第11回「黒岩知事との“対話の広場”Live神奈川」開催結果

掲載日:2018年4月20日

概要

第11回Live

テーマ

超高齢社会を乗り越えよう! 第1弾:「健康団地」で元気な高齢者が地域を変える

日時 平成26年6月2日(月曜) 18時30分から20時
会場 神奈川県庁 本庁舎3階大会議場
参加者数 106 名

実施結果(動画版)

当日の録画映像をご覧いただけます。

※参加者配布資料はこちらです。





実施結果(テキスト版)

司会

みなさん、こんばんは。本日はお忙しい中、お越しいただきありがとうございます。ただいまから第11回「黒岩知事との“対話の広場”Live神奈川」を開催いたします。

「“対話の広場”Live神奈川」では、ツイッターにより会場外からのご意見も受け付けております。寄せられたツイッターにつきましては、意見交換の中でご紹介させていただく予定です。

続きまして、本日のゲストの方をご紹介いたします。本日は3名の方にゲスト・コメンテーターとしてご出席いただいております。

まず、横須賀市の県営浦賀かもめ団地自治会長の具志堅 吉治(ぐしけん よしはる)様。

県営浦賀かもめ団地では、高齢化に伴う孤立化、引きこもり、買い物支援、防災対策などに関して、地域ぐるみで支えあい活動を行っております。具志堅様には後ほど、そうした活動についての事例発表をしていただきます。

次に、神奈川県住宅供給公社理事長の猪股 篤雄(いのまた あつお)様。

神奈川県住宅供給公社では、少子高齢化した団地の再生を目指し、新たなコミュニティを創造することを目的として、多様な施策を総合的に推進しています。猪股様にも公社の取組について事例発表を行っていただきます。

そしてもうお一方、慶應義塾大学総合政策学部教授の大江 守之(おおえ もりゆき)様。

大江様は、厚生省人口問題研究所で人口構造研究部長として地域人口や家族、世帯に関する研究に従事していた人口推計の専門家でいらっしゃいます。

以上の皆さまには、意見交換の際にもご参加いただきます。皆さま本日はよろしくお願いいたします。

それではまず、知事からご挨拶と今回のテーマについての説明をさせていただきます。お願いいたします。

知事

こんばんは、神奈川県知事の黒岩祐治です。

ようこそ、神奈川県庁へお越しいただきまして、ありがとうございます。

県民との“対話の広場”。私もこの機会をいつも非常に楽しみにしています。ここでいただいた案をすぐに実行したということはいくつもあります。直接の対話ですからね。面白いと思ったら、すぐやる。これが今の県庁の方針です。

例えば、この会場を見てください。この建物、部屋というのは、非常に歴史的な趣のあるいい部屋でしょう。昔の本会議場だったところですね。ここはよく映画の撮影などに使っています。以前ここで、「マグネット・カルチャーでにぎわいのまちづくり -神奈川の文化芸術の魅力を考える-」というテーマについて皆さんと議論しているときに、ある人が手を挙げて、「ここのホールは素敵だから、ここで芝居をさせてください」と言った。「よしやりましょう!」と言って、ついこの間実現しました。ここに舞台を作って演じてもらったら、素晴らしかったです。この大きなシャンデリアがまた彩りを添えましてね、素晴らしい展開になりました。

それに、今日と似たようなテーマですけれども、高齢者の皆さんと「健康寿命日本一を目指そう」というテーマでお話をしたところ、日本ステッピング協会という団体が箱に上って下りて、上って下りてという運動をやるだけで健康になるんですよという。こういう取組はいろいろある。それを一堂に会してやりましょうということで、ついこの間大和のイオンのお店を借りて、一日中、いろんな地域のいろんな取組を多数紹介するイベントを行いました。

ですから、皆さんからいただいた、これはおもしろいなと思った提案は、すぐやりますから、どんどん参加してください。対話の広場ですから、黙っていたら前に進みませんから。シナリオは、どういうふうに展開するかは分かりません。皆さん次第であります。

今日、この会場の模様はインターネットで全世界に放映されています。見ている方が、意見をどんどんツイッターという形で寄せてくれますから、それも踏まえながら展開していきたいと思っています。

さあ、今日のテーマは「超高齢社会を乗り越えよう!」。実は、今年の対話の広場は、このテーマでずっと行こうと思っています。すごく大事なテーマだと思っています。人口ピラミッドのグラフ

まずはこのグラフから見ていただきましょうか。このグラフは1970年の神奈川県の人口の形です。85歳以上はほとんどいらっしゃらなかったんです。いわゆるきれいな人口ピラミッド。それが2050年になりますと、まったく逆の人口ピラミッドになります。なんと、一番多いところが85歳以上ですよ。特に女性が多いですね。この時代、今ちょうど中間点ですが、この時代に急速に向かって行っているんです。この時代になった時、今のままいたら、どんなことになるだろうかということを、皆さんちょっと想像してみてください。

どんなことか、若い人からちょっと聞いてみようかな。

どんなことになると思う、このままいて、あれだけ高齢者がどっと増えてきたら。

参加者1

仕事をする人が少なくなる。

知事

仕事をする人が少なくなるね、こちらの方(2050年の人口ピラミッドを指して)だからね。

参加者2

高齢者の人がたくさん働くようになる。

知事

高齢者の人がたくさん働くようになれば、それはいいですね。

参加者3

今よりももっと高齢者が高齢者を支える社会になる。

知事

高齢者が高齢者を支えなきゃ間に合わないぞという社会ですね。

参加者4

若い人が年金をもらえなくなる。

知事

若い人が年金をもらえなくなる。いろんな問題が見えてくると思いますね。これをじっと見ていると、いろんなことが想像できてくると思います。

厚生労働省の現役の課長が、私が講演をした後に、講演をする場がありました。そこは大阪だったんですけれど、病院の経営者がずらりと集まっている場でした。その厚生労働省の現役の課長が、ほとんど同じグラフを出してきました。それで、この時代にどうなるかということを言いました。何と言ったと思いますか。

「病院は人を治すところではなくなります」と言う。「人を治している余裕なんかありません」と。「高齢者がどんどん病院に来ると、もう病院は若い人が病気になっても入るスペースがありません。診ている余裕はありません。治す余裕はありません。この時代の病院は、死亡診断書を書き続ける場所になります」と言っていました。

つまり、圧倒的な超高齢社会。人類が経験したことがない、圧倒的な超高齢社会、これをどう乗り越えるかということです。これを乗り越えるモデルができれば、これは世界に発信できるモデルになるだろうということで、今、神奈川県はこの問題について全精力を注いでいるところでありまして、そんな中で皆さんのお知恵もどんどんお借りしたいと思っているところです。

さあ、そんな中で、今日はまず「健康団地」というテーマ、団地をどうするかという問題とこの話をクロスさせながら考えてみたいと思います。団地も今のまま行けばどうなるのか。団地の中でも、古くなってしまった団地というのもたくさんありますね。そんな中で、一人暮らしのご老人がどんどん増えてくるという、そんな団地も出てきています。

このまま行けばどうなるのか、というところ。それなら、どのように乗り越えようとするのかという、もう既に皆さんの様々な創意工夫による挑戦も始まっています。まずはそういった話から、事例の発表からスタートさせたいと思います。それではお願いいたします。

具志堅 吉治 氏(県営浦賀かもめ団地 自治会長)

はじめまして、こんばんは。私は横須賀市の鴨居のかもめ団地で自治会長をやっております、具志堅吉治と申します。よろしくお願いいたします。(資料:具志堅氏_事例発表資料[PDFファイル/486KB]

事例発表ということでしたが、対話の広場に私たち県営住宅のことをこうやって取り上げていただくのが初めてなものですから、かもめ団地の現状から説明させていただきます。

かもめ団地は、周囲を海に囲まれ、晴れた日は房総半島を一望できる、非常に素晴らしいところだと私は思っております。周回道路が1.5キロありまして、ジョギングやウォーキングということで、けっこう皆さん健康志向でやっております。

かもめ団地は、建設が1969年ですから、もう築44年になります。管理戸数が1,589戸ですが、年々空き室の割合が増えてくるわけです。219ある県営団地の中でも、高齢者率が非常に高いところであると言えます。かもめ団地の人口は2,552人です。その中で、70歳代の人が多く、約27パーセントです。次に60歳代が21パーセントとなります。また、60歳、70歳の単身世帯が多いというのも特徴です。そして、20歳代から50歳代までのいわゆる勤労世代、これが30パーセントとなっております。簡単ではありますが、かもめ団地の現状を説明させていただきました。

それでは、私たちの支え合い活動の取組を説明させていただきます。孤独死問題というのが、平成22年ごろ、日本中で非常に問題になりました。孤独死防止対策等調査事業を県と共同で実施し、自治会と民生委員が連携し、委員会を設置しました。そして翌平成23年11月、県営住宅等支え合い活動モデル調査研究事業を受託し、「青空市場」、「コミュニティカフェなごみ」を設置し、具体的な事業を私たちが開始いたしました。

かもめ団地では当時、孤独死が珍しくなく、亡くなってから発見されるまで1週間程度は普通にあり、中には1ヶ月経過して確認したという事例もありました。多い年では年間15件、住民が噂を聞いても「あ、またあったの」というような感じで、普通の感覚になっていました。コミュニティカフェなごみの効果

平成24年3月末に、県営住宅等支え合い活動モデル調査研究事業の契約が終了し、平成24年4月1日より、かもめ団地自治会が自力で孤独死ゼロの目標を掲げ、「青空市場」、「コミュニティカフェなごみ」の運営に乗り出しました。

平成24年4月より、県の直接指導を離れ、自治会が責任を持って運営することになり、あらためて自治会役員8名、民生委員2名による、支え合い活動運営委員会を組織し、コミュニティカフェ「ホットタイムなごみ」と命名し、4月に開店しました。「なごみ」のスタッフは3人体制で、1ヶ月に1回スタッフ会議を開き意見を出し合います。スタッフには、来訪者に季節感を感じてもらうように店内の装飾に気を配ったり、飲み物を提供したり、話し相手になったり、声かけに留意してもらったりしています。団地には一人暮らしの高齢者が300人以上居住しています。そのような方々に、少しでも気分転換に来てもらえればよいと考えています。今は1日15人程度ですが、文字通り、住民のなごみの場として定着してきています。また、「なごみ」を通して住民相互に交流関係ができ、新しくつながりができるようになりました。団地サークルの利用も進め、結果として住民の地域活動への参加につながるようになってきました。「なごみ」が引きこもり防止に貢献し、大きく成果を上げております。青空市場の効果

「青空市場」は2、3ヶ月に1回のペースなのですが、1回に最高で60人以上のボランティアの協力を得て、団地内の空き地にテントを張って行っています。主に焼きそばや炊き込みご飯などの主食、アジの干物などの総菜類を出し、福祉団体や手芸サークルなどの出品もあります。2年を経て、今では団地住民の楽しみな行事の一つとなりました。毎回100人から150人の住民が、買い物半分、冷やかし半分で出てきて賑わいますが、品物は30分から1時間で売り切れてしまいます。この「青空市場」は、回数も少なく、直接的な買い物支援とはならないと思いますが、かもめ団地の名物として定着し、団地住民の祭り的な楽しみと、また交流の場にもなり、自治会活動への住民の理解を深めています。また「青空市場」の参加者から、地域活動に参加するきっかけにもなり、「青空市場」の効果は大きいのです。

孤独死ゼロの達成。かもめ団地では、25年度には孤独死と言われるものは1件もありませんでした。地道にしかも楽しみながら、カフェと青空市場、あいさつ運動、その他の取組を根気よく続けてきたことが、自然と住民の意識を変え、人間関係を豊かにし、住民の孤立化を防いできたものと思われます。ボランティアの方々に感謝いたします。

当初支え合い活動の構想を練る際に、一番心配したのは、活動を支えるボランティアをどのようにして確保すればよいのか、人材を育成するにはどうすればよいのか、明日のスタッフ不足をどうやって補うのか、などでした。ボランティアの確保というのは意外に早く解決できました。多くの人が手を挙げてくださり、本当に感謝しています。現在70名ほどのボランティアさんが活動しています。人材の育成は、活動しながらやっていけばよいと考えました。

支え合い活動は他の人への思いやりです。孤独死がなくなってきたのは、私たちだけではなく、県や横須賀市、民生委員、社会福祉推進委員、住民の皆さま、その他大勢の人たちの協力があってできたことだと感謝しております。

私たちが取り組んできた支え合い活動が、2年経ち、少しずつ成果が見えてきたと感じています。このような活動は、成果が非常に見えにくいんですね。私たちも、やっていて、「あっ、こうなった」というようなことがなかなか感じられなくて、1年経ち、2年経ち、やっと、「じゃあ、これがよかったのかな」と今、感じられるようになりました。

「なごみ」の家賃の減免など、県の支援をお願いしつつ、活動で利益を出せるような形態にできれば、高齢者の活動の場が広がり、町にも出ていくようになり、楽しみが増えてきます。

現在支え合い活動は、お助け隊をつくり、生活支援の活動にも徐々に広がりつつあります。かもめ団地には90歳代の方も住んでいます。80歳代の方々は、まだまだ元気で、自治会の活動にも参加しています。健康でいるために、団地の広場で、ラジオ体操を自治会で推奨して毎日行っています。最初のうちは役員がテープをセットしていましたが、雨の日も、風の強い日も熱心にやってくるので、広場に向けてスピーカーを取り付け、6時半になると自動的に流れるようにいたしました。平均30人くらいでしたが、今は暖かくなり、50人程度来るようになってきました。また、外でやることに自信のない方は、室内で「ころばん体操」という、椅子の上で座ってできる体操に取り組んでいます。

さて、一人暮らしの高齢者に元気になってもらうには、体を動かすのはもちろんですが、子どもたちや親族に月に2、3回来てもらうのが一番だと思っています。しかし現在は、団地在住の親のところに、子どもたちが様子を見に来ても、駐車できる場所がないため5分で帰ります。月に2回、3回と来ていたのが、1ヶ月に1回になり、2ヶ月に1回と、訪ねてくるのが少なくなっています。一人暮らしの方にとって、子どもたちや孫が訪ねてくるのは、たいへん嬉しいことでもあり、また元気ももらえます。子どもたちが車で訪ねてきて駐車できる場所があれば、子どもたちも安心して訪れます。住民の多くの人が来訪者駐車場を待ち望んでいます。神奈川県の県営住宅の中でも、最も高齢化率が高いかもめ団地の実状を考慮し、来訪者駐車場の一日でも早い設置をお願いいたします。子どもたちや親族が頻繁に訪れることで、孤独死の防止にもつながると思っております。

自治会でできることは限られていますが、微力ながら、安心・安全のまちの実現に向けて、住民にとって一番よいと思われる活動を進めていきます。

神奈川県はじめ、関連諸機関、関連諸団体には、今後のご支援、ご指導を切にお願いいたします。また、かもめ団地の住民の皆さん、ボランティアの皆さんには、感謝とともに、今後ともご協力をお願いいたします。

これで私たちの支え合い活動の報告を終わらせていただきます。ありがとうございました。

猪股 篤雄 氏(神奈川県住宅供給公社 理事長)

皆さん、こんばんは。ただ今ご紹介いただきました、住宅供給公社の猪股です。超高齢化社会に向かって取り組んでいる、私ども公社のプロジェクトをいくつかご紹介させていただきます。

公社は、昭和25年の設立以来、神奈川県下で8万戸の住宅を供給してまいりました。現在119団地、1万3,600戸の住宅を所有しながら、賃貸しております。

団地の現状説明の前に、実はもう少し大切な話がありまして、それは団地を取り巻く社会環境の変化です。私自身は実は東京育ちですので、神奈川県に来て初めて、産業の空洞化というのがいかにすごい勢いで進んでいるかを実感しております。神奈川県の団地を取り巻く社会環境の変化

これを見ていただくと、高度経済成長期に計画し、完成した団地を取り巻く神奈川県の社会環境というのは、本当に変わりました。

たとえば造船業、これはかもめ団地の近くを見ていけば分かるんですが、造船業の撤退。造船業といえば、ここ横浜みなとみらいというのは、元三菱のドックがあって、それがなくなりました。それから自動車製造業。自動車産業で言うと、日産の海外移転や県外移転。それから化学薬品、これは平塚周辺になると思いますが、その辺りの海外移転、県外移転。それらが移転しますと、当然そこで働いていた産業人口がどこか違うところに行ってしまう。となると、その近くにあった団地というのは、新たな人が流入して来なくなります。ですから、団地の外の状況ということも考えなくてはいけない。

それから、当然の事ながら、団地の中では今、かもめ団地のような少子高齢化、住民減少、それから商店街の衰退、建物の老朽化が始まっています。団地で、完成から30年以上経過すると、どういうことが起こるのか。団地完成時というのは、だいたい30歳から45歳くらいの方が親御さんで、お二人で来ます。小学生とか中学生、高校生くらいのお子さんたちも一緒のことが多いですが、この子どもたちは当然、入ったときには0歳でも20歳くらいになると、団地を出ていってしまうんですね。第2世代の学業終了とともに、この団地外流出という言葉になっているわけです。それとともに、40歳で来た方が30年経つと、もう既に70歳を超えていくと。これが極端な少子高齢化につながってゆきます。

それでは、公社の我々の団地は、今言ったような状態なのですが、2種類に大別しています。それはどういう団地かというと、「都市型団地」と「郊外型団地」というふうに分かれています。「都市型団地」というのは、最寄りの鉄道駅から徒歩10分程度の近いところです。場所で言うと川崎とか横浜の川崎に近いエリア、これが都市型。最寄り駅からさらにバス便による立地、駅からさらにバスで15分くらいの立地が「郊外型団地」となります。

この「都市型団地」というのは、利便性がよくて周りに新たな人たちがいますから、この場合は単純に建て替えしても、やっていけます。

ところが、こちらの「郊外型団地」、たとえば先ほどのかもめ団地。あそこを建て替えしても、人が来ますかという話になるんですね。周りにもう産業がなくなると、新たに建て替えても人が入ってこなくなる。

では、どうすればいいか。団地内の活性化です。それは、周辺地域の産業および人口減少ということで、建て替えではなく、団地内の活性化と、建物の長寿命化をしていかないといけません。

団地再生の手法はいろいろ

そのいくつかの例なんですが、「都市型団地」の建て替え、これは横浜市中区の山手駅、場所はいいところです。駅から2分くらいのところで、団地があったところに、これから着工して建て替えていきます。

それから、戸手というのは川崎ですね。これも、川崎駅からちょっと歩いて15分くらいなんですが、多摩川沿いのところで、そういうところは建て替えていきます。

ところが、「郊外型団地」の活性化ということで、相武台というところがあります。これは高齢者対策として、我々がサービス付き高齢者向け住宅、高齢者の方々のための老人ホームを去年の12月に竣工しました。

そして、もう一つが若葉台なんですが、ここは高齢者の健康と若年者層の誘致。これは、高齢者の方がさらに健康でいてほしいということと、若い人たちをどうしても誘致していかないといけない。こういう課題に今取り組んでいます。

若葉台団地の再生

「郊外型団地」の若葉台というところをみると、横浜市の旭区で、東名横浜インターから5分くらいのところに位置しています。それで、現状をみていきますと、一時期多いときは21,000人の住民がいらっしゃったんですね、先ほどの絵の中に。それが、何と20年経って15,000人ちょっとです。6,000人減ってしまったんです。それから、高齢者はもちろん急増しまして、約4,000人近く急増していると。このまま何もしませんと、5年後には高齢化率45パーセントを超えて、10年後には高齢化率50パーセント。高齢化率50パーセントというのは、限界集落という言葉になるんですけれど、そういうことが起きてもおかしくありません。

これが実際神奈川県で起きつつあります。

高齢化率が35、36パーセントですと、中の住民の方たちが一生懸命がんばって、自分たちでいろんな取組ができます。ところが、45パーセントくらいになりますと、住民の方々がもう既に高齢化してますから、先ほどのお話のように、高齢者同士でお互いに助け合う。しかし、それもなかなか難しくなっていきます。さらに難しくなると限界集落。

とともに、少子高齢化や人口減少で、消費が減退していくんです。皆様、たぶん若いころお子様がいらっしゃった場合、じゃあ今日はリンゴを食べようかというと、4人いますから、4つ買うんですね。これが、高齢者のご夫妻ですと、1つしか買わないんですね。2人だから2つ買うかというと、1つになってしまう。中には全然食べないよという人もいらっしゃる。ということは、それくらいに消費が減っていく。

あと、よく私が例に出すのはTシャツなんです。子どもが小学生とか中学生だと、毎年Tシャツを買って、どろんこにして洗って、1年しかもちません。ところが、私がTシャツを買うと、たぶんもう死ぬまで着ています。それくらいに、本当に消費が少なくなっていく、そういう状態が起きています。

ですから、それを何としても活性化するには、まず高齢者の健康ですね。あと若い人たちを何とかして団地の中に呼び込んでいこうということが必要になります。

高齢者の健康ということで、一つは、知事が最近よくお話しする未病ですね。日本人の平均寿命、男性の場合は約79歳と言われていて、健康寿命というのが70歳なんです。ですから、その間の9年間は何かというと、不健康期間。不健康期間とは何かというと、老人といいますか、高齢者になって、何とか生きてるんですけど、膝が痛いとか、認知症が出てきてしまったとか、いろんな症状が出て、要するに健康じゃない期間があります。それが日本は世界に比べて非常に長いです。

ですから、知事が今、一生懸命に推進していらっしゃるように、健康寿命を伸ばして、なるべく不健康な期間を短くしていきましょうと。高齢者の健康寿命を伸ばす対策として、スマートライフな生き方という、健康寿命を楽しむための生きがいややりがいを作っていこう。やっぱり生きがいとかやりがいがなければ、すぐ年を取って、だんだん不健康になってしまいますので、そのためには仕事と食事というコンセプトになっています。

若葉台の活性化にありましたように、高齢者の健康生活。それから、若年者層の新しい人たちを入れていく。それと、団地というのはエネルギーを管理していくのに非常によくできているところです。さらに、みどりの環境ですね。たとえば若葉台は、非常にみどりが多いですから、その環境整備をしていこうと。

団地再生のコンセプト

ここに一つのピラミッドを作っているんですけれど、職というのは、新たな職を通じて高齢者の豊富な知識と経験を生かし、若い人たちをサポートして、ともに社会参加していきませんかということです。

さらに要支援、要介護を減らして、未病を治し、健康な生活が送れるよう、食を考えて実践しましょうと。

それから、住というのは、魅力あふれる住空間ですね。新しい住居といいますか、内装をきれいにして、若い人たちが楽しく過ごせるようにしましょうということです。

エネルギーというのは、再生エネルギーを主体として、スマートエネルギーを作っていく。

みどりの環境というのは、自然豊かな生物の多様性という言葉があります。そして、子どもたちのふるさとを作ろうと思っています。団地というのは、ほとんど高度経済成長期に建てられたものですから、もちろん神奈川県下の方もいますけど、県外の方も非常に多いです。その方たちは実はふるさとを持っているんですね。やれ九州だとか、やれ東北だとか。ところが、ここで生まれ育った子どもたちというのは、実はこの団地がふるさとなんです。ですから、もう一度団地というのを、ふるさとをしっかり子どもたちに認識してもらって、いつでもまた帰ってきてもらいたい。こういう気持ちがあります。

そこで我々の一つの試みとして、空き店舗を使ってダイニングとオフィスをオープンしました。これは、知事が推奨している食と運動と社会参加をベースにして、コミュニティ・オフィス・ダイニングをオープンしました。こういう食事が食べられる空間と、オフィス空間があります。こういうキッチンもつけてということです。オフィスでの新たな生きがいというのはWi-Fi環境を装備して、持ち込みのPCで、自由な作業ができるようになっています。ですから、若者が新たな起業を目指して行きたいという場合には、ここで、熟練な高齢者がたくさんいますから、その方たちがサポートして、お互いにがんばっていきましょうと。それから、いろんなセミナーがあります。認知症予防のセミナーもこれから計画しています。

椅子は、武蔵野美術大学の木工専攻の方たちに作ってもらいました。全部違う形をしています。というのは、全員いろいろ違う方たちが集まって、一つのコミュニティを作っていこうと。あと、床なんですけど、中井町というところで我々はメガソーラーをやっておりまして、その開発時の間伐材を使って床を作りました。

料理のコンセプトは、地味涵養(じみかんよう)という言葉ですね。これは何かと言うと、心に易しく、体に易しく。神奈川県の地産地消の野菜を使って、未病を治すための食を考えています。

若葉台団地 親と子の広場

親と子の広場というのも作りました。これは0歳から3歳までのお子さんたちを持つ方が、非常に低料金、100円でここに来て一日遊べます。それをサポーター、若葉台の熟練者の高齢者の方たちがサポートしていくということをやっています。これは新たな賃貸促進です。

そして、生物の多様性ということで、非常にいろんな生物がそこにあるものですから、それをもうちょっと大事にしながら、生物の多様性を考えていきたいなと。

最後になりますが、我々は常に「人の健康・まちの健康、心と身体がやすまる環境」と、これを一つのキャッチフレーズにしています。それは何故かというと、私どもは今から25年前に、この高齢化社会を想定して有料老人ホームを始めたんです。先々週もテレビ放映されていますが、もう25年になります。施設としては、神奈川県に6箇所。そして、今入居者1,000人です。そこでの積もり積もったノウハウがあります。どうしたら少しでも認知症を予防できるのか、とかですね。

たとえば認知症が始まりますと、どうしても部屋に引きこもります。そして、その方たちを引きこもらせておくと、もっとひどくなっていくんです。ですから部屋から出てアクティビティに参加してもらわなければいけないんです。その人たちにアクティビティに参加してもらうにはどうしたらいいんだろうというと、音楽が非常にいいんです。ミニコンサートをやると、だいたい60パーセントくらいの方が来てくれます。音楽を聴いて、音楽とともに、今度は若い音楽の専門家に来てもらって、体操をする。そうすると、一緒になって、老人の方たちが体操すると。今は11時から始めています。11時からコンサートを始めると12時になる。そのまま皆さん食事に行くんです。そうすると、すごく食事が盛り上がって摂食率が高くなります。

こういうことのノウハウが我々にはたくさん詰まっておりますので、これを今度しっかり高齢者の住む団地に還元していきたいと思っています。そして、人とまちの健康を作る公社ということで、これからもよろしくお願いいたします。

公共住宅課長

県の公共住宅課長、山崎です。よろしくお願いいたします。

それでは、私からは、県営住宅の取組、「健康団地」の取組の概要について、お話をしたいと思います。(資料:公共住宅課_説明資料[PDFファイル/379KB]

まず、県営住宅の現状からですが、県営住宅は今219団地、45,471戸あります。入居者の年齢の状況ですが、高齢化率が37.7パーセント。ちょっと時点は違うのですが、県の平均が21.5パーセントということで、先ほど人口ピラミッドの話がありましたが、県営住宅では一歩先んじて、こういった動きが出ているということです。

次は、その中での世帯の状況ですが、入居世帯は41,628世帯、そのうち、65歳以上の高齢者がいる世帯は6割。そのうち、さらに高齢の単身の方が23.7パーセント、また2人世帯だと27.7パーセントで、この両方を合わせますと、5割を超えているという状況になっています。

こうした中で、先ほど公社の方から団地の活性化という話もありましたけれども、心身機能が低下した高齢者が増加したり、あるいはコミュニティの活力が低下しているという課題がございます。

そうしたことから、今回新たに県営住宅における取組をしようということで、多世代が居住して、高齢者を支え合う場づくり、また地域の保健医療福祉サービスの拠点づくりをしまして、高齢者が健康で安心して住み続けられる「健康団地」として再生していきたいと思っております。

県営住宅における新たな取組

取組の方向として、4つの柱があります。

1つ目は、空き住戸や、空き施設、空いている土地を使って、高齢者の支え合い活動や、保健・医療・福祉サービスの拠点を作っていこう。

2つ目は、子ども世代への知恵の継承、あるいは団地空間を活用した健康づくりといったことを行いまして、高齢者の生きがい健康づくりをしよう。

3つ目は、期限つき入居という、一定程度の期限をつけて、子育て世帯に入ってもらおうということで、多世代が居住するコミュニティを作っていこう。

4つ目は、団地再生セミナーといったものを行いながら、住民主導による、「健康団地」に向けた取組を促進していこう、というふうに考えております。

「健康団地」の簡単なイメージですが、余剰地を使ったり、あるいは1階の空き住戸を使ったり、空き施設を使ったり、あるいは建物の間の敷地を利用して健康づくりをしたりといったような取組をしていきたいと思っております。

健康団地の取組

この取組の進め方なんですけれども、(1)から(3)とありますが、1つ目は先行団地で具体的な取組をしようということで、空いている部屋を使うということで、浦賀かもめ団地、日野団地で進めようとしております。

それから、空いている施設を使おうということで、浦賀かもめ団地、先ほど発表がございましたけれども、その空きスーパーの跡地を使って、医療と介護のサービスを提供するという取組を始めています。

それから、余剰地ということで、これは県営住宅を建て替えたときなどに余剰地が出てきて、そこを使うということで、厚木の緑が丘、藤沢の亀井野で取組を進めようとしております。

浦賀かもめと日野では、子育て世帯の入居も進めたいというふうに思っております。

その後の取組ですけれども、県営住宅はいろいろと大きさも古さも違います。それぞれの状況に応じてグループ分けをして、全体としての取組の計画を作りまして、次に進めたいと思っておりますが、並行しながら、次の取組の展開も準備していきたいと思っています。

今の話は県営住宅でしたけれども、そうした取組を市町の公営住宅、あるいは公社等住宅でも広げていただくために、この県の取組なども情報提供していきたいと思っております。また、先ほどセミナーという話がございましたが、それは県営住宅だけではなくて、他の住宅でも、こういったセミナーをしていきたいと思います。

これらの活動によりまして、県営住宅をはじめ、市町の公営住宅、公社住宅等の団地で展開しまして、健康寿命日本一へつなげていきたいと思っています。簡単ですが以上です。

知事

今お話を聞いていただいて、この切実な現実というものを、まざまざと感じられたんじゃないでしょうか。私も驚きましたけれど、この浦賀かもめ団地では、一時期は年間15件もの孤独死があったということでした。それが、住民の皆さんがまさに立ち上がって、ゼロにまで持ってきたということ、たいへん素晴らしい挑戦だったなと思います。今までのお話を受けながら、皆さんとこれからディスカッションしていきたいと思います。

今のお話以上に、例えば我が団地ではこんなことがあるんだぞとか、この話を是非聞いてほしいとか、うちではこんなことがあったんだがこんなふうに克服したんですよとか、様々なアイディアやいろんなノウハウとか、それから今の現状報告でもけっこうです。何でもけっこうです。これからは対話に入ります。それではどうぞ。

参加者5

泉区から来ました。いちょう団地です。

今13階建てなんですけど、1階が商店街で、2階から住居です。2階の空き部屋が商店街の事務所だったんですけど、それが今ずっと空いているんですね。それで、高齢者が多いので、そこを有効的に使わせていただきたいと県に陳情書を出したんですけれども、いい返事がなくて。それと、住民の方に署名運動をしていただいているんですけれども、どうしても何かいい返事がないんですよね。

体の悪い人と、車椅子とかいろいろあるんで、一つのエレベータで下りれば、一人暮らしの人だと、そういうところに行って、みんなとお話ができるとか、いろいろとありますよね。私も一人暮らしなので、もう一週間くらいしゃべらないこともあります。

ですから、何としてもその空き部屋を貸していただきたいと思いまして、それで今日来たんですけど。

知事

ありがとうございます。もう一回、どこの団地ですか。

参加者5

いちょう団地です、泉区。

知事

事務局、答えて。

公共住宅課長

今いちょう団地2階の商店の事務室が空いているところを使いたいというお話だったと思います。詳細は今ちょっと分からないのですが、商店街ということであれば、商店街の組合にお貸ししている場合があるので、そことの調整が必要だと思います。

ただ、いずれにしても、高齢者のためのいろいろな取組が必要だということでございますので、そこについては、どのような使い方ができるのかということも含めて、また健康団地の取組も進めていきたいと思っておりますので、そこも含めて、いろいろとお話をさせていただければと思っています。

知事

しっかり対応させていただきます。もし対応しなかったら、また言ってください。みんなの前で確認しましたから。

参加者6

大和市のいちょう下和田団地の連合自治会のエンドウでございます。いちょう団地1,404所帯でございますけども、半分の700所帯くらいは、トータルリモデル工事でエレベータが5階でもつきました。

残りが半分になって、皆さん楽しみにしていたんですけれども、県の方では、これからはエレベータはつきませんということで、こういう事例がございました。エレベータのつかない5階に住んでいた方で、元気な方だったんですけれども、突然車椅子の生活になってしまいまして、一生1階まで下りられなくなってしまって、何とか1階に住ませていただきたい、移転させていただきたいということをお願いしたんですが、それが叶わなくて、他の団地に越しました。越したと同時にそのご主人が亡くなってしまって、家族がまた戻ってきたんですけれども、もう何回も県の方に言ったんですけれども、やっぱりそういう要望が叶えられなくて、非常に私も心を痛めたわけでございます。

残りの700所帯くらいの中層の方ですけれども、エレベータがつかない代わりに、今度は個別改善工事という工事になるんですが、エレベータがつかないと、元気な今のうちはいいんですけども、必ずそうだとは限りません。いつかはそういう時が来ると思いますので、何とかそういうことのないように、健康団地ということから考えてみても、住んでよかった団地ということで、皆さんが喜んでもらえるような団地にするためにも、やはりそういう問題を解決するために、何とかエレベータを設置していただきたいというふうに思います。

知事

ちょっと今、エレベータの話で、何で途中でそうなったのか、事務局。

公共住宅課長

今お話にありましたように、昔建てた階段室型という建物がありまして、階段を上がっていって両側に部屋があるという、そういう建物について、エレベータをつける工事を途中までしてまいりました。これは、エレベータを階段に沿ってつけるのですが、階段の踊り場というものが平らにないものですから、階段を半分上がったり、半分下りなければいけないんです。

従いまして、階段ごとにエレベータをつける工事をやっていたんですけれども、やはりどうしても半分は階段を下りて上がっていただく必要があるということで、その工事ではなかなか成果が上がらないということで、今中断をしているという状況です。

もう一つ話がありましたけれども、そうしたことの中で、高齢者、車椅子になった方は1階の方に下りていただくということをやっております。ただ、皆さんそういう希望が非常に多いものですので、なかなか1階が空かないということがあります。そうした場合には、1階なら近隣の団地でもいいですよ、ということであれば、移っていただくということをやっておりまして、今のお話はそういったことで近隣の団地にお移りいただいたことなのかなと思っています。

知事

そういう個別の問題はやはりいろいろあるでしょう。住居が建ったときには、元気であることは前提だと思って、エレベータがなくてもいいやと思って入ったけれども、高齢になってきたときに、車椅子生活になって、階段の半分の移動がたいへんになった。まさにこういう新たな問題が生じているわけですね。こういった問題、全部新しいエレベータをつけられればいいけれども、なかなかそうもいかない中で、じゃあ階を移っていただいて、というふうなこと。それもご理解いただけなければどうなるか。

しかし、こういうのはきめ細かく対応していかなければいけないということを、今の話でつくづく感じましたね。

ありがとうございました。

参加者7

川崎の幸区の古市場団地ですが、私の方ではちょうど新しく建ててから5年が経ちます。 その中で、各団地にまいりましたところ、青々とした草木、あるいは花が植えてあります。うちの方では、5年経って相変わらず草木が枯れてまいりました。そこで、この間集会の中で皆さんに話しましたところ、どうにか花を植えて、きれいにしましょうという話が出まして、先日皆さんで石ころを拾って、土をきれいにしようと思いましたが、未だに土が悪いので、木が枯れてくる状態なんです。

この間皆さんで集まって、土を多少買って何とかしようじゃないかって言いましたけども、その土も相当お金がかかるんですよ。そこで、県の方にお願いしまして、今後新しい草や木が枯れないようにしていただきたいと思いまして、こちらにまいりましたわけでございます。

よろしくお願いいたします。

知事

どちらの団地ですか。

参加者7

川崎幸区古市場のサンハイツです。

知事

事務局、答えましょう。

公共住宅課長

県営住宅の場合には、芝生とか低木の管理は自治会の皆さんにお願いしています。その範囲の中で、皆さんの方の希望にどこまで沿えるか分かりませんし、土の入れ替えができるかどうかも分かりませんけれども、今のお話は話として承りまして、何ができるか検討できればと思います。

知事

いろんなそれぞれの個別の陳情というのはあると思います。陳情は全部お受けいたしますが、それはそれとしながら、全体的にどうしていけばいいのかなという、こういうことも皆さんとともに議論をしていきたいと思います。

今ちょっとお話を聞いても、我が団地のこの問題は何とかしてほしいというのがいっぱいあるということは、よく分かりました。これはどこか特別に何か窓口を設けて、そういう声を全部集めるように、考えたいと思います。ここでそういう話ばかりになってしまうと、他の人は個別の事情が分からなくてきょとんとしちゃいますからね。

今日は高校生も来てくれてますから、なるべくみんなで話しができるような議論にしていきたいと思います。

参加者8

保土ヶ谷区川島町のハイツ南原のイトイと申します。

私も昭和57年、国から予算がついて、建て替えをしました。建て替えもスムーズにいきまして、今は242世帯、すべて健康でみんなおられますけど、何と言っても一番困るのは、後期高齢者がだんだん増えてきて、統計が取れない。

これは元を正すと山崎課長じゃないけども、応能応益方式という、平成8年に公営住宅法が変わりました。それで、当時は1種、2種の住宅を応能応益、ようするに前年度、全収入の割合で払うと。家賃の加減は、応能はその団地の建築費であり、応益の方はそれぞれの係数でその計算ができるようになってますけども、実際にそれに対する減免をかけるのにはどのくらいなのか、どういう障害者があれば、どういう減免かかるのかということは、応能応益をしっかりと認識をしてない。要するに公務員の怠慢ですよ。要するに、しっかりとね、山崎課長なんか知っておかなきゃ本来いけない。応能応益方式というのは、何故応能応益なのか。これは日本国でも盛んに最初ね、変えるときには問題になりました。

そして私もこれ建て替えをやるとき、私も建て替え委員長として、長年県と戦ってきました。それで、今おかげさまで、今スムーズにいって、エレベータもきちんとついた。当時まだ5階建てでエレベータがつくなんてとこはなかった。

だから、私もこのかもめ団地を、何回も横須賀市は見て回って来たデータがあります。ですから、まったく苦労されたと思いますよ、やってくる団地の責任者というのは。

だから応能応益をきちんともう一度、憲法第25条をよく読んでください。何てあります。ちょっと課長お答え願います。

知事

皆さんと共有したいので、ちょっと言葉が難しいので、皆さんに分かるように言っていただけますか。

参加者8

若い人もいてね、たいへん申し訳ないと思うんですけども、要するに家賃というのは、県営の場合と、公共団地の場合とは違うんです、形式そのものが。この形式を作るのは国です、日本国が作るんです。要するに国土交通省の公営住宅局というところが、これを国会にかけて、衆参両議院を通して、その係数のもとに応能応益方式というのは、これ一冊の本になってありますよね。

これは本屋へ行くと買えるんです。それで、私もこれ長年ずっと勉強してきました、自分なりで。私も今おかげさまで、家内も84歳で、障害者として、2級で、今車椅子で24時間介護してます。その中で、私だってもう78歳になります。

その中で、とにかく公営住宅だけはいいものを作っていきたい。そのためにはどうするか。これは県とさんざん交渉して、国とも交渉して、エレベータのあり方、建物のあり方、バリアフリーどうやってしたらいいのかと。いち早く私のところはバリアフリー化しました。おかげさまで今、車椅子で、自分自身が助かってます。

ほんとにこれは県のおかげで、いろいろやってきた、ありがたいなと思いますので、また今後ともよろしくお願いします。

参加者9

川崎の小倉団地からまいりました。

まず、今県が進めている駐車場の福祉関係での利用を自治会任せにしていただくということ、これを早急に実現していただきたい。私のところでは5台要望しています。これは福祉関係を中心にした駐車場。今空き駐車場がたくさんありますね、どこの団地でも。それを自治会に無料で貸すと。5台ですね。それは福祉関係に専門に使ってもらいたい。管理ももちろん自治会が進めてもらいたい。

そういう条件ですので、それを受け入れまして、今進めています。ですから、それを早急にしていただきたいということなんです。

ただ、福祉関係というのは、福祉事業者が利用するだけではないんですね。例えば、来客用という形で、お孫さんを連れてきた若夫婦が年寄りのところに来ると、これこそ本当の福祉だと思うんです。そういう点で言いますと、これは来客を含めた福祉関係の駐車場としていただきたいということが一点です。

それからエレベータ問題です。これは、当初はエレベータもたちまちのうちにつけるというような宣伝でしたけれども、その後確かにエレベータを今1機つけると1,000万以上になるんじゃないですか。当初出発のころは600万くらいでしたけれども、今は1,000万以上なんでしょうね。そうすると、一つの階で2軒ずつが5階分ですから10軒で1,000万くらいになる。

こういうふうな形になって、例えば自治会において見回り制度をみんなでやりますというふうになっていますけれども、見回る方も80歳くらいの人が見回るんですから、一日のうちに、5軒ずつやると、10回行ったり来たりするわけですね。こういうふうな形ではなかなかできない。

そこで私は考えたのは、電話作戦ではどうかと。電話を1日1回かけるとかね、そういうふうな形。あるいは、そのような形での何か通信的な方法での案がないかどうか、県の方でも考えていただいて。

知事

ありがとうございました。見回るというのは、お元気かどうかを見回るということですね。

参加者9

見回り制度をこれからやろうとしているんですけど。

知事

行ったり来たりが大変だ。分かりました。いろいろ課題が出てまいりますね。

参加者10

浦賀かもめ団地からまいりました、小磯診療所のイソザキです。

「健康団地」に少し参画させていただいておりまして、がんばっているところなんですが、主に医療の面から、団地でどんなことができるかということをご報告したいと思います。

当診療所は、僕は2代目なのですが、1973年から開業してまして、団地の中の一角で、まず内科・小児科として開業しました。自分の代になって10年経ちますが、そのときから、自分は内科医ですので内科はもちろん見るんですけれども、やはりこれからの時代は専門医が患者さんを診るべきだという思いから、一緒に診療してもらいたいと思って、できるだけ専門医を誘致というか、勧誘しています。現在のところは、内科の他に、皮膚科と、小児科と、耳鼻科、整形外科というふうに科が増えてまいりました。

特に小児科は、団地の中にもしお子さんを育てるような世帯が入っていただいた場合には、子どもの病気というのはやっぱり親がだいぶ心配するところなので、お力になれると思いますし、また整形外科に関しては、リハビリを通して、ご高齢の方の健康の維持に役立てると思います。

今回、特に空き店舗を県の方から貸していただいて、広くリハビリスペースを取ることができましたので、これからリハビリを充実させて、できるだけ通っていただいて、生活の動作が落ちないように、ということを僕たちとしては考えております。

また、団地の中にあっても、やはりそこまで通えない方が、先ほどからエレベータの問題も出ていますが、なかなか下に下りてまた上に上れないという方がいらっしゃいます。そういう方に関しては、こちらから積極的にご自宅に訪問して、在宅医療ということを進めております。実際、横須賀市内で、かもめ団地だけではなくて、現在当院からだいたい280軒くらいの訪問先がありまして、そのうち30軒くらいがんの方がいます。お看取りの数としては、昨年平成25年で年間170名、死亡診断書を発行しております。

ですから、そういう意味では団地、または公共住宅のところに医療機関を誘致していただいて、そこでできるだけ経営がうまくいくような状態を作っていただければ、医療機関としてもやりやすいですし、もちろんご高齢の方に対してもいい医療が提供できるのではないかと思います。

もう少し大きい話になるのですが、2025年には、団塊の世代の方は全員後期高齢者になるということで、在宅でお看取りする方が増えるということで、僕たちは非常に心配しております。

横須賀市の場合も、あと10年であと1,000人医師を増やさないと、病院が回らないということはもう言われておりまして、横須賀市と医師会でタッグを組んで今考えてるところなのですが、やはりなかなか在宅を始めるのが難しいこともありまして、危機的な状況になっております。

ですから、できるだけ今在宅をやっているドクターが、もっとがんばってやるという仲間を増やさなければいけないわけなのですが、そういう取組を今しております。

以上、ご報告でした。

知事

ありがとうございました。

これは非常に大事なことだと思います。そもそも「健康団地」という名前をつけたのは、今のお話に非常に近い発想です。冒頭にお見せしたように、神奈川県が圧倒的な勢いで超高齢社会へ進んでいく中で、事例発表にもありましたけれども、団地ではもっと早く超高齢社会が進んでいくわけです。

超高齢社会になって、今のままでいると、と言ってみましたが、例えば体が動かなくなった、病気になった、介護が必要だ、いろいろなことが出てきます。

その人たちを、施設を作って預かりましょうかと施設をいっぱい作ったら、間に合うかどうかということですね。先ほどの超高齢社会、どれだけ施設を作っても間に合わないんじゃないかということと同時に、もっと間に合わないのは人なんですね。私もいろいろな現場を訪問をして見ていますが、介護福祉施設ができ上がって立派な部屋がある。入居希望者もたくさんいる。ところが、使っていない部屋があるんです。なんで使ってないんですか、と聞いたところ、介護する人がいないと言うんです。施設はあるけれど、介護する人の数が足りなくて開けられないんですと言う。そういう話が現実なんですね。そんなときにどんどん箱物ばかり作っても、これではしょうがない。

だから、発想を逆転しようと言っている。高齢者がたくさん住んでいらっしゃる団地に、医療、介護を持って行こう。ご自分の家で生活をなさっているところに、医療、介護がやって来ます。今やはり在宅医療というのは、非常に重要な要素ですね。先生たちもがんばってやってくださっている。

普通町全体に在宅医療をやろうと思ったら、車で出かけていって、どこへ停めて、どこを通って、ぐるっと回って行ってとか考えなければいけないですね。

ところが発想転換。

団地にいろんな方が住んでいらっしゃると、そこを診て回るとなったら、車で町中回るよりは、むしろ効率的です。上から一軒一軒回って行って、下りていけば、それだけでまさに病棟回診のようにしながら、団地の中に、しかもお住まいのままで、医療、介護を届けることができるだろうと。

こういう団地、つまり高齢化がどんどん進んでいって、団地も老朽化して大変だ、もう寂しくなって大変だ、もう問題ばかりだぞという発想を逆転して、逆に団地に住んでる方が安全安心だぞと。元々自分のお住まいですからね。そこで最期の最期まで住めるということは一番ありがたいじゃないですか。そこに医療、介護を届けさえすれば、それは実現できるだろうという発想の下に、団地を健康団地としていこうという名前をつけて、それでいろいろな形で今実行しようとしているんです。

先ほどの事例報告だけではなく、公共住宅課の説明の中にもありましたけれども、団地と一言で言っても、いろいろな形の団地があるんです。それぞれの団地の実状に応じて、安全安心の健康を皆さんにもたらすための仕組はどういう形がいいのか、ということの試行錯誤を始めているというのが、今の現状だというふうにご理解いただきたいと思います。

でもね、先生ががんばって下さっているのは、本当にありがたいことですね。

ぜひ、今後ともどうぞよろしくお願いします。

参加者11

いちょう団地の上飯田アパートから来ましたコマツです。

超高齢化社会を乗り越える、そして健康団地を作り上げていくうえでは、それぞれの自治会の自治機能を保つということが非常に大切だと思っています。

私どもの団地では、外国につながる世帯が20数パーセント居住しています。日本人も、外国の方もそうですが、みんながみんな団地自治活動に参加するとは限らないんです。特に外国の人は、非常に消極的な人が多いです。ボランティア活動についても、比較的消極的。

そういう人たちの団地の中で、あと5年10年経つと、日本人もどんどん高齢化していく。外国の人たちも、今の状況だと増えていくという中で、その後の自治機能というのは維持できるのかという心配があります。

県に対して、外国の人にちゃんと参加するように教育してほしい、援助してほしいとお願いをしています。県の答えは、外国の人と住民とで話し合って解決すべきものだと言っていますが、あまりにも比率が高いので、行政としても援助してほしいというのが希望です。

それから、健康団地が実現していくかどうかという問題について言えば、地方自治法で、地方公共団体は住民の福祉の増進を第一にして取り組めと謳っていますから、県の現状については私、言いませんけれども、自治法に則ったシフトをすれば、十分希望が持てるというふうに思っています。

それから、一つ質問です。入居制限した子育て世帯に入ってもらおうという話がありましたが、所得制限はどうなるのかということをお聞きしたいと思います。

それから、住民のことを考えて行政してほしいのですが、私ども、ある排水溝が詰まって、排水機能がないので、大雨が降ると、腰のあたりまで水が溜まって、道路が通行止めになるので、さらってほしいという要求を県に出しました。そしたら県からは、昨年の11月のことですが、「この排水溝は地形および立地による改修には多額の工事費用が必要になり、現状の厳しい予算の中では、他の老朽化が著しいものや緊急性の高い工事を優先せざるを得ないので、直ちに工事に着手することはできません」という回答をいただきました。ところが、後で分かったのですが、その排水溝は県のものでなくて、市のものだったんです。県は本当に真剣に考えて対応を取ってくれたのかというふうに思います。もし、その排水溝が市のものであれば、それは市と交渉してくださいという話になるんですが、実は着手できませんという返事なので、そういう行政についてはいかがなものかなというふうに私は思います。

質問についてのお話をお願いいたします。

知事

じゃあ、まず質問から答えてもらいます。

入居制限、所得制限はどうなるのかという話です。

公共住宅課長

子育て世帯の方々に入っていただく際の所得の制限の話でございます。県営住宅については、やはり一定程度の所得の方、つまりそれよりも高い方は入っていただけないということがありますので、一定程度の制限はございます。それについて、子育て世帯については若干高めの所得でもいいというような配慮があったと思いますが、いずれにしても、どうしても県営住宅ですから、所得制限というのはあるということでございます。

知事

外国人のことの問題提起がありました。これも非常に大きな問題ですね。確かにそうです。この問題は我々も重く受け止めたいと思います。神奈川県というのは、160ヶ国の方が住んでらっしゃるんです。16万人くらい住んでいらっしゃる。こういう多文化共生というのは、この神奈川の売りの一つですから、我々の自慢です。この方たちも同じように高齢化していくわけですから、団地の中にもたくさん入っていらっしゃるということなら、やはりそのコミュニティを守るメンバーとしてしっかりやっていただくための誘導策ですね、どうすればいいか、我々も知恵を絞りたいと思います。

それと、排水溝の件ですが、今聞いて私もびっくりしました。よくあるのは、逆が多いです。これはうちの担当じゃなくて市の担当ですからといって、ぽんと投げちゃうという。私が知事になってから、県民の皆さんから、いろんな声をいただいて、どう対応したのかというのを全部チェックしています、今。そうした中で、最初はずいぶんひどいのがありました。こんな対応されたら、私だって怒りたくなるような。うちの担当じゃありませんから、市に聞いてくださいといって、これで終わりみたいな。冗談じゃないと。こんなこと言われたら、住民の皆さんにとって、これが市か、県か、どこが担当か、分からないじゃないかって。ものの言い方があるだろうという話をして、最近はずいぶん変わりました。

ところが、今の話を聞いてみると、市の担当なのに、県が答えてるわけですね。ということは、ろくに調べもせずに、適当に答えてしまったみたいなことでしょう。この件については後でちゃんと調査して、二度とそういうことがないように徹底させていただきます。大変申し訳ございませんでした。

参加者12

旭区の万騎が原の県営住宅の自治会長のウメダです。

現在建て替え中なので、県の方にはたいへん感謝しております。今度2期工事が始まるんですが、一応11月から5ヶ月間で、2期工事の方の解体が入る予定です。3月に終わるんですけども、本来だと、4月から建築部隊が乗り込んでもいいと思うんですが、どうも内容としては7ヶ月間そのままの状態だということで、おそらくずっとその7ヶ月が過ぎると、また同じくらいの時期から建築が始まるのかなと、こういう具合に思うわけです。

それと、前からそうなんですけれども、今回の2期工事で、これだけ高齢化社会の中で、当然障害者もいるし車椅子対応の人たちもいるわけですが、この2期工事に障害者用の部屋が一つもなかったという内容で、私はこれは県の方に抗議をしました。こういう高齢化社会の中で、車椅子対応の部屋が一つもないということはどういうことだと。少なくとも、そういうものは当然考えるべきではないかということで、これはたぶん考えてくれていると思います。

あとは、第1期工事の場合に、外の水道の設備がゴミ置き場だけだった。これはですね、少なくとも県の方では植木の手入をしてください、芝生の手入をしてください、植木の刈込をしてくださいって、いろいろあるわけですよ。それについて我々は文句を言わずにやっているわけですが、そういうことができるような設備すら、こちらが要望しないとつくらない。1期工事の場合は、ようやく1階の両端に水道をつけてもらいました。これは言わなかったらつけないわけですよ。それを会長がうるさいからつけたということで、もったいをつけてますけれども、当然のことなんです。

この2期工事でさらにお願いしたいのは、6階建てですけれども、各エレベータホールのとこに、私は水道をつけていただきたいという要望です。

知事

個別のことについては後でしっかり対応させていただきます。分かりました。

参加者13

いつもお世話になっています。東戸塚の県営川上第二団地のキムラと申します。

昨年の1月は、中国帰国者の日本語学校についてご報告させていただきました。

今日は、ささやかですけれども、私たちの自治会長、自治会が非常に多様な価値観の人たちをまとめられて、非常に信頼を得て、長年続けて自治会をやっていらっしゃる。

一つはボランティアグループをつくりまして、10人くらいの人たちで、今高齢化が進んで、自分たちの周りの伸びた草も刈れないんですよね。木ももちろん、高いところは切れないし。そういうところを全部きれいにやってくださっているんです。これは素晴らしいことだと思うんです。先ほどまでの話とはだいぶスケールが違いますけれども。

あとは、月一回、集会所で映画会をやっているんです。映画っていうのは、一人暮らしの方々が出てきて、そして参加者が主役ということで、いろんなことをお聞きになって、自治会に生かしている。私は今自治会には関係していませんけれども、よく見させていただいて、会長、体に気をつけていつまでもお願いしますと言ってるんですよね。

それから、朝、ラジオ体操もグループでやっています。ですから、ささやかですけれども、こういう自治会の、いろんな苦労をしながら続けていることを評価されまして、是非ご援助の方をお考えいただきたいと。

よろしくお願いします。

知事

ありがとうございます。素晴らしいところはね、どんどんアピールしていくべきですね。

さあ、せっかく高校生も来てくれていますから、どうですか、今まで話を聞いていて、どんなことを感じましたかね。感想でもいいし、質問でもいいし、どうぞ。

参加者14

横浜南陵高校1年のミウラです。

先ほどからお話を聞いていて、高齢者の方が多く増えてきて、その中で、私たちは社会福祉部という部活なんですけれども、高齢者同士の支え合いの中に、見回りがあったり、そういったことも、やはり高齢者の方だけではできないところも多いと思います。高齢者が高齢者を支えるというのも、限度があると思いますし、そういった中で、高校生たちもボランティア活動などをしていて、ボランティア活動したいという方もたくさんいるんですね。ですから、そういった高校生たち、学生たちと高齢者の方が交わったコミュニティグループというのも、あっていいんじゃないかなと思いました。

知事

いや、嬉しいですね。皆さん拍手送りましょう。

こういうことを言ってくれる高校生がいるってことは、本当に何かじーんと来ますよね。嬉しいです。

こういう超高齢社会の問題、私も今日聞いていて、あらためてこれは相当深刻な問題が、もう既に来ているなということを、いろいろな形で感じました。さあ、これをどうやって支えていくかということについて、大江先生、感想を含めて、今日の議論を聞かれて、いかがでしょうか。

大江 守之 氏(慶應義塾大学総合政策学部 教授)

そうですね、今日最初にお二方の発表がありましたが、その中で、団地が限界集落になる、つまり高齢者の割合が50パーセント以上になるということですね。限界集落というのは、過疎地域、中山間地域で生じているということなのですが、都市の中でも起きてくるという指摘はかねてからありました。

私は限界集落というのに関心があって、中国山地の山の中の限界集落に実際に行ってみたり、去年は学生と一緒に四万十川の流域にある、限界集落に近いところにも行ってみました。そこで出会った事例は、限界集落というから、もうとにかく高齢者だけが集落に残っていて何もできないような状況になっているかというと、そうでもなくて、四万十市に合併になってしまった西土佐村というところに行きましたら、そこの高齢者の人たちは大学を作っているんですね。西ヶ方という集落の人が、西ヶ方大学という大学を作っている。これはとてもいいホームページもできているので、もしご関心があったらご覧いただきたいです。

それは最初、高齢期になって、自分は炭焼きが得意だとか、椎茸栽培が得意だとか、田植えのことなら任せろとか、いろんな得意技を持つ人たちが、都会の人たちを呼んで、そういうのを教えようと考えて、“何とか教室”みたいなことを少しアピールしようとしたらしいんですが、そんなことではなかなか来てくれない。だったら、大学というふうにして、炭焼き学部長とか、田植え学部長とか、そういう名前を勝手につけて、それで楽しんでいるんです。

そこに緊急雇用対策で、期間限定で雇用された、東京から来た若い女性が3人くらいいまして、その人たちがまた面白くて、スマホの使い方を教えてあげたりしながら一緒に遊んで、遊びをサポートしている。ホームページも作ってくれたりしていて。

そうやって、限界集落で、もう消滅していくだけのように言われているところで、一緒に遊ぶということを通して、つながりを作っていくことが行われていたりするんです。

中国山地の山の中に行っても、「どうやって一緒に楽しんで遊ぶか」という、その遊びというのはいろいろできる。そういうことを探してやっているのを見て、そういうことって大都市の郊外でも必要だなというふうに思ったんです。

本当にいろんな問題がたくさんあるということは、そのとおりだと思うんですが、何か自分の得意なものを持ち寄って、遊ぶということができたら、そこを通して、関係性ができてくるということになるんじゃないかと思うんです。

最初のかもめ団地の具志堅さんのお話の中でも、青空市場から地域活動の参加者が増えてきたというお話があって、あ、そうだなというふうに思いました。やはりフラットな関係で一緒に何かをやるという中で作られていく関係性が、何かを一緒にやろうという力になっていくと思うので、そういう機会を作るといい。青空市場で露店を出して何か売るのもいいし、それから一緒に遊ぶのもいいし。

それから、郊外の団地は近くに農地があったりするわけです。すると、一緒に農地で農作業をやる。これは今、実際に横浜の戸塚区の団地のところで、私もちょっと関わってやっているのですが、周りの農家の人たちもだんだんと農地を耕作できなくなっているので、団地の人たちと協力して、一緒にやろうという動きが出てきたりしています。一緒に作物を作るとか、その作物をコミュニティカフェに持ち寄って料理にするとか、何かそういうことがいろいろ起きてくると、楽しみながら関係性をつくり、そして笑いがあって、健康になるというような形になっていく可能性は十分にあるんじゃないかと思います。ぜひ皆さん、その遊びの種を探していただきたいし、それからやはり公共としては、そういう遊びに使える場ですね。さっきのいろんな、コミュニティカフェの場もそうですし、うまくいろんなことができる場を作っていくということに協力していくと、皆さんの活動が様々な形で盛んになっていくんじゃないか、そんなふうに思いました。

笑いと遊びとがある健康団地ということが、医療だけでなく、一つの大事な点かなというふうに思った次第です。

知事

ありがとうございました。

非常にいい形でまとめていただきました。私が目指してるのは、超高齢社会、誰もが経験したことない超高齢社会をどうしたらいいか。明るい超高齢社会にしたいんです。できる限り明るくしたい。だから、健康で皆さん長生きしていただく。そしたらみんな明るくなってくるじゃないですか。

今の話にもありました、やはり高齢者の皆さんというのは、ある種人材の宝庫でもあります。団地にそれだけたくさんの方がいらっしゃったら、それぞれのすごい人生経験を持った人、いろんなことをやり抜いてこられた人たちが、そこに集まっていらっしゃるという、人材の宝庫だと。これをどう生かすかという発想は非常に大事だなと思います。

その団地の中で空きスペースがあって、そこで皆さんが交流できる場があるだけでも、また外部から若い人たちも集まってきて、若い人たちにもその中に住んでいただいて、多世代一緒に住んでいただくという形になって触れ合うだけでも、そういう超高齢社会の皆さんが持っている人材、パワーというものが伝わってくる。伝わってきたら、皆さんが生きがいを持って、楽しいな、と笑いが出てくる。そんな形で団地をしっかりと再生していきたいというふうに考えているところです。

様々な個別の、我が団地のこの問題、この問題というのは、たくさんいただきました。全部お伺いできなかったことを申し訳ないと思っていますが、紙に、アンケート用紙に、個別に具体的に書いてください。それは全部責任を持って対応いたします。

また、皆さんからそういう個別の具体例のお話でお困りの点、問題だな、県は何をやっているんだということがあったら、そういうことをしっかりと受け止める場を改めてご用意したいと思います。それを私から今日のお約束として、今日の会を閉じさせていただきたいと思います。

長い間、ご清聴ありがとうございました。ご参加ありがとうございました。

※県営住宅に関するご意見について

意見交換や参加者アンケートでいただいた県営住宅に関するご意見については、次のページでまとめております。

第11回「黒岩知事との“対話の広場”Live神奈川」における意見に対する県の考え方について

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本文ここまで
県の重点施策
  • 未病の改善
  • ヘルスケア・ニューフロンティア
  • さがみロボット産業特区
  • 県西地域活性化プロジェクト
  • かながわスマートエネルギー計画
  • 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会
  • ラグビーワールドカップ2019
  • 神奈川県発、アート・カルチャーメディア「マグカル」
  • ともに生きる社会かながわ憲章
  • SDGs未来都市 神奈川県 SDGs FutureCity Kanagawa