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更新日:2023年11月16日

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中井やまゆり園 ~再生への道のり~

中井やまゆり園の再生に向けた取組みに関するページです。

1 はじめに

 神奈川県では、令和2年7月に「障害者支援施設における利用者目線の支援推進検討部会」を設置して、中井やまゆり園(以下「園」という。)を含む全ての県立障害者支援施設における利用者支援等について検証を行い、令和3年3月に報告書がまとめられ身体拘束によらない支援を実践すべきといった指摘がされました。
 園においては、長時間に及ぶ身体拘束の実態を市町村に情報提供するとともに、県ホームページによる見える化を図りつつ有識者の意見を伺いながら改善に取り組んできました。

 令和3年9月には、支援改善を加速させるため「県立中井やまゆり園当事者目線の支援改革プロジェクトチーム(以下「改革PT」という。)」を設置し、改善に向けた検討をしてきました。県では、改革PTの助言を得ながら令和元年7月の骨折事案を再調査する中で、事実であれば不適切な支援に関する情報を複数把握したため、令和4年3月、改革PTのメンバーを構成員とする、「県立中井やまゆり園における利用者支援外部調査委員会(以下「外部調査委員会」という。)」を設置し、不適切な支援に関する調査を行いました。

 その結果、令和4年9月にまとめられた報告書では、調査した91事案のうち虐待が疑われる事案が25事案あったことなどが指摘されました。

 令和5年5月には、改革PTが「県立中井やまゆり園当事者目線の支援改革プログラム(以下「改革プログラム」という。)」を作成し、同年7月には、県は改革プログラムを実践するため「県立中井やまゆり園当事者目線の支援アクションプラン~一人ひとりの人生を支援する~(以下「アクションプラン」という。)」を策定しました。

 次のとおり、園の再生に向けた取組みをまとめました。

2 園の支援に係る指摘

時期 内容 主な指摘事項
令和3年3月

障害者支援施設における利用者目線の支援推進検討部会報告書(ルビなし版)(PDF:2,148KB)

障害者支援施設における利用者目線の支援推進検討部会報告書(ルビあり版)(PDF:2,902KB)

障害者支援施設における利用者目線の支援推進検討部会報告書(テキスト版)(テキスト:193KB)

身体拘束によらない支援方法の開発が不十分で重大な人権侵害が起きている
・身体拘束によらない支援を行うことの影響や要配慮行動が起こらない環境の検証がない
・外部との交流がなく、施設内での閉じた支援の仕組みとなり、支援について客観性をもって検討する仕組みがない
・本庁から改善に向けた指導が行われていない

令和3年9月
~令和4年2月

改革PTからの指摘

支援者は強度行動障がいを成育歴や社会環境が絡み合い、苦しんでいる反応として捉えることができていない
・身体拘束等、行動性自体は禁止行為であるという福祉現場の原則が意識されていない
・居室施錠を廃止していくことと日中活動を充実させることを、セットで考えていない
・身体拘束について指摘があった後も、本庁部署は、園と市町村に対応を委ねてしまい、積極的な姿勢がない
・原因が特定できない事故を安易に利用者同士のトラブルと断定する利用者の人権軽視とも取れる園の体質がある
・職員同士や管理職との適切なコミュニケーションが取れないなどの組織マネジメントの問題がある

令和4年3月

当事者目線の障がい福祉に係る将来展望検討委員会報告書(ルビなし版)(PDF:2,565KB)

当事者目線の障がい福祉に係る将来展望検討委員会報告書(ルビあり版1)表紙~41ページ(PDF:2,067KB)

当事者目線の障がい福祉に係る将来展望検討委員会報告書(ルビあり版2)42ページ~94ページ(PDF:7,451KB)

当事者目線の障がい福祉に係る将来展望検討委員会報告書(ルビあり版3)95ページ~最後(PDF:8,427KB)

当事者目線の障がい福祉に係る将来展望検討委員会報告書(テキスト版)(テキスト:286KB)

(注釈)ルビあり版は容量の関係で3つに分割して掲載しています。

計画相談がどのように実施されているか明らかにし、外部の目で支援内容を見て、社会から孤立しないような改善が必要
・市町村や相談支援専門員、障がい当事者など、第三者が積極的に出入りできる環境を作るべき
・民間施設よりも職員体制を手厚くしている中で身体拘束が行われている実態を把握し、支援内容の振り返りを行うべき
・当事者の人生や暮らし方について、当事者の願いや思いに耳を傾けながら一緒に考えていくという職員の意識改革を行うべき

令和4年4月

県立中井やまゆり園における利用者支援外部調査委員会調査結果(第一次)(ルビなし版)(PDF:530KB)

県立中井やまゆり園における利用者支援外部調査委員会調査結果(第一次)(ルビあり版)(PDF:929KB)

県立中井やまゆり園における利用者支援外部調査委員会調査結果(第一次)(テキスト版)(テキスト:41KB)

人権意識の大きな欠如が生じている
・県と園が虐待を認識できなくなっている
・利用者支援のアセスメントが不足している
・職員間での対立や風通しの悪さなど、人間関係の問題があったが、実態を把握していた幹部職員が現場を把握せずにマネジメント機能も失われていた
令和4年9月

県立中井やまゆり園における利用者支援外部調査委員会調査結果報告書(ルビなし版)(PDF:2,004KB)

県立中井やまゆり園における利用者支援外部調査委員会調査結果報告書(ルビあり版)(PDF:1,211KB)

県立中井やまゆり園における利用者支援外部調査委員会調査結果報告書(テキスト版)(テキスト:55KB)

利用者が望む生活を組み立てる意識が欠如している
・利用者の理解不足が要因で、人間としての尊厳回復ができずに重度化している
・地域資源との機関連携がなく、施設内での自己完結型の支援となっている
・本庁においても、入所させることに留まって、その後の各利用者の生活状況の変化を定期的に把握しようとせず、放置していた

※事実が判然としない24事案については、本庁と園が調査を継続することとなった

3 再生に向けた取組

 令和4年9月に外部調査委員会がまとめた調査結果報告書を踏まえて、改革PTが虐待が発生した背景の分析等を行い、令和5年5月に改革プログラムを作成しました。

 また、令和5年7月、この改革プログラムの提言を実践するために、取組内容やスケジュールを具体化したアクションプランを策定しました。

 今後、このアクションプランを確実に実行し、利用者一人ひとりが主体となれるよう人生を支援するとともに、障がい当事者が街の中で当たり前に暮らせる取組みを進めていきます。

令和5年5月

県立中井やまゆり園における利用者支援 外部調査委員会で調査継続となった事案の 調査結果報告書(ルビなし版)(PDF:756KB)

県立中井やまゆり園における利用者支援 外部調査委員会で調査継続となった事案の 調査結果報告書(ルビあり版)(PDF:1,314KB)

県立中井やまゆり園における利用者支援 外部調査委員会で調査継続となった事案の 調査結果報告書(テキスト版)(テキスト:68KB)

令和5年5月

県立中井やまゆり園当事者目線の支援改革プログラム(ルビなし版)(PDF:1,794KB)

県立中井やまゆり園当事者目線の支援改革プログラム(ルビあり版)(PDF:2,624KB)

県立中井やまゆり園当事者目線の支援改革プログラム(テキスト版)(テキスト:89KB)

令和5年7月

県立中井やまゆり園 当事者目線の支援アクションプラン ~ 一人ひとりの人生を支援する ~(ルビなし版)(PDF:1,205KB)

県立中井やまゆり園 当事者目線の支援アクションプラン ~ 一人ひとりの人生を支援する ~(ルビあり版)(PDF:1,840KB)

県立中井やまゆり園 当事者目線の支援アクションプラン ~ 一人ひとりの人生を支援する ~(テキスト版)(テキスト:43KB)

 

このページの所管所属は福祉子どもみらい局 福祉部障害サービス課です。