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更新日:2025年10月15日
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第28回神奈川県バリアフリー街づくり推進県民会議の結果をお知らせします。
次の審議会等を下記のとおり開催した。
第28回神奈川県バリアフリー街づくり推進県民会議
令和7年9月3日(水曜日)14時30分から16時00分
波止場会館5階多目的ホール
相原貞雄、大原一興、大部さつき、小堤健司、加藤紳一、河原雅浩、国分宏樹(吉田忠司代理)、猿渡達明、三瓶和泉、鈴木孝幸、寺島隆之、畠宏好、三上弘良、吉富多美、和久井真糸
(敬称略、50音順)
未定
福祉子どもみらい局福祉部地域福祉課調整グループ
電話番号 045-210-4748(直通)
ファックス番号 045-210-8874
議事録
(事務局)
それでは、定刻となりましたので、ただいまから第28回神奈川県バリアフリー街づくり推進県民会議を開催いたします。進行を務めさせていただきます、神奈川県地域福祉課の竹内と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
はじめに、県を代表いたしまして、福祉部長の大澤よりご挨拶申し上げます。
(福祉部長)
皆様こんにちは。神奈川県福祉子どもみらい局福祉部長の大澤と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
本日はお忙しい中、そしてこの本当に暑い中、お集まりいただきましてありがとうございます。
この県民会議は現在、第7期の3年目を迎えております。この3月に開催いたしました前回の会議においては、県民会議の活動内容の見直しや、取り組みの方向性について、時間をかけてご議論をいただきました。
本日は来年度から始まる第8期に向けて、県民会議として今後取り組んでいく内容について、皆様からご意見をいただきたいと考えております。
また、県民会議の取り組みのひとつである「バリアフリーフェスタかながわ」が今年も11月1日にそごう横浜店9階の新都市ホール・センタープラザで開催されます。これについては、また後ほど報告で触れさせていただきます。実行委員長の吉富委員を始め、開催に携わる皆様には感謝申し上げますとともに、引き続きご協力をどうぞよろしくお願いいたします。
限られた時間ではございますが、委員の皆様による活発な意見交換の場とさせていただき、忌憚のないご意見、ご議論いただいて有意義な会議となればと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
(事務局)
本日のご出席の委員の皆様につきましては、お手元に配付しております出席者名簿に記載のとおりとなっています。公募委員の下田委員については、ご出席の予定でしたが、ご都合により本日ご欠席となっております。出席者数は15名となっており、会議の定足数に達しておりますので、本日の会議は有効に成立しております。なお、本日は東日本旅客鉄道株式会社横浜支社の吉田委員に代わりまして、国分様にご出席をいただいております。
当会議の記録については、「神奈川県バリアフリー街づくり推進県民会議の会議及び会議記録の公開に関する取扱要領」第5条の規定に基づき委員等の氏名を記載し、会議の内容を要約した形で、会議終了後県のホームページに掲載することとされております。あらかじめご了承ください。
また、会議の傍聴に関する規定は、「神奈川県バリアフリー街づくり推進県民会議議事傍聴要領」のとおり運営いたします。
それでは、ここからの進行は大原座長にお願いいたします。
(大原座長)
大原です。皆さんこんにちは。今日もよろしくお願いします。
先ほどのご説明のとおり、本日は代理出席の方が1名いらっしゃいます。委員ご本人の代理ということですので、発言権を付与したいと思いますけれども、ご異議はございませんでしょうか。ご異議がないようですので、代理出席の方にも発言権を付与するということでお願いしたいと思います。
それでは、今日の議事については、皆さんからご意見をいただく議題が1件、報告事項が2件となっていて、メインの「今後の取り組み内容について」という議題が中心になると思います。1時間くらいしたところで、一度休憩したいと思います。
それでは議題1「今後の取り組み内容について」です。
先ほどご紹介ありましたように、第7期の最後の年になって、次年度からの第8期の取り組み内容について、今期中に考えておかなくてはいけないということがメインの課題になるかと思います。前回はそういう事情はお聞きしたところで、具体的な内容についてはまだ煮詰まっていなかったと思います。
今日は現状の整理などをして、改めてできるだけ具体的に次期の行動計画、事業計画を考えたいと思っています。ぜひいろいろなご意見をいただければと思います。それでは、資料1について、事務局から説明をお願いします。
<事務局より資料の説明>
(大原座長)
説明ありがとうございました。
幅広くいろいろな内容があると思いますけれども、これまで毎年のように、いろいろな内容を1年に押し込めてやってきたのを、この3年間で1個1個きちっとやっていくかたちで、事業計画を考えたらいいということになりました。ここに挙げている取り組み内容の検討ということで3つ記載があります。
1番目が普及啓発。従来は、「バリアフリーフェスタかながわ」を毎年大変な労力を使ってやっていたと思います。それを次期はどういうふうに展開していくか。それから2番目にモニタリングというものがあって、これも毎年実施していたのですが、魅力的な対象がなかなか浮かび上がっていなかったという実情があります。これも、この3年間のうちに何か出来事や、あるいは魅力的な何かの取り組みがあって、それをぜひ県民会議で検証してみようというのが出てくればいいと思うのですが、今のところそういった事例が何かあるかというようなことを考えて、次期の実施をどうするかということを議論していただきたいと思います。3番目のその他の取り組みとしては、勉強会や講習会というようなことで、何かのテーマを挙げてそれについてイベントや勉強会みたいなものをやったり、成果としてパンフレットなどを作ったりと、他にもいろいろ考えられるかと思います。参考資料4で、県の方で今、いろいろと取り組んでいるものがあるので、これも見ていただいて、このうちここはぜひ県民会議でもしっかりとサポートして進めていこうというようなことも考えられるのではないかということで、資料を作っていただいたということです。
どこからでも構いませんが、とにかく一番は普及啓発事業というところで、来年度どんなことをやっていったらいいかを考えていただくのがいいかなと思っています。今年度のフェスタについては後で報告事項として進捗の報告がありますが、その辺の経験を踏まえてでもいいかと思います。県民会議として、ここのところを進めていったらいいのではないかという提案ですね。いかがでしょうか。
(鈴木委員)
バリアフリーフェスタは、そごうで行われる以前は橋本で行っていました。規模が少し縮小されることで、逆に県内のいろいろなところを回れるのではないか。そんなに大きなところでなくてよければ、やれるところはいくつもあると思うので、今は固定的にそごうでやっていますけれど、そうではなくて小田原だったり、厚木だったり、海老名だったり、それから平塚とか横須賀とかいろいろなところで、年に1回ではありますが、持ち回りみたいなかたちで、地域に出張っていった方が普及啓発という点ではよいのではないかと思います。以上です。
(大原座長)
ありがとうございました。ご意見いただきました。
おそらく、いろいろな場所でやっていくということになると、規模は小さくなって集客という点からいうと横浜駅のそごうでやるよりは少なくなるでしょうし、それに伴って規模も小さくなる。それで開催の負担がどれぐらい小さくなるかわかりませんが、そういう開催の仕方があるでしょうということで、今のご意見だと、規模を縮小すれば、毎年できるのではないかというようなご提案と考えてよいですかね。
県の方の事情としては、年間予算が限られているので、いろいろなことをたくさんはできないらしいということを念頭に考えていただければいいかと思います。
(猿渡委員)
インクルーシブ教育の推進などいろいろありますけれども、まず、政令市である相模原市も独自で福祉の街づくりはやっていますが、この会議には横浜市、川崎市の方は来ているのに相模原市は入っていないのがいつもおかしいなと思いながら、僕は相模原の福祉の街づくりにもいるのですが、政令市でも一番幅が広くて2番目の場所なので、中山間地域の問題などもあるので相模原市にも入ってほしいというのがあります。昨日も市の社会福祉事業団が毎月1回ボッチャをやっていて、そこに作業所の利用者の方とかが来られます。
以前はフェスタをアリオ橋本でやったということですが、例えば小規模であれば僕も居住支援のサポートで入ることになっています。
普及啓発というのは知ってもらうだけではなくて、例えばインクルーシブ教育であれば、「分ける」という方向もあるかもしれないですが、小さい頃から「ともに生きる」というところがどこまで実践されて、障害の重い子、自閉や医療的ケアが必要なお子さんが地域の中で生きるということを共に考えていけるかという。出生前診断等から分離されてきているからいろいろな事件が起こるのであって、その人の特性によっては分ける必要もあるかもしれないが、それはそのお子さんがどうするかということと、周りが気づいていくものであるので、モニタリングではないが、それぞれの地域や市によってこういうふうなことをやっていますということを出していただくとか。
あとは条例、バリアフリー、かながわ憲章に関しても、なかなか中身がわからないとか、条例は作ったけど本当にそれができるのかみたいな話がすごく出てきます。
バリアフリーに関してはだいぶ変わっては来ていると思いますが、ピクトグラムだとか、もっとそれぞれいろいろなわかりやすさ、その人その人が理解できて、皆さんの将来に役に立つようなことも含めて、県ができること、市区町村ができることを整理しながらやっていくということは大事かなと思います。
例えば「ともいきゆうえんち」みたいなことも県の共生推進本部室が取り組んでいますが、課の横断的なものだとどんなことをやっているのか知らなかったりするので、そういうものが入ってくるといいと思います。
(大原座長)
ありがとうございました。
今のご提案だと、ひとつは県内の政令市含めて市町村とのコラボというか、そこで独自に取り組んでいる事例や何かをピックアップして、先ほどの鈴木委員のご提案にあったように、各地で例えばミニフェスタみたいなものを開くというのと、場所を変えて市町村にフォーカス当てて何か考えてみるという、そういう設定の仕方ですね。テーマとしてはインクルーシブ教育の話が出ていましたが、この辺をテーマアップするというようなことも県民会議として大事なのではないかというお話でした。
私が今、思いついたのは、県内でもいろいろなところで、いろいろかたちで、この教育関係の取り組みというのをやられていると思うのですけど、たまたま私が知っている範囲だと茅ヶ崎市が学校教育でのいわゆるバリアフリー教育と言えばいいですかね、多様性理解教育、共生教育のようなことをバリアフリーの立場から進めているというのがあって、そのようなことをテーマとして取り上げて、市町村でどういうふうに取り組んでいるか、横浜でも少しやろうとしていますし、そういう教育場面での展開みたいなものを市がどう取り組んでいるかというようなことをテーマとして出していくのもあるのかなと思いました。
どうぞ、皆さんからご意見聞きたいと思います。
(和久井委員)
私の知識不足なのですが、参考資料2の県民への調査というのは、最後に行ったのは平成29年ということでしょうか。平成29年だとしたら7、8年前になるので、もし最近調査を行っていないのならば、皆さんの新しい声があったらいいと思いました。
(事務局)
地域福祉課の竹内です。今、和久井委員がおっしゃったのは、県民会議からの提案書の7ページにあります県民ニーズ調査の件ということでよろしいしょうか。こちらは毎年度、今でも実施しているものになります。冊子上は、この提案書を発行したタイミングの数値が記載されている状況です。
(大原座長)
ありがとうございました。
それは県民会議の仕事として調査したのではなく県が毎年行っていて、その報告は県民会議ではされていなかったですよね。
(事務局)
特段この数字を県民会議で報告しているということはございません。
県民ニーズ調査は、バリアフリーに関する項目以外にもいろいろな項目を毎年度調査してそれを県民の皆様にご報告しているものですので、県民会議で調査をして県民会議で報告するようなことはしておりません。
(和久井委員)
私の情報不足ですみませんでした。
せっかくそうやって毎年蓄積されている情報があるのであれば、それをもとにニーズはどこにあるのかというのを、3年間が1クールになったのでそこで検討して、どこのニーズに対して対策していくかというのを検討するのが有意義かなと思いました。
(大原座長)
ありがとうございます。
それに関して、私からもお願いしたいと思いますので、この県民会議での報告事項の中に定例で入れていただくといいと思うし、これからどうするかを考える上では大変重要な調査だと思いますのでお願いしたいと思います。
(河原委員)
神奈川県聴覚障害者協会の河原です。
この県民会議はもともと、県民に対していろいろな提案をすることが目的だと思いますので、例えば来年からの3年間は、災害ときのバリアフリーを具体的にどうする必要があるかということを話して、まとめて提案をする。その次は、情報のバリアフリーについてをテーマにして調査の提案をする。または、先ほどもお話がありました、子どもの教育のためにどうすればいいのか、何が必要なのかを話し合って提案をするといったように、大きなテーマを決めて3年間そこに絞って議論をして提案をまとめるということはどうでしょうか。
(大原座長)
ありがとうございました。
イベントごとではなくて、検討するテーマとしての、この3年間の計画を立てた方がいいということで、それはそのとおりだと思いますので、いくつかいただいたテーマを重点テーマとして検討していくということはしたいと思います。他にも多分、テーマとしては出てくるのではないかなと思いますけれども、今ところ、インクルーシブ教育、それから災害や避難の話、情報バリアフリーというあたりが挙げられているかと思いますが、他にいかがでしょうか。
(猿渡委員)
障害福祉課と共生推進本部室でやっている障害当事者部会に盲ろうの方がいらっしゃいます。盲ろうの方の避難所の問題、情報が取りにくいという話とか、なかなか盲ろう者がいるということを知られていないということもあり、情報保障とか、これからの少子高齢化の中で鉄道などに関してもワンマン化されていくということも結構ありまして、どこも人が足りない、タクシーも足りないという中で、高齢で車の免許を返納するとかいうふうになると、地域の足もそうですし、今はなかなか難しくなった向こう3軒両隣ではないですけど、地域との関わりがどれぐらいできているか。自分の避難所も、基本的に行政は教えてくれないですよね。ハットとかどういうふうに避難するかを模擬でやっているようなところであれば、障害だけでなくいろいろな方が来たときにどう振り分けるということはありますけれども、避難所が足りないとか、そこまで行けないとか、特に情報が入ってこない人に関して、難しいからとか、知的障害や自閉の人たち、身体障害の人など、そういう方に対してはどういうふうに避難すればいいのかということも出てきます。特に今年は地震が多いこともありますよね。各市町村の福祉避難所がどうなっているかというところで、防災訓練などの中で当事者の方、特に、聴覚障害や視覚障害の方は訓練に参加できても、身体障害の方はなかなか出られないこともあります。
なので、防災であれば、調査、モニタリングをしていくのも必要ですし、少子高齢化になったときに人材不足をどうしていくかという課題もあると思うので、そこは地域と他の関わりでもあると思いますが、人材育成をどうしていくのかというところも考えていってほしいと思います。
(大原座長)
ありがとうございます。
様々な人がいる中で、盲ろうの人への対応というのがありますが、それをメインテーマにするのは難しいので、例えば情報保障だとか、特に話題として挙げられているのは災害時、避難時の対応ということかと思うので、そういう中に含まれていくとよいかなと思います。
そこで、私の個人的な意見、感想ですが、フェスタのように大きなブースを出して展開するのはやはり相当な労力を使って大変ですが、フォーラムのようなかたちで勉強会、報告会みたいなものに加えて、簡単な展示くらいのものであれば、毎年できるのではないかと思うのですが。3年間それぞれテーマアップしたものについての検討会、報告会を行い、そのときに各市町村の進んでいる取り組みの報告なども交えながら情報交換するという仕組みはいかがでしょうか。
それほど負担にならない小規模なフォーラムで、3年に1度そのフォーラムがフェスタになるというつもりで考えていくといいかなと思ったのですが。皆さんご意見あったらお願いします。
(鈴木委員)
バリアフリーの街づくりという視点で、最近2つほど私どもの会員から苦情というか、相談があったものがあります。
1つ目に、盲導犬ユーザーが焼肉店に入ろうとしたら断られたという事例が発生して、突き詰めていくと、それはチェーン店で、本店の方は指導しているけれど支店の店長さんたちには、きちんと対応の仕方などが説明されていなかったということがありました。これが1点です。
それから、最近飲食店に行くと、タブレットで申し込んでくださいと言われます。私たちの中の、視覚障害の人たちは、タブレットを使えません。そういうときは、何かもう少し上手に対応してほしいです。例えばこれは車椅子だったり、それから手の不自由な人だったりした場合でもそういうことはあり得るので、確かに便利になるためのものだけれど、その辺のバリアが我々にはできてしまっているという状況があるので、そういうお店のオーナーさん、ユーザーさんといった人たちに、こういうところはバリアフリーな状況を作ってあげてくださいねというような研修をやったらどうだろうかと。そうするとそんなにコストがかからないし、周知をすることで県全体のレベルを上げていくことができるのではないかと思います。
(大原座長)
ありがとうございます。
(大部委員)
バリアフリーフェスタがとても好きだったので、ちょっと残念だなというのがあります。フェスタで皆さんに会えること、障害があってもなくても、いろいろな方が、県の行政の方も一緒になって頑張ろうというのがいいところだったのではないかなと思います。
それに代わるものとして思い浮かんだのが、ボッチャやスポーツかなとも思いましたが、各市町村で行政や社会福祉協議会が福祉のお祭りをそれぞれにやっていますよね。その中に県が入っていくというのもありますが、日程的にもなかなか難しいということであれば、フォーラムというかたちが、一番しっくりいったかなと思いました。
教育の方は、社協なども福祉教育というところで各学校に出向いてお話をしてらっしゃいますし、自立支援協議会で、障害の分野で災害関係の取り組みがあったりもします。今、県の方でシナリオを作っていますよね。障害種別に、もし避難所に行ったときにはこういうアナウンスする、というようなDVDか何かが作られるということで、手をつなぐ育成会の方にも知的障害の方のシナリオのチェックをしてくださいという話もありました。
今後、そういうものではなく、私たちだからできることというのをやっていけば、例えばフォーラムの中で、先ほど鈴木委員のお話にあったような、配慮がなかなか通じないというところの話をしながら、フェスタでやってきたようにみんなが集まって、視覚障害の有資格者で肩を揉んでくださる方がいたり、カラーバリアフリー、色弱の方たちの状況をわかっていただけたりするブースを、小さなところでもいいのでやっていければいいかなと、そんなふうに考えております。
(大原座長)
ありがとうございます。
(和久井委員)
今日はJRさん、タクシー協会さん、バス協会さんが参加されていると思うので、事業者側が考える今後の取り組みとか、役割、目的などをうかがってみたいです。いつも私たち当事者ばかりが話してしまって、せっかく会議に参加してくださっている事業者さんの意見をあまり聞けていないと思っているので、よろしくお願いします。
(三上委員)
タクシー協会では、今、業界を上げてユニバーサルデザインタクシーという誰でも乗れるような車両の導入が進んでおりまして、神奈川県内におきましても全体の25%くらいがユニバーサルデザインタクシーに置き換わってきております。
それとあわせて、乗務員の教育について、協会の主催ではないのですが、タクシーセンターが主催する新人ドライバーの研修があります。そこにまずユニバーサルデザイン研修を組み込んで、新人さんは真っ先にまずその研修を受けるというような取り組みをしております。それとあわせて、私どもの協会等々で同じようなユニバーサルデザイン研修をフォローアップ的にまた何年か後にやるというような取り組みをさせていただいております。
それから、先ほどから教育の話がいろいろと出ておりまして、私どもが子どもの頃はあまりこういう教育はされていなかったと思いますが、国土交通省の機関で関東運輸局の神奈川運輸支局というところがございまして、そこが主催する小学生向けのバリアフリー教室というのがあります。そこに車両を提供して、ユニバーサルデザインタクシーの乗車体験してもらうとか、心のバリアフリーも含めて、そういう教育の場に一緒に参加させてもらっています。
(和久井委員)
何か、課題とかもありますか。今、いろいろなことをされていてすごいな、ありがたいなと思います。逆に、事業者さんが感じている課題とか、望むものとか、していきたいと思っていることがあれば聞いてみたいです。
(三上委員)
各事業者の方々は、最初に利用者の方と接するのがドライバーさんになりますので、やはりドライバー教育には非常に力を入れています。今、高齢化社会を迎えていますけれども、そういう方々が増えてくるということですので、それに伴った設備もそうですし、やはり教育の面が一番、今後の課題という認識はあるのかなと思っています。
少し小ぢんまりとしたことになってしまうのですが、区の社協さん、市の社協さんと5年近く連携をして、ケアプラザの高齢の方などの足の確保といいましょうか、外出支援に協力させてもらい、買い物ツアーに行ったり、お花見ツアーに行ったりという取り組みもさせていただいておりました。いずれにしても、高齢者障害者等々の方々に対すること、教育も含めてですが、そういったところが課題かと考えております。
(小堤委員)
タクシー協会の方からもお話がありましたが、それにプラスしてバスの一番の課題は、皆さんご承知のとおり乗務員不足でございまして、そのために減便や路線の廃止などでご迷惑をおかけしています。
バスの乗務員が足りなくなるということは、労働条件を改善しないといけないとか、給与を上げないといけないとかもありますが、もうひとつは車内事故というのが多くて、高齢者の方々が、車が発進するときや停まるときに立ち上がってしまって、車内で事故を起こすことがあります。そういうときに、一緒に利用されたお客様が、「もう少し座っていたほうがいいよ」と一声をかけていただくことによって、少しでも事故が減るのではないかという思いがあります。そのために、バス協会といたしましては、車内にボランティア意識向上のためのポスターを作って、心がけをしてくださいと呼びかける取り組みをしております。
これからも、乗務員さんを確保し、守るためにも、利用者の方々のボランティア意識の向上を図るような取り組みを進めていきたいと考えております。
(国分様)
JR東日本では2025年7月1日、未来に向けた経営ビジョン(勇翔2034)を発表しました。福祉に関連するところでは、すべてのご利用者に安心をご提供することを基本に、単なる移動手段にとどまらず、地域社会全体を活性化し、すべての人々が豊かな生活を送れるような取り組みを進めていく旨をうたっております。
JR東日本では現在、「合理的配慮の提供」の理解と安全確保を前提としたサービスの提供と推進について社員指導を行っております。
先ほど話題にあがっております「人材不足」の点では、鉄道事業も同様です。そのような状況下、全国の鉄道事業者と協力して展開しております「声かけ・サポート運動」では、困っている方を見かけた際に積極的に声をかける取り組みを社員だけでなく、周囲の皆様にもご協力をお願いしております。
そのほか、サービスの取り組みのひとつとして「JREおでかけサポート運動」があります。列車への乗降介助を事前にWebから申し込めるサービスとなります。
一方、「バリアフリー施設の整備」では、段差解消のほか、2031年度までの整備を目標としたホームドアの設置も推進しております。
広範囲にわたり取り組むべきところは多い状況でございますが、将来に向けた公共交通のあり方を考えながら、優先順位をもって鋭意進めてまいります。何卒ご理解のほど、よろしくお願いします。
(大原座長)
ありがとうございました。
中断させていただいて、5分間休憩をとりたいと思います。
<休憩>
(大原座長)
それでは、議題に関してまとめていこうかと思います。
普及啓発事業について、仮にフォーラムという名称で言えば、フェスタのように大掛かりなものではなく、しかし一堂に会してみんなで議論をしたり、顔を合わせて情報交換したりすることは大事なので、そういう場をつくりたいということですよね。それに関しては、仮にフォーラムというようなかたちで毎年行い、フェスタのように大きな会場を借りてブースを出すようなものは、できれば3年に1回くらいにするというようなことにすれば、開催できるのではと思います。そしてそれぞれのフォーラムで、その年ごとにテーマを設定して、今年はこれを重点的にやっていこうということで、先ほどの意識調査なども含めてその分析を入れるというのもあっていいと思うし、先ほどお話いただいたような、交通・運輸関係の事業者さんたちからのいろいろな提案や取り組みの発表というようなことをしてもらえば相当大きな盛り上がりが可能かなと思いますので、テーマをいくつか設定して、それを毎年こなしていくというかたちにしたらどうかと思っています。
テーマに関しては、今のところ、インクルーシブ教育、災害避難、災害時の情報のバリアフリー、それからこれは事業者サイドだと思いますが、特に飲食店や交通関係など、対面でいろいろなサービスを行うような事業者さんたちへの研修、またはそういうところでの取り組みをテーマにして一般の人にそれをもっと知ってもらうというようなことが、テーマとして挙がってきたかと思います。あとは、今までこの県民会議で作り上げてきたものの中では、例えばモニタリングなどもありますが、モニタリングに関しては、この数年間で、みんなで検証したいテーマに即した建物や仕組みといった対象があれば、それをぜひ理解していくということで、そのテーマ次第で考えていったらいいのではないかということ。
それから、せっかく皆さんと作ったリーフレットがありますけれども、これを当初から学校教育や何かで活用してもらおうという話がずっとあったかと思います。それも含めて先ほどから上がっているインクルーシブ教育というようなところでの使い方などを、今まで作り上げてきた資産、資源を活用するということでもう少し考えてみるというのもあるかと思います。その中で、これは事務局からの例で、簡単な動画を作成したらどうかという案もあります。私としては紙芝居、絵本みたいなものでもいいのではないかなと思っています。せっかくストーリーも考えていただいていますので、そのような展開も考えられると思います。
次回の県民会議までに、事務局としては今まで挙げられたいくつかのテーマをリスト化していただいて、具体的に次の年度に何をするかをその中から選んで、テーマアップして、その年々にフォーラムや何らかの座談会をやったりとか、何かイベント的なものをやったりとかを考えていくというようなことで、次回ぐらいにそのテーマ選びができたらよいかと思います。そのようなところで今日はよろしいでしょうか。
(和久井委員)
すいません。1つ聞いていいですか。
リーフレットがどのように活用されているのか知りたいのですが、参考資料4のところで、インクルーシブ教育の推進を別の課がやってくださっています。これはどのようにやっているのか、リーフレットを使ってくれたりしているのか、というところに興味があります。地域福祉課がやっているものはないのかなとも思って、行政がどのようにバリアフリー教育を進めているのかもう少し知りたいと思っています。
個人的に、子どもへの教育は、長い目で見ることにはなりますが、バリアフリーの街づくりを進めるのに一番効果が高く、すごく重要だと思っています。
先ほど茅ヶ崎市の取り組みの話もありましたし、事業者さんがユニバーサルデザインの車両を学校に持って行って子どもに教育しているのもすごくいいと思います。今後も、リーフレットの活用も含め、そのようなところに力を入れられたらいいかなと思います。
(大原座長)
ありがとうございます。
それぞれのテーマのもとに、庁内での他の部署や、先ほどから出ている市町村とのタイアップみたいなものもあるかと思います。
また、当然ですけれども、事業者の参加というのも大変重要な点だと思いますので、そこの辺りもぜひ進めていきたいと思います。
(笠井課長)
皆様、様々なご意見をいただきまして、どうもありがとうございました。
座長の方から「フォーラム」という仮の言い方をしていただきましたけれども、そういったものを開催していくと。テーマについては、本日様々ご意見いただきましたので、そこは毎年、「来年は何にしよう」というのを皆様にご議論いただきながら、先ほどもご意見ありましたように、様々な立場の方からの取り組み事例の紹介などを通して広められるようなものを実施するということで進めていければと思います。2月頃に予定しております次回の県民会議において候補などを事務局でリストアップして、具体的に来年度は何をやるか決めていただければと思っております。そのようなかたちでいかがでしょうか。
(大原座長)
ありがとうございます。
2月までまだありますけど、間にフェスタもありますので、できるだけ情報交換させていただいて、皆さんいろいろなご提案などがありましたら、適宜、事務局の方に上げていただければと思います。今日は、完全な事業計画というかたちにはまとまりませんでしたけれども、方向性ということで、皆さんからいろいろなご意見が出されたかと思います。ありがとうございました。それでは、その他報告事項ということで、事務局の方から説明をお願いします。
<事務局より資料の説明>
(大原座長)
はい、ありがとうございました。何かこれに関しての質問はありますか
(猿渡委員)
バリアフリーフェスタのチラシについてはすごくわかりやすくなったとは思います。もう少し、「みんな一緒がいいね」とか、インクルーシブに関して、日本は意外と分けていたりもしていてインクルーシブではないというところとか、そういうことをみんなが一緒に考えよう、イベントに来たいと思えるような工夫をしていただきたい。
学校ではインクルーシブ教育をいろいろやっているので知っていると思いますが、今年のデフリンピックをあまりテレビで放送しないというような話も聞いたし、デフリンピックの方が来ることを見出しに書くなどするとわかりやすいかと思います。
県はだれひとり取り残さない神奈川を作ると、相模原も似たようなことを言っていますが、それに向けて今回はイベントテーマも変えたので、もう少し「みんなで考えよう」とか、「みんな一緒がいいね」とか、キャッチフレーズがつくとわかりやすいと思います。これでもいいのですが、もうひと工夫あると、みんなが来たいという思いが出てくるのではないかという気がします。
(事務局)
こちらのチラシについては、事前にフェスタの実行委員の皆様にご確認いただいておりまして、いただいたご意見は反映済みのものになります。
(吉富委員)
開催が11月1日ですので、なるべく早く広報を始めていければと思っています。いろいろとご意見あるところかとは思いますが、今回はこれで通させていただいてもよろしいでしょうか。
(猿渡委員)
分かりました。
多くの方に来てほしいので、メンバーになっている委員の方々にも、チラシをいろいろなところに配って、またXやFacebookにも載せていただいて、多くの方が呼べたらいいと思います。
(事務局)
ありがとうございました。
このチラシにつきましては、今後、関係者の皆様に配布させていただきますし、県のSNS等でも広報してまいりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
(大原座長)
ありがとうございました。
今日は熱心にいろいろなご意見をいただきまして本当ありがとうございます。
事務局の方にお戻しします。
(事務局)
ご議論ありがとうございました。
これをもちまして、第28回神奈川県バリアフリー街づくり推進県民会議を閉会させていただきます。
本日はご多忙の中、ご出席いただきありがとうございました。
参考資料1 神奈川県みんなのバリアフリー街づくり条例(ワード:31KB)
参考資料3 提案書概要版リーフレット(PDF:1,203KB)
このページの所管所属は福祉子どもみらい局 福祉部地域福祉課です。