水源の森林づくり事業が本当に進んでいることが一目瞭然。本当に山奥までずっと木を伐採して広葉樹を植えている。シカに食べられないように保護しているということが、あそこに立っただけで、どれだけ事業が進んでいるかというのが見えて、すごいなと。太い木も運び出すような気配があって、知らなかった自分が恥ずかしかった部分もあるのですが、そういう感動をしつつ、秦野のふるさと里山整備を見させていただきました。
これについてですが、23団体のボランティアチームと秦野市のリーダーシップで本当に里山が整備されていました。斜面がきつくてボランティア団体では難しいところは、当然山林業者に委託し、そこの線引きをしっかりして、山の整備をしていることがよく見えました。
ただ本当に、昔は里山が生活そのものだったので、そこに行って薪を取って落ち葉を持ってきてという暮らでした。今は里山を整備すること自体が目的になっていしまっている。そこで木を使うかとか言うと、いや整備が目的ですという、ちょっとさびしい報告もあったりしました。
水源の土地を整備するということが水の蓄えとしていいのでしょうが、目的と同時に私たちの生活やその山の価値観、それを見直すことも同時的に必要かなと思いました。

(金澤座長)
ありがとうございました。
それでは、水チームの柳川委員、お願いいたします。

(柳川委員)
私たちは先週、小田原めだかのすばらしい状況をモニターさせていただきました。
最初に淺枝先生から講義を聞き、学びをしてスタートいたしました。この工事自体のスタートが道路の建設に伴って迂回路をつくって水路を整備するというもので、間伐材を使うなど工夫している状況や、めだかが無数に泳いでいる姿を見てきました。この水路から、15メートルから20メートルぐらいの距離のところに大きな道路ができるので、これは大変だなと。管理体制が大事だなと思いました。
行政と地域住民と事前の協議も、事後の協議も、すばらしいモデル事業だと拝見しました。
もう1つは、開成町のバイオコードです。こちらはいろいろ課題もあり、これはまた他の方々の意見集約をしてから報告させていただきたいと思います。ありがとうございました。

(金澤座長)
淺枝委員、何かございますか。

(淺枝委員)
私も同行させていただきまして、非常に良い経験をさせていただきました。
いくつか、気になったところがございます。1つ目は、行政の実施事業ではあるのですが、地元の方に必ずしも十分理解されていないということです。
こうした事業は、地元住民に理解していただいて始めて良い結果が出てくるもので、その意味で県民会議から、何かうまく理解していただける方法が考えらないかと思いました。ただ、一方では、行政の方も非常に苦労されているということもよくわかりました。
この小田原付近の地域というのは、相模原、秦野あたりもそうですが、地下水が非常に多い地域です。これは背後に山地を控えて、また、大きな川の近傍にあるので湧水が多くなるということで理解できます。ところが、場所よっては、それが高い濃度の窒素で汚染されています。この原因は、農業で使う肥料由来、流域で家畜の飼育があればそこからの排水、また、量的には多くないでしょうが、交通量の多い地域では、車の排出ガス由来のものの寄与も考えられます。ただ、肥料の窒素分が地下水に入り込みそれがでてきている可能性が最も高いでしょう。いずれにしても、これが水質悪化の原因になっています。
そのため、水量が多い割にはなかなかきれいになりません。行政の方は様々な取り組みをされているのですが、さて何が特効薬かというと難しいところです。ただ、水量が多いこと、また、特に開成町では傾斜が急であるということで、こうした特徴を利用すれば、うまい水質浄化システムも考えられると思います。窒素濃度は高いままでも、これが植物プランクトンの発生や有機物の増加のような目の見える形の悪化をもたらさなくするというやり方もあるかもしれません。これには急勾配というのは非常に有利な条件です。
ただし、こうしたことは行政だけで考えるのではなく、県民会議やモニターチームと一緒になって良い方法を見つけていくのがいいのではないかと思いました。そういう意味では県民会議の役割は非常に大きいと思われます。

(金澤座長)
ありがとうございました。ただいまの報告等について、何かございますか。

―意見なし―

それでは、先に進ませていただきます。
コミュニケーションチームの活動についてのご報告をいただきたいと思います。牧島委員のから簡単にお願いいたします。

(牧島委員)
それでは資料7でございます。
コミュニケーションチームの内容そのものではございませんが、それぞれ森チーム、水チームでモニター事業の結果についてご報告をされるわけでございますから、その内容について、どのような形で編集企画を立てて、レイアウトを決めて、いわゆるニュースレターのような形で県民に分かり易くお伝えするのかというところを、今決めているところでございます。
実は先ほど1時間ほど前に会合をもちまして、ちょうど森、水チームがそれぞれ1回ずつ終わったわけでございますので、その材料を見ながら編集企画を検討させていただきました。
その中で、ほぼ形が決まってまいりました。A4の4ページものでございます。A3を2つ折りにしたもの。それで、今仮称として、いわゆる(仮称)「水源だより」ということで、小田原市の取り組みがまさに住民参加型、市民参加型で保全の方向も含めて推進されている様子などをご紹介していこうということです。
ふんだんに写真を入れ、そして、モニターの委員の方々からの言葉も入れながら、割と辛口の意見も含めて載せていこうと。基本的には温かい目で見ていくということですが、やはり言うことは言っておいたほうがいいのではないかという手法で編集していこうということでございます。そのようにほぼ決まりましたので、ご協力よろしくお願いしたいと思います。
以上でございます。

(金澤座長)
ありがとうございます。
それでは全体を通して何か、まだご発言のない方ありましたら、どうぞ。蓮場委員、いかがですか。

(蓮場委員)
森林組合連合会の蓮場と申します。
今この時期に林業振興を議論していただくというのは、非常に私どもとしてはありがたい、そのように感じております。神奈川県の中で林業をこれだけ議論することが、あまり今までなかったのかなという気がしていますが、今回のこの水源環境保全・再生スタッフの中で林業振興に踏み込んだお話をしていただいているということに非常に感謝しております。
その中で何点か気になる点があります。それは、まず今、木材の価格がいくらになっているのかということが一番大きな問題としてあります。先ほど石村委員からもいろいろお話がありましたけれども、確かに8万円で売れる材もあれば、10万円で売れる材もございます。平均しますと、今の神奈川県の材木というのは、昭和55年のときの材木の値段のちょうど半分。例えば杉で言いますと、1立方メートル当たり1万円。ヒノキでも2万5千円ぐらいがせいぜいかなと思います。
その中で林業をやっていくには、非常に苦しい状況であることは事実です。ですから木を切って何とかペイすることはできても、その後、木を植えるというところまでは、お金は回りません。ですから、今後林業をもし議論していただくのであれば、その部分の補てんをどうするのかということを、多少は考えていく必要があるのではないか。もともと林業というのは産業ですから、本来そういうところにお金を出すこと自体が、問題といえば問題なのですけれども、もし本当に林業を振興していこうと考えるのであれば、その辺の部分にまで踏み込まないと、絵に書いた餅に終わるのではないかという気がいたします。
そしてもう1点は、やはり林業労働力。これは非常に大きな問題ですので、この中には後継者と書いてありますが、山を持っておられる方の後継者という意味でなく実際に間伐等の木材生産をする人たちの技術の後継者。これをどうしてもやっていかないといけないと思います。

(金澤座長)
ありがとうございました。
青年会議所の久保田委員、何かあれば。

(久保田(英)委員)
私はコミュニケーションチームの活動を主にさせていただいております。これからいよいよニュースレターを広く県民の皆さんに伝えていくというところで、しっかりと手伝っていきたいと思っております。

(金澤座長)
片山委員、どうですか。

(片山委員)
最初の瀬戸委員からのお話がありましたとおり、水源の上流域をいくら整備して途中で水質調査しても、やはり横浜・横須賀への水は河口から1キロからそこら辺のところで取水して、送っているということがありますので、やっぱりその辺のところも考えていただいて、取水ダムから上流をもう少し広い範囲で水利できるような状態にしていただければいいなと考えております。


(金澤座長)
ありがとうございました。天野委員。

(天野委員)
この税制が立ち上がって、事業も開始されてちょうど1年が経過しました。
この県民会議で、1つ感じることは、委員の方々がいろいろ深くご指摘され、私が考える以上に非常に細かいところまで、関心を寄せて、この森林資源あるいは水資源に対する環境問題という関係で、一生懸命とらえられているということです。
このフォーラムなどについても、非常に真剣に取り組まれているということに、本当に敬意を表したいと思いますし、予想をはるかに超える、水源環境税の成果が出てきているのではないかと思っています。
私は、県央地域県政総合センター(津久井分室)の林務課の方々とのつき合いがありまして、先般も私のところへ、2回目の水源林選定の打ち合わせに来ていただきました。私の住んでいる地域には、約3,600ヘクタールくらいの山林があります。小さな地主さんから、横浜市に在住の大きな地主さんもいます。私が今報告を受けたり相談を受けたりした中では、森林整備について、みんなが「待っていました」という感じです。山は手入れをしたかったけれども、なかなかできなかった。だけどこの水源環境保全の制度ができたので、ぜひお願いしたいということで、端から相当きちっとやられている。ですから、1年、2年ではとてもできる話ではございませんけれども、5年という時間をかけて振り返ったらば相当な効果が出てくる。
それから、公共下水道の関係ですが、私も津久井の町長として津久井郡の公共下水道に随分力を入れましたけども、財源的にとても難しく、津久井郡4町が潰れるぐらいのところまで来ましたので、一旦はあきらめました。しかし、先般、市の下水道部長から説明を受け、私はもう驚愕しました。相模原市との合併と同時に水源環境税が立ち上がりました関係で、平成36年までに全部公共下水道と合併浄化槽でやろうということの財源確保も立っている。特にいろいろな委員会からも意見が出ていましたし、長年の課題でありました津久井湖周辺は、全部合併浄化槽にはできないかなと思っていましたけれども、全部公共下水道で市の事業としてやってしまうということでした。今日は、加山市長の代理の方が出席されておりますが、これはやはり相模原市としても水源環境税というもののベースがあるので、市民への説得力が出て、津久井地域に集中的に公共投資をしていくことへの理解が得られたのではないか。そんなことを感じています。これからは大いに期待をしたいし、皆さん方のご協力もいただければ水源地域もすばらしく、再生できるだろうと思っております。ありがとうございました。

(金澤座長)
一言ずつお願いいたします。横田委員
(横田委員)
私のところは商工会議所の連合体でございます。県内14ございまして、中小社数は県内25万くらいでございます。そのうち、5万5千人くらいが会員となっております。川崎、横浜には、2万の会員がいます。全体の3から4割が都市部にいらっしゃる。
水源環境の問題は、地域の課題という認識が強いという印象を受けています。今後、会議、会合でこの取組を私の立場で広く、特に都市部の方に分かっていただくよう努力していきたいと思います。

(金澤座長)
ありがとうございました。増田委員

(増田委員)
先日、森チームで秦野市の里山に行きました。今まで現地へ行った経験がありませんでしたので、現場を見て、短時間でしたけれども森林に関わる人たちの苦労や森林を整備するのは長期戦だということを肌で感じました。
ある方から、「環境問題というのは、これが良くて、これがだめという答えがない。とにかくやるのだ。」と聞きまして、たとえ、パッチワークでもやれるところからやるのもひとつの方策かと思います。
5年とかですぐに結論がでるものではないので、何かしら継続してやっていくことが必要ではないかと感じました。

(金澤座長)
ありがとうございました。福江委員

(福江委員)
市民事業等審査専門委員会のメンバーとして、感想を述べさせていただきます。
ついに、審査資料が郵送されてきまして、厚さが10センチくらいあり、これは大変だと思いました。
先程、うれしい悲鳴とのお話がありましたが、私はちょっと感動いたしました。精精、十数団体かと思っておりました。実際、900万の予算より倍の応募があり、たいしたものだと思いました。知事は、神奈川力と言われますが、自然を損なう姿を看過できないという意識がここまできているのだなと実感しました。
審査は、活動の優劣、ランキングを決めるわけではなく、何が有効で効果的かということを見ていくことだろうと思います。是非、資料で見て、会って話しを聞きたいという団体がたくさんあります。これだけのものを短期間で見るのは、責任があるし、ここが、私に課せられた正念場であると思ってやっていきたいと思います。

(金澤座長)
ありがとうございました。加山委員の代理で来られている森課長、いかがですか。

(森相模原市環境対策課長)
せっかくでございますので、今日の議題で2点ほど感じたところを話させていただきます。
まず、1点は、水の問題です。相模原市はご承知のとおり市圏域へ流れ込んだ水を市内のダム湖で受け、それを都市部の皆さんに供給していくという役割がございます。
7月に予定されております県民フォーラムに対し若干注文が付いたように、水源域と一体となっている地域と都市部の住民との意見交流、あるいは、水を挟んでの様々な課題認識についてより一層深めていく必要があるのかなと考えてございます。
その点で、県民フォーラムのような仕組みを相模原市独自で考えていくべきか検討する必要があると思います。
森の関係では、石村委員が市内で活動されています。市として、森をどのように作っていくのか使っていくのかを押さえていく必要があるのかなと。
市がどう考えるか、ひいては地域でどう作っていくのか使っていくのか、市には、森についてのビジョンがないと言われていますので、市として市の森をどう作っていくのか使っていくのか考えていきたいと思います。以上2点が感想です。

(金澤座長)
ありがとうございました。
これで、予定していた議題は終了いたしました。
最後にその他でございますが、最初にも申し上げたように我々の任期は2年でございまして、2年目が始まったばかりですが、特に公募委員は選抜に時間がかかります。私は、前回、有識者懇談会委員としてやったのですが、半年以上かかった記憶がございます。
従って、3年目以降どうなのかというご心配の向きもあろうかと思いますので、特に公募委員の選び方、第2期県民会議委員がどのように選ばれていくのか事務局の考え方を次回あらあらお示しいただきたいと思います。
会議の議題というよりは、情報提供として、県民会議の活動内容を踏まえた感想、要望を申し上げることはあると思いますが、そのような形で情報交換できればと思います。
事務局から次回の予定などありますか。

(事務局)
7月あるいは8月くらいと考えております。もう少し、詰めさせていただきたいと思います。

(金澤座長)
7月は、最後の県民フォーラムなので、委員の皆様には、是非ご参加くださるよう私からもお願いいたします。
【会議終了】

会議資料

資料1 県民フォーラム意見報告書
資料2 市民事業支援制度への応募状況
資料3 施策調査専門委員会の検討状況報告
資料4 第3回水源環境保全・再生かながわ県民フォーラム(県央・湘南地域)活動結果報告
資料5 第4回水源環境保全・再生かながわ県民フォーラム活動結果報告
資料6 第5回水源環境保全・再生かながわ県民フォーラム(横浜・川崎地域)準備等進捗状況
資料7 事業モニターチーム実施結果報告

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