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更新日:2009年8月19日
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神奈川県自然環境保全センター自然情報 第2号
ニホンジカ保護管理計画策定の基礎資料とするため、2000~2001年度に丹沢で生息密度調査、ライトセンサス調査、捕獲個体等の分析及び生息環境調査を行った。その結果により生息頭数を推定するとともに、生息密度及び生息環境の地域差や冬期の移動、シカの栄養状況の悪化などが明らかになった。
1984年から開始した県内のリス類3種の生息分布調査をもとに、現存植生図を用いて土地利用別に生息状況を分析した。その結果、外来種であるタイワンリスは増加傾向にあって県東部市街地周辺に分布する一方、ニホンリス・ムササビは県西部の森林区域に分布し減少しつつあることが判明した。
丹沢山地で貴重なウラジロモミの稚樹の群生場所を確認したので、2002年にその生育状況を調査したところ、稚樹の発生は光条件には影響されないが、強光下の方が成長が促進されると推察した。
丹沢山地の登山道におけるオーバーユース(人間による自然の回復力を超えた利用)の状況を分析したところ、荒廃の要因には雨水、地形・地質、登山者の踏圧があり、これらの条件が重なる箇所ほど荒廃が起きやすいことを推察した。
オーバーユース対策の一つとして整備を進めてきた環境配慮型山岳公衆トイレについて、塔ノ岳公衆トイレの土壌処理循環方式の設備を中心に紹介した。また、トイレの利用状況について分析し、維持管理などの今後の課題について整理した。
寺社領地から御料地、そして県有林(高麗山県民の森)へと移り変わった高麗山の紀元1世紀から現在までの歴史を振り返りながら、高麗山の森林植生が人為等の影響でどのように変化してきたかを推察した。
茅ヶ崎市の海岸で保護され当センターに収容されたオオミズナギドリが、釣り針からなる塊(ペリット)を吐き出した珍しい事例を報告した。
県立自然保護センター野外施設の湿地や池などにおいて、トンボを中心に計8回、観察した記録を取りまとめた。その結果、計18種のトンボを観察した。
「神奈川キノコの会」との連携により実施している「野生きのこ特別相談」について、最近5年間に持ち込まれたキノコ計937種の一覧と食毒区分、相談件数の多かった種類など傾向について取りまとめた。
2002年に当センターに搬入された傷病鳥獣の保護実績(種名、保護した地域、保護原因、放野状況)について取りまとめるとともに考察を加えた。また、主要な鳥獣については個体ごとの保護記録を掲載した。
森林管理など自然環境管理を考えるうえでかかせない概念であるエコシステムマネジメント(生態系の持続的な管理)について、その必要性と考え方、実行のために必要な仕組み等について基本的事項を提案した。
針葉樹人工林管理の中に生態的健全性の確保の視点を組み込んだ取組事例として、1)生態系管理モデル林の造成、2)従来型複層林の検証とモザイク林の造成、3)水辺林の植生修復、4)高齢人工林のモニタリングを紹介し、森林の多様な機能を生み出す人工林管理のあり方を提案した。
(敬称省略)
電話:046-248-0323
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