おさかな図鑑(クロマグロ)
掲載日:2020年3月30日
分布、生態
主に北半球の温帯から亜寒帯に生息し、マグロ類の中では最も低水温に適応しています。神奈川県では、主に夏から秋にかけて相模湾に来遊します。
産卵場は南西諸島から台湾東方沖、日本海南西部にあり、未成魚(大人になる前の若い魚)は太平洋を横断するような広範囲で回遊を行うことが知られています。
イワシ類やサバ類のような魚類やイカ類、オキアミ類を餌としており、最大体重は400kg、最大体
長は2.5mにもなります。
神奈川県の漁獲方法
- 定置網(大きな網を海中に設置し、魚が自然に入網するのを待つ漁法)
- 一本釣り(釣り竿で釣る漁法)
- 曳縄(ひきなわ)釣り(漁船で仕掛けを引っ張って釣りあげる漁法)
神奈川県の漁獲状況
太平洋のクロマグロは、資源が豊富だった1960年代に比べると依然として低い資源水準で推移しています。広範囲で回遊を行うことや、様々な国が漁獲対象としていることから、国際的に資源管理を行うべき魚種とされています。日本でも2018年から魚の大きさ別・漁業種類別に漁獲量が定められるようになり、徐々に資源回復の兆しがみられます。
神奈川県でも、毎年の割り当てられた漁獲可能量を順守するよう取り組んでいます。
水産技術センターの取組
クロマグロの資源状態の把握や資源管理に活用するために、水産技術センターでは市場調査(魚体測定)や標本船調査(どこで、どんなマグロが獲れるのかを把握する調査)を実施しています。
豆知識など
お寿司のネタで耳にする「マグロ」はメバチマグロやキハダマグロを指すことが多く、「本マグロ」とはクロマグロのことです。神奈川県内では、小型のクロマグロは「メジ」、さらに小さいものは「カキノタネ」と呼ぶところが多いです。
クロマグロなどのマグロの仲間は、常に体温を高く保って筋肉の活動を活性化させて高速で泳ぐことのできる仕組みをもっています。