更新日:2022年1月17日

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海洋調査(海の環境調査)

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海の環境や生物を調べています

神奈川県の海岸線は、多摩川河口(川崎市)から千歳川河口(湯河原町)までの総延長約431km、全国で第27位の規模です。漁業調査指導船「ほうじょう」は、相模湾と東京湾の神奈川県沿岸全域の海洋調査を行っています。
各調査で蓄積されたデータは、海の環境と水産資源の関係の今後を予測する上でも非常に重要です。
海洋調査と言っても様々な内容がありますので、「ほうじょう」を効果的に用いてどのような調査をおこなっているか、その一部をご紹介します。

相模湾沿岸域における海洋調査

養浜影響調査

神奈川県では、海岸浸食からの砂浜の回復や保全を図るために、相模ダムなどの浚渫土や漁港の体積砂などを用いた養浜事業を行っています。かながわけんの海岸(県土整備局)
水産技術センター相模湾試験場では、茅ケ崎海岸、平塚~二宮海岸、国府津海岸において、養浜事業が海の環境に及ぼす影響を調査しています。この調査は、「ほうじょう」でスミスマッキンタイヤ採泥器、空中ドローン、水中ドローン及びCTD(海中の水温、塩分、溶存酸素濃度等を観測する機器)などの機器を用いて行います。
採泥器で海底の土砂を採取し、底生生物(ゴカイや貝類、ヨコエビ類など)などの種類や個体数を調べます。採取の手順については下の写真のとおりです。また、土砂の化学的酸素要求量(COD)、強熱減量、全硫化物量についても調べます。これらの結果により、海底の状態が正常であるのか、それとも汚濁が進んでいるのかをうかがい知ることができます。新しい観測機器である水中ドローン・空中ドローンを活用して、上空からの海岸浸食や海底状況の観察なども行っています。

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空中ドローンで撮影した養浜調査個所

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相模湾試験場の水中ドローン

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養浜調査海域の水中ドローン画像

採泥状況

採泥器による泥(砂)採取状況

泥ふるい

底生生物採捕状況

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泥をふるい落とした様子

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サンプル瓶に収めた底生生物

酒匂川濁流影響調査

酒匂川は、相模湾に流入する河川としては相模川に次いで大きな河川で、神奈川県が管理しています。酒匂川は過去に何度も大水害を引き起こしており、流域で生まれて育った二宮尊徳も大変苦労されたとの話が残っています。近年も2010年と2011年に大量の土砂や流木が相模湾へ流入し、海の環境や漁業の操業に深刻な影響がありました。

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空中ドローンで撮影した酒匂川河口域


相模湾試験場は、水中ドローンを用いて海底に残る漁業障害物の位置を調べて、漁業者に情報提供することや、養浜調査と同様の方法で海の環境の回復状況について調査しています。

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酒匂川河口沖での水中ドローンによる漁業障害物調査の画像

東京湾における海洋調査

東京湾漁場環境調査

東京湾内の複数の定点において、船首観測ウインチを使用してSTDと呼ばれる観測機を海中へ降下させ、海中の塩分、水温、溶存酸素を調べています。
この観測結果は、水産技術センター(本所)の研究員によって解析が行われ、「東京湾溶在酸素情報」として公開されています。漁業従事者の方々は、この情報を操業する漁場選択に用いています。

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STD観測器

船尾ではトロールウインチを使用して、プランクトンの採取も行っています。 

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プランクトンネットを使用した調査状況(国立環境研究所との合同研究)

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シャコの幼生

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タチウオの幼生

上の画像はプランクトンネットで採集したシャコの幼生とタチウオの幼生です。
この調査は、東京湾内のシャコの幼生「アリマ」の出現時期、場所、量を知るために行っていますが、タチウオの卵や仔魚が入網することが分かり、研究員は注目しています。
これまでの調査結果から、シャコは商品サイズまで生きることが難しくなっていること、タチウオは卵が多い年の翌年に漁が好転することが明らかになりつつあります。

これらの調査結果は、担当研究者によって、研究報告書が書かれ、ホームページ上でも閲覧することが可能です。

生物相モニタリング調査(底びき網調査)

東京湾内の底生生物を調べるために、底びき網を用いた調査を行なっています。
東京湾は、相模湾と比べて水深が浅いため、浅海域特有の生物がいます。
継続した調査で東京湾内に生息するシャコやタチウオ等の資源状態の変化を把握したりしています。

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この調査に基づく研究結果は、こちらでご覧になることができます。
(一例)東京湾生物相モニタリング調査-2 マアナゴ(Conger myriaster)の餌生物の動向について(PDF:968KB) 

このページの所管所属は 水産技術センター相模湾試験場です。