更新日:2024年9月4日
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高層ビル・マンションの防災対策
大地震が発生すると、高層ビル・マンションでは、エレベーターの停止、窓ガラスの破損、オフィス機器や家具の転倒、電気・水道・ガスなどのライフラインの停止といった被害が想定されます。
また、震源から数百キロメートル離れていても、長周期地震動により、長時間にわたって大きく揺れることがあります。
高層ビル・マンションの管理者の方は、次のような対策に努めましょう。
高層階では、ゆっくりとした揺れが非常に長く続くことがあります。
家具やオフィス機器の転倒防止、キャスターのロック(固定)を徹底しましょう。
エレベーターが停止すると、復旧までに長い時間がかかるため、昇り降りや物の運搬が困難となり、住宅やオフィスが孤立するおそれがあります。
日ごろから食料や飲料水、携帯トイレなどの災害時に必要となる物品を備えておきましょう。
エレベーターや電気・水道・ガスなどのライフラインが停止すると、生活に様々な支障が生じます。
ビル・マンションの住民等で防災マニュアルや防災訓練、日ごろからの備えについて話し合い、身の安全の確保やすばやい消火活動、家族等の安否確認が行えるように準備しましょう。
P波型地震時管制運転装置とは、感知器が地震の初期波を感知して、エレベーターを自動的に最寄りの階に停止させ、乗客を安全に避難させる装置です。
平成21年度以降に新設されたエレベーターには設置が義務付けられていますが、未設置の場合は改修等により設置が可能なエレベーターもありますので、装置の設置を検討しましょう。
エレベーターで揺れを感じたら、まず行先階のボタンをすべて押し、最初に停止した階で降りることを徹底しましょう。
令和5年2月1日より、長周期地震動階級3以上を予想した場合でも、緊急地震速報(警報)を発表することになりました。
※ 長周期地震動とは、規模の大きい地震が発生した場合に生じる、周期の長いゆっくりとした大きな揺れ(地震動)をいいます(詳しくは気象庁ホームページ「長周期地震動とは?」(別ウィンドウで開きます)を参照)。
緊急地震速報(警報)の発表基準
発表基準 | 震度5弱以上を予想した場合、または、長周期地震動階級3以上を予想した場合 |
対象地域 | 震度4以上を予想した地域、または、長周期地震動階級3以上を予想した地域 |
※ 気象庁ホームページ「緊急地震速報の発表基準の変更について」(別ウィンドウで開きます)より引用
長周期地震動階級関連解説表
(高層ビルにおける人の体感・行動、室内の状況等との関連)
長周期地震動階級 | 人の体感・行動 | 室内の状況 | 備考 |
長周期地震動階級1(やや大きな揺れ) |
室内にいたほとんどの人が揺れを感じる。驚く人もいる。 | ブラインドなど吊り下げものが大きく揺れる。 | ー |
長周期地震動階級2(大きな揺れ) | 室内で大きな揺れを感じ、物につかまりたいと感じる。物につかまらないと歩くことが難 しいなど、行動に支障を感じる。 |
キャスター付き什器がわずかに動く。棚にある食器類、書棚の本が落ちることがある。 | ー |
長周期地震動階級3(非常に大きな揺れ) | 立っていることが困難になる。 | キャスター付き什器が大きく動く。固定していない家具が移動することがあり、不安定なものは倒れることがある。 | 間仕切壁などにひび割れ・亀裂が入ることがある。 |
長周期地震動階級4(極めて大きな揺れ) | 立っていることができず、はわないと動くことができない。揺れにほんろうされる。 | キャスター付き什器が大きく動き、転倒するものがある。固定していない家具の大半が移動し、倒れるものもある。 | 間仕切壁などにひび割れ・亀裂が多くなる。 |
※ 気象庁ホームページ「長周期地震動階級および長周期地震動階級関連解説表について」(別ウィンドウで開きます)より引用
※ 気象庁リーフレット「知ってる?長周期地震動のこと」(別ウィンドウで開きます)より引用
エレベーターの復旧は保守会社の保守員が実施します。少しでも多くのビルで早期の機能回復を図るため、1ビル1台のみ復旧させ、他のビルの復旧作業に向かいますので、ご理解とご協力をお願いいたします。
エレベーターについての詳細は、一般社団法人日本エレベーター協会のホームページをご覧ください。
このページの所管所属はくらし安全防災局 防災部危機管理防災課です。