おさかな図鑑(ヒラメ)
掲載日:2020年3月30日
分布、生態
北海道から鹿児島県まで、オホーツク海を除く日本周辺の海のほぼ全域に分布しています。
産卵期は3~5月です。生まれた直後は他の魚と同じく体の両側に眼があり、浮遊生活を送っています。成長して1か月ほど経過すると、右眼が片側に移り、ごく沿岸の砂泥底に着底し、そこで生活します。満2歳の時点で全長45cmほどになります。
写真; 海中のヒラメ
神奈川県の漁獲方法
- 小型底びき網(小型の漁船で海底を網でひく漁法)
- 刺網(海中に網を張って、魚や貝を網に絡めて獲る漁法)
- 定置網(大きな網を海中に設置し、魚が自然に入網するのを待つ漁法)
神奈川県の漁獲状況と水産技術センターの取組
1970年代半ばは年間100トン強の漁獲量がありましたが、その後減少傾向に転じ、1980年代後半には漁獲量が年間30トン前後まで低迷しました。
そこで、水産技術センターでは、1989年から2003年まで毎年、種苗生産(ヒラメを卵から赤ちゃんに育てる)及び種苗放流(適切なサイズになるまで育成したヒラメを海に放すこと)をしたところ、増加傾向に転じ、近年は年間130トン前後の漁獲量があります。
現在は漁業協同組合などが種苗を購入して、放流をしています。
豆知識など
左ヒラメに右カレイという言葉があり、眼のある方(黒い方)を表側、腹を手前に置いた場合に眼が左に来るとヒラメ、右に来るとカレイとなります。
ヒラメの旬は木枯らしが吹き始めてから梅が散り終る頃までの冬季で、この時期のヒラメは「寒ビラメ」と呼ばれています。
1kg(全長45cm)以下のサイズは「ソゲ」と呼ばれています。